※微グロ注意 エ
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説明
「野郎…!これでも喰らえ!!」

海賊船長が、銃を放った。

「…ふん」

シズナは、容易く銃弾をかわす。
…そして、船長に″即死技″をお見舞いした。

ザシュ!!

高い跳躍と共に…シズナの足技が、海賊船長の首を「刈り」取った。
首を失った船長の体が、いっさいの動きを停止して、崩れ落ちる。

「くそ!よくも船長を!!」

他の海賊達が、一斉にシズナに斬りかかろうとする。
しかしシズナは、逆立ちして回転。
大車輪のような高速回転蹴りを、海賊達にお見舞いする。

「がはぁっ…!!」

まるで絶え間ない鉄球の渦の中に、身を投げられたかの如く…凄まじい威力。
逃れようのない回転蹴りの連撃を受ける男達。

「強すぎる…」

全身をズタズタに破壊された海賊達は、もはや微動だにも出来ず、死に絶えるのだった…

「…こんなものですか。我がシェロゲン蛮王国の領海を荒らしまわる海賊達…
存外、あっけないものですね…」

シズナは、シェロゲン蛮王国の精鋭部隊「百人隊」の隊長である。
彼女は、ここ最近シェロゲン領海にて頻出する″海賊″の討伐に乗り出していた。

「いやはや、さすがはシズナ隊長…
単独で海賊どもを皆殺しにするとは。
我々の出る幕もない…」

「百人隊」の隊員の一人であるバグログが、不服そうに呟く。

「それにしても、この海賊達の使っている武器…」

シズナは、この海賊達が使用している武器について気になることがあった。
彼らは、「銃」を多用していたからだ。

(いち海賊風情が、なぜ銃など入手出来たのか…)

「…隊長。海賊共の生き残りがいます。」

百人隊副隊長のマーリンが、シズナに告げる。

「…連れてきなさい」



「…へへ。姉ちゃん、俺らを見逃してくれるのかい?」

「…そうねぇ。私の質問に答えたら、考えてあげる」

シズナは、生き残った海賊達を尋問する。

「…なぜあなた達は、銃なんて持っているのですか?海賊が、入手できる代物ではないでしょう」

「…なあに。ちょっと商船を襲撃して奪っただけさ」

「商船とは、どこの?」

「それは…」

海賊は、言葉を詰まらせる。
シズナには、男が嘘をついていたことがすぐにわかった。

「嘘、ね。
銃はどれも整備が行き届いて、新調品そのものだった。
それに、銃には印が刻まれていたわ…

″アーケイン兵器廠″、とね。

…正直に答えなさい。この銃は奪ったものではなく、譲り受けたものでしょう?」

「へっ……素直に答えるとでも…」

あくまでシラを切ろうとする男に…
シズナは、強烈な蹴りを入れた。

「ぐはっ…!!」

胸から蹴り飛ばされ、船腹に激突する男。

「があっ……!はぁ…!」

男は、体をびくつかせながら。口から大量の血を吐き出した。…そしてそのまま顔面は青ざめて、息絶える。
骨は粉砕され、心臓をつぶされたようだ。

「ひっ…」

蹴り飛ばされて死んだ仲間を目にし…恐怖に震える他の海賊達。

「…いいんですよ?″何も語らず″ならば…
今ここで全員、殺してあげましょう」

一撃必殺のキック力…「剛脚のシズナ」の前では、彼女に抗うことは不可能。

「さて、次はあなたが死にますか?」

シズナが男の前に足を掲げると…

「ま、待ってくれ!
話す!話すから!!
俺達の使っていた武器は″シュヴァルツェン″で造られたモノだ!」

「…シュヴァルツェン…」

シュヴァルツェン連合王国。それは西に位置する大国だ。東にあるラズガルド帝国とは、緊張状態にある。

「なぜ、シュヴァルツェンの武器を?」

シズナが尋ねる。

「それは……」

海賊は、真実を語ることを躊躇するが。どの道黙っていれば、シズナに殺されるだけだ…

「お、俺達海賊は…何も単独で動いていたわけではない…
我々は…シュヴァルツェン連合王国と協力している。
王国からの指示で…武器を提供するから、シェロゲン蛮王国の商船や軍事船を襲えと…
そして、襲った船からの略奪品は俺達のものに出来るということだ…」

淡々と事実を語る海賊の生き残り。
つまり彼らは、シュヴァルツェン連合王国と結託し、海賊として他国の船を襲っていた。いわゆる私掠船というやつだ。

「…ふーん…
″シルバーブラッド″め。海賊に武器を与え、我が国の船を襲わせて、シェロゲンの国力を削ごうとの算段か…」

シュヴァルツェン連合王国とシェロゲン蛮王国は、交戦状態にある国ではないが…
両国は西のバルドー大陸で、それぞれ植民領を保持している。
狡猾なシルバーブラッド首相が、領土獲得競争でシェロゲンを出し抜こうと、いろいろ画策していてもおかしくはない…

「…副隊長。生き残った海賊達を捕虜として捕らえなさい。
そしてシュヴァルツェン連合王国宛に書簡を送りなさい。
…シュヴァルツェン製の武器を持った海賊が、我が所領を荒らし回っていた件…
シルバーブラッドに問いたださねばなりません…」

シズナが、捕虜の回収を部下に命じる。  

「…た、頼む。真実を語ったんだ。解放してくれ…」

海賊の懇願を、シズナは一蹴する。

「解放?
我が国の所領を荒らした罪人を、解放などするはずがないでしょう?
…すぐに殺しはしない。まだいるであろうあなた達の海賊仲間について、話してもらいましょうか」

海賊達は縛り上げられ、シェロゲン蛮王国の船へと乗せられていく。

「…お前ら。シズナ様には逆らわないほうが身のためだぜ。怒らせると怖いからな…」

百人隊の一人、バグログが。海賊達にこっそり告げる。

「バグログ。何か言いましたか?」

「…いいえ。何も…」
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