あはれ!名作くん【夢見たい 魔法少女】
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ナレーション『よく晴れた天気の良いある日。

       名作くん、スウィーツ、むすびの三人は

       サッカーで遊ぼうと【竜宮第一公園】にやって来ていた。

       しかしそこで、派手な格好をした変な女の人と出会うのだった…』

 

 

女性「みんなの夢は、私が守る!

   ミラクル・ユメリン! ・・・参上?」

 

 

名作「・・・なんだっ、この人!?」

 

 

ユメリン「夢は幸せを運ぶ不思議な魔法・・・」

 

名作「あ、あのーすみません」

 

ユメリン「希望は平和を生み出す奇跡の魔法・・・」

 

名作「えーと、ちょっとすみませーん」

 

ユメリン「二つの魔法が私のパワー! 命ある限り私はたたk」

 

名作「ちょっっっと、すいませええぇぇーんん!!!!」

 

 

ユメリン「なによ〜! 人が登場の台詞言ってる時に! 邪魔しないでよ!」

 

名作「いや別に邪魔したいわけじゃなかったんですけど・・・

   お姉さんは一体誰なんですか?」

 

ユメリン「ウフッ♪ 私は、みんなの夢と希望を守る・・・ミラクル・ユメリン?

     ・・・よっ! さっき聞いてたんでしょ?」

 

名作「いや、そのミラクル・ユメリンっていうのがわからないんですけど」

 

スウィーツ「夢や希望を守るってどういうこと?」

 

ユメリン「にっぶいわねー! この格好見てわかんないのぉ?

     私は、『魔法少女』なの!」

 

名作「魔法少女?」

 

ユメリン「私は魔法少女もののアニメに憧れているの。

     魔法少女アニメには数々の名作があってね・・・

     女の子の夢や願望を叶えてくれる、

     まさに魔法をかけられたような気持ちにさせてくれる

     ステキな作品ばかりなのよ〜?」

 

名作「へぇ〜、そうなんですね!」

 

むすび「魔法少女って事は、

    ユメリンさんは魔法が使えるんですか?」

 

ユメリン「もちろんよ!」

 

スウィーツ「えぇー!? すごい!!

      ねぇねぇ! 魔法見せてよ!」

 

ユメリン「えっ!? い、いや見せろって言われても・・・」

 

むすび「とりあえず魔法で一兆円出してほしいですぅ!

    もちろん現金でッ!!」

 

ユメリン「ちょ、ちょっとあなた達・・・」

 

スウィーツ「僕をアルマジロに変えてください!

      アルマジロになりたいですっ!!

      アルマジロッッ!!!」

 

名作「やめなよ、困ってるだろ! それになんでアルマジロになりたいんだよ?」

 

スウィーツ「体丸めて、永遠に坂道を転がってみたくて・・・」

 

名作「絶対途中で嫌になるぞそれ!」

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ユメリン「あのねぇ、私の魔法はそういうタイプのもんじゃないのよ!」

 

スウィーツ「な〜んだ、つまんないの」

 

むすび「ガッカリですね。魔法少女が聞いて呆れるです」

 

名作「お前は強欲すぎるんだよッ」

 

ユメリン「ていうかちょっと気になったんだけど・・・

     あなた達、【魔法少女】に対してどんなイメージを持ってるの?」

 

名作「えっ、どんなイメージ? うーん・・・まず魔法が使えて…」

 

むすび「ホウキに乗って空を飛んで…」

 

スウィーツ「ホウキに乗ったまま掃除をする」

 

名作「いや、ホウキに乗ったまま掃除はしない!

   ・・・えぇーっと、なんとなくですけど、

 

   『魔法使いの国から人間の世界にやって来た女の子が、

    身の周りで起こる騒動を魔法を使って解決する』

 

   ・・・みたいな感じですかね?」

 

 

ユメリン「なるほどね・・・・・・古いッ!!!!」

 

名作「古い??」

 

ユメリン「はっきり言ってあなた達が抱いてる

     魔法少女のイメージは古すぎるわ!

     今時の魔法少女はそんなスケールの小さい事はしないの!」

 

名作「スケール」

 

スウィーツ「じゃあ今時の魔法少女って何するの?」

 

ユメリン「敵と戦うのよ!」

 

むすび「戦う??」

 

名作「そういうのって普通、男の子向けのヒーローがやる事じゃないんですか?」

 

ユメリン「本っ当に何も知らないのねー!

     それが今の魔法少女のスタンダードなのよ!

     大体魔法少女が戦ったらいけないなんてルールはないでしょ?

 

     男のヒーローはバトルしてもOK?

     女のヒロインはバトるのNG??

 

     あぁ!? んなワケねーじゃん!! んなもん男女差別だろーがぁ!?」

 

名作「興奮して言葉遣い荒くなってる!?」

 

むすび「少女らしさが微塵もないです!」

 

 

 

ユメリン「ユメリン! ユメリン!」

 

名作「んっ? なんだ??」

 

ユメリン「ユメリン、ソンナコトシテルバアイジャナイヨ! タイヘンダ!」

 

スウィーツ「急にどうしたんだろ?」

 

むすび「棒読みの独り言はじめたです」

 

ユメリン「大変? 一体なにがあったのピータン!」

 

名作「ピータン??」

 

ユメリン「紹介するわ、この子は私のパートナー! 妖精のピータンよ♪」

 

 

名作「いや人形じゃねーか!!」

 

 

ユメリン「な! なに言ってるの! この子のどこが人形なのよ!?」

 

名作「だってお姉さんの手が胴体に入ってるし・・・」

 

スウィーツ「口は中で手をパクパク動かすやつだよね」

 

むすび「それがしゃべってる時ユメリンさんもしゃべってますし」

 

 

ユメリン「ふっざけんな! これは私のパートナー!!

     妖精!! 妖精なの!!! 

     生きてるの!!! 人形じゃなくてようs」

 

名作「わ、わかった! わかりました! 

   ピータンは人形じゃありません! 妖精ですっ!!」

 

ユメリン「わかればよろしいっ

     ・・・で、ピータンどうしたの?

 

     ウン、ソレガネ…うんぬんかんぬん・・・」

 

 

名作「また独り言はじめた・・・」

 

スウィーツ「腹話術の練習くらいした方がいいんじゃない?」

 

 

ユメリン「なんですって! 竜宮第二公園にユメコワースが現れた!?」

 

名作「また新しい単語が出てきたな」

 

スウィーツ「ユメコワースだって」

 

ユメリン「ユメコワースはこの世界を侵略しに来た悪いヤツらよ。

     その目的は人々の夢を壊して絶望に追いやる事なの!」

 

むすび「そのまんまですね・・・」

 

 

ユメリン「こうしちゃいられないわ、みんなの夢を守らないと!

     ピータン行くわよ! ・・・オー!」

 

 

        タタタタタタタタタタタ・・・

 

 

名作「・・・行っちゃった」

 

スウィーツ「どうする?」

 

名作「・・・・・・帰ろっか」

 

むすび「そうですね」

 

 

ユメリン「なに帰ろうとしてんだぁあー!!」

 

 

名作「うわぁ!? 戻ってきた!」

 

ユメリン「あんた達気にならないの!?

     ユメコワースがどんな奴なのか

     私がどんな魔法使うのかとかさぁ!!」

 

名作「いやぁ正直どうでもいいというか・・・」

 

むすび「うさん臭いです」

 

スウィーツ「そもそも僕達ここでサッカーするつもりだったし」

 

 

ユメリン「いーや! あなた達もついて来なさい! 決めたわ!

     魔法少女の戦いがどういうものか、あなた達にも見せてあげる!」

 

三人「「「ええぇー・・・」」」

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謎の男「フハハハハハハ! 来たな、ミラクル・ユメリンよ!」

 

 

むすび「ジャングルジムの上に誰か立ってますよ」

 

スウィーツ「危ないなぁ」

 

名作「あの人がユメコワースか?」

 

ユメリン「出たわね! ユメコワースの幹部、ユメガナーイ!!」

 

名作「これまたそのまんまな名前っ!」

 

 

ユメリン「あなたの勝手にはさせないわっ!

     夢は幸せを運ぶ不思議な魔法・・・」

 

スウィーツ「あ、最初に言ってた台詞だ」

 

ユメリン「希望は平和を生み出す奇跡の魔法・・・

     二つの魔法が私のパワー!

     命ある限り私は戦いつづk」

 

ユメガナーイ「ファアーハッハッハッハッ!!! 

       ミラクル・ユメリン! ここが貴様の墓場になるのだー!!!」

 

名作「敵にも台詞さえぎられた!!」

 

 

 

ユメリン「・・・・・・命ある限り私は戦い続ける!

     みんなの夢は、私が守る! ミラクル・ユメリン・・・参上?」

 

スウィーツ「あれっ、一応最後まで言ったね?」

 

 

ユメリン(オイッ、マダワタシノセリフノトチュウデショーガッ)

 

ユメガナーイ(ア・・・ゴ、ゴメン・・・)

 

 

むすび「小声で怒られてる・・・」

 

名作「あの悪役もなんで謝ってんの?」

 

 

ユメガナーイ「フッ、では気を取り直して…

       いでよ、我がしもべ! アンチドリームモンスター!!」

 

 

怪物「ギャシャシャシャアアアアアアアアア!!!!!!」

 

 

名作「うわぁ!? なんだこいつ!!」

 

むすび「見るからにヤバそうな化け物です〜!!?」

 

スウィーツ「・・・」

 

名作「あれ? スウィーツ驚かないの?」

 

スウィーツ「家でああいう感じの家来を飼ってるからね」

 

名作「あぁ、前に【ヘラクレスオオムカデ】の散歩とかしてたもんね・・・」

 

 

ユメガナーイ「ゆけ! 今日こそミラクル・ユメリンを倒すのだ!」

 

怪物「ギャシャアアアアアアアアア!!!!!!」

 

 

ユメリン「かかってきなさい! 返り討ちにしてあげるわ!」

 

名作「ユ、ユメリンさん! あんな怪物に勝てるんですか!?」

 

ユメリン「危ないからあなた達は下がってなさい!

     見せてあげる。夢を守る魔法少女の戦いを!」

 

むすび「一体どんな戦い方を・・・」

 

スウィーツ「きっと魔法を使うんだよね?」

 

名作「多分、RPGの魔法使いみたいに

   炎や氷を出す呪文を唱えるんじゃないかな?」

 

 

怪物「シャアアアアアアアアアア!!!」

 

 

ユメリン「ユメユメミラクルー・・・」

 

 

スウィーツ「呪文みたいなの唱えだしたよ!」

 

名作「どんな魔法なんだ・・・!?」

 

 

ユメリン「キセキンドリムー・・・・・・

 

     ユメマモリィイイーン!!!!」

 

        バキィィィィィィィィ!!!!

 

怪物「グギャァアアアアアア!!!!!!!」

 

 

名作「パンチしたぁ!?」

 

 

ユメリン「ユメユメミラクルキセキンドリムー・・・・・・

 

     ミラコォオーリィイイーン!!!!」

 

        グシャアアアアアアアアアア!!!!

 

怪物「ギギェェェアアアアアアアア!!!!!!!」

 

 

むすび「今度はキック!?」

 

 

ユメリン「ユメユメミラクルキセキンドリムー・・・・・・

 

     ユメハカナウキセキハオコルゼッタイニィィー!!!!」

 

        めきめきめきめきめきめきめきめきっ!!!!!

 

怪物「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」

 

 

スウィーツ「逆エビ固めが決まったぁぁあ〜!!!!」

 

名作「どこが魔法だよッ!!!!」

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ユメガナーイ「おのれぇ〜覚えていろ! 次はこうはいかんぞ!」

 

 

        タタタタタタタタタタタ・・・

 

 

スウィーツ「走って帰ってったね」

 

名作「普通ああいう悪役って、逃げる時はテレポートで消えるもんだけどね・・・」

 

 

ユメリン「やったぁ? 今日もみんなの夢は守りぬいたわ!

 

     ・・・と、いうわけでどうだった?

     これが魔法少女の戦いよ! 私の魔法、凄いでしょ♪」

 

名作「う〜ん…、凄いっていうか思ってたのと全然違うっていうか・・・」

 

スウィーツ「殴ったり蹴ったりするのが魔法なの?」

 

むすび「最後はただのプロレス技です」

 

ユメリン「細かい事気にしてんじゃないの!

     魔法少女が魔法だと言えば、なんでも魔法になるのよ!」

 

名作「そういうもんなのぉ・・・?」

 

 

おばあさん「こりゃあー! マホッ!」

 

 

ユメリン「げっ!?」

 

名作「あっ、【だがしの家】のおばあさん!」

 

 

おばあさん「また店番をさぼって遊んでたのかい?」

 

ユメリン「お、おばあちゃん・・・」

 

名作「え!? おばあちゃん??」

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名作「じゃあ、ユメリンさんは本当は【マホ】さんって名前なんですか?」

 

おばあさん「そうじゃよ、あたしの孫なんじゃ」

 

スウィーツ「やっぱり本物の魔法少女じゃなかったのかー」

 

むすび「ただの痛いコスプレイヤーですね」

 

ユメリン(マホ)「ちょ!? 痛いとか言うな!」

 

おばあさん「マホや、本当の事を話しておやり…」

 

 

マホ「・・・そうよ、私は魔法少女でもなんでもない。

   現在無職、27歳のただの女よ。」

 

名作「27だったんですか!?」

 

むすび「少女を名乗るには無理がある年齢!」

 

スウィーツ「むしょくってなに?」

 

名作「仕事をしてないって事だよ」

 

 

マホ「し、就活はしたわよっ!

   でもどこの面接を受けても落とされまくってね・・・

   そんな事を繰り返すうちに、社会に出るのがおっくうになっていったの…」

 

おばあさん「あたしもこのコが不憫でねぇ。

      なら無理に職を探さなくてもいいから、

      せめて店の手伝いだけはしておくれと言ったんだけど…」

 

名作「いつもお手伝いを抜け出して魔法少女ごっこをしていると。

   ・・・あれ? でもそれじゃあ、あのユメコワースの幹部って人は?」

 

マホ「あれは私の彼氏よ」

 

名作「彼氏!?」

 

ユメガナーイ(彼氏)「その通り!」

 

怪物「グギャア・・・」

 

名作「いつのまに戻ってきた!?」

 

 

彼氏「僕もマホちゃんと同じく魔法少女アニメが大好きでね。

   意気投合して、こうしてごっこ遊びをするほどの仲になったんだ」

 

むすび「マホさんもそうですけど、メイクまでして本格的ですね」

 

スウィーツ「遊ぶうちに付き合いはじめたんだね〜」

 

名作「えっ、じ、じゃあこの怪物は・・・?」

 

怪物「シャアア・・・」

 

彼氏「僕のペットの犬だよ」

 

名作「イヌゥ!? これ、イヌゥ!?!?」

 

 

 

彼氏「・・・ねぇマホちゃん、 もう…やめにしないか?」

 

マホ「えっ!?」

 

 

彼氏「おばあさんを困らせるのはやっぱり良くないよ。

   魔法少女ごっこは、ひとまず今日で最後に・・・」

 

マホ「き、急になに言いだしてんの!? 冗談じゃないわ!

   来週の日曜もやろうって決めてたじゃん!?

   これからも私にユメリンを演じさせてよっ!」

 

 

彼氏「マホちゃん! この際はっきり言うけど・・・

   こんな事続けてちゃ、いつまで経っても君の夢は叶わないよ!!」

 

マホ「!」

 

名作「マホさんの夢…?」

 

おばあさん「マホ・・・」

 

 

マホ「わかってる・・・わかってるわよっ!

   おばあちゃんにも迷惑かけて、悪い事してると思ってる…

 

   でも私にはこれしかないの! 現実に夢も希望も見出せない私は、

   憧れの魔法少女っていう、永遠の夢の世界でしか

   自分が生きてるって実感が持てないのよ!

 

   どうせ無理なのよ、私には。

   自分の夢を実現させるなんて・・・」

 

 

 

名作「…マホさんは、みんなの夢と希望を守る

   ミラクル・ユメリンなんですよね?」

 

マホ「え?」

 

名作「そんなミラクル・ユメリンが、夢も希望もない、

   夢は叶えられないなんて言うのは・・・悲しいですよ!

 

   それに、マホさんが憧れる魔法少女アニメの主人公達だって、

   夢を諦めない事の素晴らしさを、『魔法』を通して

   マホさんに教えてくれたはずです!

 

   ミラクル・ユメリン! みんなの夢を守るのと同じように、

   マホさんの夢も・・・守ってあげてください!!」

 

 

マホ「め、名作くん・・・」

 

 

スウィーツ「そうだよ! 魔法が使えなくても夢は叶うって!」

 

むすび「ポジティブにいくです!」

 

 

マホ「あなた達・・・ありがとう!

   おばあちゃん! 私、もう一度自分の夢を追いかけてみるわ!」

 

おばあさん「いっひっひ! マホや、がんばるんじゃよ!」

 

彼氏「マホちゃん、僕も応援するよ!」

 

怪物(犬)「シャシャシャシャシャ!!!!」

 

 

名作「よかったよかった!

   ・・・ところで、マホさんの夢ってなんなんですか?」

 

マホ「フフッ♪ 私の夢はね・・・・・・

 

   世界トップ企業の社長秘書になって、

   ゆくゆくは石油王と結婚して億万長者になって、

   最終的には太陽系の惑星全部に宮殿くらい大きな別荘を建てる事よ!」

 

 

名作「魔法使わなきゃ無理じゃね!?」

 

 

 

ナレーション『めでたしめでたし!』

説明
『あはれ!名作くん』が普通に面白すぎて、なんとなく妄想してしまった
ストーリーを文章化してみました。
名作くんっぽい感じに書いたつもりだけどどうでしょうか…?
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