チートでチートな三国志・そして恋姫†無双
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第69話 演武

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、ウチの祭と劉備殿の将で演武という名の一騎打ちをやってみねえか? 俺が出てもいいんだが、勝たねえと大変なことになるしな。」

 

そう言うと炎蓮は女?と愛紗を見た。女?に勝つのはまず無理だし、愛紗に勝つのも相当の力がいるだろう。

 

 

「一刀君、お前さんの将で一番強いのは誰なんだ?」

 

「愛紗。いや関羽だよ。ウチで最強であるのは、間違いなく関羽だ。」

 

愛紗が負けたら終わり。ある種一蓮托生と言っていいかもしれない将、それこそが愛紗だ。俺がそう答え、愛紗が前に出ようとしたとき、悠煌がそれを遮るように前に出た。

 

「関羽殿は我が軍最強の将、それは間違いないでしょう。しかし、だからこそもしも、万が一があっては困るもの。今回は私に出させていただけませんか?」

 

確かに、愛紗が負けたら軍の士気は下がるし大変なことになるだろう。一方でこの間の季衣のときのように、一瞬で決着がつくのは、それはそれで外交上よろしくない気がしてきた。これをうまく落とし込むのは難しいぞ……。

 

「ケ茂を一発で射貫き、趙雲殿と並んで劉備軍2枚看板の一角、張?殿との一騎打ちとは、これは将冥利に尽きますのう。」

 

「しばしお待ちを。星、始める前に鴻鵠を呼んできてもらえますか?」

 

「承知。」

 

星はにやりと笑うと鴻鵠を呼びにいった。天和たちの監督不行き届きを怒るつもりなんだろうか……?

 

「お待たせしました。悠煌殿、鴻鵠ただいま参りました。!? 天和!? お前たち、なぜここに?」

 

「あはは……。」

 

「その話は終わってからで大丈夫です。黄蓋殿の武器はあなたと同じ棍棒のよう。この一騎打ちを見るのはあなたにとって学ぶことが多いでしょう。私が勝つにせよ、負けるにせよ、ね。」

 

 

「は、はい!」

 

なるほど……。それで鴻鵠を呼んできたのか。たしかに黄蓋さんの武器は一本だけとはいえ棍棒のようだ。同じ武器を持つなら確かに勉強になることは多そうだ。

 

「後事を考え、将を伸ばすこともきちんと考えておるとは、さすがは劉備軍の将じゃのう。

 

ではよいか!?」

 

「何時でも。」

 

「参る!」

 

黄蓋さんはそう言うと、突っ込んで一撃。悠煌がどう捌くのか、ちょっとハラハラしながら見守っていると、愛用の槍が一発で吹っ飛ばされた。

 

「え……?」

 

唖然とする俺たち。炎蓮たちも同じらしかった。しかし……。

 

「やりますね。」

 

黄蓋さんの追撃をあっさりと躱し、槍が地に落ちる前にしっかりと右腕のもとに戻した悠煌だった。そこからは互角、一進一退の攻防が続いた。黄蓋さんの攻撃は鋭く、また硬軟絡めたもの。それを槍でいなしつつ、逆に攻撃を叩き込んでいく悠煌。

 

ついに決着の刻。悠煌は黄蓋さんの棍棒を完全に止めつつ、しかしそれ以上の攻撃はできず、という形で一騎打ちは終わった。引き分けか。

 

ふと皆の顔を見ると、炎蓮だけが険しい顔をしていた。なぜだろう……?

 

「引き分け、ですね」

 

「そのようじゃ

 

な……。いつの間に……?」

 

悠煌の言葉にそう応じた黄蓋だったが、元の姿勢に戻ったとき、そんな言葉を発した。結っていた髪がほどけていた。

 

「運がいいな。」

 

「たまたまです」

 

女?の言葉にそう返した悠煌だったが、アレは本当に“たまたま”なんだろうか。狙ってやったとしたら、それは……。“引き分け”をつくったことになるのか??

 

「見事な演武だった。さて、本題だが何からしていく?」

 

「陣形の作り、特に戦闘の途中で陣形を変えるということはどうでしょう?」

 

「面白いな。横撃を受ける練習をしたいのだが、可能かな?」

 

炎蓮に応じたのは朱里と冥稟だった。確かに普段できないことをやるほうがいいな。

 

 

次につながりそうな陣形や部隊の処理に関する演習をしつつで初日はお開きとなった。しかし炎蓮にせよ、黄蓋にせよ、冥稟にせよ、兵を率いる力はこれまで当たってきた将や部隊とは比べものにならない。圧倒的なものがある。今後、このレベルの敵が出てきたらやはり厄介だな……。

 

そうだ、あれがたまたま、なのかどうか、女?に聞いてみよう。

 

「お前はあれが“たまたま”だと思っているのか?」

 

「たぶんそうじゃないんだろうとは思ってるけど、確証はないし実際わかっている人から聞きたいんだよ。」

 

「やれやれ……。武は鍛えているようだが、あれが見抜けんようではまだまだだな。」

 

女?にそう聞くと、ため息をつきつつそう答えてくれた。

 

 

「最初に武器をはたき落とした時に勝負をつけられなかった時点で黄蓋の負けだよ。悠煌は相手に花を持たせるつもりでああしたんだろう。こちらの武の手の内を明かさずに負けるならそれはそれでよし、引き分けるならそれでよし。ただ勝つと外交上よろしくない。黄蓋は炎蓮らと並んで武力も頂点なのだろう? それがこちらの頂点でない将に負けるのはよいことと言えるか? 

 

ただ、途中から“引き分けに持ち込みつつ髪留めだけを落とす”という遊びをしたくなった気持ちがちょっと出たようだ。まあ、相手で明らかに気づいていたのは炎蓮だけのようだったが、いずれにせよ適切な人選だった。愛紗ではかつて季衣と戦ったときのように、勝負にもなにもなるまいし、星も上手ではあるがあそこまで巧妙に立ち回れるかというと疑問符はつく。基本的に負けたくないタイプだろうしな。」

 

その通りすぎて何一つ反論ができなかった。つまり悠煌は狙ってあの状況にもちこみつつ、髪留めを落とすことにしたのか。格が違いすぎる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

人物紹介

 

(もっと早くやるはずが完全に抜けておりました。申し訳ありません。)

 

 

 

張角  字は不明  真名は天和

 

 

 

なんかアイドル設定イマイチなので没。殺すのは忍びない。((華佗|かだ))さんが男なので医者いないし医者にしてしまって原作とか正史・演義のいろんな死亡フラグへし折ってもらったほうが面白いのではなかろうか。そうでもしないと処刑免れないよね。

 

ということで医者になってもらいました。

 

医術を学んだ青嚢書はもちろん華佗の書いた医学書が元ネタです。

 

史実では天公将軍と称して黄巾の乱を起こしますが途中で死去。演義では南華老仙という仙人から太平要術の書をもらい妖術を駆使して黄巾の乱を起こすもののやっぱり途中で死去。

 

といった感じです。

 

 

 

張宝 字は不明 真名は地和

 

張梁 字は不明 真名は人和

 

長姉は張角で、末妹が張梁になります。

 

医者である姉の助手になってもらいました。史実とも原作とも全然違う立ち位置なので難しいんですが頑張って書いていこうと思います。

 

 

 

 

 

後書き

 

 

なかなか書く時間がとれずで更新が遅れ遅れになっておりますが、どうにか頑張って完結まで書いていこうと思っておりますので今後も見守っていただけると幸いです。

 

説明
第5章 “貞観の治

お待たせしました。短めですがご容赦くださいませ……。
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コメント
未奈兎様>いつも感想ありがとうございます!! 時間もうちょっととれるといいんですけどねえ・・・。なかなか取れずで遅遅更新で申し訳ない限りです。そう言っていただけると救われます。(山縣 理明)
健康が何よりの宝ですからね、のんびりとお持ちしてます(未奈兎)
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