紅魔郷伝説フランドール 第一章 第二話 |
咲夜は、紅魔館から飛び出た。
咲夜は、心象として、黒々しい心象を持っていた。それは悪。感情である。サタンの深みとも言われるその感情は、快感ではあったが、愛の様ではなく、愛と勘違いする人もいるらしいが、全く逆の感情であった。
悪は、咲夜としては主軸としている感情であった。つまり、それを生活の基本にしているのだった。
しかしながら、一度、レミリアにその感情を悟られた事があった。憐憫をレミリアに垂れられ、咲夜は恥ずかしい思いをした。その後は、あまりレミリアの前では出していないが、こうして、紅魔館を出る時には、思う存分出すのだった。
空を飛んでいると、暗闇が空を飛んでやってきた。
咲夜は、臆せず暗闇に突っ込むと、中に少女がいた。
ルーミアである。
ルーミアは、「こんにちは、咲夜」と挨拶した。
咲夜は驚いて、「知的そうなルーミアみたいね」と評価した。
ルーミアは、黒い肩までしかないドレスと下に白い長袖の服を着ており、黒いスカートを履いていた。
金髪の赤いリボンを左に付けていた。
「否、私は“フランドール”。紅魔郷伝説の化け物よ」
「化け物?少女にしか見えないけど」
「私はルーミアみたいに見えるけど、実際は化け物なの」
「そう」
咲夜は納得しなかったが、とりあえず会話を打留めにした。
「あなたには、懐かしい邂逅がその内ある」
「前メイド長の事?予言なんてするの」
「けれども、残酷な邂逅もある」
「残酷な?」
「私の同類“フランドール”との出会い」
「そう」
これも打留めした。
「じゃあ、これで」
「私も最初から用はなかったから、これで」
「あなたはどうするの?」
「私はレミリアお嬢様に付いていけばいい」
「あなたの忠義がどうか救いと成る様に」
「神に祈るの?」
「あなたの為に祈るの」
「そう、ありがとう」
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咲夜が”フランドール”と邂逅する話。 | ||
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