真・恋姫†無双〜黒の御使いと鬼子の少女〜 93 |
「ご主人様っ!」
青ざめた顔で駆け込んできたのは朱里だった。
「ど、どうしたの朱里?」
「緊急事態ですっ! 愛紗さんも急ぎ玉座の間へっ!」
ただならぬ気配を感じて二人は頷いて返事をする。
「分かった。すぐに行く」
「私は星さんを呼んできましゅっ!」
噛んだことすら気にせずに朱里はまた駆け出していく。
「月、詠、雪華を頼む」
「はい」
「分かった」
それを同じように察していた二人は愛紗の頼みを聞く。
「すまないな、雪華。また後で」
「……ん」
しょんぼりとする雪華だが、彼女も大変なことが起きていることは分かっている。素直に頷いて愛紗の膝から降りる。
「では」
「ああ」
北郷と愛紗の二人は3人から離れ玉座の間へ急ぐ。
「何事だろう……?」
「少なくとも、よい話ではなさそうでしたが……」
駆けながらも考えを巡らすが、答えが出る前に目的地に着き、その扉を開いた。
「ご主人様っ!」
そこにはすでに星と朱里を除いた全員と一人の兵がいた。ただ、その姿は傷つき、いたるところが汚れていて満身創痍なのが一目でわかった。
「いったい何が」
北郷がそう尋ねる前に再び扉が開く。
「遅れました」
開いた先にいたのは星と朱里だ。主要な面々が集まったところで桃香が兵士に何があったか話すように促した。
「北方の関所に大軍団が現れ、我が国に侵攻を始めましたっ!」
その言葉にさっき来た三人の表情が固まる。
「北方、大軍団……」
答えは一つだ。
「曹操が攻め込んできたのか……!」
北郷は“ついに来たのか”と思い、現状を兵に尋ねる。
「大軍団っていったいどれほどなの?」
「その……」
兵が言いよどんでいるのを見て、星が促す。
「報告せねば分からんぞ。敵の兵力は?」
星に言われた兵は閉ざしていた口を開いた。
「見た限り、ご、五十万ほどかと」
「んな!?」
想定した数を大幅に上回ったことに北郷は驚きを隠せなかったが、それは周りの皆も同じだった。
「……雛里、うちってかき集めて何人ぐらいになる?」
「……頑張って、三万。いえ、五万でしょうか……」
五十万対五万。こんなので勝負する愚か者がいようか? さらに言えば、それはかき集めた人数。兵の質は言わずもがなだ。
「兵法の基本ですでに負けてるか……」
よもやここまでとは、北郷は内心口を噛み締めるしかなかった。なにせ“ここまでとは”と相手に思わせる時点で曹操は諜報や情報戦略においても先を行っているという事だ。
「朱里、何か策があると思う?」
北郷は朱里に聞いたが、それに答えたのは鈴々だ。
「お兄ちゃん、朱里でも流石に四十五万の差を覆す策はないのだ」
鈴々の言葉に朱里は悔しそうにうなずくしかない。
「……申し訳ありません。現状では鈴々ちゃんの言う通りです」
「……いや、朱里が謝ることじゃないよ」
むしろ、それを覆す存在がいたとしたらそれは神か悪魔の知恵を借りているとしか思えない。
「……いっそ、信念の一太刀でも浴びせる?」
「主」
「……ごめん」
星の一言に素直に謝る北郷。しかし、星とて気持ちが理解できないわけではない。
「捨て身になる気持ちも分からなくはありませぬが、それは最後の最後。何も残されていないときだけです」
「分かってる。でも、正直それともう一つは……」
言おうか一瞬迷ったが、迷っても仕方がないと続けた。
「国を捨てるしか思い浮かばないよ」
国を捨てる。それはもっともしてはいけないと北郷は思っていた。それこそ捨て身になると同じぐらいの重さだ。だが、それは北郷の話。
「ん〜、なら逃げちゃおっか」
「へ?」
桃香はそうは考えていなかった。
「と、桃香? 何を言って……」
「何って、逃げちゃおうって言ったの」
「な、何を」
「……私、勝ち目のない戦いに兵や住民を巻き込めないよ。そりゃ、戦って勝てるかもしれないなら頑張ろうって思えるけど、これはそうじゃない。それに、」
彼女は何時ぞやの約束を思い浮かべていた。
「私、みんなを死なせるようなことをさせるわけにはいかないもん。絶対に」
桃香の力強い言葉に皆口を閉ざした。だが、彼女は止まらない。
「だから、私は逃げるべきだと思うの。それに、曹操さんは兵がいないなら、村や町の人に乱暴するってことは無いと思う」
「……確かにな。曹操軍の軍律の厳しさは有名だし」
兵でもない民に狼藉を働こうものなら鞭打ち100回を基本にそこから様々な刑罰が加算されていくだとか、背筋が凍るような話は絶えない。
「……そうだね。そうなると思う」
それを見越して、と言うのならば確かに策として十分だ。だが、心情は「はいそうですか」とはいかない。
「……それで、よいのでしょうか?」
そんな無責任とも取れるような行動をして、という事だろう。愛紗の気持ちは誰もが思ったことだ。しかし、今は、
「愛紗。今は俺たちがいる方が危険かもしれないんだ。共に歩いてくれた人たちに迷惑をかけるかもしれないなら、逃げるのもありだと思う」
桃香の話を聞いて納得した北郷はそう愛紗に説く。
「それに、生きていれば再起を図ることもできる。俺は桃香の案に賛成だ」
だが、それには一つ問題がある。
「ですが、再起を図る場所をどうなさるおつもりなのですか? 北は曹操。南は孫策。他に当てがあるのですか?」
「う〜ん……」
確かに、曹操も孫策も領地をかなり広げている。再起を図るにしても場所が限られてしまう。
「……朱里、何かいい案はある?」
北郷の問いに朱里はしばし考えてから答える。
「……南西はいかがでしょうか?」
「南西と言うと、荊州?」
桃香の言葉に朱里は頷く。
「いえ、そこよりもさらに西にある蜀という土地です。そこは今まで劉焉さんという方が収めていたのですが、最近内戦の兆候が見られるという報告が出ていたんです」
「内戦? 誰かが反旗を翻したとか?」
「いえ、継承問題がこじれたようです」
「なるほどね。で、その隙をついてってこと?」
「その通りです」
だが、その提案に眉根をひそめたのは桃香だ。
「……なんか、火事場泥棒みたいでやだなぁ」
確かにここにいる面々であればそれも納得できるだが、物は考えよう。
「でもさ、俺たちが入って、内戦を早々に終わらせることができれば被害も抑えられる。結果として血を流す量が少なくなると思えば……」
「でも……」
「それに、継承問題がこじれたってことは、次代の人間は傀儡か無能のどちらかだ。そんなのが上に着いたら……」
どうなるか、そして誰が一番「被害」を被るのか。言わずともここにいる人間はすぐに理解できる。
「……そうだね。それで誰かの涙を拭えるなら」
覚悟を決めた桃香は眉根を戻し、凛とした表情で皆に告げた。
「蜀に行こう! ここで誰かを傷つけてしまうかもしれないなら、涙を流している誰かを救いにっ!」
「“はっ!”」
そこにいる全員が返事を返したことで、方針が決まる。
「じゃあ、早速兵の引き上げの作業を。愛紗と星、お願いできる?」
「“御意”」
「あ、それと、警備に当たっている兵には本城に集合するのと、備蓄している食料や金品は村人に施すように指示しといて」
「村人に、ですか?」
少しでも持って行った方がよいのでは、と愛紗は思ったが、それを口にするより早く北郷が続きを口にした。
「うん。あんまり持って行っても足が遅くなるだけだし、それに残しといたら曹操に持ってかれるしね」
「なるほど。さすがご主人様です」
敵対する相手に持ってかれるぐらいなら、今まで共にやってきた村人に渡す方が何倍もいい。
「それと、俺と朱里と雛里は資料の持ち出し、桃香は長老の所に説明を。護衛に鈴々ついてくれる?」
「りょーかいなのだっ!」
「あたしはどうする?」
「白蓮には袁紹たちのお守りをお願いしたい」
北郷の指示に愕然をする白蓮。
「……マジで?」
「マジで。申し訳ないけど手が足りないんだ」
「うへぇ……」
まぁ、色々な因縁がある以上、彼女がそういった態度になってしまうのは致し方ないことだが、彼女とて元領主。
「まぁ、なんとかするよ」
やらねばならないことはしっかりと取り組むのだ。
「お願いね。あと、愛紗」
「何でしょうか?」
「雪華や月、恋たちにもこのことを伝えてもらえる?」
「御意」
「よしっ! じゃあ兵が戻り次第この城を出るっ! 皆、頼むよっ!」
「“御意っ!”」
全員の返事が返った後、それぞれが指示された仕事に取り掛かっていく。
「愛紗、他の者に連絡するのであれば兵は私が担当する。だから、兵站の方は頼めるか」
「ああ。すまない」
「なぁに、気にするな」
そう言って星は兵舎のある方へ駆けて行った。
(さて、まずは)
とりあえず、さっきまでいた中庭へ足を運ぶと、そこにはまだ3人が残っていた。
「……何かあったの?」
詠が愛紗を見て開口一番にした言葉に愛紗は頷く。
「説明はあとでするが、ここを放棄することになった。急いで荷物をまとめてくれ」
一瞬驚いた表情になるが、すぐに軍師の表情になる。
「……それだけの事態ってことね」
何が起きたのか察したのだろう。特に慌てた様子もなく頷いた。
「詠ちゃん……」
「月、急がないと。たぶん、あんまり時間は残ってないわ」
彼女の言葉に月は頷いた。
「……ほうきって何?」
だが、雪華は頷かなかった。
「雪華……」
「ほうきって、何? ここ、出ていくの?」
「……そうだ」
「だって、まだ、玄輝が戻ってないよっ!」
「“…………”」
その言葉に、彼女たちは口をつぐむしかない。
「私たちが出てったら、玄輝の戻るところないよっ!」
「雪華……」
「私、残るっ! 玄輝が」
「雪華っ!」
「っ!」
愛紗の一喝。だが、その表情にあるのは悲しみだ。
「……すまない。私たちの力不足だ。だが、生き延びなければいけないのだ」
彼女は部屋に仕舞ってある約束の品を思い浮かべる。
「ここに残れば、死んでしまうかもしれない。そんなことになったら、本当に約束が果たせない」
「……………」
「それに、玄輝殿の戻る場所は本当にここなのか?」
「え?」
「……戻る場所は、“私たちがいる”場所ではないのか?」
愛紗の言葉に雪華は目を見開いてから、しゅんと小さくなってしまう。
「…………」
「……わかって、くれるな?」
問いに頷きで雪華は答える。
「では、すぐに荷物をまとめてくれ。私は別の所に行かなければいけない」
「……うん」
と、そこで詠が愛紗に問いかける。
「そういえば、あいつはどうするの?」
「あいつ? 玄輝殿のことは……」
「じゃなくて、華雄のことよ」
「………………あ」
愛紗にしては珍しい“やってしまった”という表情を見て詠は愕然とする。
「まさか、忘れてたのっ!? あんな濃い猪将軍を!?」
「…………すまない」
とは言うが、他の面々もこの時は完全に忘れていたというのはまた別の話。
詠は最大級にどでかいため息を吐いてから話を続ける。
「で、華雄はどうするの?」
「……解放、することになるだろう」
だが、そこで手をあげたのは月だ。
「……力になってもらえないか、私が話しましょうか?」
「月……」
「ら、いえ華雄さんならきっと協力してくれるはずです」
確かに、戦える人員が増えるのであればありがたい。それに、華雄は武に誇りを持っている。協力してくれるのであれば、余計なことはしないだろう。
「……そうだな。すまないが話しておいてもらえるか? 私からもご主人様や桃香様に話をしておく」
「分かりました」
その時、ちょうど侍女が通りかかったので引き留める。
「すまないが、ご主人様か桃香様に“仲卓が華雄に協力してもらえないか話をしたい”と言っていることを伝えてくれ。なるべく早く頼む」
「承知しました」
返事を返した侍女は駆け足で二人を探しに行った。
「では、頼む」
「はい」
そして、月と詠は雪華を連れて準備と説得へ向かった。
「さて、私も成すことを成さねば」
愛紗は足早に兵站の管理をしている部署へと向かっていく。ただ、幸いと言っていいのかは分からないが、作業をしているときだけは身を焦がすことは無かった。
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城を出た北郷一行。そんな彼らに近づいてくるのは後方の偵察をしていた朱里の一隊だった。
「桃香さまぁ〜! ご主人様ぁ〜!」
「朱里ちゃん、どうだった?」
「国境の拠点を落としてからというもの、破竹の勢いで進軍を続けています」
「ご主人様」
「流石、というべきかな」
だが、称賛は今することではない。考えるべきことは……
「進路はどうなってるの?」
「はい。東方、西方から彭城に向かう隊がそれぞれ一隊。それと南下している曹操さんの本隊。そして、私たちの偵察が目的であろう隊が一隊です」
「偵察ってことは……」
「ご主人様の想像通りかと」
「まだこっちの動きには気が付かれてないか」
だが、“今は”というだけだ。
「ですが、先行している隊の速度から考えると気が付かれるまでそこまで時間はないかと」
それに対して意見を述べたのは……
「ならば、私がその隊を叩こう」
華雄だった。
「私ならば一撃当てて戻るのはたやすい」
「待って華雄さん。それだと意味がないの」
桃香の一言に華雄は耳を傾ける。
「それだと、せっかく素早く動いた時間が無駄になっちゃう」
「……むぅ、そうか」
すんなりと引いた華雄に桃香は心で安堵し、後方を見やる。
「それに、私たちにはこの人たちもいる」
彼女の視線の先には多くの兵士ではない人々の列が続いていた。
「……貴様の人徳、改めて思うが凄まじいな。ここまでの民が今までの生活を捨て、ついてくるなど聞いたことがない」
そう。曹操の庇護に入らず、桃香たちと共に行くと決めた人々だ。桃香は民の列を見て改めて覚悟を決める。
「うん、だからこそ私たちは逃げ切らなきゃいけないよね。絶対に」
「……ふっ」
と、華雄はそんな彼女の顔を見てほほ笑む。
「華雄さん?」
「いや、月も同じような顔をしたことがあったと思ってな」
「え、月ちゃんが?」
「ああ、だからこそ貴様は信用に足る」
そう言って華雄は桃香に向き直る。
「このような場でいう事ではないだろうが、無事に蜀に着いた暁には私を貴様の、いや、劉備殿の傘下に加えてはもらえないか?」
「華雄さん……」
「なに、この最中で気に食わぬのであれば蹴ってくれて構わん。だが、できれば色よい返事がもらえることを願ってる」
“では、前方の警戒に行ってくる”と言い残し、前方に駆けて行ってしまった。声が届かなくなったぐらいで北郷が口を開く。
「……なんか、華雄って猪武将ってイメージがあったけど、やっぱ武人なんだなぁ」
北郷の呟きに愛紗が指摘する。
「ご主人様、いくらなんでもそれは言い過ぎです」
「ごめん。でも、あの戦いでしか俺は知らないからさ」
「確かにそう思われるのは致し方ないかもしれませんが、少なくとも兵の士気や練度は見事なものでした。冷静に戦われていたらあの時の戦いはもっと苦戦していたでしょう」
“ただ、冷静になる、というのが難しいのでしょうが”と最後に一言加えられてしまったが。
「それで、どうなさるのですか? このまま進むのですか?」
「う〜ん、確かに桃香の言うように今叩きに行ったら無駄になるけど、でも、行かなきゃいけないときは来るよね」
北郷の言葉に軍師二人は頷く。
「はい。それも、そう遠くない内に」
「……隊を二つに分けよう。先行して益州を叩く部隊と、後方の曹操の追走を防ぐ隊に」
北郷の案にそこにいた全員が頷く。
「それしかないでしょう。後方には3万、いや、3万5000ほどでどうか?」
「愛紗、さすがにそれは警戒しすぎだ。3万でよかろう」
「……そうだな。星の言う通りだ。では、残りの2万が益州を落とす隊だな」
「うむ。いかがか?」
星の問いかけに朱里が頷く。
「それで問題ないかと。先鋒の隊を愛紗さん、護衛の隊を星さんが率いてください。恋さんと華雄さん、ねねちゃんで桃香様とご主人様の護衛を。殿は鈴々ちゃんに……」
だが、そこで思わぬ人物が手をあげた。
「朱里、殿に俺も加えて」
「ご主人様っ!?」
「何をおっしゃっているのですかっ! そんなことさせられるわけが」
「まぁ、待ってよ。これでも考えはあるんだ」
北郷は一度皆を落ち着けてから考えを話し始める。
「まず、俺が後方にいるってことは相手にとって考える時間を取らせることができる」
「どういうことですか?」
「こう言っちゃなんだけどさ、俺の“天の御遣い”って虚名はだいぶ知れ渡ってるよね。そんな人間が後方にいたら敵は“ここで雌雄を決するつもりか?”って考えるだろ?」
成程。確かにそれは分かる考えだろう。しかし、だからと言ってだ。
「ですが、敵はあの曹操ですっ! そんなのすぐに看過してしまうかもしれないっ!」
「そこだよ。“曹操だから”俺が行くべきなんだ」
「え?」
「俺は少なくても曹操に“食えないやつ”って認識されてる。頭の良い曹操ならそこで考えを絶対に巡らせるはずだ。それこそ十手先までね」
「つまり、曹操の頭の良さを逆手にとって時間を稼ぐという事ですな」
「そういうこと。だから、これは俺にしかできない。だから」
“いくよ”と言う言葉は愛紗に遮られる。
「ここで束になって引き留めても行かれるおつもりでしょう?」
「今回は、ね。それに、本当の旗印は桃香だ。そうだろ?」
北郷は皆の顔を一度見渡してから続ける。
「桃香がいれば再起できる。だから、今一番重要なのはいかに桃香を益州に送るかだ。それを忘れないで」
その一言に星が答える。
「承知した」
「星……」
「ですが、主。桃香様がいれば再起できるとおっしゃいましたが、主とて我らが柱の一つだというのは忘れないでいただきたいものですな」
「星の言う通りです」
「愛紗」
「死に行くわけでないというのは重々承知しておりますが、無事に戻ることをお約束ください。でなければ行かせられませぬ」
「……ああ、もちろん」
その約束に加わる人物がもう一人。
「約束なんてなくても大丈夫なのだっ! 鈴々がお兄ちゃんに指一本触れさせないのだっ!」
鈴々の力強い言葉に朱里が頷く。
「お願いね、鈴々ちゃん」
「まっかせるのだっ!」
ドンと胸を叩く鈴々。そんな彼女を見て北郷はほほ笑むがすぐに顔を引き締める。
「じゃあ、皆。桃香を頼んだ」
「“はっ!”」
「ご主人様……」
「大丈夫。絶対に帰るさ。玄輝にお帰りも言ってないしね」
「……うん。そうだね」
こうして隊は二つに分かれたのだが、彼女たちは気が付かなかった。たった一人、異変に気が付いていた少女が殿に着いていったことを。
はいどうもおはこんばんにゃにゃにゃちわ。作者の風猫です。
という訳で本格的に蜀への逃避行が始まりました。てか、改めて思いましたけど、住民が領主のために今までの生活を捨てて共に行くってすっごいことですよね……
劉備の人徳って生で見たらどれだけなのか、ちょっと興味があります。
ですが、そんな彼女たちに異変が迫っているのですが、果たしてどうなることか。待て次回!
という訳で今回はここまで。
誤字脱字等がありましたらコメントにお願いします。
ではっ!
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オリジナルキャラクターが蜀√に関わる話です。 大筋の話は本編とほぼ同じですが、そういったのがお嫌いな方はブラウザのバックボタンをお願いします。 ちゃんとオリジナルの話もありますよ?(´・ω・) |
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