ウイークエンダー・ラビット 〜パーフェクト朱墨の山〜 19.具体的に聴きに行こう! |
周りが騒がしく、うれしそうになってきた。
そうだった。
今日、私が動画を完成したのと、昨日のコンサートの成功を祝して、打ち上げだ。
近所の喫茶店で、ささやかなパーティー! モリあがる!
けど、私は同じ気分になれない。
「うさぎ、何で掃除ロッカーの前でかたまってうなってるの?」
ツッコまれた。またアンナだよ。
「あのロボルケーナとやらのこと、気になる?」
分かっちゃうんだ。
「そりゃ、あんたのこと良く見てるからね」
ありがたい、と言うべき物なのかな。
「私が勝手に面白がってるだけ。
気にするな」
そう言うもの、なのかな?
私たちの様子に、周囲も気づき始めたみたいだよ。
「アンナ、うさぎ、今日は掃除いらないんじゃないの?」
続いて。
「「「そうだそうだ」」」
大合唱。
参加していないでコンワクしてるのは、2人だけ。
しのぶ、みづき。
見ておきなさい。
シャイニー☆シャウツはこういう時に一番団結するの。
「僕は、お先に失礼したいんだが」
帰りたいのは白部長、シャイニー☆シャウツにもいる。
「いいよな、パーティ行けるやつは」
夜間部組もいる。
「俺はこれから授業だ」
昼間働いて、夜勉強する人たち。
その合間をぬって、参加しているんだ。
「何をおっしゃるっす!」
筋金くんが叫んだ!
「こっちこそ、お世話になったっす!
そんなあなたたちにこそ、打ち上げはふさわしい!
我々は、変なものがでないか、調べに行くっす!
問題なければ、お礼としてお持ちするっす!」
その答えに、白部長たちは満足したみたい。
「いいね、楽しみだ」
今日はみんな、私のアフレコを見てるかゲームしてただけだ。
この後のために、メイクしてるのもいる。
私がロッカー前にいるのは、いつものクセで。
だけど・・・・・・。
「ごめん。私、行きたいところができた」
ええっ、とまた大合唱。
「ロボルケーナのこと、そんなに気になるの?
呼ばれてもいないのに行くの?」
アンナ、達美さんと武志さんは、呼ばれてもこっちに来れないんだよ。
「それに、朱墨ちゃんのメンツもつぶしてるから?」
それもあるね。
「なになに、なんの話し?」
フンイキでさっしたのか、月島さんが聴いてきた。
「昨日あったムカツク暗号世界貴族さまが、今日もムカツクことしてる。って話し」
アンナ、言い方!
「それに、うさぎちゃんが行かなきゃいけない事情ができたの?」
ハッキリ言えば、ない。
別に騒ぎにもなってないんだし、抗議の手紙一枚ですむことかもしれない。
だけど・・・・・・。
「相手は、仕事がなくても自分で作る、暗号世界貴族ですよ。
うさぎがこんな近くにいるのに顔もださないなんて、本気を疑われるかもしれない」
アンナ、そんなに私の考えを読まないで!
ケンカゴシに解釈しないで!
「なるほど!」
分かっちゃうんだ。筋金くん。
「もうバカな仕事をさせないために、ガツン、と言うわけっすね!」
意味的にはそうだけど。
なんとも痛快そうに言われると、まちがえたような気になる。
何でだろ?
「しのぶちゃんとみつきくんは、連れていくっすよ。料理のテイクアウトもたせるっす」
よかった。
さすが私の信頼したイラストレーター、筋金くんだ!
「じゃあ、あとよろしくね。
私の分まで楽しんでね!」
あれっ、そういえば・・・・・。
キーンコーンカーン
「ヤバッ! もう5時半だよ!」
そうだね。
夜間部はこれからはじまるんだ。
「遅いかもじゃん!」
かけだす夜間部組。
私も鞄を引っ付かんで、その流れにのった!
流れのなかで、電話をかける。
プロウォカトルに、公用車で迎えにきてもらう。
これはきっと仕事になるし。
(そう言えば)
前に、ロボットのパイロットなのに車の運転ができないのは、日本社会のいびつさだと考えたことがあった。
これから、家に帰って着替える。
いくら制服が学生さんの一番の正装でも、2日連続。しかも汗まみれはマズいだろうね。
向こうに着いてから門前払いされても、かまうもんか!
こっちは2日連続のプンプン怒りモードなの!
姿を見せるだけで、ムカツク暗号世界貴族さまを震え上がらせてやる!
説明 | ||
今日は、軽トラを水路にはめた 引っ張りだすのに時間食った |
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