スマブラ Stern des Lichts 第35話 〜 電力プラントの攻略 |
キーラに操られたジュカインはシャドウ達の活躍により正気に戻った。
一度は炎の中に消えた霧の森も、自然王ナチュレの力により元通りになった。
「みんな、助けてくれてありがとよ」
「いいんだ。誰かを助けるのに理由なんていらないからな」
ジュカインは仲間の一人、マリオに感謝した。
マリオも笑みを浮かべて返すも、すぐに笑みを消してこう言った。
「で、失礼だが、お前は本当にファイターなのか?」
「それを言うなら僕やランスも同じだが」
マリオは本来は参戦していないはずのジュカインやシャドウ、ランスがファイターになっている事に疑問を抱く。
それは、マールを仲間にした時と同じ光景だった。
「おいおい、オレを疑う気か?」
「ジュカインさんはファイターです。……四人いる非公認のうちの一人ですが」
「そうか、じゃあお前はファイターなんだな。野暮ったい事を聞いて、ごめんよ」
アイシャの説明を聞いたマリオは素直に納得した。
念のため、マリオは既に参戦している者を邪魔者扱いしないかジュカインに聞いたが、ジュカインは首を横に振ったため安心した。
「願いが叶わなかったからといって、叶った奴を妬むのは頭のおかしい奴さ。
それにあいつらは『参戦した』んだけどオレらは『参戦させてもらった』んだ、もう少し謙虚にならなきゃな」
「なーに、それ?」
「純粋なお前は覚える必要はないものだぜ」
「うん、分かったよ」
カービィは裏を感じ取ったのか、深く追求する事をやめた。
霧の森を出た一行は、しばらく休憩した後、次の目的地を探す事にした。
「それで、次はどこに行けばいいの?」
「あ、それなら電力プラントはどうですか?」
「電力プラント?」
「この世界の各地に電気を送っている場所だ。だが、今は電気が止まっているようだ」
一行の次の目的地は、電力プラントとなった。
電力プラントの電気が止まっているのは、一体どうしてだろうか。
カービィが理由を聞くと、ルカリオは顎に手を乗せてこう言った。
「キーラは電気を操る者を掌握している故、事実上電気も操る事ができる。また、未確認ではあるがファイターもいるという」
(電気……ファイター……ん?)
ルカリオによれば、電力プラントの中にはスピリッツ同様にキーラに操られたファイターがいるようだ。
恐らく電気を操る者だろうと考えたピカチュウは、そのファイターを推測していた。
「電力プラントは私が案内する。ついてこい」
「ああ」
一行はルカリオの案内で、ファイターがいるという電力プラントの中に入った。
「うわぁ〜、広いねぇ〜」
カービィは電力プラントの周りを見渡していた。
床には緑のプレートがあり、あちこちに装置と黄色い生き物、そしてスピリッツがいた。
中は機械的だったが、以前に探索した基地よりも温かさに溢れていたため子供達は怖がらなかった。
「電気は今や大事なもの。それを勝手に使うとは、いい度胸だな」
でんきタイプのピカチュウは、電気を自分の思い通りに使おうとするキーラを許せなかった。
「この装置は一体何だろう」
ある程度歩くと、ピカチュウは円形の装置を見つけた。
その先には道があるが、穴が開いていて通れない。
パックマンが調べてみると、それは電気を送るための装置だった。
「ここから電気を送れそうだネ」
「じゃあピカピカ、電気を使って!」
「ああ。10まんボルト!」
ピカチュウが装置に向かって電撃を放つと、装置に電気が通って赤い床が現れた。
しかし、電気はすぐになくなり、同時に赤い床も消えてしまった。
「ん、電気が切れたぞ」
「ずっと電気を通し続けなければならないようだな。でも、それだとちょっと効率が悪いよな」
「あぉーん……」
どうすればいいんだろう、と嘆くダックハント。
すると、マールは遠くに何かを発見したようで、それがある場所に走っていく。
「これを使えばいいんじゃない?」
マールは、両手に何かを持って走ってきた。
それは、黄色い身体をしたナマズだった。
「これ、なんだ?」
「私の世界にある『デンチナマズ』って生き物だよ。町の色んなところに電気を送ってるんだ。……しょっちゅう攫われてるけどね」
「なんか、ピーチ姫みたいだな」
マリオはデンチナマズの攫われやすさに苦笑した。
もっとも、攫われた回数はピーチ姫の方が遥かに上なのだが……。
「じゃ、置くよ!」
マールがデンチナマズを装置の上に置くと、デンチナマズは光って装置に電気を送った。
すると、先ほどピカチュウが電撃を放ったように装置が作動し、赤い床が現れた。
「今度は大丈夫みたいだね」
「この調子で、どんどん先に進もう!」
「おう!」
一行は赤い床を渡り、西にあったデンチナマズを取って近くの装置に置き現れた赤い床を渡ると、スピリッツに遭遇した。
そのスピリッツを見たロックマンは叫び出す。
「ライト博士!」
『おお、ロックではないか。いやはや情けない、こんな身体の中に入れられてしまうとはな』
彼はロックやロールなどの生みの親、トーマス・ライトという科学者だった。
ドクターマリオのボディに宿ったライト博士はぽりぽりと頭を掻く。
「ううん、悪いのは博士じゃありません。ボク、何度も博士に助けられてますから、今度はボクが助けてあげる番です」
『ありがとう、ロック……』
「大丈夫ですよ、博士。今は少し眠っててください」
ロックマンは無事にライト博士のスピリッツを解放した。
「流石は電力プラント、しょっぱなから科学者のスピリッツと遭遇するとはね」
「そうだね。あ、マル姉、デンチナマズがあるよ!」
「マ、マル姉?」
マールが装置を確認してみると、そこには確かにデンチナマズがあった。
しかし、その近くには赤い床があり、さらによく見ると一匹のポケモンが台座に縛られていた。
「外しちゃっていいのかなぁ……?」
マールは後ろをちらっと見て少し不安になる。
「でも、あそこのポケモンを助けるためなら、後ろに戻らなくてもいい! 外して!」
「わ、分かったよ」
カービィに言われてマールはデンチナマズを外すと後ろにあった赤い床が引っ込んだ。
「あーあ、見てよカービィ。床が消えちゃったよ」
「ご、ごめん。調べたらすぐに戻すから」
カービィは先程外したデンチナマズを上の装置に置いた。
すると、左側の赤い床が作動し、左側に行けるようになった。
一行がそちらに行くと、ピチューのボディに宿っているアンテナポケモン、デデンネのスピリッツと遭遇した。
しかしノービス級だったので、でんきタイプの技が効果が今一つのピカチュウとジュカインが軽くあしらった。
「デンチナマズの数が足りないね。つまり、有効に使った方がいいみたいだよ」
電力プラントのデンチナマズの数は限られている。
頭を使い、上手く進めば、電力プラントは楽に攻略できるのだ。
「ファイア掌底!」
道中でピカチュウのボディに宿ったエレキマンのスピリッツを解放し、デンチナマズを手に入れる。
その後にスージーのスピリッツを解放して元来た道を戻り、シャドウの助言で左側の赤い床を作動させていたデンチナマズを取り外す。
「これでデンチナマズは2匹になった。後はファイターがいる道に行くだけだな」
「うんっ。シャド兄、誰が待ってるのかな」
「恐らくは電気に関係のあるポケモンだろうな」
一行はデンチナマズを置いてもう一度赤い床を作動させた後、近くのデンチナマズを外して再び数を2匹に戻す。
「後は、ここにデンチナマズを置いて」
「ここにデンチナマズを置けば、ファイターへの道が開ける」
カービィとシャドウがそれぞれ1匹ずつデンチナマズを置くと、ファイターがいる道が開いた。
一体誰が捕まっているんだろうと一行が歩くと、囚われのファイターの正体が判明した。
「ピ……チュ……」
「お前は……ピチュー!」
それは、ピカチュウの幼き弟、ピチューだった。
ピカチュウは先程戦ったデデンネのボディが彼である事を思い出し、衝撃と共に怒りが湧く。
「オマエ……ダレデチュカ……?」
「俺だよ、俺! お前の兄のピカチュウだ!」
「アニ……? ピチュハシラナイデチュ……。ソレヨリ、オマエラハキーラサマノジャマヲスルキデチュカ……?」
「……ピチュー……」
ピチューはキーラの力に完全に支配されており、ピカチュウが兄である事は記憶にない。
今まで通りにピチューを倒さなければ、ピチューは正気に戻らない。
一瞬躊躇ったピカチュウだったが、ピカチュウは覚悟を決めてピチューに戦いを挑む。
「……分かったぜ、ピチュー。兄として、お前を元に戻してやる。みんな、覚悟はいいか?」
「ああ、分かってるぜ」
「ピチュピチュは、みんなでやれば助かるよ」
「私も、ちょっと怖いけど頑張る」
「君を操る病気は、僕が治してあげるよ」
「かかってきな、ピチュー! オレが相手になってやるぜ!」
マリオ、カービィ、マール、ドクター、ジュカインも、ピカチュウと共に操られたピチューに戦いを挑むのだった。
Dr.ライト(トーマス・ライト)
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性
ロックやロールなど、数多くのロボットを造った心優しき科学者。
Dr.ワイリーとは大学時代の同級生だったが、ある出来事がきっかけで決裂してしまう。
デデンネ
出身世界:ゲフリアース
性別:♂♀両方存在する
カロス地方のポケモンで、アンテナポケモン。
でんき・フェアリータイプで、特性はほおぶくろ、ものひろい、隠れ特性はプラス。
髭がアンテナの役割をしており、電波を送受信して遠くの仲間と連絡を取り合う。
エレキマン
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性型
発電所の電圧を制御するロボット。
使命感が強いが、ひねくれもの。
武装のサンダービームで機械をショートさせる。
スージー
出身世界:ミルキーロード
性別:女性
ハルトマンワークスカンパニーの社長秘書。
負けず嫌いな性格で非常に優秀な人物。
宝物は「H」と書かれた金の髪飾り。
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新たな仲間と共に、ダンジョンを攻略します。 オリキャラはちょっとだけ出るのでタグをつけます。 |
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