第14話「 秘密を守るヒト」(シリーズもの) |
リビングの割れた窓ガラスや照明器具を、ダントンは魔法で直していた。宙に浮いたカケラたちはパズルのようにパチパチとつながり、元にあった場所へ戻っていく。彼の頭にいるキイはそれを興味深そうに眺めていた。ジュナチも、その後ろ姿をソファーに座って見ていた。彼女の隣に座るルチアは顔を傾け、緑の包帯を取ったジュナチの首を見る。
「もう傷は平気なの?」
「あれくらいなら、すぐ治るよ」
魔法道具の力が誇らしくて、ジュナチは嬉しそうに答えた。カレバの来訪やルチアを灼熱の島まで迎えに行ったときは、慌てすぎて目がくるくる回っているように見えたが、今は落ち着いている。
これなら話ができると判断したルチアは、ジュナチたちがカレバとどんな話をしたのか尋ねた。そして彼も、パースと話したことを伝えた。この国の初代女王陛下であるミジュリスがゴールドリップであり、パースは彼女に絶対の忠誠を誓っていたことを。
一通り話し終わると、ルチアはツンとした目でパースのほうを向く。距離を置いて正座をしろという命令に、パースは素直に応じていた。
「で、なんであんたはオオカミになるの? 話しなさい」
冷たい視線を受けても、相変わらずへらへらと笑いながらパースは言う。
「ケモノビトって言葉を、聞いた覚えはありませんか?」
「ねぇよ」
片づけを終えたダントンは、ジュナチの横に立つ。警戒心むき出しで正座するパースを睨んだ。
「あれ〜、いい奴って評判のお友達なんですから、もうちょっと優しくしてくれません?」
ダントンが苦虫をかみしめながらカレバに言った言葉を茶化しても、3人はそれを無視してパースがしゃべりだすのをじっと待っていた。相手にされなかった彼はつまらなそうにしてから、答える。
「ボクもダントンも、ケモノビトという人種です」
「「!」」
その言葉にダントンとジュナチの目が見開く。
ダントンは子供のとき、森で倒れていたところをジュナチの両親に保護された。記憶がない彼について、両親はできる限りのツテを使って探したが、何も出ては来なかった。探し求めていた情報が今目の前に降って湧き、ジュナチは前のめりの体勢になった。
「ケモノビトは長寿で、魔法が使え、身体能力が高い人種です。そしてケモノの姿になれば、その能力は異常なほど伸びます。マホウビトなんて適いません」
「そんな人たちがいるの?」
世界にはナシノビトとマホウビトしかいないと思っていたジュナチは、ただただ驚いていた。
「200年前に歴史からもその存在も消されましたけど、ボクは生き残りました。たぶんボク以外の誰かも生きていたんでしょう。ダントンもケモノビトだと、体の香りからわかりました」
パースはルチアのほうを向く。記憶を完全に取り戻していない相手に、どこまで自分のことを説明しようかと考えた。ジュナチがその視線には気づかず、横から質問する。
「ケモノビトの香りって、どんな特徴があるの?」
「ケモノビトならわかる独特な香りとしか表現できません。ボクは王都でダントンとすれ違ったことがありました。そのときに気づいたんですよ」
「じゃあ香りを探せば、ダントンの両親にも会えるんだ!」
ジュナチはダントンの出生のヒントを得たことに喜んでいると、パースは首を横に振った。
「ダントンの香りは薄いです。ほかの人種と混じった跡があります。ご両親の先祖にケモノビトがいたのかも。今の状況では、ご両親がケモノビトなのか断定できませんね」
「そう…」
残念がるジュナチの横で、パースの言葉を受けてダントンはイライラと質問した。
「そんで、俺はお前と同族なのに、なんでボッコボコにしてきた。どう説明するつもりだ?」
ジュナチはハッとする。顔は赤く染まり、傷だらけのダントンを見たときの絶望感は忘れられない。パースはダントンの敵なのか味方なのか判断ができなかった。
ダントンの真剣な瞳を見据えながら、パースはゆっくりと話し出した。
「ケモノビトは、人からケモノに変身して一人前となります。一人前になるには「成人の儀式」をする必要があります。それは、最初は変身がなかなかできないので、年長者がとことん追い詰めて、死に物狂いで戦って、若い人を変身させるといった内容です」
だからいつも稽古に誘っていたのだと主張する。稽古中もずっと好機を狙っていたのだと。その説明にダントンは舌打ちをして、「なんだそれ」と納得できないと強く睨む。
「ケモノビトねぇ。成人の儀式なんて言葉も、今まで聞いたこともなかったわ…」
ルチアのその呟きから、パースは彼の中のミジュリスの記憶が大きく欠落していると理解した。そのため、まだ「すべてのこと」をルチアへ話すべきではないと判断した。
「もっと教えて」
だけどルチアの素直な望みは叶えてあげたくて、パースはうなずいた。
「それじゃ、ちょっとだけ昔話を」
と前置きする。ルチアに配慮しつつ、今目の前にいる3人へ与えられるだけの情報を伝え始めた。
ケモノビトは集団で生き、人里離れた草原で自由気ままに生活をして、表社会では放畜を生業とする遊牧民として存在していた。だが、本来の姿は窃盗団だった。「ハンター」と名乗り、裏の世界の住人から依頼を受けていた。高い身体能力のおかげで評判は上々だった。
ある日、顔なじみのお客から依頼を引き受ける。馬車で移動する成金娘からすべてを奪ってほしい、と頼まれた。承諾した依頼内容がウソだと気づいたのは、その馬車を襲って、中に乗る娘を確認したときだ。本当のところは「お忍びで国内の偵察をしているミジュリス陛下を襲え」という反逆罪に問われる依頼であった。
ケモノビトたちは隠れていた王族専属騎士たちに反撃され、ミジュリスの強力な魔法に屈した。仲間の命が次々に潰えていく中、パースはミジュリスに囚われ、なぜか気に入られた。その後、圧倒的な力があるミジュリスをパースは主人とした。彼女の護衛として、ずっと傍にいた。
時は過ぎ、大きな戦いが起こった。「無知強欲の女王による混乱」と後世に語り継がれる戦争だ。ミジュリスは息を引き取り、主人をなくしたパースはこの国にいる意味はないと戦争から逃亡する。
その後は放浪して、マホウビトのフリをしてパースは生きてきた。なんとなしに王都に戻ったところ、偶然ダントンに出会う。ケモノビトの香りに気づき、今に至った。
「…ま、そんな感じで〜す」
パースがそう話をしめると、ダントンは眉間にしわを寄せる
「ざっくりしすぎだろ、もっと細かく教えろ」
「けっこう話しましたよ?」
あっけらかんとしていたパースは、思いついたように人差し指をぴっと立てた。
「じゃあ、ケモノビトについてもうちょっと伝えしましょうか」
年長者が絶対的に偉いこと、男中心の社会であること、男は外で働き女は家を守るのが基本なこと、成人すると王都で遊べる許可がでることを話した。王都は今よりも治安が悪く、栄えていなかったことも説明する。ジュナチは知らない情報をたくさん与えられて、終始目をキラキラさせていた。
一方のルチアは、歴史の教科書を読んでいる気持ちになる。古い価値観を聞くのに苦痛を感じ始めていた。頭が回らなくなり、話の流れに関係ない言葉をそのまま口にした。
「パースって、いくつなの?」
「数えるのはやめましたが、250は超えてますね」
「えええー!!??」
「すごいすごいすごい!」
「………、」
大声で叫んだルチア、目をより輝かせるジュナチ、引いているダントン。三者三様の驚き方を見て、パースはふっと笑った。かつて群れにいた可愛い子供たちを思い出す。そしてミジュリスが、それらを無残に始末したことも同時に脳裏をかすめる。
「あはは、けっこうな年上ですよ〜」
複雑な感情を隠しながら、パースは話を続け、群れでは若者の教育係をしていたことも伝えた。成人の儀式を数えきれないほど手伝っていたという。
「…だから、ダントンの儀式を無事に終えて安心しました。これで、あなたはいつでもケモノになれます。ご成人おめでとう」
ダントンはそう言われてじっと空を見た。そして自分の手を見つめて、
「変わんねぇぞ」
パースを睨む。
「あれ? 首を振って、こう…ケモノの姿になれ〜って思ってると…」
誘導するように、首を振ってパースは身振りを伝えたが、どう動いてもダントンの姿はそのままだった。困り顔のパースは、真剣に聞く。
「本気で変わりたいと思ってますか?」
「そりゃそうだろ」
「ええー、どうしてぇ?」
ガクッと首を落とした。ケモノビトにとって、儀式は重要なため、仲間が思いどおりに変身できないことを本気で残念に思っていた。
「キミとまた戦うのはごめんだし…様子見ですね。急に変身できる日がくるかもしれませんから、焦らなくていいですよ」
その励ましの言葉に、ジュナチはピクリと反応した。
「パースさんは、もうダントンと戦いたくないの?」
言われて、パースは苦笑する。
「二度としませんよ。こちらも死にそうでしたし、目的は達成しましたからね」
成人の儀式を乗り越えた大事な同族を殺そうとなんて、微塵も考えていなかった。「それじゃあ!」とジュナチは言葉を続けた。
「パースさんも、ここにいて。ルチアと一緒に、ね!」
は?とパースとルチアが同時に言った。2人共ジュナチを見て、彼女の肩を掴む。
「何言ってんだ。こいつはさっさとどっかに放り投げろ」
ダントンがそう強く言った。今までジュナチの案を飲み込んできたが、今回ばかりは違う。自分だけでなく、ジュナチにも傷を負わせた男を、招き入れるなんて意味がわからなかった。
ジュナチはそんな彼の気持ちを無視して、強く宣言した。
「パースさんはここにいてもらう。ダントンの唯一の同族なんだよ? 記憶が戻る手掛かりが見つかるかもしれないでしょ」
そう言われ、少しだけ心がグラついたダントンは苛立ちから顔がゆがむ。
「それに、まだ聞きたいこともあるよ。ゴールドリップだったミジュリス陛下のこととかさ」
その言葉にパースが、口をもごもごさせた。
(どこまで話していいのやら…)
彼の迷いには答えが出ていなかった。そんなパースの心は誰も知ることはなく、ジュナチとダントンはにらみ合っている。その横からルチアも口をはさんだ。
「ジュナチ、危ない目に遭ったの忘れてないわよね? そんな人を傍に置くなんてどうかしてる。この人とは距離を取ったほうがいいと思うの」
ジュナチはルチアにも反対されると、拗ねたように口をとがらせる。
「もうケンカしないって言ってたでしょ」
「パースの言葉を正面から受け止めちゃダメよ」
ルチアは、パースが自分の命令に従うことを理解していた。命令すれば、もう誰かを傷つけることはないだろう。それでも、ジュナチにパースをまだ近づけさせたくなかった。
「………、」
自分のことで争う3人をパースはじっと見て、
(ボクのご主人様は妙な口調で話すんだな…)
と、のんきにルチアを観察していた。
「あのね、聞いて」
必死に話しながら、ルチアは息苦しさをおぼえ始めた。先ほどから目がかすみ、体の疲れがピークに来ているのがわかる。
「…じゃあ、この話は保留にしよう?」
ルチアの不調をすぐに察したジュナチは、強く言った。
「ルチアはもう寝て。これ以上は聞かないからね。話し合いは後回し!」
そう言って、ジュナチは顔色が悪い彼をじっと見つめた。
「…わかったわ」
ジュナチの真剣な目に負けて、ルチアはため息をついた。パースの袖を引っ張り、部屋に行こうとする。パースはその誘導に従わず、立ち止まった。今の状況が信じられなくて、ルチアを覗き込んだ。
「本当の本当に、ボクをここに置くんですか? え、本気ですか?」
「黙って、ついてきなさい」
そう強く命令したルチアはもう一度服を引っ張り、パースは抵抗をやめて彼についていった。
「………、」
2人きりになったダントンとジュナチは黙ったままだった。
「何言ったって、聞かないから」
先手を打つようにジュナチがつぶやけば、は〜と大きなため息をダントンはした。折衷案が欲しいと思いながら、どうしたらいいか一度考える。数秒後、結論を出した。
「今日は、お前の部屋で寝る」
「なんで?」
「あいつが襲ってきたら、すぐ動くから」
「パースさんはもうあんなことしないって言ってたよ」
無意識に自分の首を撫でたジュナチは、ふとその手の動きを自覚し、気まずそうに手を離した。
ダントンは正直、パースは悪さをしないとほぼ確信していた。ケモノビトの儀式後、カレバとのごたごたが終わってからというもの、パースからなんの殺意も感じなくなった。そして、3人を見る目がとにかく穏やかで、今まで張り付いていた笑顔もどこか変わった。
それでも、ジュナチの首から滴る血や彼女の涙を思い出すと、ざわざわと心が揺れる。
「行くぞ」
ダントンは歩き出し、ジュナチの部屋に向かった。
「本気なの? 一緒に寝るのはいいけど、ベッド狭いからね。文句言わないでよ?」
「一緒だぁ? 俺は、ソファーで寝るに決まってんだろ!」
リビングから追いかけてくるジュナチの言葉に不機嫌になったダントンは、大股で部屋に向かった。
部屋についたルチアは魔法道具のソファーに触れ、「変わって」とお願いした。ぐにゃりと形を変えて、自分のベッドの横に同じサイズのものが現れる。
「これを使いなさい」
とパースに言えば、彼は遠慮なしにその上で胡坐を組んだ。
「まさかベッドを用意していただけるなんて、優しすぎますね」
「床で寝ろって命令しましょうか?」
「かまいませんよ」
あっさりと肯定するパースを見る。彼が、ジュリスへあまりにも忠誠心があることに驚いていた。
(王族に仕えると、身も心も捧げるって本当なのね)
パースはベッドに倒れ込んだ。目があって、にっこりと微笑んでくる。
(だけど今は、この人は王族の味方じゃなくって、僕の味方なのよね…)
ルチアはパースのことをもう少し知りたいと思った。自分の記憶の中にいる、厳しい表情の彼と今の彼が違いすぎる。ミジュリス陛下とどんな関係だったんだろうか。どんな風に生きてきたのだろうか。疑問が尽きることはない。
だけど、体の疲労がどんどんたまっていくのを自覚する。すべてを放って眠りたい。パースへの質問は、またにしようとルチアは決めた。
「お風呂行ってくるわね」
「ボクも入ります。お疲れみたいなんで、背中流してあげますよ」
「はあ? あ、あんた陛下とお風呂入ってたの!?」
「入るわけありませんよ!?」
パースとルチアはお互いの言葉に驚いて、声を荒げた。
「じゃあ、なんで一緒に入るなんて言うのよ!」
ルチアに睨まれたパースは、なぜそんなに怒られるのか理解できなかった。疲れた主人を癒やしたい気持ちを強く否定され、不満な顔をして理由を伝える。
「群れにいた子供たちの世話をよくしてました。背中流して、ご希望ならシャンプーもしてあげられますよ」
「結構よ、あんたはここで待ってなさい!」
そう叫ぶように言ったルチアは部屋を飛び出し、パースはその背中へ「ええ〜」と抗議の声を出した。
「男同士なのに…」
パースはルチアが変身していることに気づいておらず、いい香りがする少年として見ていた。
「…まあ、そんな子もいるか」
長く生きていても自分の常識なんてたかが知れていると考え直す。静かに、ルチアの風呂上がりを待っていた。護衛をしていたときのように、彼に何かあればすぐ動けるよう、辺りを警戒しながら。
規則正しく毎日同じ時間に起きて寝るジュナチは、すやすやと気持ちよさそうに眠っていた。その寝顔を、ベッドから少し距離を置いたソファーに座っているダントンが眺めている。
(呑気に寝やがって…)
恨めしそうに見つめながらも、彼女の寝顔から目が離せなくなっていた。柔らかい頬に触れてみようかと手を伸ばしそうになると、廊下を隔ててルチアの部屋にいるパースが、そこから囁いた。
「好きな女には紳士でいてくださいね、同族の先輩からのお願いですよ」
ダントンの香りから何かを察したようで、忠告するように言った。
「っ、くそ…」
うらめしそうにダントンは、ジュナチが起きない小さな声で囁いた。パースはダントンの声は拾えなかったようで、そのまま会話は終わってしまった。悶々としたまま、ダントンの夜は更けていった。
ダントンだけが眠そうにしている次の日、4人はオバー様に会いに行った。
オオカミになったダントンは、地面から生えてきたオバー様の根っこに噛みつきまくったが、いつもどおり美しくキラキラと輝いていた。ダントンとパースのケンカを止めたお礼をジュナチが代表して言うと、頭を撫でてくる。そしてパースは意思がある大木に驚きつつも挨拶をした。オバー様はそのままじっと動かないでいる。
(あれ、ルチアのときみたいに握手しないの…?)
オバー様の行動を気にかけながらも、ジュナチはオバー様の説明を続ける。彼女より前に立つパースは、興味深そうに大木に触れた。
「かつてはおしゃべりしていた木ですか…」
頬に舞い落ちる白い花をひとつキャッチして、そのガラス細工のような見た目なのに、植物の柔らかい感触を不思議に思う。
「聞いたことがありませんでしたね」
パースはそう言って、花びらを鼻に近づけた。
「いい香り。島全体の清い香りはオバー様のものだったんですね」
花は風に乗ってどこかへ飛んで行ってしまった。
「島の香りなんて、わからなかった。本当に鼻がいいんだね」
ジュナチは感心しながら言って、横にいるダントンのほうを見る。
「もしかして、ダントンの耳がいいのはケモノビトだからかな?」
ダントンは首をかしげたが、パースは肯定した。ケモノビトは誰でも聴覚嗅覚が秀でていると言う。
「ボクは聴覚はあんまりですが、嗅覚ならかなり優れていますよ」
そう言って、パースは鼻から大きく呼吸をした。
「しかし特別いい香りですね…香料にでもしたら売れそう」
軽口を言えば、彼の横にいるルチアは低い声で脅すように言う。
「サイダルカ一族の大切な木を、切るつもり?」
ダントンも釘を刺した。
「オバー様のことは秘密だからな、口外すんなよ」
「もちろん誰にも言いません。この島のことも、オバー様のことも、未発表の魔法道具だってね」
信頼してもらいたくて、パースはそう言い切った。
その言葉からジュナチは、昨日の出来事を思い出した。カレバに「どうやってこの島に来たのか?」と問われたとき、特別な魔法道具のマントについて、パースは意図的にごまかしてくれたのだった。パースの配慮を理解したジュナチは、パースの横に移動して笑顔で伝える。
「ありがとう。パースさんなら大丈夫だって信じるよ」
その言葉に同意しないダントンは黙っていたが、ルチアは頷いた。しぶしぶ認めるといった苦い表情だった。
「…そうね、僕も信じるわ。あんたなら、きちんと秘密は守るんでしょ」
その言葉に気を良くして、パースは柔らかく微笑んだ。
「ええ、あなたの命令は絶対ですから」
すると、オバー様の枝が伸びてきてパースの頭を撫でる。それを見たジュナチは、彼が仲間として今受け入れられたのだと理解した。
つづく…
閲覧いただき、ありがとうございました。
次回は2月3日(来月の第1金曜日)の夜に更新します。
どうぞよろしくお願いします。
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ファンタジー小説シリーズ「魔法道具発明家ジュナチ・サイダルカ」 【最強魔女?ネガティブ発明家?冒険】 1話はこちらから→https://www.tinami.com/view/1092930 挿絵:ぽなQ氏 (https://twitter.com/Monya_PonaQ ) |
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