恋姫無双 3人の誓い 第十一話「計画始動」 |
「ふむ・・・もう春じゃと言うのに肌寒いのぅ。」
「気候が狂っているのかもね。・・・世の中の動きに呼応して。」
二人の女性______________孫策と黄蓋は城の外壁で、今の乱世の時代に肩を落としていた。
「官匪の圧政、盗賊の横暴、飢饉の兆候も出始めているようですしな。・・・世も末ですの、本当に。」
「ま、でも大乱は望むところよ。乱に乗じれば私の野望も達成しやすくなるもの。」
「全くじゃな。」
孫策の野望・・・それは天下統一。袁術から兵を借り、短期間で江東一帯を平定した今、小覇王と呼ばれてきている。だがまだ力の少ない身、母孫堅の亡き今、再び呉の基盤を築き上げようと奮起している。
「しかし、盗賊どもの他にも、五胡の影がちらついておりますからな。用心するに越したことありませぬ。」
「大丈夫よ♪あんなエセ導師集団なんか、怖くの何とも無いわよ。」
「それもそうじゃがな・・・」
黄蓋は空を見上げた。・・・月が妖しく光っている。だが、周りの雲は心なしか、ひどく黒くみえてしまう。まるで、この乱世を表しているようだ。
「・・・さて策殿。そろそろ、時間も時間だ、寝ることとしよう。明日も忙しいのじゃからな。」
「そうね。ふぁ〜・・・。明日も頑張りましょ。」
「ああ。」
そうして、呉の夜は更けていった。ちょうどその頃・・・。
黒い影達は、石の台座を囲むように集まっていた。その中央にある二つの水晶の中には、蒼介と一刀が映し出されていた。
「まさか、三人ともこんな小僧だったとはな。」
「そうですよねぇ〜。なんだか、納得がいかないなぁ・・・」
未だに一刀達に納得がいかない王湾の隣には、この前の斧を担いでいた男_____________牙猛(がもう)がいる。
「ふふっ。そういう王湾も、まだまだ子供じゃない。」
「な、何言ってんだ!あんな奴らと一緒にされちゃ困るよ、紅泉!」
紅泉は王湾をからかいながら、クスリと笑みをこぼす。
「しかし、子供と言って、侮ってはいけませんよ。」
三人の後ろから、ゆっくりとした足取りで来る男。名は環(たまき)。
「環様。今お戻りに?」
「ええ。ちょっとあの少年の様子を見に。しかし、もはや我らの思うがままに動く人形、となっておりますから、意識などないでしょうね。ぐったりとしていましたよ。」
あの少年とは飛鳥のことだろう。環は口元を抑え、くくくっと笑っている。
「では、他二人の御遣いも確認できたことだ。そろそろ行動を開始するか。」
「そうですね。二人を捕らえれば、天の御遣いの称号は我ら五胡のモノに・・・。天下取りの第一歩です。」
目的は、三人の天の御遣いを我らの手に収めること。それを世に知らしめることで、民衆は我らに屈服し、信仰するだろう。人の信仰心ほど、恐ろしいものはない。すなわち天の御遣いには、銅像と同じになっていただくというもの。今はまず一人目・・・。
「しかし、今はまず、領土を広げることから始めましょう。手に入れるための力がなければ、三人ともよろしくお願いしますよ。」
「「「仰せのままに・・・」」」
三人は命令を受け環にお辞儀をすると、それぞれ消えていった。
そして、暗い部屋の一室では・・・。
「かず・・・と・・・。そう・・・すけ・・・」
飛鳥が死んだ目をして、ぐったりとうなだれている。記憶も意識も曖昧で、まるで壊れた人形のようだった。
※どうもお米です。かなり短かったですが、少しでも内容が伝わってくれたら幸いです。囚われの身の飛鳥を一刀達は助けることはできるのか!こうご期待!次回は多分、蒼介達、蜀になるとおもいます。それでは失礼します〜。
説明 | ||
第十一話となります。今回は黒装束の人達の話と、呉の話になります。かなり短いですが、よろしくお願いします。 | ||
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コメント | ||
>茶々さんコメント有り難うございます!環につてはちょっと宇吉みたいなキャラにしてみました。もう鬼畜野郎ですよ環は。妖術に関しては全部私の妄想ですwwすみません。(お米) ……あれ?何か無印にいたメガネとか白装束とかの影がちらついている? つーか五胡ってそんな高レベルの妖術が使えたの!? *報告:P2 銅像と同じになっていただくという『もの』→こと、ですか?いや、『もの』でもいけそうな気はしますけど……(茶々) |
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