マッチボックス 1/ | 次 |
説明 | ||
2021年3月完成 ずいぶん昔の話ですが、ガンダム→戦車ときて飛行機模型を始めた際、どのキットかは忘れましたが初めて凸モールドというものに遭遇したときの驚きは今でも覚えています よくよく考えてみれば金型の表面に凸状の筋を浮き彫りするよりも凹状の筋を掘るほうが簡単であり、故に古い飛行機プラモは凸モールドで成型されていることが多いです 実機のパネルラインのつなぎ目は単純な凹み線があるだけでなく、凹凸や段差があって一様ではないのですが、模型としては一般的に凹モールドのほうが自然に見える一方、彫り直しは相応に面倒なので、故に凸モールドに対する付き合い方は結構飛行機模型モデラーの間で各人のポリシーに依存します 大まかわけてにそのまま作るか彫り直すかに分けられますが彫り直すには相応の手間がかかるので、例えば以前紹介したレベルのフィアットCR.42はそのままだし、紫雲やAH-1Wは一旦全部削って彫り直しています その判断基準の違いは @つや有り仕上げにするかしないか A大きく加工するかしないか に分けられて、@に関しては私はつや有り/半つや仕上げにするときはデカールを貼った後だいたい研ぎ出しをするので凸モールドでは都合が悪い一方、つや消しだとそのままつや消しスプレー吹いておしまいなので別に凸モールドでも大した問題はありません Aは加工すると表面を削ってしまうので再生が面倒な凸モールドは一旦全部削って彫り直したほうが全体の統一が取れます ただ実際問題彫り直すことは面倒この上ないのでできればやらずに済ませたい、そんなうまい方法はないか―ということで本題のライトニングです イングリッシュ・エレクトリック ライトニングと言うのは1950年代末に開発されたイギリス空軍のジェット戦闘機であり、今回ご紹介するのはライトニングT.6という操縦席が横並びに二つある複座練習タイプです キットはこれまでのホークやバッカニアと同様マッチボックス製で、ベースの単座型が1976年に、複座のこのキットが1983年に発売されました ライトニング自体は古くはエアフィックスやハセガワから1/72キットが発売されていましたが、一方のマッチボックスは単座複座両方を出し、故にこのキットは長いことダースベイダーのヘルメットを彷彿とさせるキャノピーを持つ唯一の複座型ライトニングのキットであり続けました 以前の紹介でマッチボックスといえばぶっとい凹モールド、と説明しましたが実際のところみんながみんなそうだというわけでもありません 作った中で言えばホーカー・フューリー等いくつかの同社製品は凸モールドで表現され、いい意味でマッチボックスらしくない製品も存在します それでこのライトニングですが、前述の通り凸モールドですが、もともと単座型のキットに複座型の胴体を追加した都合上、凸モールドでもその太さは不均等(主翼がガッツリ太いモールで胴体が細くて消え入りそうだった)という残念な内容でした またその主翼も胴体もヒケがひどく、それを埋めようと思うと結構加工が必要なのでモールド彫り直しは必須であり、例によって買ってから10年以上は放置していたと思います 去年作ろうと思い立ったのはこのT.6仕様(実際はクウェート/サウジアラビア空軍のT.55仕様。ニッチに過ぎる…)の写真をバッカニアと同様南アフリカの航空会社サンダーシティーで見つけたからであり、漆黒の機体にシェルマークをつける塗装にしびれました しかし前述のとおりモールドの彫り直しが必須なので面倒だなと思って放置していたんですが、ある日ふと「別にツルツルでもいいんじゃない?」ということに気が付きヒケを埋めて表面を徹底的にツルツルに仕上げることに決定しました なにより実機も真っ黒なので塗り分けがほとんどいらないのもありましたし そうと決まれば早く、凸モールドを削り取り溶きパテを塗布、研磨して再度溶きパテを塗布・研磨を繰り返しツルツルな表面を手に入れました あまりにも太かった機種のピトー管は金属製の社外品に交換、背部のアンテナをプラ材で増設、シートは試しに何もない座面にシートベルトを手書きしたけどどうでしょう デカールは例によって自作です 撮影は完成当時撮影ブースで撮っていたものの、今回紹介するにあたって野外撮影してみました 光の具合によって黒い機体の色が変わって見えるのは面白いですが、横の家や電線が映りこんだりするかこれはこれで大変なので、テクニック磨きたいですね ちなみにバッカニアの記事で書いた通りサンダーシティーで墜落したのはこれと同じライトニングT.6ですが、墜落したのは別機(ZU-BEX号)であり、このZU-BDD号はHanger 51社に引き取られ再フライトを待っているところです おそらく西側唯一、というか世界で唯一の超音速飛行が体験できる民間機なのでちゃんと復帰ができることを願うばかりです さてこれで2021年年初に作ったマッチボックス三羽烏も全て掲載終わりました 現在の観点から見ればどれもできの良い新キットが出ているので見劣りすること甚だしいですが、こういう遊び方も面白いよという紹介でした 模型の価値は精密さや正確さだけではないと思うので、これからもレトロなキットや面白いキットにチャレンジしていこうと思います 最後の写真は同じマッチボックスの、左からフューリー、グラディエーター、ライサンダーで、この機に乗じて紹介 どれも楽しいキットで最近はレベル箱で流通しているので興味があったら是非 |
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