次世代型主力戦闘
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説明
全高10.0m 全長21.6m 重量42.0t
最高速度240km/h

武装

ハイパーレイザーファング スピニングキラークロー ハイパーキラークロー
スマッシュアップテイル
ケミカルシューター ビームバルカン
アサルトパルスレーザーライフル
人造ディオハリコン反応炉
耐UV偏向キャノピー
 

 ZAC2105年。
 第2次大陸間戦争が新国家ネオゼネバス帝国の誕生によって壮絶な幕切れを迎えた後、北の大国ガイロス帝国には大きな課題が残された。
 グランドカタストロフ以降の復興再軍備計画のほとんどを指揮していたのがネオゼネバス帝国旗揚げの首謀者であるプロイツェンだったことから、中央大陸に対して絶大なプレッシャーとなっていた国の威信は失われ、さらにZAC2101年段階で配備していた全てのゾイドの情報はネオゼネバス帝国に筒抜けであったのだ。
 その一方でネオゼネバス帝国はガイロス帝国からの防衛も名目として中央大陸を掌握している。近代以前からニクスを「暗黒大陸」と呼び怖れていた中央大陸人達の感情次第ではネオゼネバスの再侵攻もあり得る……。それがガイロス帝国軍の判断だ。
 プロイツェン亡き後正式に皇帝として国家運営に参画したルドルフは親共和国を掲げ、中央大陸奪還を目指すヘリック共和国軍の支援に乗り出していた。
 ルイーズ大統領を失い一軍団にすぎない共和国軍と、正しい国家体制を持つガイロス帝国の力関係は軍部にとっても望ましいものであった。支援に協力し「恩」を売る一方で、ガイロス帝国軍は自らの立て直しを始めていた――。

 西方大陸での開戦から始まった第2次大陸間戦争における軍事革新は、ガイロス帝国側ではほぼプロイツェンの功績であった。
 オーガノイドシステム、完全野生体……。それらの優位はガイロス帝国には残されていない。その一方で温暖で肥沃な大地を持つ赤道近辺の大陸と対等に渡り合うための軍事力はガイロス帝国にとって必要不可欠なものであった。
 刻一刻と変化していく中央大陸戦の状況を注視しつつ、少しでも早く軍事的優位を取り戻すべくガイロス帝国軍が決断したのは『旧大戦技術の復興』だった。ディオハリコン、重力兵器などのかつてガイロス帝国独自のものとして存在した技術はプロイツェンに御しきられることなく、またガイロス帝国人のナショナリズムを刺激するためか封印されていたのである。
 グランドカタストロフによって枯渇していた天然ディオハリコン資源に代わる人造ディオハリコンの開発は急ピッチで進み、またこの高密度エネルギー源を使用する新たなる主力戦闘ゾイドも並行して開発が行われた。
 そうして誕生したのが、XEZ-100「ピースメーカー」である。

 ピースメーカーは中型主力陸戦ゾイドとして、主にイグアン・レヴラプター・ヘルディガンナーといった機種の更新を目的とした機体である。
 二足歩行恐竜系ゾイドの汎用性を活かした素体に、ヘルディガンナー譲りの多用途火器を装備。簡易な狙撃戦から近接格闘戦までをフォローすることが可能。
 原型となったネオヴェナトル型ゾイドは西方大陸に生息する完全野生体ゾイド群の中に存在する中型種であり、共和国軍へのライガーゼロ・バーサークフューラー種供給のための捕獲作戦の中で確保された種である。
 完全野生体は強力な戦闘ゾイドの供給源となるが、ピースメーカーではあえて機体供給の安定性を確保するために捕獲したネオヴェナトル種を養殖した素体を用いている。ただし人造ディオハリコンを与えられて成長することで完全野生体ベースと同等のスペックを確保することに成功した。このことはガイロス帝国の旧来技術のポテンシャルの現われと見ることもできよう。

 アロザウラー級の体?を持つ高性能ゾイドである本機の就役が共和国軍にアロザウラー再生産を決意させたとの流言もあるが、実際の所本機は共和国軍支援の一環として輸出することも考慮された機種でもある。
 共和国仕様に合わせたキャノピーなどにその痕跡が窺えるが、なにより本機はその先行試作機を共和国軍とガイロス帝国軍の共同作戦に提供することでプレゼンテーションまで行われていた事実が存在する。輸出仕様では人造ディオハリコン機関はオミットされ代用エネルギー系を用いることで本国仕様の優位を保証する計画だったとされる。
 ジェノザウラーなどと共に派遣されたピースメーカーは共和国軍の興味を引くこととなるのだが、惜しむらくもすでに共和国軍にはZOITECという後ろ盾が存在していた。ガイロス帝国はこの純然たる軍需企業との間に「共和国の商売相手」としての競争を抱えていくこととなる――。

 格闘戦、射撃戦を得意とする機体やバランスの取れたゾイドを置き換えるに際して、ピースメーカーには全てにおいて高い水準での能力が求められた。
 しかし大戦中高性能を求めすぎたあまりにライトニングサイクスでのヘルキャット置き換えに失敗した経験を持つガイロス帝国軍は慎重であった。ピースメーカーは設計プランの中でも最も単純な形態でロールアウトされ、特化型の武装はオプションとする――CASやブロックスといった近年の軍事的潮流に則っている。
 だが継続して開発が続けられている本機のオプション類には野心的なプランも多数存在する。全てはディオハリコンがもたらす高出力と、素性のよい素体ゾイドを持つためであろう。
 現在提出されているプランは以下の通りである――。

PLAN A:Particle Beam Gun
PLAN A2:Beam Smasher
PLAN B:G-Cannon
PLAN C:Amphibious Assault Zoids
PLAN D:Airborne Zoids

 余談だが本機は開発段階では「シャドウ・アベンジャー」の名称が与えられていた。
 しかし親共和国路線を取る皇帝ルドルフ自ら、デルポイ人に対する心理的影響を察して現在の名称となった経緯が存在する。
 プロイツェン亡き今、ガイロス帝国は自らの本性を見据える時期を迎えているのかもしれない。
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タグ
ゾイド ガイロス帝国 暗黒ゾイド ネオヴェナトル型 ダナジン 

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