真・恋姫†無双〜黒の御使いと鬼子の少女〜 92 |
〜時を遡ること一か月前〜
穏やかに晴れた日。城の中庭で愛紗と雪華が鍛錬に励んでいた。
「やっ! たぁっ!」
「雪華、もっとしっかり踏み込みなさい」
拙くもしっかりと釘十手を振って攻め込んでくる雪華に助言をしながら攻撃を捌く愛紗。
「そこっ!」
「あうっ!」
そして、大きな隙を見つけたら偃月刀の代わりである棒で叩いて指摘する。
「上段の一撃は大きな隙になる。まだ見極めができないなら使わないように」
「はいっ!」
痛みで涙目になってはいるが、しっかりと返事と頷きを返す雪華。愛紗は少し微笑んで再度構える。
「では、もう一度っ!」
「はいっ!」
再び始まる鍛錬。だが、今度は打ち据えられるよりも前に月の声で中断されることになる。
「お茶の用意をしたので、一休みしませんか?」
愛紗はその声に頷いて棒を下ろす。
「雪華、一度休憩しよう」
「んっ!」
その一言を聞いてから雪華は律儀にお辞儀をしてから月たちの方へ駆け寄っていく。
「月姉さま、今日のお茶は何?」
「烏龍茶ですよ。いい匂いだし、安かったから買ってきたの」
と、そんな月の後ろからお茶菓子を持ってきた詠が補足する。
「ついでに他の店で買った合いそうな茶葉と混ぜてるから、月特製烏龍茶ってところね」
「ほんとっ!? 月姉さますごいっ!」
「へ、へうぅ〜」
キラキラした目で雪華に褒められた月は少し照れてはいるがだがうれしそうにしている。そんな彼女らを見て詠は顔を思いっきりほころばせる。
「ああ〜、癒されるわぁ……」
「ああ、そうだな……」
と、同じように愛紗もほころばせていた。
「にしても、雪華って本当にあいつの妹ってのが」
「…………」
「あ」
“しまった”と詠の表情が変わる。だが、一度口にしてしまったのだ。元に戻せぬのならばと話を続ける。
「その、あいつの足取り、まだつかめないの?」
「……ああ」
“涼州が曹操に落とされた”その情報を聞いた時の光景は今でも覚えているし、その時の心は今も残り続けている。
(……玄輝殿)
命の心配はしていない。だが、心配なのは戻ってこられるのかどうかだ。
(あの方の事だから、慎重に行動しているだろうとは思うが……)
その道中でもしも、曹操軍に見つかったら? あるいは他の軍に見つかってしまったら?
(……いかに玄輝殿とて)
一人で軍を相手にするのは無理だ。有象無象の野盗ならばともかく、訓練された軍では流石に相手にはできない。逃げようにも黒の御使いの名は大きく知れ渡っている。逃がすという判断をするような人間は今の時世でいる訳もない。
(……ええいっ! どうしたというのだ私はっ!)
前にも似たような状況は何度もあった。しかし、ここまで心苦しくなったのは初めての事だった。
(なんで、ここまで……)
ふと、彼女は幼い時に読んだ物語の一節を思い出す。
(恋に侵されたものは身を焦がす……)
だが、思い出した瞬間にそれを脳内で掻き消す。
(なななっ! 何を思い出しているのだっ! 私はっ!)
脳内の愛紗は必死に両手を動かして消そうとするが、次第にその手を止めてしまう。
(……恋、など)
雛里と玄輝の三人で行ったあの茶屋の一件以来、自分の想いはもう自覚している。だが、自分の卑しさが邪魔をしてしまう。
(……あの方の視線を独り占めしたい。私だけを見てほしいと何度思ってしまったことか)
だが、それは玄輝殿を困らせるからと抑えていたが、涼州の情報を聞いてからというもの、抑えが効かなくなっている。
(雛里も、こんな思いをずっと抱えているのだろうか?)
雛里が玄輝を慕っていると打ち明けたあの時の顔を思い出す。
あれほどの想いを持っている彼女が自分と同じような状況にならないはずはない。いや、もしかしたら自分以上かもしれない。
(だが、雛里はそれを表に出していない)
何時ぞや玄輝殿が出ていくとなった時はボーとしているところや、手が動いて無い所を何度か見たことはあったが、今回はそれを見たことは無い。いや、
(むしろ、今そうなっているのは私の方か……)
思わず自嘲の笑みが出そうになった時、頭に衝撃が走る。
「いたっ!」
「いつまで物思いにふけってるのよ」
衝撃の正体は詠のデコピンだった。
「愛紗ってほんとうあいつの話になるとポンコツになるわよね」
「なっ!?!?!?」
意地の悪い笑顔一つ残して詠は足早に二人の元へ向かってしまう。
「おいっ! い、今のはどういう意味だっ! わ、私はっ!」
「あーはいはい。そこは他の人にも聞いてみなさいよ」
ぎゃいぎゃい騒ぎつつ、二人も合流して四人はお茶を飲むための準備を整えていく。準備が終わると月がお茶を注いで全員に配る。
「ん〜、さすが月ね。いい香り……」
「ほんと……」
愛紗も同じように香りを楽しんだ後、お茶を口にして一息。
「……味も良い。程よい甘みだな」
彼女の感想に後に続いて飲んだ二人も大きく頷く。
「そ、そんな……」
月はさっきと同じように照れつつも嬉しそうにしている。まさしく平和な光景だった。と、そこへ疲れた表情の北郷が通りかかった。
「ご主人様?」
「あれ、みんなここでお茶?」
「ええ。雪華の鍛錬の休息で。月がお茶を入れてくれたので」
「へぇ、おいしそうなにおいだね」
北郷が鼻をひくつかせていると、月がおずおずと声をかける。
「あの、もしよかったら、ご主人様もいかがですか……?」
「え、本当っ!?」
目を輝かせる北郷に対し、嫌そうな表情になるのは詠だ。
「えぇ〜!!! こいつも一緒にっ!?」
「詠ちゃん」
「うっ」
いつもならここでもう少し粘ろうとするところなのだが、
「詠姉さま、そういうの言っちゃだめだと思う」
「ぐぅ! 雪華までぇ……」
自分よりも幼く、尚且つかわいいと思っている存在にまで言われてはどうしようもなし。詠はすごすごと引き下がった。
「じゃあ、お邪魔させてもらうよ」
北郷が座ろうとするが、席は4つ。と、そこで雪華は自ら席を降り、愛紗の膝に座った。
「せ、雪華っ」
膝の上は行儀が悪いと諫めようとするが、それよりも早く雪華は愛紗の顔を見上げて、
「……だめ?」
「ぐふぅっ!?」
こんなにかわいい存在にダメなど言えようか。何も言わず、その頭に手を置くと、雪華は嬉しそうに頭を小さく左右に振る。
「〜♪」
「……はぁあ」
そんな表情を見た北郷は“愛紗って、本当に可愛いものに弱いよなぁ”と思いつつも口には出さないで月が入れてくれたお茶を飲む。
「烏龍茶?」
「はい。お口に合いませんでしたか……?」
「いや、すごくおいしいよ。ただ、いつも飲んでるような烏龍茶とは違った感じがしたからさ」
「あのね、月姉さま特製なんだって」
「え、そうなの!? 月そんなこともできるんだ」
そう言ってもう一口。
「うん、本当においしいよ」
「そ、そうですか?」
“えへへ”と喜ぶ月。そんな彼女を見て皆ほほ笑んでいた。
「でも、ご主人様。さっきはお疲れのようでしたか……」
月の一言でほほ笑んでいた北郷の顔が曇る。
「いや、麗羽たちがなぁ……」
「“ああ……”」
その一言で雪華以外の皆が頷いた。
「……今更言っちゃなんだけど、保護しなくてよかったんじゃないの?」
「まぁなぁ……」
さて、何がどういう事かと言えば……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
玄輝が旅立った後、戦いで消耗した分を回復させてるところで彼らに大きな情報が舞い込んだ。
「袁紹がやられた!?」
「はっ! どうやら我らが袁術と戦っている間に大きな戦が起きていたようです。一進一退の戦いの末、曹操が勝ち、領地を手にしたとのことです」
報告を聞き、細作を下がらせた後で北郷は腕を組んで天井を見上げた。
「う〜ん、曹操が北方を手中に収めたかぁ」
「そうなります」
朱里の返事に天井から視線を戻し、そこにいた朱里、雛里、桃香、星、愛紗に話を聞く。
「これで北方には巨大な勢力が現れたわけだけど、俺たちはどうすべきだと思う?」
「どうすべきもなにも我らがすべきは力を蓄えることしかできますまい」
星の意見に軍師二人も頷く。
「星さんの言う通りだと思います。私たちがここに来てからまだそんなに時間は経っていませんし、力も半分どころか三分の一にも届いていないでしょう」
「戦いを仕掛けるのは論外ですし、攻め込まれても今のままではどうしようもありません……」
「そうだよねぇ……」
そこは北郷も分かっているようだが、かと言ってという思いがある。
「ご主人様、焦るお気持ちは分かりますけど、今はそれしかすることがありません。しいて言うなら細作を放つくらいですが……」
「ですが?」
「下手に放てば曹操さんは攻め時を早める可能性もあります。その可能性も考慮すると、やるのであれば慎重に行わないと……」
「逆に首を絞めかねないってことだよね……」
そうなってしまえば本末転倒もいいところだ。であるならば……
「地道に力をつけるだけかぁ……」
「主、こればかりは致し方あるまい。前に比べれば勢力は大きくなりましたが、それでもまだまだ小さいのですからな」
「……だね。星の言う通りだ」
北郷は両手で頬を叩くと気持ちを切り替えた。
「じゃあ、引き続き富国強兵。これを目標に動いていく、ってのが方針でいいかな?」
「問題ない、かと……」
雛里の一言でその会議は終わったのだが、その直後に扉が勢いよく開かれる。
「たっだいまぁ〜! なのだっ!」
「ただいま……」
外に見回りに出ていた二人、鈴々と恋が戻ってきた。
「鈴々! 扉はもう少し静かに開けろと……!」
「にゃ、それはごめんなのだ」
“でも”と鈴々は笑顔で話す。
「実はでっかいお土産があるのだ」
「お土産?」
「じゃ、恋、お願いなのだ」
「ん」
そう言って、一度扉の外に出て行ってしまう恋。少しすると、なんだか騒がしい声が聞こえ始める。
「……てくだ……!!!」
「いて、もうちょい……!!!」
「おやめ……!!!」
ただ、その声がどうにも聞いたことがあるような気がする、と全員が思っていた。
「……鈴々、まさか」
「んー、たぶんその“まさか”なのだ」
次第にはっきり聞こえ始めた声が疑問を確信へと変えていく。
「このわたくしを誰だと思っているんですのっ!」
「そーだそーだっ! 捕虜にはもっと丁寧にしろぉ!」
「もぉー! お願いだから二人とも静かにしてぇ!」
鈴々がもってきたお土産。それは、
「え、袁紹ぉおおおおおおおおおおおおおおお!?」
さっき話題になったばかりの袁紹だった。しかも、主たる将だった顔良と文醜も一緒だ。
「な、なんでっ!? 曹操に滅ぼされたんじゃ!?」
「んー、何か山に隠れてたからとりあえず捕まえたのだっ!」
が、そんな一言に袁紹はキーキーと反論する。
「あれのどこが“とりあえず”ですのっ! じわりじわりと山狩りしておいてっ!」
「そーだそーだっ! おかげで1週間水浴びすらできなかったんだぞっ!」
「今それ以上の危機だって気づいてぇ……」
「……うん、だいたいは想像できた」
で、問題は。
「……どうしよっか? この三人」
捕まえてしまった以上はどうにかしないといけない。北郷が出した議題に真っ先に意見を出したのは星だ。
「曹操に引き渡して恩を売るぐらいしかないのでは?」
「“ひっ!”」
「まぁ、それが普通だよなぁ……」
どんな恩恵があるかは分からないが、少なくとも曹操の事だ。無下にすることは無いだろうし、何かしら返してはくれるだろう。
「私も同感です。正直、ここに匿っても得になることはありませんし」
「朱里の言う通りです。それに、何時ぞやの時は大変“世話”になりましたし」
「……です」
愛紗と朱里と雛里。三人の冷たい視線が三人に突き刺さる。
「まぁ、こればっかりはなぁ……」
正直、北郷も“助ける理由ないしなぁ”と4人の意見におおむね賛成だった。だが、
「う〜ん……」
桃香だけが眉根を寄せていた。
「桃香?」
北郷の問いに彼女はしばらく悩んだそぶりをしてから口を開いた。
「……匿っちゃわない?」
“てへっ”と言った感じで出た発言に一瞬静まり返るが、すぐに爆発音のような驚きの声が響き渡った。
「“えぇ〜〜〜〜〜〜!!!!!!”」
「うひゃあ!?」
思わぬ音量に桃香は可愛らしい驚きで返すが、それを4人の圧が塗りつぶす。
「桃香さまっ! それはいくら何でも正気を疑いますぞっ!」
「そうですっ! 百害あって一利なしですよっ!」
「いえ、千害あって、ですっ!」
「桃香さまっ! こればかりはお考え直しくださいっ!」
必死に主の考えを引き止めようとする四人。だが、その中で一人だけ加わっていないのは北郷だ。
「ご主人様も何か言ってやってくださいっ!」
愛紗にそう言われたが、北郷もさっきの桃香と同じような表情になる。
「ご主人様!?」
「……いやさ、確かにみんなの意見は俺も正しいとは思うんだ。実際、助ける理由ないし」
“でも”と北郷は言葉を続ける。
「だからってそれが“助けない理由”に成るかは別のような気がするんだ」
「助けない理由、ですか?」
愛紗の疑問に頷いて北郷は答える。
「助ける理由は無くても手を差し伸べることはできる。でも、助けない理由があればそもそも手を出すことすらしない。そう考えたらさ」
北郷は一度言葉を止めてから、頭を掻く。
「……俺も桃香の意見に賛成かなぁ」
「なっ!?」
皆が驚きの表情を浮かべるが、その中で朱里だけがすぐに冷静な表情になる。
「……恋さん、とりあえず三人を外に出しておいてくれますか?」
「ん」
短く答えて恋は入ってきたときと同じようにぎゃいぎゃい騒ぐ三人を外に連れ出していく。そして、声が聞こえなくなったところで朱里が桃香と北郷を見て口を開く。
「桃香様とご主人様の意見は分かりました。私としては反対はしません」
「朱里までっ!?」
「いえ、私も匿うことはしたくありませんけど」
そこで朱里の眉根が八の字になる。
「でも、ここで見捨てるという選択は私たちの目指すべき物から考えると取りにくい選択ではあるんです」
「どいう意味だ?」
「私たちは力なき民たちのために立ち上がりました。つまり、人助けを掲げているということです。そんな私たちが人を見捨てるという選択をすることは……」
「旗印に泥を塗る、そういうことだな?」
星の言葉に頷いて、朱里は続きを話す。
「別に正当な理由がないわけではありませんし、今は乱世。これを悪だ、道義に反していると言う人は少ないかもしれませんが、敵からしたら……」
「攻め入る理由としてこじつけができると」
「そうなります」
「なるほど」
愛紗もそれには納得した。そして納得した上で自分の考えも述べる。
「それに、曹操ならばそれをより上等なものに変えて攻め込んでくるのもあり得るな」
まぁ、曹操がそんな搦手を良しとするかどうかは言えないが、戦略として効力が見込めるのなら迷いなく彼女は使うだろう。しかも、それをより効果的にする方法も付け加えた上で。
「……それを聞いては差し出すという選択肢はできませんね」
心底嫌そうに愛紗は言葉をこぼす。
「だが、それなら匿わずに野に放てばよいのではないか? 三人で国を興すとしても、それができるころには勢力図はほぼ固まっているのでは?」
星の意見に今度は雛里が反対する。
「いえ、袁紹さんは名門袁家の人です。曹操さんに本拠地はやられましたが、それでも伝手がすべて消えさったわけではありません」
「……それもそうか」
名門と呼ばれるほどの歴史を持つ家ならばその繋がりも多岐にわたる。広く浅い人脈は本拠地と共に消えるかもしれないが、深く長い人脈はまだ残っていてもおかしくはない。
「それに、生きていれば何を言いふらすかもわかりませんし、もしかしたら私たちの領地で狼藉を働くこともあり得ます」
雛里の心配ももっともだ。だが、北郷にはある確信があった。
「言いふらす、ってのは俺も心配だけど、狼藉を働くってことは無いと思うな」
「ご主人様?」
「袁紹って、バカだけど領主としてはバカじゃないと思うんだ。だいたい、そっちまでバカだったら誰もついていかないって」
人という生き物は何かしら理由があるから着いていく。それは心酔だったり、恐怖だったり、憧憬だったり、色々だ。だが、愚者には着いていかない。途中までは一緒に行くかもしれない、だが、きっかけができたらあっさりと切り捨てて別の場所へ行く。
いくら名門の跡継ぎだからと言って、曹操と一進一退の戦いを繰り広げるほど国を大きくした人間が狼藉を良しとするだろうか。
「あと、もう一つ言えばバカだからそもそもそこまで考えないと思うんだよね」
「“あ〜……”」
その一言に全員が納得した。
「……確かに、誰彼構わず金品を奪って生きている姿と、バカをやって無一文になっている姿のどちらを思い浮かべるといえば、」
「後者だな」
「なのだ」
「だね」
「ですね」
「……です」
その場にいた全員が納得したところで、北郷が手を叩く。
「じゃあ、あの三人はここで匿うってことでいいね」
「大変不本意ではありますが」
と、愛紗が言うと桃香と北郷を除いた全員が“やれやれ”と不満顔で頷いてくれた。
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とまぁ、そんなことがあって三人組を匿うことになったのだが……
「……あそこまでワガママだとなぁ」
やれ“暇だから遊べるものが欲しいだの”やれ“最近噂の本を買って来いだの”と言いたい放題である。
「でも、一度問題を起こして雷を落とされて以来はおとなしくなったんですよね?」
「……うん、まぁ最初に比べれば」
その問題は正直、北郷としてはあまり思い出したくはなかった。
「……もう、街中で変な筋肉神輿を見るのは勘弁願いたい」
「神輿、ですか?」
「月、こいつの言うことを真に受けちゃだめだし、聞かなくていいの」
ちなみに、詠もその当事者の一人であり、そのことについて当人曰く “街に一人で買い物に行ったことが幸か不幸かはいまだに分からない”とのこと。
「それで、何を頼まれたんですか?」
「ん? ああ、そうしても甘いものが食べたいってことで干した果物をね」
“そうだ”と北郷は服の中から包み紙を取り出した。
「駄賃だっていって分けてもらったんだ。お茶菓子にみんなで食べよう」
そこに出て来たのは柿やナツメヤシのドライフルーツだ。
「“おぉ〜!”」
「一人よりみんなで食べたほうがおいしいしね」
お茶会が華やかになったことにより、皆の会話も弾んだ。しかし、時代はその穏やかな時間すらも許してはくれなかった。
はいどうもおはこんばんにゃにゃにゃちわ。最近、予約した商品が予定よりも早く届くことになってびっくりしている作者の風猫です。
いや、だって秋ごろ届く予定の商品がいきなり夏に届きますと言われたら誰でも驚くと思うんですよ。
てか、予約した商品が早まるってなかなかないことなのでは?
皆さんはどうですか? 予約した商品が何カ月も早く届いたことってあります?
もしよかったらコメントで教えてくれると嬉しいです。
さて、今回はここまで。また次回っ!
何かありましたらコメントにお願いします。
ではっ!
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