前メイド長”シンシ”3 |
咲夜がそこで見たもの、異形だった。
おどろおどろしい”フランドール”という怪物。
姿は見たくもないのに、目がいってしまう。
大きい体。禍々しい目。ドラゴンの様な翼。異形の毛むくじゃらの体。
美少女どころではない。
正真正銘の化け物がそこにはいた。
その化け物は、化け物たる動きがなかった。
静止した空間、咲夜は時を止めて、紅魔館への途上まで来ていたのだ。
つまり、一方的に攻撃が出来るのだが、それをしなかった。
案外簡単にスルーして、紅魔館に向かう。
紅魔館で起きている事も知らずに。
「紅魔館は、今日も平和です。」
紅魔館の中で、咲夜は語り出す。
「何しているの?咲夜?」
ちょっと酷いものを見て、RPGのノンプレイヤーキャラクターの様に成っていたのである。
「何でもないです。」
「咲夜、パチュリーがどう成っているか、知っている?」
「知らないですが、何でしょう?」
「酷い事に成っているわよ。見て来なさい。」
運命を操る程度の能力を持つレミリアは、予見していたのだ。
彼女の友人パチュリーの状態を。
「命令とあらば、行きましょう。」
図書室は、巨大な蜘蛛の巣だらけだった。
広いのもあいあまって、パチュリーを探す事を困難にしていたのだ。
蜘蛛の巣をナイフで千切りながら、咲夜はパチュリーを見つける。
「パチュリー様、パチュリー様!」
蜘蛛の巣に磔(はりつけ)に成った彼女は、良く生きているものだ。
刺し傷があり、致命傷ではないが、重症に思える傷だった。
具体的には、お腹を刺されていた。
「これは・・・・・・。」
解毒の必要がある様だった。
毒虫の類に刺されたのだろう。
お腹の傷が炎症を起こしている。
小悪魔が発言する。
「パチュリー様は大丈夫ですか?」
「手伝って、重症よ。」
説明 | ||
咲夜が活躍する物語。 レミリアの予知能力が働く話。 |
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