鬼畜王文台 蘇りし虎は曹魏を食らう 11 第十章三節 |
度量・単位について:
単位は、以前は後漢当時の単位に換算しておりましたが、
非常に面倒なので、本節以降は日本伝来のものに切り替えることにしますた。
正直やってらんねーお(;^ω^)
作者から一言:
今回は行軍中の一幕を切り取った形なので、ちんこの回想が多めです。
ご了承を。
孫呉の進軍ルート:
蜀軍の進軍ルート:
第十章
-3-
〜寿春南方十里(40km) 大本営天幕〜
魏軍兵士「報告します! 十六番隊を率いている郭嘉将軍より、
隊内で民間人同士の揉め事が発生したとのことです!!」
煌蓮「鎮圧! 黄蓋を差し向けろ!! それでも駄目そうだったら夏侯惇だ!!」
魏軍兵士「はっ!!」
劉備軍兵士「報告!! 汝南方面より、我らへの帯同を希望する義勇軍と思わしき二千ほどの集団が
文台様・もしくは曹操様に面会を求めております!!」
華琳「分かったわ。 後でその頭(かしら)を大本営に来させなさい!」
劉備軍兵士「了解!!」
呉軍兵士「申し上げます!! 五番隊の張飛将軍より、
先ほど八番隊の陸遜隊を襲った大熊二匹を征伐したとのことです!!」
煌蓮「わかった。 その暴れ熊どもは、熊汁にして食っちまいな!!
毛皮はとっときな。 同行してる商人どもに見せれば良い値で売れるよ」
呉軍兵士「御意!!」
華琳「…ふぅ、ようやく一段落ですね…」
煌蓮「まぁこの軍勢だからねぇ、揉め事やいざこざの一つ二つはあろうさ。
それより華琳ちゃん大丈夫かい? 眠いんだったら寝たほうがいいよ」
華琳「いえ…お心遣い感謝いたします。 ですが、ここは元々私の領地だった場所。
私が監督せねば配下の者たちが戸惑うことでしょう。
それにまだ交代の時間ではございませんので」
煌蓮「んなこと言ったって、目に隈が出来てるじゃないか。
そんな目をこすりながら仕事したって、得るものなんか何もありゃせんよ。
オラァ、寝た寝た!!」
孫堅は華琳をヒョイッと抱えると、そのまま奥の寝所まで無理やり放り込んでしまった。
煌蓮「おい! あたしらは疲れたから少し寝るよ。
日が暮れたら起きるから、それまでの間に何かあったら坊主の指示を仰ぎな、いいね」
魏軍兵士「はっ、了解です! それでは文台様、お休みなさいませ」
魏呉百五十万が、ゆっくり、しずしずと大蛇のように歩みを進めていく。
先発部隊から殿までを見渡すことは、到底出来はしない。
先鋒の明命たちはすでに寿春に到着していたが、
殿の思春の部隊は、まだようやく合肥を出たところだという。
幼児や老人の歩く速度に合わせているので、その行軍の速さは、一刻に一里(約4km)もないだろう。
周辺一里には常に一部隊五十人単位の斥候団を放ち、厳戒態勢をとっていた。
何せこれだけの大規模な軍団だ。 奇襲等があってはひとたまりもない。
石橋を叩いて叩き壊すぐらいの、慎重な進軍が求められていた。
こういうときに賊仲間の情報は役に立つ。
近くに黄巾党の残党共が潜伏している可能性が高いときは、まず真っ先に彼らが俺たちに進言してくれた。
義勇兵と称して実際は野盗の集団である場合も、彼らはそれを一瞬で見抜き、
俺たちに殲滅すべき相手であることを知らせてくれた。
そう。 先ほどの連中は、クロ。
彼らは義勇兵を僭称した盗賊どもの寄せ集めだったのだ。
なぜそれが見破られたかというと、義賊たちの中に黄巾党から足を洗った者が混じっており、
その人物が彼らと面識があったからだった。
その義賊は文台様によって。褒美として禄を与えられた。
それにしても、これではまるで難民キャンプだ。
まず一度目の川渡りが、建業を出てすぐ。 二度目は、今滞在している寿春を出てすぐ。
これから渡る事になる三度目は、長杜と許昌との間。
長杜でいったん休息を取った後、許昌入りし、物資補給や人員交代を済ませ、
再び長杜に戻りそこから官渡に入って、ようやく洛陽入りする。
先はまだまだ、長かった。
本当なら、建業から院口に入り、そのまま北荊州入りして新野から南陽に、
そこから函谷関の西側から回りこんでそのまま洛陽に入ってしまう方法が一番手っ取り早かった。
実際、桂花や稟もその案を提唱した。
だが、それは出来ない。 俺と冥琳はその案に反対した。
冥琳『南北両荊州は、今や蜀の敵地。 敵地の真っ只中を危険を犯してまで行軍すべきではありませんな』
恐らく二人は、蜀の軍が平民に手を出していないことを逆手に取り、
敵地を堂々と進軍して、相手を威嚇しようと考えていたのだろう。
でも、もし相手が平民だろうとお構いなしに襲い掛かってくる凶暴な連中だとしたら。
それで奇襲を受けて民間人に被害が出でもしたら、目も当てられないのが実情だった。
結局文台様は、行軍に大きく日数や費用がかかっても、
安全策をとることにしたのである。
それから白蓮の牙門旗であるが、呉に転籍するとともに、
文台様の強権発動により、前のセンスの悪い桃色の旗から新しい代物に取り替えられてしまった。
それがこの旗、文台様曰く『暴れ公孫』の御旗である。
……モロ孫家の旗なんですが。
余すところなく孫呉テイストを発揮しまくってるぜ。 あいつらの隣に掲げても違和感ないぞオイ。
さらに白蓮には、洛陽に着いたら南海覇王とほぼ同性能のレプリカが二刀流式で支給される上に、
衛将軍に格上げされるんだとか。 なんと好待遇! 公孫賛改造計画万歳!!
がんばれよ白蓮! 普通からの脱却はもうすぐだ!!
衛将軍っていったら、穏と同格だぞ、やったね。
でも天譴の位は大将軍相当。上から二番目なのだ、わはは。
尤も自分では、そこまでえらくなった覚えはないけれどね。
というわけで、華琳と文台様から交代した俺と愛紗は、
大将席と参謀席に座ると、たまった仕事を片付けることに専念し始めた。
桃香と雪蓮のアホ二匹が、二人して一緒にサボりまくってるからやることが山積している。
文台様の怒号咆哮を食らってもまたサボるんだから手に負えん。
稟「北郷殿、少々宜しいでしょうか?」
一刀「ん、なんだい?」
稟「はっ。 この先の焦に向けての道のりに関してなのですが、
これより先には、周辺に村や川などはほとんどない上に、
合肥からここに至るまでの倍以上の行軍距離を必要とします。
その上、岩石地帯が続くので、休憩に適する場所は非常に限られております。
ここ寿春にて万全な備えを以って行軍されるのが宜しいかと」
一刀「わかった。朱里と冥琳にそう伝えておいてくれ」
稟「了解です」
一刀「愛紗、すまんけど行軍日誌を持ってきてくれ」
愛紗「はっ、こちらに」
一刀「ありがとう。 どれ……」
俺は愛紗から『孫呉行軍日誌』と書かれた一冊の書物を受け取ると、
中に書かれている事項に目を通し始めた。
一刀「…これはなんて書いてあるんだ?」
愛紗「急病で、華佗殿より治療を受けた民が、昨日は三名、と…」
一刀「急病人が出たのか…さすがにここまで来ると民衆の間に疲れが出始めるか」
愛紗「すでに建業を離れて半月が経過していますから…民衆の間にも疲労が蓄積しているのでしょう」
一刀「そうか…天和たちに慰労の歌会を催してもらったほうが良いかもな…
季衣と流琉に手配を任せるか。 あとは…糧食か。
このままの配分で行くと許昌に着くまで持つかどうかだな。
思ったより食糧の消費が大きい。 水の補給も考えないといけないし…
こいつはちと厄介だな」
愛紗「……いかがいたしましょう、ご主人様?」
一刀「うーん…下丕からじゃ遠すぎるか…彭城と梁・陳留の三箇所から
余剰分の供出が可能かどうか華琳に打診したほうが良いなこりゃ…
メシが足んねぇと話にもならないしな」
愛紗「申し訳ありません…私は糧食のことに関しては専門外ですので…」
一刀「いや、愛紗は良くがんばってるさ」
ナデナデ
愛紗「………!?」
一刀「…ん? どうした、真っ赤になって」
愛紗「ご、ごごごごごごごご主人様!!?? 何を!?」
一刀「ん? 何って…頭なでてやっただけだけど?」
ナデナデ
愛紗「……!!!!(真っ赤)」
あ、ヤベェ。
こりゃ愛紗の奴、スイッチONになっちまったな。
愛紗「ご、ごごご主人様、今夜は、私と、その…」
うん、予想通り。
これは応えてやらないわけにはいかないね。
今度は愛紗と誰を絡ませよう?
おとといは桃香、その前は霞、さらにその前は蓮華と雪蓮…。
菖蒲「失礼します、主上、関羽殿…昼食をお持ちいたしました」
悠「入るぞー、親方ぁー」
標 的 発 見。
この儀式が済めば、この二人も愛紗と真名を言い合う仲になるだろう。
間違いなく。
穏・風「……ぐーー……ぴゅるぴゅるぴゅるぴゅる………」
一刀・愛紗「寝るなっ!!」
穏・風「おおぅっ!?」
大本営より半里はずれた人ごみの中。
そこに、名物漢女、貂蝉と卑弥呼の二人が密会を行っていた。
卑弥呼「貂蝉よ、管路様から文が届いたぞい」
貂蝉「どぉれ? 見せてちょうだい」
卑弥呼「これだ」
貂蝉は卑弥呼から羊皮紙でくるまれている一通の文を受け取った。
常人が見ても何が書かれているのかまるで分からないが、
彼らはそこに書かれている文字を全て理解しているかのようにすらすらと目を通していく。
この時代、この世界にはありえないはずの文字。
はるか西方の果ての国、大夏(だいか = ペルシャ)のさらに西にある、
猶太(ゆうたい = ユダヤ)や大秦で使われている文字。
おそらく、あの北郷一刀が見れば、これらの文字の羅列は『ギリシャ語』だと解釈するだろう。
だが、北郷たちには理解できる文字でも、大陸の民にとっては、それは立派な暗号だった。
しかも、いくら北郷であろうとも、その文字がどういう種類の文字なのか判別できるだけで、
書かれている内容までは分からないであろう。
やはり、この二人はさまざまな意味で常軌を逸していた。
貂蝉「(時期が来れば我も動く。 それまでの間、御遣いのことをよろしく頼む。
くれぐれも、否定派の者どもを、御遣いとその仲間らに近づけさせてはならぬ。
卑弥呼が我が命にて倭国を離れ連中を煽った結果、
彼奴等はうまいこと行動を始めてくれた。
蜀の皇帝と称す劉表、およびその部下である許貢と黄祖も、
あの青二才共が呉に差し向けた傀儡なり。
連中を生かしておいてはならぬ。孫堅に殲滅させよ。
なお、本状は卑弥呼・貂蝉両者が閲覧を終えた時点で、自動的に文字が消去される……)」
卑弥呼「貂蝉よ、これからが厳しくなるぞ」
貂蝉「えぇ、卑弥呼」
彼女(?)らは、お互いだけに納得した様子で、再び持ち場に向けて爆走していった。
十日後、魏呉の大軍勢は北西にある焦に向けて進軍を再開した。
孫堅が洛陽に到着するまで、あと二ヶ月のことである。
第十章三節終了
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ハムww(零壱式軽対選手誘導弾) やっと白蓮も報われる日がきたーーーーー(ブックマン) 白蓮の改造ぶりに驚いたwww(キラ・リョウ) 白蓮大改造w(りょんりょん) ちょw白蓮www改造計画が半端無いんですがw(クロ) |
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