京の地に揺蕩うもの
説明
伏見稲荷。殺生石が分かつ、所謂「日本三大狐」には属さない。
というよりも、これら神狐の出世競争よりも遥か遠い昔に「アガっている」1尾である。
玉造のように神徳集めに奔走せず、待宵のように時代に翻弄されるでもなく、
ただ数多の寓話、逸話の類によって繋ぎ止められた魂はもはや不滅のものとなっている。

同類の雪紐にも同じことが言えるが、この世代は役目を終えて既に余生である。
人間で言う「永久不滅の不労所得」を得た彼女らは、神出鬼没に気の向くまま、
生きとし生ける者の営みを見守り続けているのだ。
全国の稲荷社の総元締めではあるが、放任している上に言動、態度、仕草の全てが胡散臭い。
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