清・恋姫無双  第一話 邂逅
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「そこのお二人、しばし待たれよ・・・」

 

「私達のことか?」

 

「そうだ。わしは管輅、しがない占い師じゃ」

 

「その貴方が私たちに何のようだ」

 

「白銀を纏いし天の御遣い、流星とともにこの乱世の地に降り立ちその武と徳をもって平和をもたらすであろう」

 

「なんなのだ〜それ?」

 

「何、占いじゃよ占い。おぬしたちがこの町に何度か来ている盗賊を討伐しているのは知っておる。その助けになればよいかと思ってな」

 

「だが所詮占いであろう。」

 

「真実であればそれは予言になってしまうからの。占いはあくまで未来の可能性に過ぎん、だが心のうちに留めておくが良いぞ」

 

「ああ、助言、感謝する。では管輅殿失礼する」

 

「(お主等にどのような未来が訪れるか、楽しみじゃな・・・)」

 

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「愛紗、あの占い師の言ってたのって本当なのか?」

 

「さあ、どうであろうな。まさか流星など降ってはこないだろう、あんなふうに・・・・・・なに!?」

 

「お昼なのに流星が降ってきたのだ、占い師の言ってたのは本当だったのだ!」

 

「そうかもしれんな(あちらは確か荒野が広がっているはず)」

 

 

 

 

「大変だぁ〜!盗賊がきたぞー!!」

 

『!!』

 

「盗賊がこの邑に向かってきてるぞぉー!!」

 

「相当な数らしい!!」

 

「私たちもう駄目なの?・・・」

 

「・・・行くぞ鈴々!!(流星も気になる・・・)」

 

「分かったのだ!この村には盗賊なんて入れさせないのだ!!」

 

 

 

 

 

「これは・・・」

 

「にゃぁ〜盗賊がいっぱいなのだ・・・」

 

 眼前には1000人はいるであろう盗賊が待ち構えていた。流星が落ちたのは・・・あそこか。

 

「へへっ!!姉ちゃんたち、何の真似だ?」

 

「俺たちは今からあの村に行かなきゃいけねぇんだ。邪魔しねぇでくんねぇかなぁ!!」

 

「下衆が・・・貴様らがあの村に入ることなどこの関雲長と張翼徳がいる限り許されん!!行きたければわが屍を超えてみよ!!できるものならばな」

 

「たった二人の癖してたいそうな口きくじゃねぇか。だが、数ではこっちのほうがはるかに多いんだ。テメェらやっちまえ!」

 

「いくら多かろうと所詮は烏合の衆。私達の敵ではない!!わが青龍エン月刀の錆にしてくれる!!」

 

「突撃、粉砕、勝利なのだ!」

 

「はあぁぁぁ!!」

 

「うりゃりゃりゃりゃ〜!!」

 

 

「ぎゃぁ〜!」

 

「ぐぇっ!」

 

「くそっ!何してやがる。たった二人相手に何してやがる!」

 

「にしましても、あの二人相当強いですぜ」

 

「へっ、どんなに強かろうがこの数相手に勝てるわけがねぇ。・・・それにこっちには奥の手が残ってる、なぁに時間の問題よ」

 

「くそ、倒しても倒してもきりがない・・・鈴々、大丈夫か?」

 

「大丈夫なのだ、でもちょっと疲れたのだ・・・」

 

 見た目では半分倒したようだがまだまだこの数、それに足場も倒した盗賊で悪くなるばかり、早めにけりをつけなければ・・・

 

「頭、来たようですぜ」

 

「そのようだな・・・お前ら、援軍だこのまま突っ切れ!!」

 

「何!?」

 

 後方から砂塵が上がるのが見える。おそらく相当な数の援軍であろう、さすがに二人では辛いか・・・

 

「何よそ見してんだ、テメェの相手は俺らなんだぜ」

 

「くっ!?」

 

 普通ならば、盗賊の相手など大したことではない。しかし、注意が遠方に向いていたこと、さらにこの足場のせいでうまく対応することができなかった

 

「ククッ、もう観念しな。死ねぇ!!」

 

「っ・・・・・」

 

 盗賊たちの剣が振り下ろされ、思わず目を瞑ってしまう。しかしいつまでも私に痛撃がくることはなかった。

 

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 目を開けると、そこにはうめき声を上げてうずくまる盗賊たちと、太陽の光を背に受け輝きを放つ服を着た人物がたっていた・・・

 

「大丈夫?」

 

 その御方が、こちらに笑顔をかけてくれた。

 

 銀を溶かし込んだような煌めきを放つ白銀の絹髪、

 

 整った顔、凛として――――それでいてどこか優しさを感じさせる眼差し

 

 なんと美しい御姿、というのが私の第一印象であった。

 

「ええ、助けていただきかたじけない。それより貴女は?」

 

「俺は北郷 一刀・・・って、そんなことよりも今は目の前の敵を倒すことが先です。後ろをお願いできますか」

 

「無論です。先ほどは盗賊ごときに遅れをとりましたが、もう大丈夫です」

 

「そうですか。じゃあ行きましょう!!」

 

 そういうと私たちは、盗賊の集団の中に飛び込んでいった・・・

 

 

 

「くそっ、一人増えたぐらいでなんだこのざまは!」

 

「頭、ここはいったん引いた方が良いんじゃないっすか」

 

「かもしれねぇ。おいテメェら、ここは引くぞ!!」

 

 

 

「くっ、待て!!」

 

「待って。無理に攻める必要はないし、村に攻め込まれないだけでも良かった。もしまた来たらそのときに倒せばいい」

 

「そう・・・ですね。」

 

「それよりも、貴女たちに聞きたいことがあるんだけど?」

 

「ええ、私たちでよければ。鈴々も帰ってきたようです」

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「ただいまなのだ、愛紗。うにゃ、このお姉ちゃん誰なのだ?」

 

「こら、失礼ではないか!!この方は私を助けてくださったのだ」

 

「そうなのか?お姉ちゃん、ありがとうなのだ!」

 

「こちらこそ(ニコッ)。それよりも質問を・・・」

 

『ボ〜//////』

 

「あのー・・・・」

 

「うにゃ!?なんか変な気分だったのだ」

 

「はっ、し、失礼しました。それで聞きたいこととは?」

 

「ここはどこ?」

 

「は?」

 

「日本じゃないよね?」

 

「ニホン・・・というのがどこかは分かりませんがここは幽州の琢群、五台山の麓に当たる場所です」

 

「!!じゃあ、今はこの国を誰が治めて?」

 

「漢王朝ですが?」

 

「!!!・・・そうか」

 

「先ほどからこの国のことを聞いていますが、どうしてですか?」

 

「・・・信じてもらえないかもしれないけど、俺はこの国の人間じゃないらしい」

 

「それは、どういう意味なのでしょうか?」

 

「俺が生きていたのが今から1800年先の時代で、どういう因果かこの時代に来てしまったといえ

ば信じてもらえる?」

 

「なかなか信じ難いですね。それを証明できる術は持っていらっしゃるのですか」

 

「・・・恐らくだけど貴女の名前は姓が関、名が羽、字が雲長、じゃない?」

 

「!!なぜ私の名前を知っているのですか?」

 

「その獲物から。青龍エン月刀だよね、それ」

 

「まさか獲物の名前まで知っていようとは、驚きました」

 

「(まさか女の子になってるとは思わなかったけど・・・)」

 

「鈴々の名前も当ててほしいのだ」

 

「関羽さんがいるなら君は張飛ちゃんかな。姓が張、名が飛、字が翼徳」

 

「すごいのだ、当りなのだ!」

 

「有難う、これで信じてもらえたかな」

 

「鈴々は信じるのだ」

 

「これは信じざるを得ないですね。それで、どうしてこのようなことに?」

 

「それが、原因は分からない。朝起きたら急にここにいて・・・」

 

北郷殿もどうしてこうなったか分からない様だ。ふと、あのときの管輅の言葉を思い出した。

 

「・・・天の御遣い」

 

「なに、天の御遣いって」

 

「管輅という占い師が言っていたのです『白銀を纏いし天の御遣い、流星とともにこの乱世の地に降り立ちその武と徳をもって平和をもたらすであろう』と」

 

「そんな占いが・・・」

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「――――北郷殿、お願いがあります」

 

「なんでしょう?」

 

「我々に力を貸していただけませんか?」

 

「何か思いつめているようだね・・・詳しく聞かせてもらえる?」

 

「先ほども申し上げたとおり、今は漢王朝が治めていますが、ほとんど腐敗しているといってよいでしょう。

 

民には重税を納めさせ、自分たちはその金で好き勝手に暮らしています。それに実際にご覧になってわかったと思いますが、盗賊たちも横行して民たちは虐げられています。

 

そんな状況でも、官軍は何もしてくれません」

 

「ひどいな・・・」

 

「その民を助けるために我々が立ち上がったのですが・・・」

 

「二人じゃどうにもならないのだ」

 

「それで『天の御遣い』かも知れない俺に、力を貸してほしいと」

 

『はい(そうなのだ)』

 

北郷殿は顎に手を当てて少し思案したようだが、また私のほうに向き直った。先ほどまで気がつかなかったが、なんと澄んだ目をしているのだろう。

 

「ひとつ言っておきたい事がある」

 

「はい」

 

「俺は管輅さんの言う天の御遣いなんかじゃ無いよ。皆と同じ人間だ。

 

しかし原因はどうあれ、この時代に来てしまった。それなのに何もできずに死んでいく民達を無視することなんてできない!」

 

「では・・・」

 

「『天の御遣い』という名は大義名分として役に立つと思う。

 

だから、こんな俺だけどよろしく頼む!!皆が平和になれる世を一緒に作ろう!」

 

『ありがとう(なのだ!)(ございます!)』

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「じゃあ、改めて、俺は北郷一刀。この国で言えば姓が北郷、名が一刀と言った所かな。

 

字は無いから、北郷か一刀で呼んでくれると嬉しいな」

 

「では私も、姓は関、名は羽、字は雲長、真名は愛紗。

 

北郷殿、いえご主人様、よろしくお願いします」

 

「鈴々は姓は張、名は飛、字は翼徳、真名は鈴々なのだ。お姉ちゃん、よろしくなのだ!!」

 

「よろしく。じゃなくて!?」

 

「どうかしましたか?」

 

「二人は何故そのような格好を?俺は仲間になるといったんだよ!」

 

「いえ、ご主人様はわれわれの主となられるお方。臣下の礼をとることは当然のこと……ダメですか」

 

「あぁー、だから『ご主人様』なんだね・・・あぁ、そんな目で見ないで。分かったから!」

 

「後、何か聞きたいことなどはございますか」

 

「うーん、先ほどから二人で呼び合ってる真名ってなに?俺の知る限りではその呼び名は知らないよ」

 

「真名とは我等の持つ本当の名前のことです。

 

家族や親しきものにしか呼ぶことを許さない、神聖なる名・・・」

 

「その名を持つ人の本質を包み込んだ言葉。

 

だから親しい人以外は、たとえ知っていても口に出してはいけない本当の名前」

 

「でもお姉ちゃんになら呼んでほしいのだ!」

 

「そんなに大事なものを・・・分かった。二人の名前預かろう」

 

『はい!(なのだ!)』

 

「あっ!忘れてた!これを言うと皆なぜか吃驚するんだけど、これから一緒になるから言った方がいいね・・・

 

鈴々ちゃん「鈴々でいいのだ!」鈴々、俺を呼ぶときは『お姉ちゃん』じゃなくて『お兄ちゃん』って呼んでね」

 

「どうしてなのだ?」

 

「それは・・・俺、男だから」

 

『えっ!?え〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!』

 

「ほら(バッ)」

 

「ひゃっ!」

 

「///つるぺったんなのだ///」

 

「・・・そりゃ、男だから胸は無いよ」

 

「///わ、分かりましたから、は、早く服を着てください!!///」

 

「そんなに焦らなくても「焦ってなどいません!」わかったから・・・(カチャカチャ)

 

これでいいね・・・じゃあ改めて、愛紗、鈴々、これからいろいろと苦労をかけるかもしれないけどよろしく」

 

『御意(よろしくなのだ)』

 

 

こうして3人の旅は始まった・・・

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「(う〜む、しかしあれで男とは・・・何か大切なものを失った気がする)」

 

「どうかした、愛紗」

 

「!?いえっ、何でもありません!」

 

「??それならいいけど」

 

「(多分、会う度々で驚かれるのであろうな・・・)」

 

説明
初投稿です。

真・恋姫無双二次創作です。
基本は蜀√をベースとしていますが、ほかのルートの要素も取り入れていこうと思っています

ちなみに、蜀の太守さんは後に出てきます。
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コメント
<リョウ流さん 姿形とか性格とか強さとかいろいろ変わったりしてるので、一刀のままだと違和感が生じるかと思ったのですが、これもこれでありなんですかね(CANTY)
もしや、第三性別○吉なのか(gmail)
女に間違われる主人公というと、どこかの”エルダーさん”とか?妹(姉?)にすり替わって女子校に通ってる(通っていた?)某主人公(たち)とか・・・に似ていたりしますかね?・・・容姿がw(nayuki78)
ついでに4ページエン月刀→偃月刀(sink6)
う〜ん主人公女に間違えられるなんてどんな姿なんだろう(sink6)
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恋姫無双 真・恋姫無双  愛紗 鈴々 一刀 

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