真・プリキュアオールスターズ
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放課後、四つ葉町にある公園のいつものドーナツカフェに集ったラブ、美希、祈里、せつなの4人はテーブルを囲いながら、話に花を咲かせていた。

「せつな、美希たん、ブッキー、今度のダンスコンテスト、頑張ろうね!」

ラブが差し出した紙を覗き込み、3人は頷き返す。

「ミユキさんがせっかく薦めてくれたんだもん、頑張らないと」

数日前、いつものようにミユキにダンスのレッスンを教わっていた4人は、終了後にある話を持ちかけられた。

それは、今度の日曜日に横浜みなとみらいで開催されるダンスコンテストへの参加状だった。トリニティがゲストで参加するらしく、それで出てみてはどうかと誘いを受け、最初は戸惑いながらも、4人は参加を決意。

そして、先日、コンテストの一次審査で見事に本戦出場権を得たのだ。

ラブの手に握られているのは、その本戦への招待状であり、憧れであるトリニティの3人がシンボルとして描かれている。

「場所はみなとみらいなんでしょ? 結構大きな舞台よね」

「それにちょうど、他にもイベントがあるみたいだし」

別の取り出した紙片には、同日に横浜みなとみらいで行われるイベントの内容が記されており、そこからもこのコンテストの規模が窺える。

「う〜、緊張してきたかも」

「今からそんなんじゃ身が保たないよ、大丈夫だって」

鼓舞するように笑うラブに3人は呆れたような、それでいてどこかホッとするように肩を竦めた。

「ホント、ラブには叶わないわね」

「うん、でもラブちゃんらしい」

「ラブの言うとおり、精一杯頑張らないとね」

「うん…って、アレ」

唐突にラブの手元から参加状が浮遊し、そのまま後方へと流れていく。慌てて見やると、そこにはシフォンが念力で引き寄せ、楽しげにはしゃぎ、その参加状を掴まえようとタルトがテーブルの上でピョンピョン跳ねている。

その光景に4人は慌てて駆け寄っていく。

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路面を走る電車のなか、その一画には7人のサンクルミエール学園の制服を着た少女達が談笑を交わしていた。

「ねぇねぇ、今度の日曜、皆でココにいこうよ!」

グループの中心にて話を切り出すのぞみに、他の面々が差し出された紙面を覗き込む。

そこには、『TAKO CAFE』と記されたある露店の宣伝がのっていた。

「へぇ〜タコ焼きのカフェ?」

「うん、すっごく美味しいらしいよ」

「それだけじゃないみたいです、他にもかき氷とか、クレープとかいろいろあるみたいですよ」

「そうね、凄く楽しそう」

横から覗くうららとこまちも楽しそうにチラシを見やる。

チラシには、メインのたこ焼き以外にも取り扱っているメニューが載せられ、どれもが魅力的だ。チラシも手書きらしく、親しみがある。

「りんもノゾミも、日曜には試合は無いんでしょ?」

「ええ、そうですよ、かれんさん」

席に着く4人の前で、大きなボストンバックを手に佇むりんとノゾミが相槌を打ち、かれんがだってと眼前に座るくるみに促す。

「私は、ココ様とナッツ様のお世話があるから」

そう漏らすも、その口調はどこか歯切れが悪く、表情もぎこちない。

「あ、大丈夫よ。その日はお店もお休みにするって言ってたし」

「こまちさん、何かあるんですか?」

「ええ、なんでも大切な会議があるんですって」

「へぇ〜残念だな」

僅かに表情を曇らせ、のぞみは気を取り直すように表情を引き締め、天井を指差す。

「んじゃ、日曜日、皆でタコカフェに行くこと…けってぇ〜」

高らかに告げるのぞみに一同は呆れたように肩を竦める。

「でも、当日寝坊だけはしないでね、姉さん」

どこか、意地悪な表情で覗き込み、そう呟くノゾミにぐっと痛いところを衝かれたように言葉が詰まる。

「うっ、それは言わない約束だよ〜」

口を尖らせていじける様子に、車内は笑い声に包まれた。

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「「PANPAKAパン?」」

互いに声を揃えて問い返すほのかとひかりに、彼女達の前に座るなぎさはニカっと満面の笑みを浮かべた。

「うん、これ!」

どうだと見せ付けんばかりに差し出したのは、一枚のチラシ。そこには、一軒のパン屋の広告が載せられていた。

「ここの、チョココロネ、すっごく美味しいって評判なんだ。もうチョコが口のなかでとろけるのと、香ばしいパンが最高だって」

想像したのか、うっとりとした表情で妄想に耽るなぎさにほのかが手を振る。

「なぎさ、よだれ、よだれ」

「あ、ごめんごめん。でね、これはもう、食べるっきゃないってね」

ガッツポーズを決めるなぎさに乾いた笑みで応じる。

「ホント、なぎさって食べ物のことになると積極的だよね」

記されているパン屋の住所は、やや離れた街にある。電車を乗り継いで数時間といったところだろう。となると、学校帰りに気軽に、というわけにはいかない。

「それでさ、今度の日曜、3人で行こうよ」

本題とばかりに切り出すと、ひかりがやや表情を曇らせる。

「あ、でも…その日はお店を手伝わないと」

ひかりが世話になっているタコカフェは、移動トラックによる露店屋台だ。当然、休日はかきいれどきのために、店を抜けることに抵抗がある。

「あ、いいよ、行ってきな」

萎縮するひかりに向けて、背中から声が掛かり、3人が振り向くと、タコカフェの店主であるあかねがたこ焼きを手に近づいてきた。

「はい、お待たせ」

テーブルに注文の品を置くと、視線をひかりに向ける。

「でも」

「ひかりが抜けちゃうとちょっと痛いけど、でも友達との付き合いは大切だからね」

「さっすがあかねさん、話がわかる」

「こら、調子にのるな」

軽く頭を小突き、バツが悪いように苦笑する様子を一瞥し、あかねは車の方へ戻っていく。

改めて向き直り、なぎさはほのかとひかりの肩を叩く。

「それじゃ、日曜、楽しみましょう」

「そうね、楽しみ」

「ええ」

「んじゃ、その前に腹ごしらえと」

言うや否や、手元のたこ焼きを一つ口に放り投げ、笑みを零すなぎさに二人は引き攣った面持ちで苦笑した。

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自然に囲まれた雄大な山の頂上に建てられた夕凪中学校では、放課後のチャイムとともに生徒達は帰宅し、運動に、勉学に勤しむ。

そんななか、咲は教室に飛び込むように入り、同じソフトボール部の仲間である仁美と優子に駆け寄っていく。

「仁美、優子、部活いこう…って、うわ、それすっごく可愛い!」

仁美の首に腕を回しながら覗き込んだ視界に、机の上に広げられたものに眼を輝かせる。

「へっへ〜、いいでしょう」

自慢気に腕につけたブレスレットを見せ付ける。色とりどりのビーズを繋ぎ合わせたオシャレなデザインが眼をひく。

「へぇ…凄く可愛いわね」

遅れてやって来た舞もそのデザイン性に刺激されたのか、興味深く見入っている。

「どこで買ったの?」

「ココ、ナッツハウス」

優子が差し出したのは、一枚のチラシ。そこには『ナッツハウス』という店の名前は印字されている。

「手作りアクセサリーがいっぱい飾ってあって、すっごく楽しかったよ」

「そうそう、それと店長さんがマジカッコいいんだ!」

興奮気味に語る二人に咲と舞も興味をそそられていき、ブレスレットを受け取り、しげしげと見詰める。

「何の話?」

「すごく盛り上がってるわね」

そこへ新しく現われる人影。

「あ、霧生さん達も興味ある?」

現われた満と薫に見せるアクセサリーを受け取り、二人はマジマジと見詰める。

「皆も興味あるんだったら行ってみたら? はいこれ」

差し出されたチラシを受け取り、咲が3人を見渡す。

「ねえ、舞、満、薫、今度の日曜、4人で行こうよ」

「そうね、楽しそう」

即座に答える舞に対し、満と薫は未だアクセサリーに見入っており、仁美が楽しげに話し掛ける。

「二人とも、マジ興味津々だね。二人にも似合うアクセサリーきっといっぱいあると思うよ」

「そうね、それじゃ行ってみましょうか」

「そうね」

興味が沸いたのか、咲の提案にのる二人に、4人は日曜のスケジュールを決めた。

 

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そして日曜日―――彼女達は集う。

 

説明
諸注意:この作品は、2009年3月に公開された『プリキュアオールスターズ みんな友達奇跡の全員大集合』を視聴して、プリキュアシリーズの一ファンとして、映画内容を再構成し直したものです。
全プリキュア集合とのことで、内容は非常に面白かったのですが、やはり個人的に不満な点もあったわけで・・・それが、執筆の理由です。
主な変更理由は以下のとおり。

・満、薫参戦。(Splash☆Starにおいて、準プリキュアともいうべき二人なので、この作品では咲と舞は一応フォームチェンジできますが、二人も精霊の力で『ブライト』・『ウィンディ』に変身できます)

・ダークドリーム参戦。(yes!プリキュア5の1st映画:鏡の国のミラクル大冒険に登場したのぞみのコピー。この作品では、夢原ノゾミとして、のぞみの妹という設定で登場します。変身コスチュームはドリームのものを漆黒にしたものです)

・キュアパッション参戦。(映画公開時期にはまだ登場していなかったせつなですが、やはり彼女がいなければ、と)


変更点は以上です。
個人的にはやはり、上記に挙げたキャラも加えてほしい、という理由から執筆を行いました。
以上の理由がダメ、もしくはこんなのはプリキュアではないと仰られる方は御遠慮ください。

では、真・プリキュアオールスターズ、頑張ります。
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