鬼滅の刃 清めの音を持つ鬼 第5話
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「お〜い炭治郎、正気に戻れ〜」

 

 

響鬼は炭治郎の肩を掴み、何度も揺さぶって目を覚まさせた。

 

 

「すみません師匠。余りにも衝撃的な事を聞きましたので。おめでとうございます。錆兎さん。真菰さん」

 

 

炭治郎は響鬼に謝り、錆兎と真菰に祝福を述べた。

 

 

「別に気にするな。俺も似たようなもんだからな」

 

 

「そうだよ気にすること無いよ。それとありがとう、炭治郎君」

 

 

響鬼はケラケラと笑いながら手を振り、真菰は響鬼に同調しながら、お礼の言葉を受け取っていた。

 

 

「それで響鬼さん、今回のご用件は?」

 

 

錆兎は響鬼に来店の理由を聞くと

 

 

「あぁ、猛士の書管庫に『日の呼吸の書』があったのを覚えていてね。確かここに保管してあったはずだけど」

 

 

炭治郎は『日の呼吸』については何も聞かされてはいなかったので、話の冒頭から置いてけぼりを喰らっていた。

 

 

「響鬼さんすみません。確かに『日の呼吸の書』はここに保管してましたが、先日殆どを本部に輸送してしまって」

 

 

「あちゃ〜、一足遅かったか」

 

 

錆兎が謝罪をすると、響鬼は額に手を当てて少し落胆してしまった。

 

 

「あの師匠、『日の呼吸』と言うのは?」

 

 

炭治郎の疑問に響鬼、錆兎、真菰の三人が答えた。

 

 

『日の呼吸は別名始まりの呼吸』

 

 

『今ある呼吸の原点である』

 

 

『日から岩、水、炎、風、雷の五つに別れた』

 

 

等々…。

 

 

「そしてその呼吸を使っていた剣士は『花札のような耳飾り』と『漆黒の刀』を持っていたと言われているんだ」

 

 

炭治郎は耳飾りと刀のことを聞いて『もしかしたら』と思っていると

 

 

「そう、炭治郎は『日の呼吸の使い手』かもしれないんだ」

 

 

響鬼の指摘に炭治郎は息を飲んだ。

 

 

「炭治郎、お前の家に何か伝わっている物はあるか?」

 

 

錆兎の質問に炭治郎は「ある」と答えた。

 

 

「俺の家に代々伝わっている『ヒノカミ神楽』と言う舞があります。生前の父が雪の降る夜に一晩中舞っていたのを覚えています」

 

 

「「「ひ、一晩中??」」」

 

 

三人は一晩中舞う事にかなり驚愕していた。

 

 

「父が言っていたんです。『大切なのは正しい呼吸と正しい動き。最小限の動作で最大限の力を出すことなんだ』」

 

 

「『そうすると段々頭の中が透明になってくる。透明になると"透き通る世界"が見え始める』と」

 

 

「"透き通る世界"…か」

 

 

響鬼は顎に指を添えて考え事をしていた。

 

 

その後響鬼、錆兎、真菰、炭治郎の四人は店の地下にある書庫でヒノカミ神楽こと日の呼吸のことを調べ始めた。が、その書物の殆んどを本部に送ってしまったため、残っていた書物は極一部しか残っておらず、日の呼吸に関しては響鬼が言っていた事しか分からなかった。

 

 

四人が地下から上がってくると、時間は既に夜の時間帯になっており、夜空には月と星が煌めいていた。店内は客の姿はおらず、自分たちが座っていた処には箱から出てきた禰豆子が頬を膨らませた表情でこちらを睨んでいた。

 

 

「あぁ禰豆子、ごめんなぁ置いてけぼりにしちゃって」

 

 

炭治郎は禰豆子を抱き締め、頭を撫でながら謝っていた。

 

 

「貴女が禰豆子ちゃんね。私は真菰。よろしくね」

 

 

真菰が禰豆子の目を見ながら自己紹介をすると

 

 

「ムー」

 

 

真菰に抱きついた。

 

 

「あははっ、可愛い。改めてよろしくね♪」

 

 

真菰は椅子に座って禰豆子を自分の膝の上に乗せ、頭を撫でたりと可愛がった。禰豆子も嫌がらず、真菰とのじゃれあいを楽しんでいた。

 

 

すると箱が置いてある席の近くの窓から鴉が入り込み

 

 

「カァアア?竈門炭治郎、鬼狩リトシテノォ初ノ仕事デアル?」

 

 

「ココ浅草デ鬼ガ潜ンデイルトノ噂アリ?調査セヨ?カァアア?」

 

 

炭治郎へ任務の内容を伝えた。

 

 

「こいつが鱗滝さんが言っていた鎹鴉か」

 

 

錆兎は炭治郎の鴉をまじまじと見つめ、感傷に浸っていた。

 

 

炭治郎は自分の頬を二回強く叩いて気合いを入れ、店を後にしようとした時

 

 

「待て炭治郎、今から切り火をする」

 

 

錆兎が火打ち石を持ち出し、炭治郎に向けて二回切り火をした。

 

 

「錆兎さん、ありがとうございます?」

 

 

「禰豆子ちゃんは私達が面倒を見るから、気をつけてね」

 

 

すっかり禰豆子と仲良くなった真菰は禰豆子を膝に乗せた状態で手を振っていた。

 

 

「炭治郎、もし何かあれば瑠璃狼を使って連絡してくれ。直ぐに駆けつける」

 

 

響鬼も真菰の側で炭治郎にサムズアップをした。

 

 

「はい?では、行ってきます?」

 

 

炭治郎もサムズアップをして店を後にした。

 

 

店を後にした炭治郎は街中を歩いていたが、相当参っていた。なぜなら、山育ちの炭治郎にとって夜の浅草の街は明るすぎたのだ。夜でも昼と変わらぬ明るさに目眩を起こしかけていた。

 

 

だが、『ある匂い』を嗅ぎとった瞬間、顔を強張らせた。以前嗅いだ事のある匂い。自分の家族を殺し、妹を人喰い鬼に変えた奴の匂い。

 

 

「(なぜ、なぜここにいる、鬼舞辻 無惨《きぶつじ むざん》)?」

 

 

炭治郎は人混みを掻き分けながら無惨を追いかけその肩を掴む。だが炭治郎が見たのは無惨の腕に抱かれている少女だった。しかも女性が側に立っているなどまるで人間と同じ生活をしている感じだった。

 

 

「月彦さん、お知り合い?」

 

 

「いいや、困ったことに少しも…、知らない子ですね。人違いでは無いでしょうか」

 

 

と言った瞬間、無惨は近くにいた男性の頸を爪で切った。

 

 

切られた男性は切られた頸を手で抑え、側にいた女性に寄りかかった。女性は心配して声をかけるが、男性は人喰い鬼に変貌しており、女性の肩に躊躇無く噛みついた。

 

 

周辺が騒ぎ出す中、炭治郎は男性を女性から引き剥がし、口に丸めた布を突っ込み口を塞いだ。無惨はその光景を遠目で見ながらその場を離れようとする。だが炭治郎はその光景を見て

 

 

「鬼舞辻無惨??俺はお前を逃がさない?どこへ行こうと地獄の果てまで追いかけて必ずお前の頚に刃を振るう?」

 

 

「絶対にお前を許さない?」

 

 

その後警官隊が到着し、状況『だけ』を見て炭治郎を引き剥がそうとする。

 

 

「やめてくれ??この人に誰も殺させたくないんだ??邪魔しないでくれお願いだから??」

 

 

『血鬼術 惑血《わくち》 視覚夢幻《しかくむげん》の香《こう》』

 

 

瞬間、炭治郎は嗅いだ事の無い匂いを感じ顔を上げたその時、自分の周りに様々な紋様や花が現れていた。

 

 

「(何かの攻撃か??まずい……)」

 

 

炭治郎が不覚を取ったと思ってしまったその時

 

 

「あなたは鬼となった者にも『人』という言葉を使ってくださるのですね。そして助けようとしている」

 

 

目の前に着物を着た女性と自分よりやや年上の青年が姿を現した。

説明
この話は竈門炭治郎とその師匠となる鬼の話である。
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鬼滅の刃 仮面ライダー響鬼 原作死亡キャラ一部生存 

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