恋姫英雄譚 鎮魂の修羅56
[全1ページ]

霞「あれは・・・・・一刀やな」

 

雅「ああ、氷環と炉青もいるな」

 

音々音「噂は本当だったようですな」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

徐州、下?城の城壁に陣取る元董卓軍の将達

 

その眼下には、取り囲むように曹の旗印が翻っていた

 

その中に、天の御遣いとかつての副官二人の姿を確認する

 

霞「これはウチの勘なんやが・・・・・多分、月と詠は無事何とちゃうか?」

 

雅「ああ、あの一刀に預けたのだからな、しっかり守ってくれていると思うが」

 

音々音「二人があの御遣いを信頼していても、恋殿とねねはまだ半信半疑なのです!」

 

恋「(コク)・・・・・確信が持てない」

 

北郷包囲網なる袁紹軍幽州進行の噂を聞いた時は、心臓が飛び出る思いだった

 

なにせ、月と詠も幽州に避難していたため、二人の安否が何より気がかりでならなかった

 

二人の安否が分からないから、こうして下?城を占領し曹操軍の動向を窺っているのだ

 

雅「紀霊までいるな」

 

霞「ああ、袁術軍が曹操軍に加わったんは、本当の様やな」

 

音々音「二人共、良く見えますな・・・・・恋殿も見えますか?」

 

恋「(コク)・・・・・氷環と炉青、あいつもいる」

 

割と距離が離れているが、この三人の視力を持ってすればある程度の個人を特定することも可能の様だ

 

霞「んで、軍師としてはこれからどないすんねん?・・・・・ここにくるまで、ウチ等やり過ぎてまってるからな」

 

雅「ああ、この城を占領するに至って、袁術軍をかなり蹴散らしてしまっている」

 

音々音「う、確かにねねも向こう見ずだったのです、反省しているのです・・・・・」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

反董卓連合が終わってから、彼女達は一旦天水へと引き上げた

 

それは、自分達の兵士を故郷に返す為である

 

なにせこれから潜伏の地下生活をするのであるから、過剰に人数を連れていたら潜伏しようにも出来ないし、養う事も出来ない

 

よって、付いて行きたい者を選抜して今に至るのだ

 

元々何千と居た兵士達も、今では呂布隊、張遼隊、華雄隊を合わせ100人程度である

 

それでも、たったこれだけの人数で下?城を落としたのは驚愕と言える

 

もちろんこれは、劉備軍が突如として引越しをすることとなり、主な守将が不在であったことと夜にこっそり忍び込み内側から切り崩すという音々音の策あってのこと

 

その過程で、城に勤務していた元袁術軍の兵士達をほぼ全滅させてしまったのだ

 

月と詠の安否を心配する余り、恋と音々音は半ば暴走状態であった

 

音々音「もうちょっとやりようがあったと思うのです、曹操に直接月と詠の無事を確認するとか・・・・・」

 

雅「だな、この様な回りくどい事をせずとも良かった」

 

恋「(コク)・・・・・反省してる」

 

霞「まぁ、やってもうたんは仕方あらへん・・・・・今はこの状況をどう切り抜けるかや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

氷環「間違いありません、恋さんですわ」

 

炉青「はいな、霞さんと雅さんもいるどす」

 

詠「まったく、ねねの奴、何やってるんだよ・・・・・」

 

月「うん、あれじゃ皆揃って反逆者にされちゃうよ・・・・・」

 

彩香「それはもう手遅れかと」

 

麗春「ああ、ここまでやってしまっている以上、最早言い逃れは出来んぞ」

 

伝令としてやってきた兵士は袁術軍の者で、その身なりはボロボロだった

 

それ以前に、城一つを占領下に置いている時点でテロリストの仲間入りである

 

美羽「ふぅ、ここに残らんで良かったのじゃ・・・・・」

 

七乃「ですねぇ、あんな怪物、私達では手に負えません・・・・・」

 

巴「ええ、孫堅でさえ、私達の手に余るものでしたから・・・・・」

 

当初、美羽をここの臨時的な太守として担ぎ上げるという案が上がっていたが、それが通らなくて良かったと今では感謝で一杯だった

 

桂花「微妙に他人事みたいなことを言っているけど、この際置いておくわ・・・・・麗春、あんたならこの状況をどうするつもり?」

 

麗春「我が虎豹騎の力をもってすれば鎧袖一触・・・・・と言いたいが、あの下?城であるからな、おまけにあの呂布が守っているのであれば、話は違ってくる」

 

桂花「一応あんたにも聞いておくわ・・・・・何か策は?」

 

一刀「別に何も、軍師の指示に従う」

 

桂花「ちょっと、せっかくこの私が意見を聞いてやっているのに、その態度は何!!?」

 

一刀「何だ、作戦に忠実なこと以上の態度は無いだろう」

 

桂花「盲目的になられても困るのよ、それじゃ将の成長は見込めなくなるわ!!」

 

一刀「ならお前が考えていることを言ってやろうか・・・・・あの城を水攻めにする」

 

桂花「なっ!!?」

 

それは、自らの上位に入っていた策である

 

近くには沂水と泗水という川が流れていて、それを決壊させ城をその水で満たす

 

これが一番安全かつ確実な策であるが、これが実行に至るまでには少なくとも一か月の期間が必要である

 

川の流れを堰き止めるというのは、国家規模の土木プロジェクトである

 

それだけでどれだけの予算が掛かるか計り知れないし、華琳が不在な中で彼女の許可なくその様な大規模な作戦を実施しようものなら、下手をすればここに居る全員の首が飛ぶ

 

一刀「俺は別に構わないぞ・・・・・ただし、それを実施すればここ一帯の農作地は一年は使い物にならなくなるだろう、その損害をおまえが・・・・・いや、荀家がきっちり負担するというならの話だがな」

 

桂花「ぐっ・・・・・」

 

その様な莫大な損害、一家族が一生働いても返せるかどうかも怪しいものだ

 

自分一人の勝手な判断で、一族を破産させるなどあっていいものではない

 

巴「・・・・・では、私が彼らを説得しましょうか?」

 

麗春「ん、何か奴らを懐柔できる算段があるのか?」

 

巴「麗春殿は、反董卓連合には不参加でしたね・・・・・あそこにいる張遼、華雄は知らない仲ではありませんので」

 

桂花「待ちなさい巴、今のあいつらの大将は、間違いなく呂布よ」

 

麗春「ああ、副将と話が出来ても、主将が首を縦に振らねば、話は決裂するぞ」

 

月「では、私と詠ちゃんが共に行きましょうか?」

 

詠「そうだね、きっと向こうは僕達の安否を分かりかねて、あんなことをしているんだろうし」

 

一刀「却下だな」

 

巴「え、それはなぜ!?」

 

月「一刀さん、私達に任せてはいただけないでしょうか?」

 

詠「うん、向こうも僕達が無事だと分かれば、矛を収めてくれるだろうし」

 

一刀「そんな身内の惚気話を聞き入れるほど、今の俺は甘くない」

 

氷環「隊長様、どうか聞き届けていただけませんか!?」

 

炉青「そうどす、こんな分かり切った擦れ違いで血を流すなんて馬鹿げているどすよ!」

 

一刀「どうやらお前達には覚悟が足りない様だな、身内斬りも出来なくて、大成を成せるとでも思うのか」

 

「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」

 

そう言われてしまうと、何も言い返せない

 

これから先、自分達は身内殺しなど可愛いと言えるほどの道をひた走るのだから

 

菖蒲「では、あの城に立て籠もっている輩全てを、皆殺しにするのですね」

 

氷環「あ、菖蒲さん!!?」

 

炉青「ちょっと待ってどす、菖蒲さん!!」

 

菖蒲「一刀様の言う通りです、皆さんには覚悟が足りていません」

 

彩香「そのような事をすれば、こちらの損害も甚大となりますよ!!」

 

麗春「何でも力押しで掛かればいいというものではないぞ!!」

 

桂花「そうよ、覚悟という言葉を履き違えてるんじゃないわよ!!」

 

一刀「何か勘違いをしている様だな・・・・・交渉を一つもしないと、誰が言った」

 

氷環「え・・・・・」

 

炉青「あ、あに様・・・・・」

 

一刀「皆殺しというのは、最初の交渉が決裂した時に行使するものだ」

 

七乃「あ、行使はするつもりだったんですね・・・・・」

 

美羽「あうう、やっぱり前の一刀の方がいいのじゃ・・・・・」

 

巴「では、いかようにするつもりですか?」

 

一刀「少なくとも、主犯格の首一つは確実に貰う」

 

「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」

 

この宣言に、誰も文句など言えない

 

何せ城一つを占領した以上、それくらいの落とし前は付けてもらわねばならないのだから

 

一刀「交渉は俺が行く、あと二、三人付いて来ていいぞ」

 

月「それでは、私が」

 

詠「僕も行くよ」

 

巴「私も、行かせてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音々音「あ、あれは月と詠ですぞ、恋殿!!」

 

恋「(コク)・・・・・良かった」

 

こちらに向かってくる者達の中に、かつての主君と軍師がいて胸を撫で下ろすが

 

霞「ちょい待ち・・・・・あれ、一刀なんか?」

 

雅「本当に一刀か、あれが・・・・・」

 

遠巻きで見え難かったが、近付いてきて肉眼で分かるほどに立ち昇る漆黒の氣

 

その発生源が、あの一刀であると分かると二人は我が目を疑った

 

音々音「あれは、本当に人なのですか・・・・・」

 

恋「(フルフル)・・・・・あれは、人じゃない」

 

「ウウウウ、ガルルルルル!!」

 

ウェルシュコーギーのセキトも、その姿を見た途端に威嚇態勢を取った

 

霞「紀霊まで来とるんやな」

 

雅「知らない仲ではないし、我々とも交渉しようという腹積もりか・・・・・しかし、あの北郷は異常だぞ」

 

音々音「・・・・・とは言っても、月と詠が来ている以上、出迎えないわけにはいきませんぞ」

 

恋「(コク)・・・・・行く」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、下?城にかかる石橋の上で、両者は相対する

 

音々音「月、詠、無事だったのですな!!」

 

詠「それはこっちも同じ台詞だけど・・・・・ねね、あんた何をやっているの」

 

月「うん、これは申し開きが出来ないよ・・・・・」

 

音々音「うう、これはですな・・・・・」

 

恋「ねねは、悪くない・・・・・ねねは、月と詠を、恋達を心配してただけ」

 

霞「まぁ、ウチ等も長いこと隠密生活しとったからな・・・・・」

 

雅「あの人数を引き連れての旅は、正直骨が折れた・・・・・」

 

詠「それは、こっちも悪かったと思っているよ・・・・・」

 

巴「それで、張遼と華雄としては、これからどうしたいと思っていますか?」

 

霞「せやな、城一つ占領してまったからな・・・・・」

 

雅「そちらとしては、何のお咎めも無しというわけにはいかんのだろう」

 

一刀「そういうことだ・・・・・落とし前を付ける覚悟は出来ているよな」

 

霞「・・・・・にしても、どないしたんや、一刀」

 

雅「ああ、その黒い氣はどうした・・・・・」

 

音々音「うううう、近くで見ると、恐ろしいのです・・・・・」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

対峙すると、何倍にもおぞましさが伝わってくる邪気に鳥肌が立つのを抑えられない

 

それは恋ですらも例外ではない

 

それ程までに以前の一刀からは考えられない冷たくも鋭利な氣だった

 

一刀「どいつもこいつもどうでもいい事ばかりに気を配る前に、自分達の事を気にしたらどうなんだ」

 

雅「一刀よ、一体どうしたというのだ・・・・・」

 

霞「なんや、外見だけやのうて、内面まで変わってまったみたいやな・・・・・」

 

音々音「れれれ、恋殿・・・・・ねねは、今にも漏らしそうなのです・・・・・」

 

恋「・・・・・お前、誰?」

 

一刀「ああ、連合で会ったきりか・・・・・あの時お前に一人で挑んだ人間は、もう死んだ」

 

恋「え?」

 

一刀「お前達が知っている北郷一刀は、もうこの世にはいない」

 

霞「な、どういう意味なんや!!?」

 

雅「おまえは、一刀ではないというのか!!?」

 

月「いいえ、同一人物です、でも・・・・・」

 

詠「うん、死んだと思われても仕方ないくらいに、人が変わっちゃって・・・・・」

 

霞「ほんま、何があったんや・・・・・」

 

雅「紀霊、説明してもらえないか?」

 

巴「私からは、なんとも・・・・・」

 

一刀「どうでもいい話はそこまでだ・・・・・今回の落とし前を付ける覚悟はあるかと聞いているんだ」

 

月「私達からも、曹操さんに掛け合ってみるけど・・・・・」

 

詠「正直、それにも限界があるよ・・・・・」

 

音々音「うううう、それならねねが責任を取るのです・・・・・」

 

恋「っ!?ねね!」

 

雅「おい、それはいくら何でも!」

 

音々音「元はと言えば、ねねが判断したことでありますからな・・・・・」

 

霞「阿保言うな、それ言うたら同調したウチ等かて同じや!!それに一番年下に責任擦り付けたやなんて、恥ずかしゅうて表も歩けんくなるわ!!」

 

恋「(コクコクコクコク!!)・・・・・絶対ダメ!」

 

音々音「ならどうするのです、他に代替案があるなら聞くのです・・・・・」

 

「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」

 

そう言われてしまうと、ここに居る一同も返す言葉が無くなる

 

少なくとも一人は責任を取って首の一つでも差し出さねば、今回の騒動は収まらない

 

落し所を何処でどうしたものかと、頭を悩ませていた

 

恋「・・・・・なら、恋が責任を取る」

 

音々音「れ、恋殿!!?」

 

恋「ねねがしたことは、恋の責任・・・・・恋の首一つでお願い」

 

音々音「なら、ねねもお供するのです!!」

 

恋「(フルフル)・・・・・ダメ、それじゃ何の意味もない」

 

音々音「嫌なのです、ねねは恋殿だけの軍師なのです、恋殿が居ない世界など、耐えられないのです!!」

 

恋「ねね、我がまま言っちゃダメ」

 

音々音「恋殿ぉ・・・・・」

 

恋「・・・・・抵抗はしない、これで皆を助けて」

 

音々音を手で制しながら、恋は方天画戟を一刀の足元に放る

 

一刀「・・・・・っ!!」

 

恋「っ!!?」

 

しかし、一刀は足元に転がった方天画戟を蹴り上げ、恋の手に返した

 

一刀「甘えるな、お前の首一つでこっちが満足すると思っているのか」

 

雅「まさか、我らの首全てを差し出せとでも言うのか!?」

 

月「か、一刀さん、それはいくら何でも!」

 

詠「そうだよ、そんなもの逆効果にしかならないよ!」

 

責任と称して全員の首を撥ねていては、華琳も納得いくどころか激怒させてしまう

 

これだけの類稀な将達をいっぺんに失ったなど、城一つとっても足りないくらいの損害である

 

一刀「それくらい百も承知だ」

 

巴「では、どのようにするのですか?」

 

霞「せや、一刀はどないしたいんや?」

 

一刀「簡単な事だ・・・・・呂布、責任を取ると言ったお前の言葉、本当か見せてもらうぞ」

 

恋「・・・・・?」

 

一刀「俺と一対一で戦え、お前が勝てば無条件で今回の件は水に流す、俺が勝てばお前に全責任を取ってもらう」

 

恋「・・・・・(コク)・・・・・分かった」

 

音々音「良いのでありますか、二度不覚を取る恋殿ではありませぬぞ」

 

一刀「二度も不覚を取る様な無能を欲するほど、うちの覇王は寛大じゃないぞ」

 

音々音「・・・・・・・・・・」

 

数段色濃く膨張した邪気に、音々音は恐怖の余り何も言えなくなってしまった

 

一刀「決まりごとはたった一つ・・・・・俺とお前、どちらかが死ぬまで戦う」

 

霞「は!!!??」

 

雅「なに!!!??」

 

音々音「な、何ですと!!!??」

 

詠「ちょっ!!!??」

 

月「え!!??」

 

巴「か、一刀!!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

氷環「ええええええええええ!!!??」

 

炉青「そんな事する意味あるんどすか!!!??」

 

詠「僕も馬鹿げていると思うよ・・・・・」

 

月「でも、一刀さんは聞く耳を持ってくれなくて・・・・・」

 

桂花「あいつ、なに勝手に話を進めているのよ!!」

 

美羽「なあ、巴はどうしたのじゃ?」

 

七乃「はい、何だか向こうの人と一緒にお城に入って行っちゃったみたいですけど・・・・・」

 

知らせに帰って来たのは月と詠だけで、巴は同伴していなかった

 

月「向こうの見張りと、勝負の見届け人になるらしいよ」

 

詠「それもあるだろうけど、興味が尽きないのでしょう、武人として」

 

彩香「しかし、これは悪くないかもしれません」

 

麗春「だな、どちらにしても下?も我々の手に戻ってくるんだ、良いこと尽くめだろう♪♪」

 

桂花「あんた、こんなのどっちに転んだって華琳様からお叱りを受けるって想像が付かないの?」

 

麗春「一刀が勝って呂布は死ぬ・・・・・ただそれだけだろうに?」

 

桂花「逆だった場合はどうするのよ?」

 

麗春「あり得んな、私の一刀が負けるなど」

 

桂花「その自信の根拠は何なのよ?」

 

麗春「一度勝った相手であろう、楽勝であろうに♪♪」

 

彩香「勝ったというより、あれはギリギリ負けなかったが正しいような・・・・・」

 

麗春「では、相手の事はもう知っているのであろう、なおのこと負けるはずもなしだ♪♪」

 

炉青「・・・・・あに様、恋さん」

 

氷環「神様、どうか、お二人をお助け下さいませ・・・・・」

 

あの二人が本気で戦えば、どちらかが確実に死ぬ

 

そんな未来しか思い浮かばないため、二人は手を合わせ神頼みをする他なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霞「えらいことになってもうたな・・・・・」

 

巴「私も、こんな事態は想定していませんでした・・・・・」

 

城の上から事を見守る一同は、何とも言えない気持ちを隠せなかった

 

雅「ねねとしてはどうだ、この勝負どう見る?」

 

音々音「分からないのです・・・・・あいつは、得体が知れなさ過ぎなのです・・・・・」

 

霞「せやな、今の一刀は前の一刀とはちゃうのは確かや」

 

雅「恋贔屓のお前がそこまで言うか」

 

音々音「一つ言えるのは、あいつは前と同じ手は使えないという事です」

 

巴「同じと言いますと?」

 

音々音「今のあいつは、完全に丸腰なのです」

 

雅「!?・・・・・そうだ、一刀の奴、兼元を腰に差していないぞ!」

 

巴「確かに、前回は呂布の一撃を武器で受けることで攻撃に転じましたから」

 

霞「一体どういうこっちゃ、一刀の奴、恋を舐め過ぎとちゃうか?」

 

雅「・・・・・この勝負、一瞬では終わらないと見た」

 

巴「そうですね、長引きますよ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、石橋の上には天の御遣いと天下無双の両名だけが残された

 

恋「・・・・・ねぇ、一つだけ良い?」

 

一刀「なんだ」

 

恋「どうして、恋とそんなに戦いたがるの?」

 

一刀「お前が言ったんだろ、責任を取ると」

 

恋「だったら、こんな事しなくても、さっき恋を捕まえればよかった」

 

一刀「それが甘えだと言っている・・・・・お前は呂布奉先と言う名を軽く見過ぎだ」

 

恋「・・・・・?」

 

一刀「お前は知らないだろうがな、後の世では呂布というのは裏切りの代名詞なんだよ」

 

恋「・・・・・??」

 

一刀「この時代に置いて、お前は紛れもなく最強の座に君臨している、それと同時にそういった不名誉も着てもらわないといけないんだよ」

 

恋「・・・・・???」

 

一刀「言っても分からないか・・・・・お前は、俺の知っている呂布とは似て非なるものだからな」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

一刀「無駄話は仕舞だ・・・・・俺達の因縁に終止符を打つ」

 

恋「・・・・・(コク)・・・・・決着を付ける」

 

ある程度距離を取り、恋は方天画戟を構え、一刀は自然体で出方を伺う

 

恋「・・・・・・・・・・っ!!」

 

そして、誰の開始の合図も無しに、天下無双は息が噛み合ったように一瞬で距離を詰め方天画戟を袈裟切りに振り抜く

 

当然の様に、そこに天の遣いの姿は無かった

 

天下無双が左を向くと、石橋の手摺の上に天の遣いが立っていた

 

一刀「呂布、ここがお前の終焉の地だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         次回、下?の戦い       終幕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
対面の修羅
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1494 1296 3
コメント
大好きさんへ、今度こそ2.3話投稿したら移れそうです、ですのでもう少しお待ちいただければと思います(Seigou)
こっちはこっちで読み応えあるのですが阿修羅伝はまだ更新しないのですか(?_?)前回の阿修羅伝更新してから鎮魂の修羅12話程更新してますが…(恋姫大好き)
タグ
鎮魂の修羅 恋姫英雄譚 恋姫無双 恋姫†無双 北郷一刀 ファンタジー ダークファンタジー 

Seigouさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com