スマブラ Stern des Lichts 第36話 〜 小さな体に大きなパワー
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 電力プラントにいたこねずみポケモン、ピチュー。

 彼の母体をキーラから解放するため、ピカチュウ、マリオ、カービィ、マール、ドクター、ジュカインはピチューと戦った。

 

「えい!」

 カービィはピチューにハンマーを振り下ろす。

 ピチューは攻撃をかわし、マールにでんじはを放ち麻痺させた。

「……ケスデチュ……」

「わあっ!」

 ピチューはでんきショックをカービィに放つ。

 カービィは攻撃をかわすが、電気は壁に当たってカービィに命中した。

「何しやがるんだピチュー!」

 ピカチュウは無駄だと思いながらもピチューに呼びかけ、彼を止めようとする。

 しかしピチューは何も言わずにピカチュウに突っ込んでいった。

「くそっ!」

 ピカチュウは尻尾を鋼のように硬くして向かってきたピチューに打ち据える。

 はがねタイプの技は効果が今一つなので大したダメージにはならなかったが、ピチューを吹っ飛ばす事に成功する。

 しかしピチューはすぐに体勢を整え直し、マールの射撃攻撃と突っ込んできたマリオの攻撃をかわす。

「速いっ! 速いよ!」

「ああ、相当なスピードだな。エナジーボール!」

「ビヂュウ!」

 ジュカインは自然から集めた命の力をピチューに向けて放つ。

 実はジュカインは能力的には特攻の方が高いため、目立たないが特殊攻撃が強いのだ。

「ちょっと君の様子を見たいな」

「ピチュピチュ!」

 ドクターはじっくりピチューの様子を確認するが、ピチューはちょこまかと動き回り、なかなか動きを捕捉できない。

 カービィの攻撃もピチューは見切っており、10まんボルトでジュカインとマールを攻撃する。

「うぉっ!」

「きゃぁぁぁぁぁ!」

 ジュカインには効果が今一つだったが、マールは大きく吹っ飛ばされる。

「くっそぉー!」

 ピカチュウはロケットずつきをピチューに放ち、ピチューは大きく吹っ飛ばされる。

 その隙にマリオとカービィがハンマーを構えてピチューに飛びかかり殴りつけた。

「エナジーボール!」

 ジュカインはエネルギー弾を周囲に設置してピチューの動きを制限する。

 ピチューはそれをかみなりで全て打ち消し、ピカチュウに突っ込んでいった。

 そして、ピカチュウにしがみついて10まんボルトを放った。

「ぐあああああああ!!」

 ピカチュウにでんきタイプの技は効果が今一つだったが、弟が兄を攻撃するという精神的なダメージの方が大きかった。

「ピチュー……なんで……俺を……」

「キーラサマガイインデチュ」

「何言ってんだよ! お前が住んでる世界を壊していいのか!?」

「キーラサマガキメタコトデチュ。オマエハウルサイデチュ!」

 ピチューは至近距離からピカチュウにてんしのキッスをする。

 混乱したピカチュウは自分を攻撃したり無防備になったりと思うような行動を取れなくなった。

「うっ、うぁっ、うわぁぁぁぁっ!」

「ピカチュウ君、落ち着くんだ。深呼吸、深呼吸」

「うぁ……そ、うだ、った……。ふぅ……」

 ピカチュウはドクターの助言で深呼吸をして混乱を解いた。

 

「……気を取り直して、いくぜ、アイアンテール!」

 ピカチュウは尻尾を硬質化させ、ピチューにぶつけて吹っ飛ばす。

「おっと!」

 マリオはピチューの10まんボルトをスーパーマントで跳ね返し、ファイアボールで追撃する。

「えーい!」

「じっとしててもらうよ」

 カービィはストーンに変身して上空からピチューを押し潰す。

 ドクターはピチューに駆け寄って睡眠薬を飲ませ、ピチューを眠らせて無防備にする。

「今だよ、マリオ君、ピカチュウ君!」

「ああ! スマブラ四天王の力、見せてやるぜ!」

「いくぞ、マリオ!」

 スマブラ四天王のマリオとピカチュウが力を溜め、ピチューにとどめを刺す準備に入る。

 一人に炎の力、一匹に電気の力が周囲に満ちる。

「「とどめだ! 1000まんフレア!!」」

 ピカチュウの強烈な電撃とマリオの高熱の炎が混ざり合い、光線となってピチューに直撃する。

 そして、大爆発が起こり、全員が目を覆った。

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 こうしてピチューとの戦いは、終わった。

「うぅ……あたまがくらくらするでちゅ……」

「大丈夫か、ピチュー?」

 キーラに操られた反動で、ピチューの頭は混乱していた。

 ピカチュウはピチューを負ぶさろうとするが、高さがほとんど変わらないため途中で落としてしまう。

「しょうがねぇな、俺達が運んでやるよ。手伝ってくれ、ドクター」

「分かったよ」

「助かる」

 マリオとドクターがピチューを一緒に担ぐ。

 二人は赤い床を歩いて、長い廊下にピチューをそっと置いた。

 そして、ドクターは傷ついたピチューを治療した。

「……もう大丈夫だよ、ピチュー」

「ふぇ……? ぴちゅはなにをしていたんでちゅか……?」

「ピチュー君、もう助かったんだから気にする必要はないよ」

 ドクターはピチューを傷つけないように助かったという結果だけを話した。

 そして、弟と再会したピカチュウが彼を抱く。

「ぴかにいちゃん……こわかったでちゅ……」

 ピチューが震えながらピカチュウに抱き着く。

 ピカチュウは優しくピチューの頭を撫でた。

「怖かっただろう、ピチュー。でも、これからはずっと一緒だ。決して離れるんじゃないぞ……」

「うん……ぴかにいちゃん……」

 

「なんとも微笑ましい光景だな」

「そうだな」

 ピカチュウとピチューの兄弟愛を、マリオとスネークは温かい目で見守っていた。

 

「ピチューを助けた以上、もうここには用はないな」

 シャドウはピチューがいた場所の道に行けるデンチナマズを外した。

 続いて、廊下を通った先にある赤い床を作動させていたデンチナマズを外した。

「後は必要なところにこのデンチナマズを置くだけだな」

 シャドウは北西側の装置にデンチナマズを置いて装置を作動させ、行った先のデンチナマズを外す。

 続いて、横に長い青い床の右側に装置を置くと、スピリッツに繋がる道が開いた。

「ティニ、ティニー!」

「あ、ビクティニだ!」

 そのスピリッツは、イッシュ地方の幻のポケモン、しょうりポケモン・ビクティニだった。

 ガオガエンのボディに宿っているが、体格に合わせて大幅に縮んでいる。

 しかし、ルカリオとジュカインはビクティニを見て少し固まった。

「オレの苦手なタイプなんだよなぁ……」

「私もほのおタイプは苦手だ」

「……」

 スネークはビクティニの背後に回り込み、麻酔銃でガオガエンのボディごとビクティニを眠らせた。

 その隙にベルが大鎌を振りかざしてビクティニのスピリッツを解放した。

 

「こことここにデンチナマズを置けば……」

 ベルはデンチナマズを桃色の床の装置に置いて、赤い床を出し、奥まで進んでいく。

 すると、電力供給システムに巨大なデンチナマズのスピリッツが縛り付けられていた。

「あっ、オオデンチナマズだよ!」

「オオデンチナマズ?」

「私が住んでる町に電気を送ってるんだ。よく攫われるんだけどね」

「ピーチ姫には及ばないがな、ははは」

 マールの説明にマリオが苦笑していると、オオデンチナマズが襲い掛かってきた。

「きゃっ! もう、やめてよ!」

 マールは寸でのところで攻撃をかわし、わかばシューターを撃って攻撃する。

 オオデンチナマズの動きは鈍かったので、マールは全ての攻撃をかわしてブキで相手を塗った後、パブロを振ってとどめを刺した。

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「……これで、大丈夫だよね?」

「あっ、電力供給システムが……!」

 オオデンチナマズのスピリッツを解放すると、電力供給システムから電気が送られる。

 それは、電力プラントがキーラの魔の手から解放された証であった。

「今すぐに外に出よう!」

「ああ!」

 一行は、もう用がなくなった電力プラントを後にするのであった。

 

「わあ……!」

 電力プラントを解放したおかげで、各地にあるゲートの赤いランプが点灯し、閉じていたゲートが次々と開いていった。

「これでこの世界にまた活気が戻ったな」

「電気がなければガスも水も出ない、イイ時代になったものだぜ」

「いや、火は火打ち石を使えば出るんだが」

「世界が違えば差も出るんだな」

 アレンはピカチュウとリンクのやり取りを聞いてそう呟いた。

 とにかく、閉じたゲートが全て開いたため、まだ行っていないところがあるかをアレンはシャドウに聞いた。

「確かソレイユとリュンヌを解放した街に、まだファイターが残っているそうだ。そこはあのゲートで塞がれていたが、今なら救出できるはずだ」

「君の口からそんな言葉が出るなんて珍しい」

「僕も成長するんだぞ……」

 はぁ、と溜息をつくシャドウ。

 何はともあれ、これで街に残っていたファイターを救出できる。

 一行はシャドウのカオスコントロールで街に戻り、先程まで通れなかったゲートを通り抜けていった。

 すると、台座に若いボクサーが縛られ、その隣には褐色の肌のボクサーがいた。

 17歳の少年ボクサーリトル・マックと、眠りの妖精の名を冠するボクサー、Mr.サンドマンだ。

「マック!」

「電力プラントにいたピチューに続いて、小さな体に大きなパワー、ってところだな」

 スネークは拳銃を構えてマックを縛っている鎖を撃つ。

 すると、マックとMr.サンドマンは赤い瞳をぎらつかせていきなり襲い掛かってきた。

「ウオオオオオオオオオオオ!」

「来るぞ!」

「ばうばう!」

「お前もやるのか。……行くぞ!」

 スネークとダックハントは、操られたマックとMr.サンドマンと戦った。

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「はっ!」

 スネークはMr.サンドマンに手刀を放ち怯ませる。

 ダックはリトルマックにフェイントをかけ、ハントがリトルマックに体当たりする。

「グレネード装填、発射!」

 スネークは周りに被害が及ばないようにグレネードランチャーを放つ。

 爆発の衝撃でマックとMr.サンドマンは吹っ飛んでいった。

「ばう!」

「ウオォッ!」

「あぉーん!」

 ハントはマックに近付いて彼の右腕を狙うがマックはハントの攻撃をかわしてジャブを放ちダメージを与える。

 Mr.サンドマンはスネークにストレートを放つがスネークはかわして背後に回り込み麻酔銃を連射して倒した。

 その後、ダックハントがガンマンを召喚し、マックを一斉に射撃して戦闘は終わった。

 

「呆気ない最期だったな」

「わん、わんわんわん……」

 「いや、まだ死んでないし」とハントが鳴くと、マックがゆっくりと起き上がった。

 キーラの呪縛から解放されたため、彼の眼は元の黒に戻っていた。

「ん……オレは一体……」

「正気に戻ったか、マック。お前は悪い夢を見ていたんだ」

「……悪い夢……。そうか、あれは夢だったんだな」

 マックは年相応の少年らしく、素直に納得した。

「ありがとう、みんな」

「あれ……おにいちゃん、だれでちゅか?」

「そうか、『おにいちゃん』か。オレはボクサーのリトル・マックだ」

 ピチューはマックの事を知らないので、マックは彼らに自己紹介をした。

「ぴちゅはぴちゅでちゅ!」

「ボクはランスだよ!」

「オレはジュカインだ」

 ピチュー、ランス、ジュカインなど、彼を見た事がない人物は自身の名前を名乗る。

 一応、スネークとシャドウはアシストフィギュア時代からマックを知っていたのでここでは名前を名乗らなかった。

「……ありがとう、みんな。ところで、話は変わるが、一体何が起こっているんだ? 世界が荒れ放題になっているが……」

「ああ、実はな……」

 スネークはマックにこれまでの事情を話した。

 

「……というわけだ」

「つまり、この世界が荒れたのはキーラのせいというわけか。くそっ、正々堂々と勝負したかったのに……!」

 マックは歯ぎしりを立てて右手を握りしめる。

「失うものがないものは、倫理観もない。それが現実だ」

「シャドウ……」

「だから、僕はそんな奴にこう言おう。自らが犯した罪に一生苦しみ続けるがいい、と」

 シャドウは厳しい事を言うが、これが現実である事はマックにも伝わった。

 マックは頷き、立ち上がって凛々しい表情で一行にこう言った。

「これ以上、あいつが勝負を邪魔しないように、オレも一緒に連れて行ってくれ。

 ……絶対にあいつは許さないが、怒りをぶつけるのはあいつと戦う時だけでいい。

 だから、オレもお前らと一緒に、あいつから全てを取り戻す!」

「分かったぜ、マック。……一緒に、行こう」

「ああ!」

 マックとマリオは共に拳をぶつけ合った。

 こうしてピチューに続きまた一人、キーラの呪縛からファイターを解放した。

 キーラはその様子を空から見上げていて、悔しそうに震えていた。

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 〜ベルのスピリッツ名鑑〜

 

 ビクティニ

 出身世界:ゲフリアース

 性別:不明

 イッシュ地方の幻のポケモンでしょうりポケモン。

 エスパー・ほのおタイプで特性はしょうりのほし。

 ポケモン初の、図鑑番号が御三家よりも前にある幻のポケモン。

 ビクティニが無限に生み出すエネルギーを分け与えてもらうと、全身にパワーが溢れ出す。

 

 オオデンチナマズ

 出身世界:未来の地球

 性別:不明

 御年100歳の巨大なナマズ。

 インクリング達が暮らすハイカラシティやハイカラスクエアの主な電力源となっている。

 しかしその割にはオクタリアンによく攫われる……いや、だからこそよく攫われるのだ。

 

 Mr.サンドマン

 出身世界:地球

 性別:男性

 アメリカ出身、ボクシングの元世界チャンピオン。

 繰り出す三連続のアッパーカットは非常に強力。

 「眠りの砂の妖精」の名に相応しく、彼にとって相手を倒す事は「寝かしつける」事であるという。

説明
電力プラント攻略回。
タイトルは、ある二人のファイターに関係します。
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