異世界冒険譚 魔法少女リリカルなのは月 15話 |
俺はプレシア・テスタロッサの魔法によって倒れた
何がプレシアをそうさせたのかは分からない。
俺の魔法より、アルハザードの方が良いと思ったのか?
なぜ?
やっぱり人生はままならないものだ……
魔法少女リリカルなのは月……はじまります。
nanoha side
「ユエさん!ユエさんしっかり!」
ユエさんが担架で運ばれていく、あんなに強かったユエさんが……
「大丈夫です!助かりますから!」
アースラの船医さんが大丈夫って言っているけどそれでも心配なの!
そうしている間に、ユエさんと船医さんは治療室に入ってしまった。
「なのは……。」
「……ユーノくん。」
「来て。リンディさん達が呼んでる。」
「………うん。」
司令室に呼ばれたわたしが目にしたものは
「フェイトちゃん。」
「………。」
手錠をかけられているフェイトちゃんの姿でした。
「来たか。」
「クロノ君。」
「……さっきの魔法で今回の首謀者の名前が解った。…エイミィ。」
「了解、クロノ君。」
「プレシア・テスタロッサ。名前からするとたぶんフェイトちゃんのお母さんだね。」
「そんな!どうしてそんなことを!?フェイトちゃんのお母さんなのに!」
「フフフフ………どうしてかしらね?」
その時、司令室のモニターに通信が入り妙齢の女性が映った。
「なにッ!?」
「あなたは!!」
「かあ……さん」
この人が、フェイトちゃんのお母さん……
side out
yukito side
「つぅ……。ここは…」
目覚めた場所はどこか近未来的な部屋だった。
「アースラ……か?そういえば俺、プレシアの魔法にやられたんだっけ……プレシアはどうして……」
状況からすると医務室とかそんな部屋だろう。薬品や消毒液のにおいが鼻をつく。
いつまでもここに居てもしょうがない、なのはちゃんのところに……えっ!?
「バインド!?」
起き上がろうとすると、体がベッドに縛り付けられている。ご丁寧に、首、肩、胴体、足を縛った上に両手を縛っている。……なんかむかつくな。正体不明な人間を置いておくんだから仕方ない(?)こととはいえ。
「まあ、こんなんで俺を縛り付けておくなんて無理だけど……スキル、魔力無効化。」
ネギまに出てくる明日菜の能力でバインドを無効化する。
「よし。じゃあ、なのはちゃんのところへ……つぅ!?」
動こうとすると、体中に痛みが走る。よく見ると、体のあちこちに火傷があった。
「つぅ〜〜。プレシアにやられたときの傷か……」
とりあえず、回復魔法でやけどを治してなのはちゃんのもとへ。
なのはちゃんの魔力をたどって俺は司令室だと思われる部屋に入る。
ウィーン
と音がして扉が開く。そこには……
「もうだめね時間がないわ……たった6個のロストロギアではアルハザードにたどり着けるかどうかは分からないけど。」
「プレ…シア?」
俺と契約して、フェイトを娘として扱うと約束したプレシアがモニターに映っていた。
「でも…もういいわ。終わりにする。この子を亡くしてからの暗鬱な時間も、この子の身代わりの人形を娘扱いするのも」
プレシアがあの言葉を言ってしまう。
「聞いていて?あなたの事よフェイト。せっかくアリシアの記憶をあげたのに、そっくりなのは見た目だけ、役立たずで使えない私のお人形。」
「や…めろ…」
「あなたは私が研究していた死者蘇生の研究……プロジェクトフェイトの失敗作…その名前もプロジェクト名からとった……」
ダメだ…プレシア…それ以上言うな…
「アリシアはもっと優しく笑ってくれたわ…アリシアは時々わがままも言ったけど私の言うことをとてもよく聴いてくれた。」
「やめて…」
「フェイト、やっぱりあなたはアリシアの偽者よ。せっかくあげたアリシアの記憶もあなたじゃダメだった。」
「やめて…やめてよ!」
「アリシアを蘇らせるまでの間に私が慰みに使うだけのお人形。だからあなたはもういらないわ…どこへなりとも消えなさい!」
「お願い!もうやめて!」
「あははははははっ!…………ふふ。良い事を教えてあげるわフェイト…あなたを作り出してからずっとね?…私はあなたが……」
(やめろーー!プレシア!やめてくれ!)
俺は思わず念話で彼女に語りかけるが
「っ!……大嫌いだったのよ!」
彼女は少し眉をひそめただけで言ってしまった……フェイトを壊す言葉を。
「ぁ!!……。」
フェイトはその言葉を聞くとともに崩れ落ちる。
「フェイトちゃん!」
「フェイト!」
「な!?君は!いったいどうやって!?」
なにやらクロノが何かを言ってきているがそんなことはどうだっていい。
「大変大変!ちょっと見てください!屋敷内に魔力反応…多数!」
「なんだってぇ!」
クロノにつられモニターを見てみると正式名称は知らないが鎧が地面からまさに湧いて出てくるという表現がぴったりの登場をしてくる。
「プレシア・テスタロッサ、いったい何をするつもり!?」
プレシアは玉座の間にアリシアが入ったポットを魔法で運びながら言う。
「私たちの旅を、邪魔されたくないのよ。……私達は旅立つの!忘れられた都…アルハザードへ!!」
「まさか!」
「この力で旅立って取り戻すのよ……全てを!」
プレシアの言葉とともにジュエルシードが展開し強力な魔力を発する。
「次元震です!」
「振動防御!ディストーションフィールドを!」
「ジュエルシード6個発動!次元震まだ強くなります!」
「転送可能距離を維持したまま、影響の薄い空域に移動を!」
「りょ、了解です!」
「アル…ハザード?」
「馬鹿なことを!」
「クロノ君!?」
「僕が止めてくる……ゲート開いて!」
クロノがそう言ってプレシアのもとへ行ってしまう。俺も行きたいところだが、フェイトをこのままにしておけない。
「高町なのは!」
「ユエさん!?怪我はもういいんですか!?」
「そんなことはどうでもいい!急いでフェイト・テスタロッサを医務室へ!」
「は、はい!」
俺たちはフェイトを抱えて走り出す。すると
「クロノ君どこへ?」
なぜか先に走り出していったクロノと会った。
「現地へ向かう…現況を叩かないと。」
「わたしも行く!」
「僕も!」
「……わかった。」
「う、うん。」
俺も行こうとしたが、
「ユエさんはまだ無理しちゃダメです。フェイトちゃんと一緒に医務室に行ってきてください。」
「……ああ。」
なのはちゃんに止められた。正直かなり納得いかないが。
「行こう!」
「「うん!」」
俺もフェイトを連れて行くとするか。
医療室のベットにフェイトを寝かせる。
モニターを見るとなのはちゃん達がプレシアの出した鎧と戦っている。俺もそろそろ行かなければ。
「その前に、フェイト。」
俺はフェイトに話しかける……が反応はない。
「聞こえていようが、いなかろうがどうでもいいが。……フェイト。このままでいいのか?」
俺はフェイトに……人形なんかじゃないフェイト・テスタロッサという人間に話しかける。
「このままではお前はプレシアの言うとおりただの人形だ。」
フェイトは反応しない。ただただ、透き通った目で虚空を見つめている。
「お前の物語はこのまま、プレシアが握っているままなのか?……違うだろう?お前はこの世界に生き、そして思考している。そのお前が人形のはずがない。」
そうだ。この世界は確かにリリカルなのはの世界。アニメだったら、主人公は、なのはちゃんなのかもしれない。だけど違う。
この世界は現実(リ ア ル)なんだ。ならばこの世界の主人公はなのはちゃんだけじゃない。
「この世界の、この物語はお前も主人公なんだ。ならここでプレシアにあの言葉を言われた程度で止まっていたら、お前は本当に人形になってしまう。」
辛いのかもしれない、苦しいのかもしれない、フェイトじゃない俺にはその痛みはわからない。それでも!
「立て!フェイト・テスタロッサ!立って母親に文句を言って来い!」
ぴくっ
俺の言葉にフェイトが反応した!頼む!このまま立ち直ってくれ。
「これは高町なのはでもアリシア・テスタロッサの物語でもない。」
そうだこれは。
「フェイト・テスタロッサ。これはお前の物語だ。」
「……私の…ものがたり?」
「そうだ。そしてその物語はまだ始まってもいない。」
「わたしは……」
フェイトが俺の言葉に完全に反応した。これなら……たぶん大丈夫だろう。
「私はプレシア・テスタロッサの所へ先に行く。立ち上がれるなら追って来い。」
そう言って俺は部屋を出て行く。
side out
FATE side
母さんが言った言葉、私が大嫌いだって私はアリシア・テスタロッサの偽者なんだって、そう言っていた。私は母さんに必要ないものだったのかな?私はアリシア・テスタロッサに絶対に勝てないのかな?
「これは高町なのはでもアリシア・テスタロッサの物語でもない。フェイト・テスタロッサ。これはお前の物語だ。」
「……私の…ものがたり?」
私の?アリシアのじゃなくて私の?
「そうだ。そしてその物語はまだ始まってもいない。」
まだ始まってもいない……だけど。
「わたしは……」
アリシアの……
「私はプレシア・テスタロッサの所へ先に行く立ち上がれるなら追って来い。」
そう言って彼は出て行ってしまった。
母さんに?会う?……この物語は私の物語、私の物語はまだ始まってもいない……。
「そうなのかな?バルディッシュ。私の物語はまだ始まってもいなかったのかな?」
「GET SET」
バルディッシュはアックスモードになる。私に力を与えてくれる。
「ぁ……わかったよ。ユエ。私やってみる。」
side out
Precia side
早く、早く発動を……!?さっきより次元震の威力が……
(プレシア・テスタロッサ!)
念話!?
(終わりですよ。次元震は私が抑えています。…駆動炉もうじき封印、あなたのもとには執務官が向かっています。)
まずい!執務官に捕まったらフェイトは……早く発動を!!
(忘れられし都アルハザード。そしてそこに眠る秘術は存在するか曖昧なただの伝説です!)
分かっているわ、そんなこと。
(違うわ…アルハザードへの道は次元の狭間にある。時間と空間が砕かれたとき、その狭間に滑落していく輝き。道は確かにそこにある!)
(ずいぶんと分の悪い賭けだわ。あなたはそこにいって何をするの?失った時間と犯した過ちを取り戻すの?)
前はそうだったんだけどね。あの子が来てからずいぶんと私も変わったわね。
(そうよ!私は取り戻すの!私とアリシアの過去と未来を……。)
「取り戻すのこんなはずじゃなかった世界の全てを……なっ!?」
私の部屋は薄く、しかし強度の高い何かに覆われた。
「結界!?」
いったい誰が!?執務官が!?……いいえ…そんなのありえない。じゃあ誰が?
「ククク……世界はいつだってこんなはずじゃないことばかりだよ……か。」
「あなたは……ユエ!」
私の魔法によって墜ちてしまったはずの子がそこにいた。
「あなたが放った魔法、なかなか痛かったぞ?」
「・・・・あなたには電撃が効かないから撃ったんだけどね?」
「・・・・そういえば、そのような設定だったな。」
「なによ。インチキだったの?」
「クク・・・・まあそのようなものだ。」
私に落とされたことが、何でもないような言い方だった。
side out
yukito side
プレシアのいる部屋に来てチャクラで結界を張ったが、なぜかプレシアは攻撃の姿勢も見せずただ立っていた。
「それで?フェイトを突き放してどうする気だ?事と次第によっては、あなたを殺さなければならなくなるのだが?」
俺はフェイトをあんなにしてどうするのかを聞く。さっきまで話していたが、このプレシアならまだなんとかなるはず。
だが俺が聞いた言葉は予想だにしなかった言葉だった。
「もういいわ。私はフェイトに・・・娘に対して酷いことをした。・・・・このままいってもフェイトは犯罪者・・・・なら私が罪を引き受けて世界から退場しようと思ってね?」
「なに?」
まさかプレシアはフェイトの罪を自分ひとりで背負って逝くつもりか!?
「……思い直さないか?フェイトにはまだあなたが必要なはずだ。」
「無理よ。私はもう犯罪者。今更、ごめんなさいじゃすまされないわ。」
「しかし!」
「いいのよ。……私が死んだ後、フェイトを……娘を頼めるかしら?」
……プレシアの意思は硬そうだ。俺の説得ではてこでも動かないだろう。
「そうか・・・・残念だ。」
なら俺に出来ることはただ一つ。……プレシア・テスタロッサという犯罪者をここで殺すことだ。
あとがき
こんにちはもうゴールデンウィークですね。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
まあそんなことはともかく今回は雪人君がかっこいいですね。
フェイトを励ます(?)シーンはもうノリで書きましたがうまくいっているでしょうか?
そしてプレシアさんは、フェイトをかばって死ぬことを選んだようです。
このあとどうなってしまうのか?雪人君は言ったいどうするのか!?
それはまた次回のお話です。
感想等があればどんどん投稿してやってください。
それでは異世界冒険譚をこれからもよろしくお願いします!
説明 | ||
交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。 | ||
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コメント | ||
脱字発見 後半部分の主人公セリフ 「・・・・そういえば、そのよ()な設定だったな。」 ()の所が抜けています。また見つけたら報告します(伝士 蓮示) brid様いつもコメントありがとうございます。(RYO) aruto様、コメントありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。(RYO) なるほど、見せかけだけでなく本当の母親になろうとしてたんですね・・・命がけで・・個人てきには罪を償って、リリなのAsでフェイトが見た幻幸せなひと時ル−トに進んでほしかったかな・・・(brid) 誰と一緒にいて話を進めますか? 個人的にはフェイトと一緒がいいです!(aruto) とっても面白くなってきましたね。 これからも応援しています。 ユエは(aruto) |
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