鬼滅の刃 清めの音を持つ鬼第4話
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炭治郎は藤襲山から狭霧山に戻る道中、落胆していた。何故なら鬼を人に戻す方法を聞こうとしたが、鬼は聞く耳持たずで襲い掛かってくるので、結局聞けず仕舞いだったのだ。

 

 

日暮れが近くなると同時に炭治郎の視界に左近次の小屋が入り、安堵していると、突如小屋の扉が外へと吹き飛んだ。炭治郎がびっくりしていると、小屋から禰豆子が歩きながら外へと出てきた。扉が吹き飛んだ理由は禰豆子が『蹴り飛ばした』からである。

 

 

「禰豆子ぉ、お前っ、起きたのかぁ?」

 

 

炭治郎が叫ぶと禰豆子は炭治郎の方を向き、駆け出した。炭治郎も禰豆子の下へ駆け出し、二人は互いを抱き締めあった。更には左近次も二人を抱き締め、涙を流していた。

 

 

炭治朗の師匠たる響鬼は三人の姿を遠目で見ながら

 

 

「仲良きことは美しき哉」

 

 

と一人ウンウンと頷いていた。

 

 

炭治郎が左近次の下へ戻ってから十五日、炭治郎が取り付け直した扉から覗くと、笠に幾つもの風鈴を下げている男性がやって来た。

 

 

「俺は鋼錢塚《はがねづか》という者だ。竈門炭治郎の刀を打った者だ」

 

 

「竈門炭治郎は俺です。中へどうぞ」

 

 

炭治郎は来客を中へ通そうとするが、鋼錢塚はその場で背負っていた箱を取り出し、説明をし出した。

 

 

やれ材料がどうとか、やれ場所はこうとか。

 

 

小屋の中で話を聞いていた左近次と響鬼は

 

 

「あの人は昔からああだったのでしょうか?」

 

 

「ああ。あいつは昔から人の話を聞かん男だった」

 

 

と呆れていた。

 

 

炭治郎が説得し続ける中、鋼錢塚はは不意に顔を向けた。炭治朗はやっと話を聞いて貰えると思ったその瞬間、驚愕した。

 

 

何故なら、鋼錢塚は左近次同様、面を被っていたからだ。しかも|火男《ひょっとこ》の面をしていた。

 

 

「あぁお前"赫灼《かくしゃく》の子"じゃねぇか。こりゃあ縁起がいいなあ」

 

 

炭治郎は鋼錢塚の言葉を否定するが

 

 

「そういう意味じゃねぇ。頭の毛と目ん玉が赤みがかっているだろう」

 

 

「火仕事をする家はそういう子が生まれると縁起がいいって喜ぶんだぜぇ」

 

 

鋼錢塚は炭治郎を指差し(頬に刺さり)ながら説明し

 

 

「こりゃあ刀も赤くなるかもしれんぞ。なぁ鱗滝」

 

 

中にいる左近次に声を掛けた。左近次も「あぁ」とだけ答えた。

 

 

鋼錢塚がやっと中に入り、左近次、響鬼、鋼錢塚の三人に見られながら炭治郎は日輪刀を鞘からゆっくりと抜いた。そして刀身が徐々に色を変えた。その色は『黒』であった。

 

 

「黒っ」

 

 

「黒いな…」

 

 

左近次と鋼錢塚の呟きに炭治郎は驚愕するが、左近次は「漆黒の刀はあまり見たいな」と答えていた。

 

が、鋼錢塚は

 

 

「キーッ?俺は鮮やかな赤い刀身が見れると思ったのにクソーッ?」

 

 

と半ば八つ当たり的に騒いでいた。

 

 

「落ち着きなされ鋼錢塚殿。赫灼の子の刀が必ずしも赤くなるとは限りませんぞ」

 

 

響鬼はそう言いながら鋼錢塚を羽交い締めにして抑えていた。

 

 

「しかし漆黒の日輪刀…か。よし炭治郎、早速隊服に着替えて出立するぞ?」

 

 

響鬼は未だに暴れる鋼錢塚を足で踏みつけながら、炭治朗に用意を勧めた。

 

 

そして隊服に身を包み、背に大きな『箱』を背負った。この箱は左近次の手作りで非常に軽い樹木"霧雲杉《きりくもすぎ》"で作られており、更には"岩漆《いわうるし》"を表面に塗り、強度を上げていた。しかもこの箱は各面が二重になっており、間には鉄板が挟まっている構造になっているのだ。

 

 

因みにこの構造を考えたのは響鬼である。

 

 

箱の中に禰豆子が入り、響鬼と炭治郎は小屋を出立した。

 

 

その後少し遅れて炭治朗の鴉が指令を伝えに来たが、中にいたのは左近次だけだったので、酷く落胆していた。

 

 

鋼錢塚は二人が出立して間も無く早々に帰っていった。

 

 

二人が出立して数日。途中で休憩や野宿を繰り返しながら着いた先は浅草だった。まだ日は高い所にあるが、時間は正午を過ぎていた。

 

 

「師匠、ここは?」

 

 

「ここは浅草。この地に猛士の支部があるんだ。お前をそこの皆に紹介したくてな」

 

 

響鬼は炭治郎に微笑みながら道を進み、とある店の前で止まった。炭治朗がその店の看板に目をやると、『和菓子処』と書かれていた。

 

 

「あからさまな外見だと誰も寄り付かないからな。俺達だってお給金貰っているんだからな」

 

 

響鬼はケラケラと笑いながら店の暖簾を潜り、炭治郎も後に続いた。

 

 

店内は日暮れが近い時間帯のせいか客の姿が疎らだった。

 

 

「いらっしゃいませ。空いているお席へどうぞ」

 

 

炭治郎より少し年上の女性に促され、なるべく日が当たらない北寄りの席に二人は腰掛けた。

 

 

「お冷やをどうぞ。ご注文が決まりましたらお呼びください」

 

 

女性は水が入った湯飲みを置くと店の奥に引っ込んでいった。

 

 

「あの、師匠。今の女性《ひと》って確か…」

 

 

「あぁ炭治郎は狭霧山で会ってたな。彼女はこの店の看板娘さ」

 

 

響鬼はそう言うと出された水を飲み、炭治郎はちびちびと飲みだした。

 

 

そして暫くすると、店の奥から先程の女性と右の口元に傷がある青年が出てきた。

 

 

「炭治郎、改めて紹介しよう。『鱗滝錆兎』と『鱗滝真菰』。この店を切り盛りしていると同時に俺達猛士の鬼の補佐をしている。因みに二人は夫婦だ」

 

 

「鱗滝錆兎だ。よろしくな」

 

 

「錆兎の妻の鱗滝真菰で〜す。久しぶりだね」

 

 

響鬼の爆弾発言で炭治郎は放心してしまった。

 

 

 

説明
この話は竈門炭治郎とその師匠となる鬼の話である
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鬼滅の刃 仮面ライダー響鬼 原作死亡キャラ一部生存 

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