とある学園都市の日常 |
ここは様々な学園が存在する小世界「スクールランド」の一都市、グラン・ニネヴェ。
異世界から来た住民が創設した学校が存在するだけあり、この小世界は例外的に異世界との繋がりが強い。
今回はそんなグラン・ニネヴェで起こった、小さな大会のお話。
放課後に起こった、小さな小さな、事件とも呼べない事件である。
「エリスになれば、ポ○キーが手に入る!」
「いざ尋常に……勝負!」
誰が本当のエリスなのかを決める、仁義なき――
「うわ、ピンだ」
「よっし、シチケン!」
「何やってるんですか?」
「ん? おいちょかぶだよ」
おいちょかぶ、である。
簡単に言うと、数字の合計の1の位が9に近ければ勝つ、カードゲームだ。
裏社会の組織の一員はこれが名前の由来になっているとかいないとか。
桃子はおいちょかぶのルールを全く知らないため、ただ見学しているだけだった。
「それで、エリスって何ですか?」
「このおいちょかぶで優勝した人が手に入れる栄誉! そしてポ○キーがもらえるの!」
「は、はぁ……」
呆れながらも、桃子はエリスを決めるおいちょかぶを見ていた。
ちなみにこの大会の参加者の名前は、イニシャルがそれぞれA、B、Y、S、Sになっている。
桃子は「ただカードゲームを見てるだけなのはつまらない」と思って立ち去ろうとするが、
クラスメートの啓司が「まあ待てよ、最後まで見ようぜ」と彼女を止めた。
「あぁーっと! 手が滑ったぁーーーーっ!!」
「ぐぶへぇぇっ!」
Yのイニシャルを持つ少女がSのイニシャルを持つ少女に何故かダメージを与える。
「お、おいちょかぶでなんでこんな事が起こるの……?」
「それがこいつらのやり方なんじゃねーか?」
そう、ここスクールランドでは、ドンパチがかなりの確率で起きる。
もちろん、この学校でも例外ではなかった。
桃子はスクールランドの苛烈さに引きながらも、誰がエリスなのかを啓司と共に最後まで見守った。
そして数分後、エリスを決めるおいちょかぶの優勝者が決まった。
「優勝は……箱舟を信じた少女、杏美でーーーーす!!」
「「「「おめでとう!!」」」」
「お……おめでとうございます」
桃子はパチパチと軽く手を叩いた。
「それじゃ、私はそろそろこれで」
「ちょっと待ってよ、何もしないで帰るなんてエリスが許さないんだから」
そしてエリスを決めるおいちょかぶ大会が終わり、桃子が立ち去ろうとした時、優勝者の杏美が彼女を止める。
「えっ、でも私、エリスなんかじゃ……」
「何言ってるの! このパレードを見た人を逃がすわけにはいかないからね! ね……B、Y、S、S?」
「杏美の方がいっぱいポ○キーがもらえるけど、他の人も一本だけポ○キーがもらえるから……ね?」
「絶対に逃がさないからな……この素晴らしいポ○キーパレードに」
「あなたも私も混ざって楽しみましょう……?」
A、B、Y、S、Sのイニシャルを持つ少女が、ポ○キーを持ちながら鬼気迫る表情で桃子と啓司に迫っていく。
まるで、二人を楽しいパレードに誘うかのように。
「きゃーーーーーーっ!!」
「うわーーーーーーっ!!」
……そう、これがスクールランドの日常である。
説明 | ||
学園都市を舞台にしたギャグ小説です。 Sound Horizon要素も含まれますのでご注意ください。 |
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