Octo Story 第20話「地上」 |
ここが、セキツイ中央孔……。
円柱型の建造物が、地上に繋がる中央エレベーター……。
どこまでも、どこまでも続く、高い、高い建造物。
電源はエネルギーコアの力により入っている。
この中央エレベーターに乗れば、ついに私は――地上に行く事ができる。
そして、アタリメ司令とセピアの反応も、近い。
私は真剣な表情で、オクタシューターを握った。
地上へ出るため、まず、インクレールを起動させ、上に載ってどんどん先に進んでいく。
「ジジィ、ひょっとして先に地上で待ってんじゃねーの?」
どんどん上に行っているのだから、きっと、地上に向かっているんだろうな。
うん……私は今、そう思いたい気持ちだった。
「お二人とも、無事ならいいですけどね〜」
イイダ……悪いが、余計な事は言わないでくれ。
また、嫌な予感が的中してしまう。
「ポリュープ! ヘリで迎えに行くから、ジジィと地上で待ってろよ」
テンタクルズは、もう地上に向かっているのか。
セピアとアタリメ司令も、そこにいるだろう。
私はそんな思いを抱きながらインクレールを渡り終え、チェックポイントを踏んだ。
すると、チェックポイントがある床が上昇する。
私の身体は上に向かってどんどん上がっていく。
地下の床が、だんだん小さくなっていくのを、私はじっと見つめていた。
「初対面の方にもヘリ出しちゃう先輩、素敵です♪」
エレベーターは地上に向かってゆっくりと上がる。
周りにはコンテナがあったため、暇を潰しに床やコンテナをインクで塗る。
「まー、『神がかったヘリ』とかゆーヤツ?」
「それを言うなら『乗りかかった船』ですね……」
「……最近は、そうとも言うみたいだな」
床とコンテナを粗方塗り終わった後、私は地上へ辿り着くまで待っていた。
すると、ガタン、という音と共に、中央エレベーターがいきなり停止した。
「あれ? エレベーターが……」
これはどういう事だ?
地上にはまだ着いていないのに、エレベーターが停止するなんて。
「……ん? 誰かいんゾ?」
ヒメの声で私が柱の上を見上げると、黒いマントがちらっと見えた。
それは、先に地上に向かったはずのセピアだった。
「あれ、セピアさんですよ!? でも、なんだか様子が……」
セピアは後ろ姿だったが、右後頭部に見慣れない緑の物体がくっついていた。
そして、私の目にはもう一人のイカの姿が見える。
――あれは、アタリメ司令!?
「ファーーーッ!! ポリュープか!? 助けてくれーィ!!!」
アタリメ司令は縄で縛られ、円盤に逆さ吊りにされていた。
そして、セピアがゆっくりと私の方に振り向く。
セピアの目は虚ろで、右後頭部にはネリモノがあった。
こいつは――デンワだ。
セピアはデンワに寄生され、操られてしまった。
そして、セピアはくるっと一回転した後、三回転して飛び上がり、
私に向かって飛びかかってきた。
スペシャルウェポン、スーパーチャクチだ。
「ゲーーッ!! 襲ってきやがった!」
「ポリュープーーッ! やられる前にやれィ! 戦場の鉄則ゥ!!」
セピアと私の一騎打ちが始まる。
といっても、私がやるべき事はただ1つ。
セピアを倒し、寄生したデンワを剥がすだけだ。
……カーリングボムを次々に投げてきた。
私はそれを全てかわし、オクタシューターでセピアを撃墜する。
その後、インクの中に潜って様子を伺い、リスポーン地点をじっと見つめる。
今度は、イカスフィアの中に入って転がった。
セピアは全てのスペシャルウェポンを使っている。
対し、私にあるブキはオクタシューターとスプラッシュボムだけ。
どうやら、セピアはデンワによってリミッターを外されているようだ……。
イカスフィアの爆発を避けた私は、セピアとの壮絶な撃ち合いとなる。
私の攻撃を素早くかわし、容赦なく攻撃する。
くそ、攻撃が当たらないな。
だが……何度か攻撃すれば、いずれ当たる。
よし……何とかアーマーを剥がしたぞ。
またリスポーンするか、と思ったら、
アタリメ司令が吊るされている円盤の上でレーザーをぶっ放してきた。
私はレーザーを避けた後、隙を突いてセピアにスプラッシュボムを投げつけた。
「やったか!?」
やめろ。こういうのは決まってフラグだ。
「まだじゃーッ! まだ終わっとらーーん!」
予想通り、円盤の上からセピアが復活した。
これは、スーパーチャクチだが、箱の上にいたので当たらずに済んだ。
だが、私がいた場所にリスポーン地点が現れ、私はすぐにそこから退避した。
次々とスーパーチャクチをしていくセピア。
このまま放っておいては、セピアは死んでしまう。
私はセピアに近付かず、離れすぎず、絶妙な距離を保ってオクタシューターを構える。
セピアとの壮絶な撃ち合いが始まる。
素早く乱射するセピアと、確実に狙っていく私。
数が勝つか、一撃が勝つか。
私は祈りを込めて、セピアにインクを撃った。
「……!!!」
そして、私の最後の一撃が決まった。
――セピアをたおした!――
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ラスト・ラストステージ、寄生3号戦です。 | ||
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