ツギハギだらけの色彩世界は今日も(C.T.W. Still Coloring The World) |
説明 | ||
(ある旅行者の手記より) 「C.T.W.(Colour-Trash World、以下C.T.W.)の 大抵の街や集落には 最低でも1つは色彩処理工場が存在しており、 そこでは 国外から運ばれて来た様々な物から色を抽出して、 この世界に存在している物質や空間(や感情)を 色彩で満たすためのカラーチップを 昼夜問わず加工し続けているのだが、 C.T.W.の首都「夢を夢見る都」の総合ターミナルから 特急と間違えて乗った準急に およそ3時間揺られて辿り着いた この街とて例外では無い。 山裾まで拡がる色とりどりの住宅を背に、 有翼船の止まり木もそびえ立つ そこそこ大きいこの街を特徴づけている 鳩時計の建物は、 元々は時計台の他に灯台の役割も兼ねていたようで、 有翼船に併せて造られた空中の桟橋や 税関、検疫所等の機能も備えているのだそうだが、 その特異な外観からは 施設や機能が増えるに従って 増築して行ったであろう事が窺えた。 複数の色彩処理工場を結ぶ カラーチップ運搬専用列車の線路脇の 空き地に停まっていた青いワゴン車が 顔なじみと話していた: 「そうそう、昨日だけど 変な事を言う人が居てね、 「物質や空間、感情をも色彩で彩るだなんて 自分達の国ではもう過去の話になっているのに」 「この世界はいつまでこんな事をやっているつもりだい?」って。 それからこうも言ってたよ、 「この地域はありとあらゆる時代遅れの 雑多な物や色が一同に会している」とか。 そりゃあそうさ。 流行らなくなったり 使われなくなったような物や色は、 先進諸国を始めとした色んな所から この地にやって来ているんだから。 まぁ、態度から察するに その人も先進諸国から来たんだろうけどね」 C.T.W.中の色彩処理工場は今日も稼働を続けている。 先進諸国からの 視線や呆れた声も多少気にしたりしつつ、 ツギハギだらけのこの世界を いつものように 色彩で満たし続けるために」 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 水彩絵の具、水彩色鉛筆で(完成後)A4(210×297)サイズ程に切り取った水彩紙に 描いたもの。 度々登場する「先進諸国」、 C.T.W.で加工された色彩・製品の 主だった「輸出先」、「得意先」でもあるが為に、 (「色で彩る事が時代遅れだ、と言う事も含め) そこからの「視線」は 多少は意識はしているようです。 |
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