スマブラ Stern des Lichts 第28話 〜 魅惑のふうせんポケモン
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 マールを仲間にした一行は、スピリッツを全て解放した街を後にして、新しい場所に向かっていった。

 スピリッツを感じ取る事ができるベルを先頭にし、スネークの助言で敵に見つからないように歩いていく。

「……ベル、スピリッツはどこにあるんだ?」

「う〜ん、今探索中よ。ちょっと待って」

 ベルは死神の能力を使って、スピリッツがたくさんいる場所を探した。

「この魂を感知する能力、鈍らないように使っておかなきゃ」

「魂を感知できねぇ死神はただの死神だ。そうだろ? ベル・クリーブ」

「ええ……そうよ」

 マリオはスピリッツ解放に専念しているベルを、少しだけ気障な言葉で応援した。

「ありがとう、マリオ。あんたはやっぱり、ミスタービデオゲームよ」

 ベルは明るい笑顔でマリオの応援に返した。

 ミスタービデオゲームの言葉は、苛烈なる死神に勇気を与えた。

「わぁ〜!」

「かっこいい〜!」

 カービィら子供組は、ベルを憧れの目で見ていた。

 

「よし、ガンガンいくわよ!」

「ああ!」

 マリオに勇気づけられたベルは、腕を振って一行をスピリッツがいる場所へと導いていく。

 力の弱い者達は、ベルの姿を見て平伏している。

「これぞ『黒鬼も伏せて通る』、略して『黒伏せベル』よ!」

「あ、あはははは……;」

 そう自慢するベルを見たマールは、苦笑いした。

 

 そして一行が着いた場所は、河川だった。

「うわあ……」

「綺麗だね……」

 キーラ軍が襲撃したとは思えないほど、綺麗な川が流れていた。

 この世界を侵略したキーラも、自然には手を付けなかった事を実感する。

 水が苦手なマールは、自分より体格が小さいシャドウにしがみついていた。

「わ、私、水が苦手なんだ。だから、ここで待ってるね」

「構わん」

 インクリングのマールは、水に落ちると身体が溶けてしまう。

 そのため、この河川エリアでは本来の力を発揮できないと思ったのか、シャドウはマールの留守番を許可した。

「いいの? ありがとう、シャドウ。じゃあ、スピリッツの解放お願いね」

「ああ」

 

 一行はマールを安全な場所に留守番させ、河川のスピリッツを解放しに向かった。

「ラビッツめ!」

「大砲よりもこっちの方が妖怪を倒せるんじゃないかい? シノブ君」

 ドンキーコングはラビッツマリオ、ドクターはシノブのスピリッツを解放した。

「えい!」

 ロックマンはロックバスターを連射し、バルーンファイトの主人公を河川に落とした。

 このエリアに魚はいないので、食われる事なくその魂はベルに回収された。

「こいつら、斧で戦うんだったな」

 シークはサジ&マジ&バーツの斧攻撃を華麗にかわし、体術と暗器で彼らを撃破した。

「く……強い! でも、これで終わりだよ!」

「うああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 マルスは苦戦はしたものの、エース級のスピリッツ、ファイの撃破に成功した。

 その後はヨッシーがヘラクロス、ベルがメタルソニックを解放し、キーラに操られたスピリッツの残りは少なくなった。

「後は……んーと、こいつだけか?」

「プリン……だな」

 残っているのは、天才ゴルフ少年・キッドと、ふうせんポケモン・プリンだった。

 シークは正直、何故彼女が第一期の最古参メンバーにいるのかを疑問に思っていたが、マスコット的な存在と自分で結論付けた。

「まぁ、キッドはノービス級のスピリッツだし、気軽に戦おうぜ、気軽に」

「あ、ああ……」

 なんだか良く分からないながらも、マリオ、ヨッシー、ピカチュウ、ロックマン、りょう、シークはプリンとキッドを解放するために戦いを挑んだ。

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「ロックバスター!」

 ロックマンはキッドを狙ってロックバスターを放ち攻撃する。

 彼の攻撃が命中した後、ピカチュウはキッドにロケットずつきで体当たりをする。

「えい!」

「あたらないでしゅ」

 りょうのパンチをプリンは転がって華麗にかわす。

「当たりますよ!」

「ウッ!」

 だが、プリンが転がった場所にはヨッシーがいて、ヨッシーはプリンに卵を投げてダメージを与えた。

「ガツーンナグーリ!」

 マリオはキッドの攻撃をかわした後、ハンマーを取り出して攻撃する。

 本職は配管工なのでハンマーは器用に使えるのだ。

「「サンダーキック!」」

「キャァァァァ!」

 ピカチュウの10まんボルトを纏ったヨッシーのキックがプリンの体力を削り、電撃の追加効果で痺れさせる。

 マリオはキッドを掴んで投げ飛ばして倒し、ベルがキッドのスピリッツを捕まえた。

 

「自分の身体を投げるなんて複雑だな……でも残るはプリン、お前だけだぜ」

「ムムム……」

 劣勢になったプリンは、少し脂汗を掻いていた。

 マリオ達は油断せず、プリンに攻撃を仕掛ける。

「仕込針!」

 シークは両手に仕込んだ鉄製の針をプリンに目掛けて投げつける。

 ナイフに比べて威力で勝るが命中率で劣る。

「ウウ……コレナラバ」

 プリンは反撃でシークをはたこうとするが、シークは攻撃をかわし飛び上がって百舌改でプリンを上空から攻撃する。

「これでおしまい! ロックバスター!!」

 そして、チャージしたロックバスターがプリンに命中すると、彼女の身体は吹き飛び、川の中に飛び込んだ。

 

「あ、お帰り!」

「ただいまー」

 プリンを解放した一行は、マールがいるところに戻ってきた。

 彼女の傍の川には、プリンが浮かんでいた。

「……どう?」

 カービィ、シャドウ、ベルは、川に浮かんでいるプリンの表情を見る。

 プリンの目は元通り青色で、一行への殺意も見受けられない。

 キーラの光の呪縛は衝撃により解けたようで、それほど深くない川だったためプリンは生きていた。

「大丈夫みたいね。とりあえず起こさなきゃ。よいしょ、っと……それ!」

 ベルはプリンを引き上げ、タオルを取り出して彼女の身体を拭く。

 口の中に入っていた水も、ピカチュウが全部吐き出して呼吸を整えた。

 しばらくすると、プリンはぱちくりと瞬きして、やってきた一行を見つめた。

「ここ、どこでしゅか? ぷりん、どうしてこんなところにいるんでしゅか?」

 見知らぬ場所に飛ばされたため、プリンはかなり困惑していた。

「お前は悪い夢を見ていたんだ、でも大丈夫だ」

 ピカチュウがプリンに優しい声でそう言うと、プリンはゆっくりと立ち上がる。

 だが、プリンは笑顔ではなく、むしろがっかりした表情だった。

「助かったのに嬉しくないのか?」

「せっかくぷりんがみんなのためにけーきをつくってきたのに、びしょびしょになっちゃったでしゅ……」

 そう言って、プリンはずぶ濡れになった自作料理をマリオ達に見せた。

 彼女が作ってきたのはケーキのようだが、黒焦げで僅かに異臭が漂っていた。

「あー、それはラ……いや、ドンマイだな」

「……何、これ」

「プリンの料理は死ぬほど不味いんだ。あのクッパやガノンドロフですら、一口食べて気絶するほどだぞ」

 マールがプリンの作った料理を見てドン引きする。

 ピカチュウは苦い顔かつ小声でマールに説明した。

 つまり、プリンの料理は最終兵器と言えるほど、とてつもなく不味いのである……。

「……食べちゃダメ、だよね」

「あ、ああ……」

 マールはごくりと唾を飲み込んだ。

 食べれば命に係わるプリンの料理、一体どんな味なんだろうとマールは興味を抱いた。

 

「じゃ、ぷりんもいっしょにいくでしゅ!」

「おう、キーラからこの世界を救おうぜ!」

 

 こうしてキーラの呪縛からまた一人、スマブラファイターが解放された。

 その名は、魅惑のふうせんポケモン、プリン――

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 〜ベルのスピリッツ名鑑〜

 

 ラビッツマリオ

 出身世界:ラビッツワールド

 性別:♂

 兎のラビッツがマリオの格好(?)をした姿。

 メインウェポンはブームショット、サブウェポンはハンマー。

 射程は短いが、範囲攻撃が強いのが特徴。

 

 シノブ

 出身世界:すれちがいの世界

 性別:女性

 とある忍に弟子入りしているくノ一。

 復活した妖怪を倒すため、秘伝の大砲で戦う。

 

 バルーンファイトの主人公

 出身世界:バルーンファイトの世界

 性別:不明

 2つの風船による浮力と、はばたきによる移動で空中を移動する。

 風船が1つ割れると浮力が減り、全て割れると墜落してしまう。

 ちなみに、主人公に特定の名前はない。

 

 サジ&マジ&バーツ

 出身世界:戦記の世界

 性別:男性

 オグマに仕える三人の戦士で、斧を武器にする。

 茶色い髪をしているのがサジとマジ、青い髪をしているのがバーツである。

 ある意味で愛されているらしく、トライアングルアタックも使えるらしい。

 

 ファイ

 出身世界:ハイラル

 性別:無し(精神は女性)

 スカイロフトにある女神の剣に宿る精霊。

 知識が豊富で分析力が高く、剣を手にした者をサポートする知恵袋。

 また、踊るような身のこなしで戦う事もできる。

 

 ヘラクロス

 出身世界:ゲフリアース

 性別:♂♀両方存在する

 カブトムシの姿をした、1ぽんヅノポケモン。

 むし・かくとうタイプで、特性はむしのしらせ、こんじょう、隠れ特性はじしんかじょう。

 自慢の角を相手の腹の下にねじ込み、一気に持ち上げぶん投げてしまう力持ち。

 

 メタルソニック

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性型

 ソニックに対抗するため、Dr.エッグマンが造ったロボット。

 見た目もソニックに似せており、スピードやパワーはオリジナルに勝るとも劣らない。

 

 イモガエル

 出身世界:とある惑星

 性別:不明

 黄色い身体を持つ蛙型の原生生物。

 身体がスイートポテトのようなので、イモガエルと名付けられた。

 ジャンプ力が高く、攻撃方法は大きく飛び跳ねて押し潰す事。

 

 キッド

 出身世界:キノコワールド

 性別:男性

 プロゴルファーを目指す、赤い帽子の天才少年。

 マリオ達も参加するゴルフ大会に参加した。

説明
初代からいるラッキー枠、プリン救出回です。
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