真・恋姫?無双 仙人で御遣い 30話 |
【視点・凪】
豪臣様が、急に私の体を触り出した。
突然のことに、慌てる私。
そんな私に
「そのままで」
と、一言呟いた。
そして、そのまま私の体を触っていく。
私は、くすぐったさと、恥ずかしさから頬が上気してしまう。
暫くすると、豪臣様は手を体から離した。
(ふぅ。終わり、か。恥ずかしかった・・・)
と、思った私の両肩を、豪臣様が、ガシッ、と掴む。顔も近付けてきて
(豪臣様の瞳は、綺麗だなぁ・・・違う、違う!そんなこと考えてる場合じゃない!近い!近い過ぎです、豪臣様っ!)
私の頭は混乱してしまう。
そして、豪臣様が
「凪。俺の」
と、言ったとき。豪臣様は、不意に右を向いた。
次の瞬間
ガスッ!
豪臣様が視界から消えた。
私が咄嗟に右を向いた。何となく、豪臣様が居る気がしたからだ。
見てみると、居た。ただし、仰向けに倒れて。
私は、駆け寄って声を掛けようとした。
しかし、そうする前に、急に後ろに引っ張られた。
そして、恐怖が始まった。
【視点・終】
豪臣が凪に話し掛けると、右に朔夜の気配を感じた。
豪臣が視線を向けると、そこには草履の底が見えた。
「ヘブシッ!」
豪臣が吹っ飛ぶ。10mくらい。
ズーン!!
(鼻!鼻っ!また鼻っ!・・・てか、今の音、何?)
吹っ飛びながら、豪臣は大きな音を聞いた。
そして、そのまま地面を滑って停止。
(朔夜か、こんなことするのは?)
豪臣は鼻を押さえながら上体を起こす。
目の前に般若が居た。
「さ、朔夜さん・・・どういったご用件で?」
「分からないんですか?」
ニッコリと笑いながら、しかし、頬を引き攣らせながら訊いてくる。
「い、いや〜・・・何となく分かる。分かるけど・・・誤解ではないかと」
「大丈夫です。あなたの考えは理解しています。別に、彼女に愛を囁いていた訳では無い、ということを」
「だ、だろ〜?」
若干の安堵が、豪臣から漏れる。
しかし、朔夜の表情は変わらない。
「しかしですね。あの態勢は、“非常に”不愉快でした」
「え?」
朔夜は、右の拳を腰で固める。まるで、空手の正拳突きの様な構え。
「あ、あの〜、朔夜さ〜ん?何故、構えるんですか?」
「我が心を以て、我が身、力を得る――『怪(かい)』」
朔夜は、豪臣の言葉を無視して、筋力強化の術を発動する。
「えっ!?ちょっ!それ、洒落ならんて!」
「誑(たら)しは滅びなさい!」
焦る豪臣に、朔夜は容赦無く拳を振るう。
「チッ!『剛(ごう)』!」
ギンッ!
豪臣の交差された両腕と、朔夜の右の正拳突きが衝突する。
(す、少し痛いが・・・間に合った〜)
嘆息する豪臣。
「・・・『剛』ですか・・・では」
ガードしたため、その後は毒舌で攻めてくると思っていた豪臣は、首を傾げる。
そして、本当の恐怖が訪れる。
【視点・凪】
豪臣様が倒れている。
私は、駆け寄ろうとする。
「大丈夫で、わっ!」
私は、急に後ろに引っ張られた。
そして、私が、今の今まで居た場所に
ズーン!
巨大な戦斧が刺さった。
(・・・へ?)
あまりの光景に呆然と立ち尽くす。
(・・・地面に深く突き刺さっている・・・)
そんな私に、声を掛けたのは大斧使い・徐晃殿だった。
「お前・・・ボクの旦那さんに、手、出した」
そう言って、地面から大斧を引き抜く徐晃殿。
「くっ!仕方がない。楽進殿!」
「え?」
後ろから声が聞こえ、引っ張られてその者の後方へ突き飛ばされる。
その者は、趙雲殿だった。どうやら、先程私を後ろに引っ張ったのも彼女のようだ。
「星・・・敵?」
「違うぞ、燈」
趙雲殿は引き攣った笑みで答える。
「じゃ、それ、寄こす。・・・殺りゅから」
「やはり、問答は無理か・・・楽進殿、逃げて、チッ!」
趙雲殿は舌打ちをして徐晃殿の大斧を槍で受ける。
「星・・・渡しゅ」
「楽進殿!走れ!」
「は、はい!」
私は駆け出した。
「・・・待つ」
後方で、徐晃殿の動く気配がした。
「おっと。燈。もう少し付き合ってもら「煩い」のわぁぁああ!」
私が振り向くと
(っ!飛んでいる!)
趙雲殿が、天、高らかに宙を舞っていた。
「・・・待つ」
徐晃殿と目が合った。
(こ、殺される!!)
私は逃げる。そして、その後ろを大斧を振り回しながら徐晃殿が追って来た。
「わ、私が、何をしたって言うんですか〜!!」
【視点・終】
「・・・では」
朔夜はそう呟いて、再度、腰に拳をやる。
「我が拳は鉄壁の拳・・・」
「・・・え?」
急に唱えだした朔夜に、豪臣は驚く。
「我が拳は豪腕の拳・・・」
(っ!ま、まさか、この詠唱は・・・)
豪臣は、朔夜が何をしようとしているのかに気づき、顔が引き攣る。
「ま、待て、朔夜!話し合おう!」
「我が拳は決殺の拳・・・『狂拳(キョウケン)』」
「やっぱりか!止せ!それだけは止めろ!人間、話し合って互いの意思の疎通を・・・「黙りなさい」ヒィィイイ!」
豪臣は、恐怖に尻を地面に擦りながら後退る。
『狂拳』。簡単に言えば『怪』+『怪』+『剛』である。圧倒的なパワーと、そのパワーに耐えるタフさを腕に付与する術。豪臣の使える最強クラスの攻撃力を持つ術だ。全力で撃ち込めば、城門くらいなら、簡単に吹っ飛ばす程の威力を持つ。
ただ、弱点もある。大技故に、仙氣を多量に使わなければならないこと。力を付与出来るのは片腕のみで、使用中は他の術が使えない。そのため、包丁一本あれば殺される可能性が出来てしまう。発動に時間が掛る、などだ。
そんな大技を発動した朔夜は、ニコッ、と笑って言う。
「もう一度言って置きます。誑しは滅びなさい!」
「我が心を以て、我が身、鋼と為る――『剛』!」
豪臣は、咄嗟に詠唱し、完璧な『剛』を発動させる。
しかし、それは無駄な足掻きだった。
「容赦無しかーーーーーーー!」
ズザァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
殴られた豪臣は、100m程地面を転がり続け、動かなくなった。
訂正。痙攣している。
そして朔夜は
「フッ、誑しは滅びました」
清々しい笑顔で、そう宣言した。
そのころ、他の者たちは・・・
「真桜!沙和!助けて〜!」
「・・・待つ」
凪は燈とリアル鬼ごっこ。
「いや、助けるの無理やろ。凪〜!頑張って逃げや〜!」
「凪ちゃーん!危ないの〜!もっと走って〜!」
無責任に応援する真桜と沙和。この二人は、燈が本気で殺そうとしていることに気づいて無い。
「・・・・・・」
尋常ならざる朔夜と燈に呆然と立ち尽くす秋蘭。
「わ、私の心配は、誰もしてくれないのだな・・・フゥ」
地面に倒れ伏したまま、溜息を吐く星。
「ふむ。我は置いてけぼりをくらってしまったな」
吹っ飛んだ豪臣や逃げる凪を見ながら頭を掻く昴(すばる)
「あらあら。あの二人は、またお説教しないといけませんね」
そんな様子を影から眺める鈴花。
「お!紫堂様が吹っ飛んだぞ!」
「徐晃様も走りまくってるな〜」
「ハハハ!アレで死なねぇんだからな!ウチの大将は!」
いつものことと笑いながら鑑賞する義勇兵たち。
そんな中、豪臣は
「いくらなんでも『狂拳』は酷い。・・・っつ〜〜〜!あ、肋骨が三本も折れてる」
怪我をした。
あとがき
どうも、虎子です。
作品の話ですが・・・
皆々様!すみません!全然進みませんでした<m(__)m>
ていうか、駄文でした<m(__)m>
『狂拳』を使っておきたかったんです。と、いいますか、今回は『狂拳』を出すためだけに書きました。
つまらなかったらごめんなさい。作者の自己満です。
凪、ごめんよ・・・
あと、29話のコメントで、死体処理の話が、とある作品に似てるね。と言うものがありました。
実は、この死体ネタ。桃香・愛紗用で考えていたネタなのです。しかし、その作品に出てきたので、後々書くと、パクリ説が出てきそうだったので、速攻で書き直したんです。
ですので、パクリじゃないですよ〜
因みに、その作品は私もお気に入り登録してます。面白いですよね。
全く関係ない話になりましたが、次回の話しです。
次回は、豪臣が凪に何を言おうとしたのかを、ちゃんと書きます。
皆さん、妄想しといて下さいね!
次回投稿は、未定です。
作品への要望・指摘・質問と共に、誤字脱字等ありましたら、どんどんコメント下さい。
最後に、ご支援、コメントを下さった皆様。お気に入りにご登録して下さった皆様。
本当にありがとうございました。
ではでは、虎子でした。
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今回は、全然全くこれっぱっちも進みません。 ごめんなさい。 |
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コメント | ||
やっぱり、女の嫉妬ほど怖いものは無いんですねぇ。。読んでて一瞬、寒気がしました。(韻) 怪+怪+剛ってルイズの魔法みたいな組み合わせ方だな、しかし城門破壊できるなら連合で使った方がよかったんじゃ・・・・(ヒトヤ) 更新お疲れ様です。とても笑えましたww(リンドウ) 自由人さん。ご指摘ありがとうございます。添削しました。 てか、何で間違えたんだろ?(虎子) 何と言いますか、大いに笑わせて頂きましたw『剛』をもってして100mも飛ばされる『狂拳』も然ることながら凪を庇ったばかりに星さんが特大ホームランでかっ飛ばされ…結論としてはこの二人の怒りは買うべからずwwしかしその二人にも最恐の鈴花さんが襲い来る?! 御報告 太史慈→徐晃(4pに6つ、6pに1つ) ではないかと?仕様でしたらすみません。(自由人) 笑えましたwwwww(ブックマン) |
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