異世界冒険譚 魔法少女リリカルなのは月 外伝2 |
ユエが虚数空間に落ちてから数日、なのははクロノにフェイトが今後どうなるのかを聞いている。
「事情があったとはいえ彼女が次元干渉犯罪の犯罪の一端を担っていた事はまぎれもない事実だ。」
「・・・・・。」
「重罪だからね。数百年くらいの幽閉が普通なんだが・・「そんな!」・・なんだが!」
クロノは少し語気を強める。
「状況が特殊だし彼女が自らの意思で次元犯罪に加担していなかったこともはっきりしている。後は偉い人たちにその事実をどう理解させるかなんだけど・・・その辺はちょっと自信がある。心配しなくていいよ。」
「よかった!・・・プレシアさんは?」
「プレシア・テスタロッサか。正直彼女はどうしていいか分からない。」
「どうして?」
「なぜか騙されたのにユエをかばうんだ。」
「え!?」
「プレシアが言うには『ユエが私を操ったのは最後だけ。』とか『次元震は私が単独で引き起こした。だから私が悪い』とかね。そんな記録は残ってないからどうしたらいいか・・・」
「じゃあ。ユエさんはどうしてプレシアさんをかばったんだろう?」
「さあね。ただ、プレシアはユエが騙したから犯行に及んだという事になるね。プレシアも罪は認めているし協力的だ。だからこっちもそんなに酷いことにはならないと思うよ。」
「そうなんだ。よかった。」
なのははほっと息をついた。
食堂
――ウィーン
食堂の扉が開いてクロノとエイミィが入ってくる。
「ったく。あんなに寝てるからだよ。」
「だってずっと徹夜だったんだよ〜?・・あふっ・・・・まだ眠い。」
「ん?」
クロノが食堂の一角を見る。
「彼が目指してたアルハザードってユーノくんは知っているわよね?」
「はい。聞いたことがあります。旧暦以前、全盛期に存在していた空間で今はもう失われた秘術がいくつも眠る土地だって。」
そこにはなのはとユーノとリンディが居る。
どうやらユエが行ったアルハザードについては話をしているようだ。
「だけど、とっくの昔に次元断層に落ちて滅んだって言われてる。」
クロノはそこへ近づいて会話に参加し始める。エイミィもそこに加わった。
「あらゆる魔法が究極の姿にたどり着き、その力をもってすれば叶えられない望みは無いとされたアルハザードの秘術。全てを破壊し無に返す。そんな魔法を彼は求めたのね?」
「はい。」
「脅威ね。」
「脅威・・・ですか?」
「ええ、そうよ。全てを破壊する力、それを非殺傷で撃たれたら・・・」
「そうか!もしかしたらリンカーコアさえ破壊されるかもしれない!」
「そうよ。その他にも魔力自体を消滅させれば、一時的に魔導師は戦えなくなるわ。」
「そんな力を使って世界を手に入れる・・・か。奴はどうしてそんなことをしようとしたんだ?」
「あの・・・あの人はたぶんですけど。自分の利益の為にやったんじゃないと思います。」
「どうしてそう思うのかしら?」
「ジュエルシードを集めているときから彼とは少し話をしていたんですけど。彼の言葉には僕たちをを心配しているという想いが込められていたと思うんです。演技をしていると言われればそれまでですけど、そんな彼が私欲で動いたんじゃないとを信じたいんです。」
「そうだね。わたしもそう思うよ。」
護送室
所変わって護送室。ここにはプレシア、フェイト、アリシア、アルフの4人が居る
「お母さん!つまんないよ〜!」
「アリシア、あんまり騒がないの。」
「え〜!」
「え〜じゃありません。・・・ふふっ。あら?」
プレシアはフェイトの様子がおかしい事に気づく。
「フェイト?どうかしたの?」
「あっうん。なんだか、母さん変わったような気がして。」
「あっ・・・・・ごめんなさいフェイトあなたを傷つけてしまって。もうそんなことはしないわ。」
「あ!ううん!そういうことじゃなくて。ただ・・・どこか変わったような気がして。」
「変わった?う〜ん。自分じゃわからないわね?」
「お母さん。」
「ん?どうしたのアリシア?」
「今ってわたしが死んじゃってから結構経ってるんだよね?」
「ええ。そうだけど?」
「お母さんまだ綺麗なままだよ!わたしもお母さんみたいに、いつまでも若いままでいたいな〜。」
「え?」
プレシアは首を傾げる。
「ああ〜!!」
「どうしたのアルフ!?」
「そうだよ!プレシア、あんた若くなってるんだ!」
「え?」
「ホントだ!母さん、皺が無くなってる!」
「ええ!?」
プレシアは洗面器の上にある鏡で自分の姿を見る。
「・・・・本当。皺が消えてる。そういえば病気のはずなのに苦しくない。」
「どうしてなんだろうねぇ?」
アルフが不思議そうに言う。
「・・・あの時のね。ユエもなかなかの置き土産をしてくれたわね。」
「母さん、あの時のって?」
「ユエが私に何かしたじゃない?たしかタイム・マジックって言ったかしら?」
「タイム・マジック?」
「ええ。たぶんだけど時間を遡ったり進んだり出来る魔法じゃないかしら?」
「そんな魔法も使えるんだ・・・ユエはどうしちゃったんだろう・・・」
「生きてるわ。」
「そうなのかな?母さんがユエと話をしたのは信じるけど、魔法も使えない場所に落っこちたら・・・」
「大丈夫よ。あの子はアリシアも生き返らせたし、私の時間も戻してくれた。そのあの子ならあの程度じゃ死なないわ。」
「そう・・だね!母さん!」
「じゃあ、もう夜も遅いし寝ましょう!ほら、アリシアもアルフも来なさい。」
「はーい。お母さん!」
「わかったよ。あたしはフェイトの隣だよ〜!」
プレシアたちはベットに入って寝る準備をする。
(そうよユエ。私の娘を心配させておいて死んだっていうなら許さないわよ。)
プレシアはそんなことを考えながら眠りについた。
あとがき
こんにちは。
今回は無印が終わった数日後の話です。
プレシアとかの罪状とかどうしようと思ってましたけどよくよく考えれば、主人公を話しに混ぜなければ出来たんですね。
メドローアでリンカーコアを破壊できるのはもしメドローアを非殺傷にしたらこんなこと出来るんじゃないかな〜?と思った結果です。
プレシアたちが言っているタイム・マジックは無印最後の話に出てきます。遊戯王の時の魔術師の魔法ですね。
これからA`S編どのようになるか、出来るかわかりませんがこれからも異世界冒険譚をよろしくお願いします。
説明 | ||
交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。 | ||
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コメント | ||
bird様コメントありがとうございます。アリシア、プレシア、そしてフェイトのかけあいが和みますね。(RYO) は〜なごみますな〜(brid) |
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