真恋姫無双〜ありえたかもしれない外史〜 第11話 洛陽×曹操 
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この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください

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前回のあらすじ

虎牢関での激闘。一刀はそこで飛将軍・呂布と激突し勝利した。虎牢関での勝利により董卓軍はほぼ瓦解したと言っても過言ではない。そして、洛陽に向かう連合軍。そこで見たものは…

真恋姫無双〜ありえたかもしれない外史〜始まります。

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虎牢関を制圧した連合軍はそのまま洛陽にむかった。しかし、洛陽に到着したがそこに董卓軍の姿は全くなかった。敵の罠ではと思い一刀は洛陽に斥候を送る。そして、斥候が戻ってきた。

斥候「董卓軍の姿は全くありません。また、住民からも董卓は逃げたとの噂が流れています。ただその隙をついて黄巾党の残党が略奪などを行ったようです。街はひどい有様でした」

斥候の報告を聞いた一刀と七乃は考える。

七乃「どうしますか〜?」

  「どうしようもない屑だな………まあ別に…どうもしないさ」

七乃「と言いますと?」

  「洛陽の一番乗りは他の諸侯に譲るさ……俺たちは傍観するだけ」

一刀の発言を聞いた七乃は不思議そうな顔をしていた。

七乃「せっかくなら一刀さんが一番乗りして『北郷一刀!一番乗り!いやっほう!!』ってやればいいのに〜。そうすれば一刀さんの名前がもっとひろがるのに」

七乃の発言を聞いた一刀は苦笑した。

  「…何だよその名乗りは……。……まあ…もう十分に名をひろげたからいいよ……」

  「ただ……しばらくは街の復興のためにこちらにとどまるけどな」

七乃「わかりました〜。では私はお嬢様にそう伝えますね〜。」

そう言った七乃はそのまま美羽の元に向かった。その後ろ姿を見送った一刀は兵に告げた。

  「さてと…全軍に通達だ。洛陽に入るときに狼藉を働く者がいたら問答無用で俺が首を斬る…そう伝えろ…まあそんなことする奴はいないと思うけどな……」

兵に命令をだした一刀は洛陽を見ていた。

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そのまま洛陽は何の問題もなく連合軍に制圧された。洛陽に入城した諸侯はそれぞれ董卓を捜索した。一刀も董卓を捜索していた

  「さて董卓はどこにいるのやら……」

城内をうろつく一刀。そもそも董卓の姿がわからないのである。そう考えていると目の前に二人の少女がいた。

詠 「月!!早く!!連合軍の奴らがそこまで来ているわ!!」

月 「待って…!詠ちゃん」

様子を見た感じどこかに逃亡をしようとしているようであった。

  (………?どうしてあんな娘たちが?)

そう思い一刀は二人に近づく。そして、一刀に気づいた二人は明らかに怯えていた

  「おい…何をしている?」

詠 「………っ!!」

月 「……詠ちゃん……」

詠と呼ばれた少女はもう一人の少女を守るように彼女の前に立つ。明らかに彼女の体は震えていた。

  「………そんなに怖がることはない…」

明らかに怯えている二人を見て少しへこむ一刀。

  「……悪いが董卓を見なかったか?…もしかして奴は本当に逃げたのか……?」

一刀の質問に詠は答えた。

詠 「董卓なら洛陽を捨ててとっくに逃げたわよ……」

  「そうか……二人は…逃げ遅れたのか……」

詠 「ええそうよ」

そう答える詠。その様子を不安そうに見る月。

  「なるほど……ところで……」

一刀はそう言葉を区切ると詠の首に双剣を突きつけた。

  「嘘は言わないほうがいい…」

詠 「ひっ!!」

月 「詠ちゃん!!」

剣を突きつけられた詠は悲鳴をあげた。月もおもわず叫ぶ。さらに一刀は続ける。

  「君たちが何者かは知らない……でも何か隠しているのは理解している…もし董卓のことを知っているなら教えろ……まだ……死にたくはないだろ?」

そう言った一刀。詠の顔は蒼白であった。すると後ろにいた少女が口を開いた。

月 「………わかりました……全て話します……」

詠 「月!!ダメ!!」

月 「いいの……詠ちゃん…もういいの…」

詠の言葉を遮った月。そして、一刀に向き合う。

月 「………私が………董卓です……」

彼女はそう言った。

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その後、一刀は月から事の全てを聞いた。自分が董卓であること・涼州にいた自分たちが張譲に協力を要請されたこと・自分たちは利用されていたこと・いつのまにか『反董卓連合』が結成されていて気づいたら戻れないとこまできていたことなど月は自分たちに起こったことを全て一刀に話した。

  「そうか……」

月の話を聞く一刀。二人を見ると月は悲しげな、詠は悔しそうな顔をした。

詠 「ボク達はあんたらのくだらない権力争いに巻き込まれただけよ!!ボク達は平穏に暮らしたかっただけなのに…」

月 「詠ちゃん……」

俯く詠。その表情をうかがい知ることはできない。

  (……まあ俺も利用したからな……)

洛陽自体に董卓の悪評は全くなかった。むしろ良い噂のほうが多かった。しかし、一刀はそれを聞いていてなお連合に参加したのである。そんな二人を一刀は黙って見ていた。すると、月が口を開いた。

月 「北郷さん…お願いがあります…」

  「………何だ」

月 「詠ちゃんだけでも助けてもらえませんか?私の命と引き換えに……」

そう言い頭を下げる月。月の発言に詠は声を荒げた。

詠 「何を言ってるの月!!そんなのダメよ!ここはボクが…」

月 「詠ちゃん…いいの…」

詠の発言を遮る月。

月 「私…何もできなかった…詠ちゃんが、霞さんが、華雄さんが、恋さんが、ねねちゃんが、皆が頑張っているのに何もできなかった。見ていることしかできなかった…」

そう言った月は儚げであった。触れると今にも壊れてしまいそうであった。

月 「だから……せめて…他の人たちはいなくなったけど……詠ちゃんだけは私が守る……いつも詠ちゃんに守られていたから……」

そんな月の覚悟を一刀は黙って聞いていた。するとそこに北郷隊の兵が来た。

兵士「隊長!董卓はいましたか?……ん?そちらは?」

兵士の言葉に息をのむ二人。そんな二人を一刀は横目で見た。

  「いや……董卓はいなかった……こっちの二人は城の女中だ…逃げ遅れたらしい…」

兵士「そうですか……それは気の毒に…では引き続き捜索します」

そう言い去っていく兵士。二人は一刀の発言に目を見開いていた。驚く二人に一刀は告げた。

  「悪いが董卓にはここで死んでもらう……」

詠 「っ!!月は殺させないわ!!」

一刀の発言に月を庇う詠。そんな詠を一刀は見てため息をついた。

  「……勘違いをするな……」

  「死んだことにするだけだ……君達には名前を今ここで捨ててもらう…そして二人にはただの女中として我が主に仕えてもらう…いいな?」

一刀の発言に驚く月と詠。一刀の発言は名前を捨てるだけで助けるといったものであった。

詠 「真名も捨てるということ?」

命よりも大事な真名も捨てるという行為に抵抗を覚える詠。

  「別に真名を捨てる必要はない…ただ…君達は俺達に真名を預けてもらう…捨てるのは董卓と賈駆の名前だけだ…」

心配そうに詠を見る月。考える詠。

月 「そうですか……」

詠 「それで助かるなら…わかったわ…ボク達の真名をあなた達にあずけるわ…いいよね月?」

月 「うん……いいよ」

詠の提案に頷く月。

詠 「ボクの真名は詠よ」

月 「私の真名は月です。よろしくお願いします。」

そう言い頭を下げる月。そんな二人を見て一刀は言う。

  「よろしく…月に詠。ちなみに俺に真名はない。まあ一刀がそれにあたるかもしれないな…好きに呼んでくれ。では二人に我が主を紹介しよう……ちょっと我侭だけど素直でいい子だ」

そう言って苦笑する一刀。その顔は先ほどまでの厳しい表情ではなく穏やかな表情であった。そして、一刀はそのまま二人を連れて美羽達の元に向かった。

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その後、七乃に月と詠を紹介した一刀。七乃は最初驚いていたが、事情を話すと納得をした。そして、一刀の提案にすぐに賛同した。そして、月と詠をそのまま七乃に任せて一刀は洛陽の復興作業の指示をすべく準備を行った。

  (よかった…月と詠はすぐに美羽に慣れるだろう。…なんだかんだで二人ともしっかりしてるし……美羽には二人が董卓や賈駆であることを秘密にしないとな…仮に知ってしまうとポロッと言ってしまいそうだし……)

そう考える一刀。するとそこに、孫策軍に放っていた間者がやってきた。

間者「報告します」

  「何だ?」

間者「孫策が玉璽を手にいれたようです。」

  「!!……そうか……わかった。引き続き頼む…」

間者「はっ!!」

間者が去っていた後、一刀は頭を抱えた。

  (………この噂はひろがるな……全く次から次へと面倒ごとが増えるな……俺のこともむこうは確実に把握しただろうし……まあこれについては仕方がないけど…いよいよかな?)

一刀は頭痛の種が増えたことにため息をついた。

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復興されていく洛陽の街を曹操は夏侯惇と夏侯淵らを連れて歩いていた。曹操は自らの伝手を使い洛陽の復興工事を行っていた。その時に、袁紹に文句を言われたが気にはしていない。

歩きながら街の様子を見ていく曹操達一同。

曹操「順調みたいね…」

夏侯淵「はい…」

曹操「この調子なら大丈夫でしょう……」

そこに曹操軍の軍師・荀ケがやって来た。

荀ケ「華琳様…各諸侯たちもそれぞれ復興作業を行っているみたいです…劉備と孫策も…」

曹操「あら…そう…まあ当然よね」

荀ケの言葉にそう返事する曹操。そこで曹操は考えていた…これから自分の覇道にとっての障害になるもの達の名を…

一人は劉備…王としては甘いが周りの将たちが関羽を筆頭に非常に優秀である。優秀な将を集める人望も一つの強みである。また運も持っている。今は弱小ではあるがいずれ自分の前に立ちはだかることであろう。

もう一人は孫策…実際に見たがとても強い意思を持った目をしており、その存在感は自分と並びうるものであった。英雄と名高いがその噂に間違いはなかった。決して客将で終わる器ではない

それと、もう一人の名前を思い浮かべた。

典韋「………あれ?」

夏侯淵「どうした流琉?」

突然声をあげた典韋に声をかける夏侯淵。すると典韋は言った。

典韋「あの人って袁術軍の北郷さんじゃありませんか?」

典韋の発言に曹操はその方向を見た。そこには炊き出しをしている一刀がいた。

夏侯淵「あれが……呂布を倒した北郷一刀か…」

夏侯惇「見た感じはそうは見えないな…」

許緒「たしかにそうですね〜」

典韋「でも霞さんはとても強いと言ってましたよ…」

それぞれが感想を述べる。曹操が先ほど思い浮かべた人物『北郷一刀』がそこにいたのである。最初に軍議で見たときには全く興味を抱かなかった。しかし、呂布を一騎打ちで倒したその武。北郷隊という屈強な兵達を束ねるその統率力。そして軍略に精通したその智。連合での一刀の戦いぶりを聞いた曹操は一刀に興味を持った。

曹操「ふふっ。ちょうどいいわ…」

荀ケ「華琳様?」

曹操は一刀のいる方向にむかい歩いた。

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炊き出しをしていた一刀は不意に気配を感じその方向を見た。そこにはお供を連れこちらに向かってくる曹操がいた。

  (あれは…曹操か…一体何の用だ?)

疑問をうかべる一刀に曹操が声をかけた。

曹操「はじめまして…ではないわね?北郷一刀?」

そう言って笑みをうかべる曹操。

  「ええ。軍議で何回か……曹操様……でしたよね?」

曹操「ええそうよ…あなたの武勇は霞とかから聞いているわ…」

  「そうですか……ところで霞の調子は?」

曹操「ええ元気にやっているわ…」

  「それはよかった……」

  (まあ霞の実力なら曹操軍でも重宝されるだろう……曹操は有能な人間が好きみたいだし…)

そう考える一刀。すると曹操が言った。

曹操「北郷…私の元に来なさい…あなたほどの才能が袁術の元にあるのが許せないわ…私ならあなたにもっと相応しい場を与えることができるわ」

いきなり勧誘をする曹操。しかし、一刀は素っ気無く答えた。

  「………結構です…他をあたって下さい…」

一刀は曹操の勧誘を一蹴した。その一刀の反応に周囲の面々は不快そうにしていた。特に夏侯惇と荀ケはその顔に怒りの表情を浮かべていた。

夏侯惇「何だと!!貴様!!」

荀ケ「折角の華琳様の誘いを蹴るなんて!!これだから男って!!」

曹操「止めなさい二人とも!!…すまないわねうちの子たちが…」

一刀はそんなこと気にしていないように答えた。

  「いえ……愛されているのですね……」

曹操「ええ……とてもね」

そう言って笑みをうかべる曹操。しかし、そこから一転曹操から覇気が滲み出た。

曹操「虎はいずれ袁術に牙をむくわ…袁術ごときに虎を抑えることは不可能だわ」

曹操は一刀にそう告げる。それは孫策のことを言っているのであろう。

曹操「例えあなたの桁外れの武があってもね…」

そう淡々と告げる曹操。つまり袁術はいずれ滅びると言っているのだ。

それを黙って聞く一刀。さらに続ける曹操。

曹操「だからわた「………やしない」…?」

曹操の発言を遮る一刀。そして、曹操に告げる。

  「……そんなこと絶対やらせはしない……。美羽を孫策に殺らせはしない…絶対にだ。……もちろん曹操……おまえにもな…」

一刀からとてつもない殺気が放たれる。夏侯惇や夏侯淵達はすぐさまに警戒する。殺気を受けた曹操は面白そうな顔をしていた。

曹操「そう…それは実に楽しみね……。北郷…あなたを手に入れるには袁術を滅ぼせばいいのね」

妖艶な笑みを浮かべる曹操。

  「……やってみろ…」

そう言うと一刀は近くの兵に指示をだす。そして曹操達に背をむける。

  「……じゃあな…。霞によろしく言っておいてくれ……」

一刀はそのままその場所を離れた。一刀が去る姿を曹操はずっと見ていた。夏侯惇たちは一刀が去るのを確認するとため息をつき緊張をといた。

曹操「北郷一刀か……。ふふっ…必ず手に入れてみせるわ……」

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後書き

新しい仲間である月と詠が加わりました。最初はあのまま劉備に渡すつもりだったのですが…執筆しているうちに仲間になってしまいました。謎です…。月と詠に集中するあまり玉璽の話は軽い描写だけにしました。すみません。コメントの中でオリキャラを入れたらどうかという意見がありましたが…これはできればやってみたいですね。ただ自分の実力を考えると厳しいのであまり期待しないでもらいたいです…ではみなさんまた

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投稿です。生暖かく見守ってください。
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コメント
少年っぽい一刀も良いなあ。(readman )
月詠タッグ来た!これで愛刀が強化されるよ!・・・んなわけないかw(とり)
月と詠が加わり、これで恋ちゃんたちが仲間になる可能性もグッと上がった訳ですね。それに霞が降った事でいつかは戦うだろうと思っていましたが早速華琳さんに目を付けられた様で…孫呉に曹魏と敵は精強ですね。 御報告 5p:ここは私が…→ここはボクが… 8p:…ではないよね?→ではないわね? ではないかと?(自由人)
誤字 流々→流琉(竜樹)
更新お疲れ様です。せめて詠を軍師として参加させられたら、智の面での負担が減るのだが。(tokitoki)
更新お疲れ様です。呉に玉璽が行ってしまいました。一刀君がどのようにピンチを切り抜ける事ができるのか。これからが楽しみです。(アカスズ)
恋と一刀のタッグに期待、その後呉と戦って勝つという感じか、たまには袁家が最後まで残る外史が見たい(ヒトヤ)
初コメです、ここまで一気に読ませてもらいました。これは武将不足ですね、恋は流石に確保したいですね、でもまだ足りてない気が・・・見たところ三羽烏の描写が無かった気がするけどまだ在野なのかな?(ねんど)
桁外れか〜一体一刀の実力は何桁なんだろうな〜未知数だから色々な設定を組み込めるとは思うけど(スターダスト)
武将が増えずに一刃頼みの袁術軍このさきどうななることやら、もしかして七乃さん覚醒か(aoirann)
やっぱ曹操はお誘いに来ましたね。 袁紹の反応も気なるけど・・・あの性格だからあんま気にしてないのかなww(PETIT)
執筆お疲れ様です。 やはり√踏んでないと他の諸侯が悪役に見えてきますね・・・個人的には袁術存命√で恋は仲間に加わって欲しいですね〜  にしても一刀の戦闘力は桁外れですねw 続きが気になります〜(狩人)
これからの展開が楽しみですw(リンドウ)
美羽・月・詠の三人はなんか良い感じな気がします。美羽が詠をからかって、月が楽しそうにわらって見ているイメージが浮かびました。 華琳ですが、やはり魏以外では覇王としての彼女しか描かれないので悪役っぽい感じも出てしまいますね。(tomasu)
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真恋姫無双 美羽 七乃 

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