スマブラ Stern des Lichts 第11話 〜 ヨッシーを救え!
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 こうして、キャプテン・ファルコンを救出した一行は、渓流で休憩をしていた。

「そういえば、ベルはなんでそんなに大きな鎌を持ってるんだ?」

 ファルコンは、ベルの持っている大鎌を指差す。

 ベルは「当然よ」といった顔でファルコンにこう言った。

「だって、私は死神だもん」

「し、死神!? まさか、ジャック・レビ……」

「いや、死神だけど相手の命を奪ったりはしないわ。現世と常世の秩序を守るために死神はいるのよ」

「どういう事だ……?」

 この世界で死んだものは一度、冥界に送られる。

 これは、この争いの世界でも例外ではない。

 死者の魂は天国に行って生まれ変わるまで待つか、地獄に堕ちるまで冥界から出る事は通常ない。

 しかし、何かの拍子で魂が現世に漏れてしまう事があり、それでは世界の秩序が崩れてしまうため、ベルのような死神がいるというわけだ。

「(死神|わたしたち))の役目は魂をあるべき場所に送る事。スピリッツ達もいずれ、あるべき場所に帰るけど、今はキーラが邪魔してるから無理ね」

 ベルはやや暗い表情で、天を仰いでいた。

 もし、ここで魂を解放すれば、キーラの力によりまた魂が支配されてしまうため、スピリッツボールに入れざるを得なかった。

「……ま、とりあえず、私達はスピリッツを解放しに行きましょう」

「……そうだな」

 一行はレース場を後にして、次の目的地を探していった。

 

「ここだな」

 一行が着いた場所は、渓流だった。

 のどかで自然豊かで、一見、平和な場所に見えるのだが、ここもキーラの影響でスピリッツ化した者がたくさん散らばっていた。

「うわぁ、ここにもスピリッツがいっぱいあるわね。とりあえず、みんなバラバラになって、スピリッツを解放してきてちょうだい」

「え、ベルベルがいないけど大丈夫なの?」

「大丈夫よ、スピリッツを解放したら勝手に私のスピリッツボールに入るから」

「それじゃあ安心だね! ベルベル、いってらっしゃい!」

 ベルの言葉に安心したカービィは、彼女に手を振ってからその場を後にした。

 マリオ、マルス、シーク、りょう、ルカリオ、ファルコン、アイシャも解散して、スピリッツの解放に向かった。

 

「さて、私は仲間を探そうかしらね。マルス、シーク、シャドウ、一緒に行くわよ」

「うん」

「もちろんだ」

「……僕一人で十分だが……」

 ベルも、捕まったファイターを助けるために、マルス、シーク、シャドウと共に皆と違う場所に向かっていった。

 マルスとシークは快く了承したが、シャドウは不満そうな表情をしていた。

 

「えーい!」

「そーれ!」

 カービィとりょうは、かっぺいとダルニアのスピリッツを解放した。

 ちなみにダルニアはマスタースピリットの一体で、防御力と移動速度が上がる爆走流の道場を経営しているためスピリッツボールには入らなかった。

「キョーダイよ、オレを助けてくれたお礼に爆走流を教えてやるゴロ!」

「ううん、いいよ」

「僕も遠慮するよ」

 ダルニアは二人にお礼として爆走流を教えてやろうとした。

 カービィとりょうは首を横に振ったが、ダルニアは気にせず豪快に笑った。

「まあ、オレの力が欲しかったらいつでもこの道場に来るゴロ」

「ありがとね〜、ダル兄ちゃ〜ん!」

「おお〜! 兄ちゃんって言われるのはちょっと照れるゴロ〜」

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「えい!」

「はどうだん!」

「ファイアボール!」

「ファルコンパンチ!」

 マリオ、アイシャ、ルカリオ、ファルコンはキュピットのスピリッツを解放し、分厚い雲が晴れる。

 四人はこの先の橋を渡ろうとしたが、アイシャが「待ってください」と言って立ち止まる。

「ん、どうした、アイシャ」

「向こうに誰かが捕まっておりますわ。しかも、周囲にはスピリッツがいます……」

「本当だ! ちょっと見てこい、ルカリオ」

「うむ……」

 ルカリオは精神を集中し、捕まっているファイターの特徴を感じ取る。

「……緑色の身体、恐竜のような容姿……」

「知ってるぜ、ヨッシーだ!」

 ルカリオからファイターの特徴を聞いたマリオは、それがヨッシーである事にすぐ気づいた。

「む、そうだったのか」

「俺の相棒がこんな目に遭ってるなんて……当然、助けるぜ!」

 そう言って、マリオはヨッシーがいるところに飛び出していった。

 ファルコン、ルカリオ、アイシャも、彼にハラハラしながら後をついていった。

 

「……」

 ヨッシーの周囲には、エリーヌ、キテルグマ、カッサーのスピリッツも浮いていた。

 彼の目は赤く、虚ろで何も映っていなかった。

 そう、今目の前にいるマリオの姿すらも。

「ヨッシーさん……どうしてこんな事に……」

「周囲の魂もキーラに操られているようだな」

 ルカリオはなおも精神を集中している。

 しかし、ヨッシーが戦闘態勢を取った瞬間、精神集中を解いて構えを取った。

「ゼンブ、ゼンブ、タベマスヨ〜!」

「待ってろよヨッシー、今、俺達が助けるぜ!」

「最古参のメンバーとして、負けないぞ!」

「……参る」

 マリオ、ファルコン、ルカリオ、アイシャと、ヨッシー、キテルグマ、エリーヌ、カッサーの戦いが始まった。

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「いくカサー!」

「おっと!」

 カッサーはピーチのボディを操ってマリオに自身を振り回すが、彼には当たらなかった。

 エリーヌの体当たりもマリオは回避する。

「オイシクタベマスヨ」

 ヨッシーはルカリオに舌を伸ばして口の中に入れた後、何度か噛んで吐き出す。

「ううぅ」

「サア、ツギハダレカラタベマショウカ」

「そらよ!」

 ファルコンは大きく腕を振り下ろし、カッサーに拳を当てて吹っ飛ばした。

「はぁっ!」

「ここまでおいで、ですわ」

「? ? ?」

 ルカリオは波導を纏った拳をヨッシーに振り下ろしてダメージを与える。

 アイシャは怯んだヨッシーに不規則な動きで近付き、ヨッシーを混乱させた。

「きゃあ!」

 キテルグマはアイシャに殴りかかってくるも、アイシャはその攻撃をかわした。

「あれに当たると、吹き飛びそうですわ」

「だったら、まずはこいつから解放するぜ!」

 マリオはハンマーを取り出してキテルグマに振り下ろした。

 攻撃はギリギリで命中し、大ダメージを与える。

 ファルコン、ルカリオ、アイシャは相手の動きを観察しながらどんな手を取ればいいか考えていた。

「キテル、グマー!」

「うおっ!」

 キテルグマが振り下ろす拳を回避し、裏拳を当てていくファルコン。

「ヨッシー、俺が見えるか!?」

 マリオはカッサーの攻撃をギリギリでかわした後、ヨッシーにミドルキックを放った。

「オヤ〜? アナタハタベラレマスカ〜?」

「やめろ!」

 ヨッシーは渾身の力を込めてマリオに頭突きしようとする。

 マリオはそれをかわし、反撃でファイアボールを放った。

「グマー!」

「きゃあ!」

 キテルグマはアイシャを殴り、吹っ飛ばす。

 その威力にアイシャは重傷を負ってしまった。

「痛いですわ……」

「だが怪我をしなかった分、前の異変よりはマシだ」

「前の異変……?」

「話は後だ、戦闘に専念しろ!」

「あ、はい!」

 ルカリオに言われたアイシャは、敵の攻撃に気を付けながらカッサーやエリーヌを包丁や皿で攻撃した。

「ファルコンキック!」

 ファルコンは高く飛び上がってヨッシーをキックで攻撃する。

 彼が着地した場所にエリーヌはいたが、その攻撃はファルコンには当たらなかった。

「? ? ?」

「それ!」

 混乱するヨッシーをアイシャはビンタで攻撃した。

 ルカリオとアイシャはエリーヌに攻撃を仕掛けるもエリーヌはひょいひょいと身をかわした。

「速いですわね」

「いや、彼女自身の素早さはそんなに速くない。虫と同じで、反応が早いだけだ。先の先を読んで攻撃するんだ」

 ファルコンのアドバイスを聞いたアイシャは頷き、エリーヌが来そうなところに包丁を振り下ろした。

「要するに回避されなきゃいいんだろ? アイスボール!」

 マリオは氷を纏った球を飛ばし、エリーヌを氷漬けにして動けなくする。

「はっけい!」

 その隙にルカリオはエリーヌを掌底で打ち据える。

 エリーヌは意外にも体力が低く、一撃で倒れた。

「あと少しだ、ファルコンナックル!」

 ファルコンはヨッシーの懐へ潜り込み、アッパーを放った。

 ヨッシーは反撃で卵を投げるが、ファルコンには当たらなかった。

「ファイア掌底!」

 マリオは炎を纏った掌底でキテルグマを倒す。

「とどめだ! はどうだん!!」

「ウアアァァァァァァ!!」

 そして、ルカリオが波導弾を放つと、ヨッシーは勢いよく吹っ飛ばされた。

 この戦闘は、マリオ達の勝利で幕を閉じた。

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「うぅ〜、私はどうしてこんなにボロボロなんでしょう〜」

 ヨッシーは、ようやく正気に戻った。

 彼は何度も攻撃を受けていたらしく、身体がボロボロになっていた。

「今、わたしが回復します」

 アイシャは即席で手料理を作ってヨッシーに振る舞った。

「わぁ〜! 美味しそうです〜。いただきます」

「あ、ヨッシー! それは……」

 ヨッシーは舌を伸ばし、アイシャが作った手料理を食べた。

 ファルコンは止めようとしたが、時既に遅かった。

「もぐ、もぐ、もぐ……。ん〜♪」

 ヨッシーは、アイシャの手料理を食べて笑顔になった。

「ヨ、ヨッシー……平気なのか?」

「甘さと酸っぱさと苦みが混ざり合った、とっても絶妙な味です〜♪」

「あ、よかった! わたし、料理はあまり得意じゃないんですが、喜んでくれてありがとうございます」

 ヨッシーが手料理を食べてくれた事にほっとするアイシャ。

(……ヨッシーは辛い味が苦手なだけで、それ以外には特に好き嫌いしないだけだけどな)

 マリオは、アイシャの微妙な味の手料理をヨッシーが食べた理由を知っていた。

 ヨッシーは、唐辛子などの辛いものや、青いウフフちょうなどの不味いもの以外は基本的に何でも食べるのだ。

 

「それじゃあ、俺達はシャドウ、ベル、マルス、シークがやってくるまで待とう」

「シャドウさんとベルさんって誰ですか〜?」

「俺達の仲間だよ。キーラに捕まった俺を助けたのもカービィと一緒に行動してるこの二人さ。

 ……シャドウは仲間って言われるのを嫌がると思うけどな」

 

 その頃、ベル一行は……。

「くしゅん!」

「あ、どうしたの、シャドウ? あんたがくしゃみするなんて、珍しいわね」

「いや、誰かが僕の事を言っているかもしれなかったからだ」

 シャドウが、くしゃみをしていた。

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 〜ベルのスピリッツ名鑑〜

 

 かっぺい

 出身世界:どうぶつの森

 性別:男性

 方言で喋る河童で、主に船漕ぎをしている。

 また、タクシーやバスの運転手をした事もある。

 好きなコーヒーはブルーマウンテン。

 誕生日は7月12日で、星座は蟹座。

 

 ダルニア

 出身世界:ハイラル

 性別:男性

 岩のように強靭な肉体の種族、ゴロン族の族長。

 かつて邪竜ヴァルバジアを封印した英雄の子孫。

 

 キュピット

 出身世界:天界

 性別:不明

 新人の神様である「あなた」をサポートする天使。

 基本的にはある家族の行く末を見守るが、矢やアイテムで多少ながら干渉ができる。

 

 ダイブマン

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性型

 潜水艦の機能を持つロボット。

 水陸両用のホーミングミサイル、ダイブミサイルを武装として持っている。

 耳が良いが、乗り物酔いしやすい。

 サンゴ礁の海が好きで、パイレーツマンが嫌い。

 

 エリーヌ

 出身世界:セブントピア

 性別:無し(精神は女性)

 粘土世界で暮らす、クレイシアの元パートナー。

 色を塗る能力を持った妖精。

 

 キテルグマ

 出身世界:ゲフリアース

 性別:♂♀両方存在する

 ヌイコグマが進化した、ごうわんポケモン。

 ノーマル・かくとうタイプで、特性はもふもふ、ぶきよう、隠れ特性はきんちょうかん。

 背筋力は1トンを超え、両腕で抱きしめたものを何でも真っ二つにする。

 危険なポケモンとして認知されている。

 

 カッサー

 出身世界:キノコワールド

 性別:♂

 キド・アイラック島でピーチの相棒として活躍した傘。

 武器として叩くだけでなく、敵を食べたり、海を渡ったりできる。

説明
緑の人気ものその2(その1は双子の弟)戦です。
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