真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
一刀と龍天の戦いは死闘を極めた……
互いに一歩も退かない戦いは五分五分であったが、
僅かな隙を突き、一刀が猛攻を仕掛けるも
悲しい現実が待ち受けていた………
三節 〜窮地〜
一刀「え?2分2厘……?たったの……?」
一刀は目を丸くしてただただ驚く
左慈「馬鹿な、かなりの手数で喰らわせたんだぞ?」
左慈も眉間に皺を寄せて呟く
龍天「残念ながら、これが現実だ」
龍天がそう言い終わる頃には
機器音声「損傷率:0厘」
全ての傷が癒えていた
冥琳「また、やり直しか………!!!」
冥琳の言葉が重くのし掛かる
一刀「冗談キツイぞ………」
一刀は冷や汗を流しながら、構え直す
龍天「そう自分を追い込む必要はないぞ?北郷一刀………
貴様が弱いのではない」
龍天は一度、区切ってから言い放った
龍天「この龍天が強過ぎるだけなのだから」
一刀「一言一言、余計だしムカつくんだよなぁっ!!!」
一刀は握り拳を作り、龍天に向かって駆け出した
一刀「はあぁぁっ!!!」
一刀は再度、凄まじい攻撃を仕掛けていく
ところが
一刀「(………掠りもしないっ!!?)」
先程までは龍天へ攻撃を当てたりしていたが、今度は一切当たらなくなった
龍天「貴様の動きは既に『万能眼鏡』に登録済みだ
先程もまぁまぁ、読めていたが今は手に取るようにわかるぞ」
一刀「じゃあ、これなら………!!!」
一刀は自身の右側に『闇行』を作り出し、直ぐ様、右手を突っ込んだ
フォンッ!!!
バキッ!!!
龍天「ぬぅっ!!?」
『闇行』を使った回避不可能の攻撃『闇拳』が龍天の右頬を捉えた
一刀「はあぁっ!!!」
フォンッ!!!
バキッ!!!
龍天「ぬあっ!!?」
今度は左足の蹴りが『闇行』に吸い込まれた後、龍天の鳩尾を直撃する
龍天は後方へ後ずさるも、直ぐ様立て直す
龍天「『竜の火炎』」
ゴオォォォォッ!!!
一刀「うわっ!!?」
一刀は威力を弱めた『竜の火炎』を諸に喰らってしまった
龍天「今度は此方の番だな………!!!」
龍天は怯んでいる一刀目掛けて襲い掛かった
一刀「くっ!!!」
龍天「今までの分を返してやろうっ!!!」
フォンッ!!!
フォンッ!!!
フォンッ!!!
バキッ!!!
ドカッ!!!
バコッ!!!
一刀「ぐっ!!!くっ!!!」
一刀は龍天の猛攻をガードするしかなかった
一刀「(一撃一撃が、重すぎる……!!!)」
攻撃を受け止める両腕などは既にボロボロとなっていた
龍天「どうした?北郷一刀……
人間の王の力は、所詮はその程度か?」
一刀「まさか…………」
一刀は龍天の右腕を掴む
龍天「む?」
一刀「喰らえ、『超完全防御』っ!!!」
ブォーーーンッ!!!
一刀は体から紫色の波動を放つ『超完全防御』を放った
しかも、龍天を捕らえている為、零距離による攻撃
龍天「ぬっ!!?くっ!!!ぬおっ!!?」
連続的に攻撃を喰らい続ける龍天
一刀「『紅蓮掌打』っ!!!」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
龍天「ぐぅっ!!!」
一刀はそのまま、『紅蓮掌打』を放ち、龍天を吹っ飛ばした
一刀「はぁ、はぁ、はぁ………いてて……」
一刀は肩で息をしながら自身の体を見る
一刀「くそ………結構キツイな………」
一刀は目線に吹っ飛ばした龍天へと向ける
一刀「けど、これで多少は………」
そこまで言った時だった
機器音声「損傷率:1分4厘」
卑弥呼「っ!!!1.4%じゃと……!!?」
またもや、とてつもなく低い値が示された
龍天「だから言っているであろう………」
龍天は衣服に着いた土埃を払い落としつつ、呆れながら言う
龍天「人間には限界があるのだ
所詮は1分の損傷率を削るのが精一杯………
それでは、この龍天には勝てぬ」
一刀「くっ……………」
一刀は悔しそうに、歯を食い縛る
龍天「だが、そう落ち込む必要はない
過去に1分を超えた前例はないのだから」
龍天は不敵に笑いながら、一刀へ歩み寄る
一刀「嬉しくはないね………」
一刀は歩み寄る龍天に警戒しつつ、気を高めていく
龍天「死角からの攻撃は躱せるか?」
一刀「なに?」
龍天は唐突に一刀へ質問を投げ掛け、その場に止まる
龍天「試させてもらおうか………『竜の潜水(りゅうのせんすい)』っ!!!」
龍天は右手を広げて、地面につける
その瞬間
ドォォォォンッ!!!
一刀「うわっ!!?」
一刀の足元から強力な衝撃波が放たれた
回避できず、一刀は空中に吹き飛ばされる
龍天「まだまだゆくぞ、『竜の潜水』っ!!!」
ドォォォォンッ!!!
ドォォォォンッ!!!
ドォォォォンッ!!!
龍天は続けて『竜の潜水』を連発していく
一刀「ぐっ!!?ぐあっ!!?がっ!!?」
成す術もなく、一刀は次々と襲いかかる『竜の潜水』の餌食となる
龍天「幕引きだな………」
シュンッ!!!
龍天は『空走』をしてボロボロの一刀の元へ移動し
一刀「っ!!?」
龍天「『竜の爪撃』っ!!!」
フォンッ!!!
ザシュッ!!!
一刀「ぐあっ!!?」
諸に『竜の爪撃』を喰らわせた
一刀は激しく出血をさせながら、愛紗達の元へ吹き飛ばされた
愛紗「ご主人様っ!!?」
翠「ご主人様、しっかりしろっ!!!」
次々と一刀へ駆け寄る
一刀「うぅぅ……………」
華佗が直ぐ様、『癒療』を始める
華佗「くっ、臓器や骨がボロボロだ…………血も足りていない
復帰までには相当な時間を要するぞ……」
華佗は焦りながら『癒療』を続ける
龍天「事実上の戦闘不能だな………
中々、面白かったぞ」
不敵に嗤う龍天は倒れている一刀を見下しながら言う
愛紗「おのれっ!!!」
愛紗は『青龍偃月刀』を握り締め、龍天を睨み付ける
その瞳は怒りに満ち、一刀の悲しき姿に潤っていた
龍天「心配は無用だ、纏めて焼き払ってくれる」
ゴオォォォォッ!!!
龍天は一刀達目掛けて『竜の火炎』を放つ
春蘭「こんなものっ!!!」
直ぐ様、『竜の火炎』の前に現れた春蘭は『七星餓狼』を振り回し、『竜の火炎』を消し去った
霞「もうこれ以上、一刀を傷つかせてたまるかいなっ!!!」
思春「我慢の限界だ………生憎だか、最早待機はできぬ」
恋「お前……ご主人様、傷つけた………
許さない……絶対に、殺す………」
『大陸五虎将』が得物を持ち、ボロボロとなった一刀の前に現れた
龍天「王同士の戦いに水を差す気か?無粋な者共め………」
龍天の言葉に華琳は『絶』を手に持ち、歩み出す
華琳「なんとでも言いなさい………
そんなくだらない誇りより、1人の命の方が重く、大事な事は子供でも分かるわ」
雪蓮「しかも、一刀は私達の王………死なせる訳にはいかないわ」
雪蓮も『南海覇王』を構えて言い放つ
続々と一刀の盾になる武将達
一刀「み、皆……………だ、めだ………」
一刀は喋るのも辛そうな表情で言う
風「動いてはダメなのですよ、お兄さん」
人和「そうよ、傷口が広がっちゃうわ」
武将以外の者達は一刀を優しく制する
龍天「愚かな連中だな………貴様等のような下等な人間などに用はない……」
龍天は右手に力を込める
すると、掌には青と赤が入混ざった直径2cm位の玉が出来上がった
龍天「さぁ、受け取れ」
龍天はそれを一刀達へ投げつけた
卑弥呼「むっ!!?いかんっ!!!」
卑弥呼はその玉から迸る禍々しい気に、咄嗟に駆け出し玉の進行方向へ立つ
卑弥呼にその玉が触れた瞬間
ドォォォォンッ!!!
亞莎「うひゃあっ!!?」
稟「ば、爆発っ!!?」
巨大な爆発が巻き起こった
周囲には煙が立ち昇る
貂蝉「お師匠様んっ!!!」
貂蝉も思わず叫ぶ
煙が晴れると、卑弥呼は焦げた状態で立っていた
卑弥呼「……………」
龍天「ほぉ?流石は倭国を仕切る者だな……この位では死なんか……」
卑弥呼「ぐぬぅ…………効いたぞ……龍天……」
卑弥呼の意識は朦朧としている
いつ気絶してもおかしくない程に
翠「嘘だろ?あの卑弥呼が……」
貂蝉「お師匠様ん、しっかりっ!!!」
貂蝉は卑弥呼の元まで急いで駆け寄り、肩を借す
その瞬間、卑弥呼の体は倒れかかってしまう
龍天「これが『竜の宝玉(りゅうのほうぎょく)』の力だ
さぁ、諸とも消し飛ばしてやろう」
龍天は瞬時に『竜の宝玉』を作り始める
だが、先程よりも倍以上に大きい
七乃「あ、あんなのをまともに当たっちゃったら…………まずいですよ〜!!!」
龍天「さらばだ、人間共………新たなる世界の幕開けだ」
龍天が『竜の宝玉』を発射しかけた
その時
フォンッ!!!
バキッ!!!
龍天「ぐっ!!?」
愛紗「っ!!?」
龍天の目の前に『何か』が現れ、龍天の顔を殴り付けた
それにより、『竜の宝玉』の焦点はずれ、一刀達が大きく逸れた方向へ飛び去り、遥か彼方で轟音が鳴り響いた
その『何か』の攻撃は止まらない
フォンッ!!!
フォンッ!!!
フォンッ!!!
ドカッ!!!
バキッ!!!
ズドッ!!!
龍天「おごっ!!?ぐっ!!!なにっ!!?」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
龍天「がっ!!!」
最後には、龍天の胸元に強烈な一撃を喰らわせ、遠方へ吹き飛ばした
一刀達に後ろ姿を見せたまま、その場に着地する
秋蘭「何者だ?」
雪蓮「顔が見えないわ……誰?」
突然起きた出来事にざわつく
龍天に奇襲かけた人物は呟きながら、ゆっくりと振り返る
??M「はぁ………間一髪やったみたいやな………
間に合ってホンマによかったわぁ………」
季衣「えぇっ!!?」
風「おぉ?」
華琳「貴方は…………」
真桜(未来)「ウチがケジメつけたるわ、龍天」
凪「未来の…真桜………?」
……終……
説明 | ||
絡繰人間の王・龍天は、今までの絡繰人間とは 比べものにならない強さを兼ね備えていた その強さは、徐々に一刀を苦しめていった |
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