真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
異次元空間にて龍天を撃破した一窃は風を捜索し、遂に発見することに成功する
喜びを噛み締める最中、倒した筈の龍天が三度現れたのだった
禍神である‘神人’となって…………
四節 〜禍神 ‘神人’・龍天〜
龍天「イヒャヒャヒャあぁぁっ!!!愚かな人間共よっ!!!我が‘神人’・龍天なるぞおぉぉぉっ!!!」
一刀「‘神人’・龍天……………」
風「龍天は神様になったのですか?」
響窃「名前だけだ
正確には、神が人の姿に具現化した存在から名付けられたとされてるぞ?
それ相応の力を持つ存在だ
しかも、禍神とまで言われるからには、滅亡させる程の強大な力を手にしやがった」
龍天の変貌に驚きを隠せない3人
龍天「ウヒャヒャっ!!!礼を言おうぞ、北郷一刀ぉっ!!!」
一刀「なに?」
龍天の問い掛けに、一刀は睨み付ける
龍天「貴様のお陰で、私は‘神人’となったのだァっ!!!
これが力かっ!!!これが神かっ!!!素晴らしいぞォっ!!!」
龍天は一呼吸、間をおく
龍天「これで私は全てを支配できるっ!!!大陸も、倭国も、世界もっ!!!」
一刀「そんなこと、させるとでも?」
一刀が構えると、響窃と風も構える
龍天「貴様らは特別待遇としてやろう………!!!
私を‘神人’にさせてくれたのだからなぁ………!!!
その第一人者として………北郷一刀っ!!!我が支配の礎となるがよいわっ!!!」
一刀「死んでもお断りだよ、バーカ」
一刀は龍天の誘いを当然のように断る
龍天「クハハ、無礼者めがっ!!!ならば有難い死をくれてやろうっ!!!この『神々の手腕(かみがみのしゅわん)』でなぁっ!!!」
龍天は背中から生える黒い腕『神々の手腕』を構える
響窃「ハっ!!!何が『神々の手腕』だっ!!!さっさと片付けようぜっ!!!」
風「風も役不足ながら、お手伝いしますよ〜」
響窃と風が戦闘に意気込む
響窃「一刀っ!!!とっとと一窃になろうぜっ!!!」
響窃が一刀に呼び掛けるが、
一刀「………いや、響窃は風を守っていてくれ」
響窃「………はぁ?」
風「お兄さん?」
一刀の提案に響窃と風は思わず聞き返す
響窃「なに言ってんだ一刀、一窃になれば戦況はひっくり返せる
お前だって分かってる筈だろ?」
一刀「勿論だ、一窃になれば倒せると思う
だけど、風を1人残して戦うのは危険すぎる」
響窃「…むぅ………」
一刀の発言に響窃は言葉を詰まらせる
一刀「ならば、俺が龍天と戦い、響窃が風を守ってくれ
今の龍天は狂ってる、一窃で突撃するのは危険極まりない」
風「すみませんね、お兄さん………
風がいるせいで、足枷になってしまって」
風と宝ャがしょぼくれるが、一刀は風の頭をポンポンと叩きながら笑う
一刀「風は悪くないさ、気にしないで」
一刀は龍天へ振り返る
一刀「頼むぞ、響窃………俺の従者よ」
一刀の信頼の命令とも言える言葉に響窃は折れる
響窃「……そこでそれを言うのは卑怯だぜ…
ったく、しゃあねぇなぁ……わーったよ、ご主人様よ」
一刀「ありがと」
響窃「但しっ!!!」
一刀「??」
響窃は間をおいて続ける
響窃「死ぬなよ?」
一刀「おうっ!!!」
風「頑張って下さい、お兄さん」
宝ャ「負けんなよ、兄ちゃんっ!!!」
一刀は勇ましく、1人で龍天へ立ち向かった
龍天「愚かなり北郷一刀ォっ!!!この‘神人’である龍天に、あろうことか1人で立ち向かうなど、最早貴様は生贄同然っ!!!」
龍天は向かってくる一刀に対して歪んだ笑みで語りかける
龍天「貴様が今から相手にするのは神の化身であるぞォっ!!?
たかが人間如きの貴様が勝つなどと…………!!!」
その龍天の語りを一刀は遮る
一刀「うるさいぞ?いい加減」
龍天「ぬぅううんっ!!?貴様の態度は目に余るなぁっ!!!不届き者めぇっ!!!」
一刀「お前なんか神じゃない、ただの化け物だ」
ギュオォォォォっ!!!
一刀の並々ならぬ思いで、仁王立ちのまま気を溜めだす
一刀「ましてや、禍神なんざいない方がマシだ
此処で必ず、お前を討つ」
気を溜めきった一刀は一気に力を放出する
ドオォォォンッ!!!
一刀は『限界突破』を発動した
一刀「覚悟しろ龍天、三度も生き永らえると思うなよ?」
龍天「やはり貴様も『限界突破』とやらを会得していたかぁ………!!!
だぁがぁっ!!!神に死はないのだァっ!!!」
龍天が叫ぶと同時に『神々の手腕』が一刀目掛けて襲いかかった
一刀「いくぞ龍天っ!!!」
こうして、最終決戦の火蓋が落とされた
龍天「我が贄となれェェェっ!!!」
龍天の背中から生える黒い腕『神々の手腕』が、爪で一刀を切り裂こうとしたり、殴りかかった
一刀「……………」
一刀は『神々の手腕』の動きを読み、全て回避する
一刀「(思った以上に単調な動きだ
恐らく、龍天もまだ‘神人’になりたて………
俺達の一窃同様、力の制御がうまくできていない筈………)」
一刀は躱しながら、龍天へ接近していく
一刀「(倒すのなら今しかチャンスはないっ!!!)」
龍天「小蝿如きが鬱陶しいなァっ!!!」
龍天の攻撃が更に加速する
一刀「(………捉えたっ!!!)」
一刀は『神々の手腕』の攻撃の僅かな隙から体を滑り込ませ、龍天に急接近する
龍天「ぬぅっ!!?」
一刀「はあぁぁぁっ!!!」
フォンッ!!!
バキッ!!!
一刀は握り締めた渾身の右拳で龍天の顔を殴り付けた
龍天「ぐべらァァっ!!?」
殴り付けられた龍天の首からボキボキと骨が折れ、砕かれる音が鳴り響く
口から血と思われるモノを吐き出し、白目を剥き気絶する龍天
首の骨が粉砕されたため、龍天の頭はダランとあり得ない角度で胴体からぶら下がる
その時、龍天から合成音声が雑音混じりで喋り出した
機器音声「損傷……率:9割9…分…9厘
戦……闘続……行不可、生……存…維持を…確立……で…きま…………せん。」
一刀「は?」
響窃「おいおい、終わりか?」
風「流石に呆気ないような……?」
まさかの一撃で龍天が即死状態に陥ったため、困惑する3人
機器音声「生…命維持装……置を……停…止致………しま……す。お疲……れ様d……ザザザザっ!!!」
機器音声により龍天の活動が停止しかけたときだった
謎の雑音が激しく鳴り続け、龍天の活動停止報告を妨害しだした
そして
龍天「…………うひゃ」
一刀「っ!!?」
龍天が此方を見てニヤリと笑った
龍天「ウヒャヒャヒャヒャアっ!!!」
龍天が大きく笑い出し、『神々の手腕』が再び一刀へ襲い掛かる
一刀「くっ!!!」
シュンッ!!!
一刀は咄嗟に『空走』をして龍天から距離をおき、攻撃を回避する
一刀「………なんだ?一体」
一刀自身も目の前で何が起こったのか分かっていない
風「大丈夫ですか、お兄さん」
風の問い掛けに一刀は手を挙げて反応する
一刀「あぁ、だけど龍天が一瞬で復活しやがった……」
一刀の発言に確証を持つ声が雑音混じりで流れる
機器音声「損…傷率:0割…0……分0…厘
戦…………闘続…行可…能で………す。」
龍天「ヒャっヒャっひゃアっ!!!」
龍天はしてやったりの表情で顔の位置を元に戻し、大きく笑い出す
そして、止まっていた『神々の手腕』が蠢き出し、龍天の後方で空中を引っ掻くような動きをし始めた
一刀「折れた首まで元通り?マジかよ……」
響窃「確かに復活したらしいな…管理者共の話は本当だったか」
響窃が歯ぎしりをしながら呟く
風「響窃さん、‘神人’について知っていることを、風に話してくれませんか?
お兄さんにも伝えて情報を共有しないと、危険です」
風の真剣なお願いに響窃は首を縦に振る
響窃「勿論だ……っても、小耳に挟んだ程度だぞ?
本当かどうかは定かじゃねぇものもある」
風「少なくとも、今は情報が欲しいです」
響窃「あぁ、分かった」
響窃は‘神人’について知っていることを話し出した
響窃「禍神・‘神人’………いつ存在したかすら知らない、別名『神が具現化した人間』
噂じゃあ、誰かが意図的に造っただとか、元々は禍神じゃなかったとか色々あるが、危険なのはその能力」
響窃は話し続ける
響窃「なんでも森羅万象、あらゆる『侵食』の力を持っているらしい」
風「侵食、ですか………?」
響窃「あぁ、その全てを貪欲に強欲に飲み込む力だそうだ
故に、それは物だけでは飽きたらず、空間すら奴の対象になっちまうんだとか………」
風「空間………」
響窃「卑弥呼の出身国である倭国が昔、‘神人’に襲われたと聞いた事があるだろう?
勿論、‘神人’の強さもあって苦戦していたらしいが、奴の侵食能力により、国自体が‘神人’に侵食しかけていたらしい
だから、滅亡しかけたと」
風「なんと恐ろしい能力………」
風の眉間に皺が寄る
風「………他にはありますか?」
風が更なる情報のために尋ねる
響窃「奴の回復能力だ
さっきも見た通り、‘神人’の自己修復能力は桁外れだ」
風「確かに、再生というよりは瞬時による完治という速度でした」
響窃「これは俺もよく知らねぇが、‘神人’は空間を侵食することで超常的な再生能力を可能にするらしい……」
風「………ゴクっ」
風は生唾を飲み込む
響窃「だから、回復という単語じゃ奴の存在は計りしれない………
『超速再生』をも上回る、例えるなら新しく‘神人’が創り直されて『誕生』しているかのような感じだろうな」
風「確かに………その説明ならば、先程の瞬時の復活に辻褄があいますね
お兄さん、聞こえてましたか?」
風は一刀へ語りかける
一刀「あぁ、聞こえてたよ」
一刀は戦闘態勢に立て直す
一刀「(ものは試しだ、人間の急所を狙うっ!!!)」
龍天「この龍天に刃を向ける愚か者めがァっ!!!」
龍天は『神々の手腕』で一刀を切り裂きにかかる
一刀「当たるか」
一刀は龍天の切り裂きを躱し
一刀「いけ、『死の閃光』っ!!!」
ピュンッ!!!
右手の人差し指から『死の閃光』を龍天の心臓目掛けて放った
『死の閃光』は『神々の手腕』の間をすり抜け、見事龍天の心臓を貫く
龍天「うぎゃあアァァっ!!?」
龍天は貫かれた左胸を手で抑え、悲鳴を上げながら気絶した
機器音声「損傷……率:9割9…分…9厘
戦……闘続……行不可、生……存…維持を…確立……で…きま…………せん。」
再び機器音声による報告が流れる
一刀「どうだ?」
機器音声「生…命維持装……置を……停…止致………しま……す。お疲……れ様d……ザザザザっ!!!」
だが、同様に雑音で報告が遮断され
龍天「ヌフフフっ!!!無駄と言っておろうがアァっ!!!」
龍天が再び復活した
一刀「チッ!!!駄目かっ!!!」
一刀は戦況が変わらなかったことで、舌打ちをして龍天に接近する
機器音声「損…傷率:0割…0……分0…厘
戦…………闘続…行可…能で………す。」
一刀「見てりゃあ、分かるよ全く」
機器音声対してに独り言を呟く一刀
一刀「心臓、首………ときたら、次は脳、頭だ」
龍天「何度やっても同じ事だアァァっ!!!イヒャヒャアっ!!!」
龍天の乱雑な攻撃を一刀は華麗に回避し
一刀「喰らえ、『終誇の砲弾』っ!!!」
ゴオォォォッ!!!
一刀は『終誇の砲弾』を龍天の顔面目掛けて投げつける
ドオォォォンッ!!!
龍天「ごぉっふぁああっ!!?」
龍天の顔面に『終誇の砲弾』が直撃し、爆発と煙が巻き上がる
風「……おぉ〜」
響窃「…………」
風と響窃の視線の先には、頭が消し飛んだ龍天が立ち尽くしていた
一刀「胴体だけになっても、復活するのか?」
機器音声「損傷……率:9割9…分…9厘
戦……闘続……行不可、生……存…維持を…確立……で…きま…………せん。」
機器音声からの周知が三度、流れる
一刀「問題はこの後………」
機器音声「生…命維持装……置を……停…止致………しま……す。お疲……れ様d……ザザザザっ!!!」
機器音声が雑音によって、遮断される
響窃「ダメか………」
風「むぅ………手強いです………」
龍天「うへいゃあっ!!!言った筈だァっ!!!私は不死身の存在、‘神人’になったのダァっ!!!」
龍天の胴体から瞬時に頭が再生され、高らかに声をあげる
その再生はまさに、ゆっくり回復するのではなく、既に出来上がっていた頭を付け替えたかのような状態であった
機器音声「損…傷率:0割…0……分0…厘
戦…………闘続…行可…能で………す。」
一刀「心臓もダメ、頭もダメ……どうするか……」
一刀が考え込むが、龍天が追い討ちをかける
龍天「そんな悠長にしてていいのかナァっ!!?」
『神々の手腕』を切り裂くように振り回す
龍天「‘神人’の力は『侵食』っ!!!この動きだけでも侵食されるのだぞォォっ!!!」
一刀「なに?」
一刀は眉間に皺を寄せる
風「何を侵食しているのでしょう?」
響窃「何かを侵食………」
龍天「分からんかぁっ!!?この‘神人’龍天は空間をも支配するっ!!!それは現世も例外ではないゾォっ!!!」
風「…………っ、まさか?」
響窃「コイツ、大陸もを侵食しているのか?」
一刀「っ!!?」
龍天「ウヒャヒャヒャアっ!!!気づいたところで遅いっ!!!
この‘神人’の力で、大陸は少しずつ蝕み始めているぅっ!!!
貴様等に残された道はたった2つに絞られたァァァっ!!!」
龍天の自分の左手の指2本を指し示した
龍天「1つはこの『異次元空間』にて‘神人’龍天に魂を捧げることだアァっ!!!
そして、もう1つが大陸ごとこの‘神人’龍天が支配されることォォっ!!!
好きな方を先に選ぶがよいぞォォっ!!!」
一刀「この、ゲス野郎が…………」
一刀が再び構え直す
災厄の禍神・龍天………
倒す術はあるのか?
……終……
説明 | ||
再び姿を現した龍天は呆気なく倒された 一刀と響窃は風の再捜索を開始 瀕死の龍天に接近する『何か』を気づくことなく・・・ |
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