真・恋姫†無双 董卓軍√ 第十七話
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先の一件で曹操との対立が決定的になった俺達は居城へ戻ると袁紹への防衛線を強化し、対曹操戦への布石を打つ事に専念していた

とはいえ、袁紹という敵がいる以上暫らくは小規模な小競り合いの日々が続いていたのだがそんなある日、驚きの報が俺達の元へ届いた

なんと曹操陣営は袁紹と一時停戦の協定を締結したというのだ

当面は俺たちに対抗するのに袁紹にかまっていられない曹操と、親戚の袁術の要請を受け徐州の劉備を攻めるために曹操に邪魔されたくない袁紹の思惑が合致したものらしい

とにかくこれで制約の無くなった曹操は決戦の申し出を俺たちに向けて寄越してきたのだった

 

 

 

「…というわけで曹操からの会戦の申し出がきたんだけど」

 

詠が皆の反応をを伺う

 

「詠、袁紹方の押さえはどうなってる?」

 

幾ら、劉備攻めに向かうからといって俺たちとは不戦協定を組んだわけではない袁紹を無視して会

 

戦に赴く訳には行かないだろうと思い、俺が聞く

 

「それなら大丈夫よ。そもそも袁紹軍はその大部分を徐州攻めに使うし、曹操との停戦協定も劉備と組まれると面倒だったからで今回の私たちの戦いにつけこむ気は無いみたい。袁紹も居城には防衛兵を残してるみたいだけどこちらを攻められるほどの戦力じゃないし、ここの防衛には馬騰におねがいしてあるわ」

 

「馬騰さん一人じゃきつくないか?もし匈奴が攻めて来たらそっちの防衛のために帰らなきゃいけないし」

 

ただでさえ娘と姪を貸してもらっているのだ、これ以上負担をかけるのも悪いだろう

 

「…そうね、袁紹の二枚看板がいないとしても、もし馬騰がいないときに攻められたら危ないかもしれないわね。…それじゃあ蒲公英、後ねねに留守番をお願いできるかしら」

 

そういって詠が二人に話を振ると、大反論が飛んでくる

 

「えぇ〜!?お姉さまだけ戦で蒲公英お留守番なの!?そんなのズルい〜!!」

 

「恋殿とねねは一心同体なのですぞ!!なぜねねだけが置いて行かれなければならないのですか!!」

 

ギャーギャー言う二人を詠が一喝する

 

「あんたらうっさいわよ!!翠には曹操との戦いで外せない任務があるし、ねねも残らないとこっちとの連携が上手くいかないでしょ!!」

 

「蒲公英、我侭言うなよ」

 

「ねね、我慢して…」

 

翠と恋が二人を宥めてくれ、やっと落ち着いた所で軍議を再開する

 

「はぁ、話を戻すわ。そんなわけで袁紹の方は大丈夫だから、あとはこの会戦を受けるかどうかなんだけど…」

 

そういって詠が月の方を伺う

 

「分かったよ、詠ちゃん。…私たちは曹操さんからの会戦の申し出を受ける事にします。皆さん、頑張りましょう!!」

 

「「「「「応!!」」」」」

 

「それではこれより戦いについての軍議に入ります。…詠ちゃん、おねがいね」

 

「分かった。今度の戦いで、翠の騎馬隊には…」

 

そうして俺達は曹操との戦いに向けて準備を始めるのだった…

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数日後、ある平野にて

 

 

「ふふっ、来たわね」

 

曹操が見ている方向には見渡す限り董卓軍の旗が立っていた

 

「華琳さま」

 

眼鏡をかけた少女が曹操を呼ぶ

 

「どうだったかしら?稟」

 

稟と呼ばれた少女…神策鬼謀の才、郭嘉が答える

 

「はっ!董卓軍の行軍経路に放った細作の報によると、敵軍の旗は董、賈、華、十文字の牙門旗…天の御使いを名乗る者の他、深紅の呂旗、紺碧の張旗、錦の旗…涼州の馬超の旗であったと報告がありました。ですが…」

 

「馬超の旗が無いわね…」

 

前方に布陣した董卓軍を見ると、董の旗に寄り添うように賈、呂、十文字の旗が本陣に翻っており、先鋒に華、張の旗がみえるが馬超の旗が立っていなかった

 

「恐らく伏兵になっているかと思われます」

 

荀ケが進言する

 

「ええ、そうでしょうね。奴等の布陣を見るに呂布で本陣を固め、華雄と張遼がこちらをひきつけているうちに伏兵の馬超がこちらの本陣を急襲する、といったところかしら。騎馬隊で後方を急襲なんて連合の時と同じ戦い方で私に敵うとでも思っているのかしらね…。稟、騎馬兵が隠れられる場所は?」

 

「はい、この本陣より右側後方に少し離れた所、丘で死角になっている森がありますので奇襲部隊が潜むならそこかと」

 

「そう…。ならこちらは先陣に春蘭、秋蘭を出して敵の先陣に当たらせ、季衣、流々の親衛隊で固めるわ。馬超には凪、沙和、真桜を置いて奇襲に備えさせなさい。馬超の奇襲が失敗に終われば浮き足立つであろう敵軍を一気に潰す…どうかしら?」

 

曹操が自分の考えを二人の軍師に聞く…本当ならここにもう一人軍師がいるのだが今は許昌で守りについているのだった

 

「それでよろしいかと」

 

「私も稟と同意見です」

 

二人の軍師の同意を受け、曹操がいう

 

「ならその方向で準備をしなさい。…私はあの子の相手をしてくるとしましょう」

 

董卓軍の中から董卓が出てくるのを見て、曹操もそれに答えるために軍の先頭へと向かうのだった…

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「董卓。初めに、今回の会戦の申し出に答えてくれた事を感謝するわ」

 

「いえ、礼を言われることはありません。袁紹さんがいる状況を考えて…いえ、何より民の事を考えても一度の会戦で雌雄を決したいと思っているのは私達も同じでしたから」

 

「そう。…一応聞いてあげるけど、私に降る気は無いかしら?」

 

「それはできません」

 

曹操の誘いに首を振り、月は答える

それを聞き、曹操は更に続ける

 

「なぜかしら?貴女も乱世を憂い、平和な世にするという考えは同じはずよ。貴女も、貴女の部下も優遇するわ」

 

「前にあったときも言った筈ですよ?私は私の守るものを害そうとした貴女に降るつもりはありません。私達の理想を邪魔する者はすべて敵です、と!!」

 

月の気迫を込めた言葉を受け、曹操は心底面白いという顔をしていう

 

「そう、それならば仕方ないわね。…この戦、貴女何か企んでいるようだけど?」

 

「企んでいる?どの事か分からないですけど?」

 

笑って白を切る月…その反応を見てますます面白い、と曹操が言う

 

「まあいいでしょう…!私も、私の覇道の障害となる者はすべて叩き潰すわ!!」

 

曹操が全軍に指示を降すために手を天に掲げる

 

「聞け!!我に従う曹魏の精兵達よ!!この戦いは我が覇道への第一歩であり、歴史に残る大戦である!!皆、奮起せよ!!全軍…」

 

月も同じように手を掲げ、号令を発する

 

「皆さん!!私達の理想を叶えるため、家族の、友の、愛する者の笑顔を守るため!!曹操の軍を打ち破ります!!全軍…」

 

 

 

 

「「突撃!!!」」

 

 

 

 

こうして曹操との雌雄を決する戦いの火蓋が切って落とされた…

説明
董卓IF√本編十七話です
本作で通算二十作目となります。その割りに未だに文章が上達しませんが楽しんでいただけると幸いです
誤字脱字、おかしな表現等ございましたら報告頂けるとありがたいです
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コメント
フェイト様 コメントありがとうございます&報告どうもです!(アボリア)
初戦が一番手強い曹操とは……さて、どうなるか楽しみです。 誤字報告です。「詠が皆の反応をを」の部分です。「を」が一つ多いかと。(フェイト)
サイト様 結果は十八話でw(アボリア)
もう魏と戦うのか、横槍が入りそうで怖いな(サイト)
邪眼の魔王様 有難うございます 続き更新したんでご期待に添えているといいですが(アボリア)
トーヤ様 もしかしたら大穴の袁術や南蛮、公孫?かも知れません(嘘)(アボリア)
更新おつです^^面白くなってきましたね〜続きが楽しみですw(邪眼の魔王)
華琳を破れば、後の敵は雪蓮、桃香だけですか。まさかのラスボス袁紹は無いでしょうから…(トーヤ)
hokuhin様 領土も近いですし、霞さんたちを狙っている事からも先に対戦する事となりました(アボリア)
魏がラスボスじゃない外史は珍しいな・・・(hokuhin)
gmail様 …自分の浅知恵ではやはり見抜かれてますかねw(アボリア)
詠のことですから翠を真正直に使う事は無いと思いますが、どのように使うのか、次回更新が待ちどうしいです。(gmail)
黒幕様 連続報告有難うございます ただ、今後の展開上同盟という言葉華それに近い物を使いたかったので停戦協定に直します(アボリア)
一時停戦同盟を締結は、一時停戦しただけで同盟では無い為、単に“一時停戦した”でいい気がします(黒幕)
黒幕様 戦闘シーンに全くといっていいほど自信が無いですが頑張ります あと脱字報告有難うございます(アボリア)
kurei様 策を見抜かれた董卓軍はどうなるかお楽しみに!(アボリア)
ジョージ様 今回は翠さんしか出ませんがお楽しみに!(アボリア)
弐異吐様 翠さんは策を見抜かれどうするのか? 次回にご期待ください(アボリア)
うたまる様 有難うございます!(アボリア)
次回戦闘シーンですね。さて翠は何処まで行っちゃったんでしょうか。 そして脱字を 1P そうして俺達は曹操“と”の戦いに  “と”が抜けてます(黒幕)
こんなにも早く曹操との決戦が見られるとは、どういった戦略勝負になるか楽しみです!(kurei)
面白い事になってきたわ〜♪ 西涼の面々の登場が待ち遠しい!!(峠崎丈二)
翠の出番がまちどうしい(弐異吐)
月がかっこいいです。 (うたまる)
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