とあるバンカーの異世界冒険譚 |
バンカー、それは集めるとどんな願いも叶える「禁貨」を求める者。
それは他のバンカーとて例外ではないため、己の技を駆使し、命懸けで戦う。
棒を携えた、○の中央に×が描かれたマークのある帽子を被った少女がいる。
彼女の名はビファナといい、ポーチ型((貯金箱|バンク))を腰に身に着け、禁貨を持っているバンカーがいれば戦い、禁貨を手に入れるのである。
ビファナの願いは「コロッケが自分に振り向いてくれる事」。
かつて地球を救った伝説のバンカーのコロッケに片思いしている彼女は、相変わらずバトルばかりの毎日のコロッケと結ばれたいと思った。
バンカー同士が出会ったらバトルが始まるのが鉄則だが、戦いの中で生まれる友情が恋愛感情になると願って、彼女は放浪の旅をしていた。
今回は、そんな彼女が別の世界を訪れた時の物語である。
「……なんだ、ここは? 私の知っている世界ではなさそうだな」
ビファナが辿り着いた世界は、近代的な町だった。
周りは普通の人間ばかりで、バンカーらしき人物は一人たりともいなかった。
そんな時、彼女は大きな屋敷を見つけ、思わずそこに入った。
「誰?」
「名前を名乗る時は自分から言うものだ」
ビファナは屋敷の中にいた女性に、ぶっきらぼうに声をかける。
「……青髭。こんな呼び方……嫌いだけど」
女性は小さな声でそう言った。
どうやら、彼女は青髭と呼ばれるのを嫌っているらしい。
そういえば、同じ女性バンカーの中に、自分の異名を嫌っているのもいたな、とビファナは思い出す。
「私はビファナ。この世界の住人ではない。……禁貨は持っているか?」
「禁貨? 知らないけど」
青髭は当然、禁貨について全く知らなかった。
しかし、やや疑り深いビファナは、鍵のかかった部屋をちらっと見た。
「君はまさか、あそこに大量の禁貨を隠しているのでは?」
「違う、私は禁貨なんか知らな……」
「問答無用だ!」
ビファナは棒を取り出し、思い切り青髭に振り回す。
青髭は剣を抜いてビファナの足を突き、激しい一瞬で両者の攻撃が交差した。
「私の攻撃をいなすとは……だが、禁貨はいただくぞ!」
「だから、私は禁貨なんか知らないし、持ってもいない」
ビファナはバンカーとしての本能に支配されながらも、防御を固めつつ、青髭に接近を試みた。
しかし、青髭は素早く動き、距離を保ったまま冷静に対応した。
双方が互いの動きを警戒しつつ、次の一手を探る緊張感が漂った。
「ああ、バンカーとして……君から禁貨を奪いたいと思っているよ!」
「何を勘違いしてるか知らないけど、私はバンカーなんて知らない」
ビファナは鋭い下段突きを放ち、攻撃を試みた。
しかし、青髭は巧みに防御し、ビファナの突きをしっかりと受け止めた。
「食らえ!」
ビファナは全力で突撃し、青髭に向かって飛びかかった。
「降りかかる火の粉は、払うまで」
「ぐぁぁぁぁっ!」
しかし、青髭は冷静に上段スイングを放ち、その攻撃がビファナの頭に直撃。
ビファナは大きく後退するが、突撃の勢いで青髭もバランスを崩した。
お互いに残された体力は僅か――次の一手が、この激闘の勝敗を決める。
双方が距離を取り、基本の構えに戻りつつも、緊張感はさらに高まっている。
「ウッドスイング!」
「はっ!」
ビファナは強烈な下段スイングを放ち、青髭は鋭い突きを繰り出した。
両者の攻撃はほぼ同時に炸裂し、攻撃が弾かれる。
場は静寂に包まれ、次の一撃で勝敗が決する瀬戸際だったが、未だにどちらかが倒れる気配は見せなかった。
「終わらせる……シャドウサーヴァント」
「なんだ、この力は!? だが、かわして……ぐあぁっ!」
ビファナは一瞬の隙を突いて攻撃をかわそうとしたが、青髭の分身魔法に間に合わなかった。
青髭の分身がビファナにまとわりつき、動きを封じ、青髭の暗黒の力が場を支配する。
「だから、私はバンカーじゃないと何度言ったら分かるの?」
「私は疑っているんだ。あの扉の奥に、大量の禁貨があるのではないかと」
「バンカーも禁貨も知らない!」
青髭は勢い良く剣を振り回す。
ビファナは素早く後ろへ跳び、青髭の攻撃を巧みに避け、青髭の背後に立つ。
この絶妙な一手で、戦いの流れが大きく変わる事を予感させた。
「せいっ!」
「やぁっ!」
ビファナは素早く相手の武器を狙い、その手元から落とそうとしたが、青髭は躊躇なく反撃に出た。
ビファナの下段スイングが青髭の胴体を狙い、同時に青髭の上段スイングがビファナの頭上へと降りかかった。
互いに一歩も譲らず、攻撃と反撃が交錯する激闘の瞬間が続いた。
次の瞬間が、この戦いの決定的な一手になる事が予感された。
「はぁ、はぁ……そろそろ、禁貨を持ってるって言ってくれない?」
「私は禁貨なんか持ってないし、知らない」
「そんな?、あるわけない!」
ビファナは素早く後方へ跳び、青髭も瞬時に空中へ飛び上がり、ビファナの動きを追った。
空中での一瞬の静寂の後、両者は着地し、彼らの息遣いが場に響き渡る。
二人は距離を取りながらお互いの動きを読み合う。
「禁貨をよこせと言っている!」
「ダークネス!」
ビファナは力強い上段突きを繰り出して青髭から禁貨を奪おうとしたが、青髭は暗黒の力を放った。
「なっ!」
ビファナは闇の波動に圧倒され、一時的に盲目になってしまった。
青髭のダークネスはビファナの攻撃を封じる一方で、さらに緊張感をもたらした。
「終わらせる……ダークブラスト」
「はっ!」
青髭はダークブラストを放ち、その暗黒の力がビファナに襲いかかった。
ビファナは辛うじて飛びずさって攻撃をかわしたが、青髭のダークブラストは暗雲を立ち込めさせた。
二人の激闘はますます熱を帯びていく。
「これで終わりだ! シャッターブレイク!!」
「その攻撃は、当たらない」
ビファナは全力で棒を振り下ろし、青髭に決定的な一撃を与えようとした。
しかし、青髭はその動きを見切り、素早く身をかわした。
ビファナの強力な一撃は空を切り、青髭は再び距離を取って体勢を整えた。
「くそ……ならば……持たば太刀!」
「ダークグラップル」
ビファナは防御しながら上段に向けて鋭く棒を振り回し、青髭に一撃を食らわせようとする。
青髭が呪文を唱えると闇の波動がビファナに襲いかかり、その一撃を受ける。
防御していたのでダメージは受けなかったが、一瞬の静寂に包まれた。
「その部屋に禁貨があるはずだ! 突かば槍!」
「私は禁貨を持っていない!」
ビファナは防御しながら慎重に突きを放ち、青髭は剣でビファナの頭を狙う。
「く……」
ビファナの突きは下段を狙い、青髭の上段スイングは鋭く頭上を襲い、両者の攻撃が交錯した。
攻撃はお互いの武器にぶつかり、ダメージは受けていない。
「食らえ!」
「……」
ビファナは青髭の足元を狙って棒を振り回すが、青髭はその攻撃を巧みに受け流した。
この瞬間、互いに次の動きを考えながら、一息つく余裕を見せた。
ビファナは防御しながら巧みにスイングを繰り出し、青髭は上段からの突きを狙った。
しかし、ビファナの防御は堅固で、青髭の攻撃をしっかりと受け止めた。
青髭はバランスを崩し、一瞬の隙が生じた。
「これで終わりだ!」
ビファナはその隙に全力で棒を振り回すが、青髭は素早く飛び上がり、その攻撃を回避した。
青髭が地上に降り立った時、両者は再び距離を取りつつ、互いに次の一手を見据えた。
この戦いはまさに一瞬たりとも目を離せない状況に陥った。
「……」
「ダークブラスト」
ビファナは無言で上段の突きを放ち、青髭に決定的な一撃を与えようとした。
しかし、青髭は冷静にダークブラストを繰り出して応戦した。
ビファナの上段突きは一瞬命中するかに見えたが、青髭は巧みに受け流し、その攻撃を無効化した。
闇の波動が屋敷に広がり、両者の次の動きが勝敗を決する重要な局面に差し掛かった。
ビファナは防御しながら慎重にスイングを繰り出した。
青髭は強力なサイドスイングで応戦したが、ビファナの防御は堅固で、青髭の上段スイングをしっかりと受け止めた。
「終わらせる!」
「ダークブラスト」
ビファナは青髭の下段を狙ったサイドスイングを繰り出したが、その瞬間、青髭は闇の力を解き放った。
「そんな……!!」
ビファナの攻撃が届く前に、青髭が放った闇の波動がビファナの身体に直撃し、ビファナは戦闘不能になった。
「私は無駄な争いは嫌い。……そういえば、この子は別の世界から来たみたい。だから、元の世界に帰そう。……私の秘密を、知る必要はないから」
青髭の闇の波動が倒れたビファナを包むと、ビファナの姿はその場から消えた。
そして、元の世界に帰り、意識を取り戻したビファナはこう言った。
「……くそ、どうやら私は禁貨を手に入れられなかったようだ。
だが、私は諦めない。必ず禁貨を手に入れ、願いを叶えてコロッケに振り向かせてみせる!」
こうしてビファナは飛び立つ。
禁貨を((貯金箱|バンク))いっぱいに入れてバン((王|キング))を呼び出し、コロッケに振り向いてもらうために。
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「コロッケ!」のオリキャラと、他者のオリキャラを使ったSSです。 やっているのはガチバトルなので、甘さを期待した方はすみません。 |
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