異世界冒険譚 魔法少女リリカルなのは月 A`S 8話 |
それは小さな思いでした。
転生してからの新たな日々。
前世では得られなかった充実感と安らぎ。
でもそれは儚い夢だったんだね?
君は僕を・・・僕たちを置いていくのか?
僕が言えた事じゃないけど友達をおいてどこに行くの?その先に何が待っているの?
魔法少女リリカルなのは月 A`S・・・・・・はじまります
yukito side
「え?」
目の前で高町なのはが驚いて目をこちらに向けている。これがこいつ何言ってんだ?的な目だったらまだ良かった。だが、高町なのはがこちらに向ける視線は驚きと恐怖が合わさったような視線だ。
何故だ!?何故高町なのはは原作と同じなんだ!誰かに必要とされる事を望み、捨てられる事に恐怖する。何で変わっていない!?
俺がやってきた事は何だったんだよ!
「くそっ!」
「・・・ユ・・・エ・・?」
フェイトが恐る恐る俺に話しかけてくる。俺がこんな風にイラついたりした事がなかったから驚いてるってところか?
「どうしてなのはの事を悪く言うの?なのははいい子だよ?」
「はっ!話がしたいと言ってるにも拘らず武器を携える。ヴィータも悪かったが、説得もそこそこに打ち落とそうとする者がいい子?笑わせてくれる。」
俺は皮肉を言いながらあざ笑うように言う。
「高町なのは。なぜ魔法を捨てていない?」
「え?」
「もうジュエルシードは管理局が回収しただろう?なぜ魔法の訓練をを続けている?まさか、その力で世界征服でもするつもりか?」
「っ!?そんなこと!」
「思っていないのならなぜ続けている?お前の世界で魔法が役に立つ事といったら事故を防ぐくらいにしか役に立たんぞ?」
「わ、わたしはみんなを守りたいんです!」
「みんな?皆とは誰だ?家族か?友人か?」
「皆は皆だよ!」
「皆・・・ね。君の世界の人たちを守りたいんだとするならば、やはり魔法の訓練はいらんな。」
「・・・どうして・・・ですか・・・」
「解らないのか?なら教えてやろう。君の力はすでにただの人間では太刀打ちできない。」
「・・え?」
「何を驚いている?君の魔法は、たとえアクセルシューターだろうと殺傷設定で人に当たれば簡単に人を殺せる。」
「魔法は・・・人を傷つけるためのものじゃないです!」
「ああ、君がそう思っているのならばそうなのだろうな。」
高町なのははきっと自分が死に掛けても相手を殺す事はないだろう。ただ・・・相手の意見が自分と違ったら相手を圧倒しトラウマを植え付け相手の意思を曲げる事はするだろうがな。
「だが、君以外の人間はどうなのだろうな?」
「え?」
「プレシア・テスタロッサは娘のために他の人間を犠牲にしようとしたぞ?」
「それは・・・」
「それに魔法が使える犯罪者は人を殺す事などなんとも思わないだろう。それが力というものだ。」
「・・・でも・・・でも・・・」
「管理局で働いたとしても守れるのは君の周りにいる人間のみだ。君の今の友人は守れない。」
高町なのはの肩がビクッとする。
「考えてもみろ君の世界の住人は魔導師には対抗できない。しかし君が管理局で働き犯罪者を捕まえたら、犯罪者どもは君に復讐しようとするだろう。だが、普通に戦っては君には勝てない。ならばどうするか・・・」
「・・・・どうするんですか?」
「私なら・・・君の友人や家族を人質にする。」
「そん・・な・・・」
「わかったか?お前が思っているほどその道は優しくない。魔法はとてもすばらしい力。などという考えは所詮、アニメや童話の中の話だ。現実には傷つけ殺すだけの力だ。」
「・・・・・」
高町なのははもう何も言わない。
「選ばせてやろう。高町なのは。」
「・・・え?」
高町なのはが俺を呆けた目で見る。
「お前には2つの道がある。一つ、このまま日常に帰り家族や友と暮らす穏やかな日々。」
俺は右手にメラゾーマを灯して言う。
「二つ、魔道を進み敵に殺される道。」
左手にマヒャドを出しながら言う。
「どちらか選べ。」
メラゾーマとマヒャドを合成してメドローアを作り高町なのはに向ける。
「わたしは・・・どっちも・・・」
「どちらもなどという選択肢はありえん。どちらかを選べばどちらかを捨てる事になる。」
ネギまの刹那はどちらも選んだがあれはこのかを護衛する事が刹那の喜びだろ?あの願いと高町なのはの願いは相反するものだ。
世界中全ての人間を救うなんてことは出来ない。それこそ人間が欲望を捨て去れば出来ると思うけど。そんな事は無理だ。
「さあ、高町なのは答えを(タカシナ)っ!?」
俺が高町なのはに答えを迫るといきなり念話が聞こえてきた。
(こちらはもう逃げ終わったぞ。何時までそこにいる。)
これ以上高町なのはを追い詰めて気を抜いたらさっきから俺の隙を狙ってるクロノに不意を突かれるかもしれないそれは困る。
「・・・・ちっ。今回は見逃してやろう。」
俺はメドローアを消しながら言う。
「高町なのは。覚えておけ魔力は凶器。魔術は殺人術。どんなお題目や非殺傷設定があろうとそれが真実だ。」
俺は結界を解く。
「私はもう行く。追ってくるな。」
「逃がすと思っているのか?」
クロノが俺にデバイスを向けながら言ってくる。
「逃げるさ。」
そう言って俺は瞬動で距離を置いてから瞬間移動する。
side out
nanoha side
「くそっ。また逃げられた。エイミィ追跡は?」
『ごめんクロノ君。やっぱり無理だったよ。』
「そうか・・・」
クロノ君たちが何かを言っているようだったけど私には聞こえなかった。
ユエさんの言葉がわたしの耳に残っていたから。
わたしは何にも取り得がないから・・・だから才能がある魔法使いになるっていう道を選んでみたいと思ってた。
でもそれだとわたしの大事な家族や友達も失ってしまうかもしれない。
わたしはどうすればいいんだろう?
side out
yukito side
家に帰ってきた俺はすぐさまベットに潜り込んだ。
俺はなぜあんな行動に出てしまったのかわからなかった。
俺はなのはちゃんが好きだと思う。
恋愛感情じゃなくて妹みたいな存在としてなのはちゃんが好きだ。
だから自分の行動が理解できなかった。
妹みたいな存在のなのはちゃん。その妹をどうしてあんなに責めてしまったんだろう?
考えても分からなかった。
俺は自己嫌悪で塞ぎこんでしまい。次の日、学校を休んでしまった。
side out
nanoha side
今日はユキくんが学校を休んだ。
アリサちゃんとすずかちゃんも心配してて放課後にユキくんの家にお見舞いに行くことになったんだ。
――ピンポーン
インターフォンを押して少し待つとユキくんが出てきた。
「はい・・・なのはちゃん・・」
「ユキくん。お見舞いに来たんだ。大丈夫?」
side out
yukito side
俺は昨日の行動を振り返ってなぜあんな事をしてしまったのかを自問する。
結局解らない。
解らないのになのはちゃんを傷つけたのかと自虐するというスパイラルに落ち込んでしまった。
俺が負の連鎖をしているときにインターフォンが鳴った。
出なくても良かったけど、出なくちゃいけない気になって玄関に行ってドアを開ける。
「はい・・・なのはちゃん・・」
ドアを開けるとそこにはなのはちゃんが居た。
「ユキくん。お見舞いに来たんだ。大丈夫?」
見舞いに来てくれたんだ。こんな子を傷つけたのか俺は。
「あ・・・ありがとう。」
「ユキくん?大丈夫?来ちゃダメだったかな?」
「まさかこんな美少女達がお見舞いに来てあげたのに嫌なんてことないわよね?」
「ア、アリサちゃん!ごめんね。雪人君迷惑だったらすぐに帰るから。」
「大丈夫だよ。熱も下がったし、もう体もだるくなくなったから。なんなら上がっていって。」
と俺は普通に嘘をついていく。こんなの前に学校サボるときの口実と同じだから簡単につけるぜ!・・・・はぁ。
「え?で、でも雪人君。風邪を引いたときに無理しちゃダメだよ。」
「大丈夫だって。ちょっと一人で寂しかったところなんだ。」
「で、でも・・・」
「ユキくん。あんまり無茶したら・・「良いじゃない」アリサちゃん!?」
なのはちゃんとすずかが渋っているとアリサが賛成してくれた。
「こいつが大丈夫って言ってるから大丈夫よ。でしょ?」
「ああ。大丈夫だよ。」
実際は風邪を引いてないしね。
皆を家の中に招いて居間に案内する。
「じゃあ、お茶入れるね。紅茶で良い?」
俺が皆にそう聞くと。
「ちょっと!あんた風邪引いて休んだんでしょ!?安静にしてなさい!あたしがやるから!」
「え〜。アリサにお茶なんて淹れられんの?」
俺はアリサを少し馬鹿にしながら言う。
「バカにしないでよね。私だってお茶くらい淹れられるわよ。」
乗ってきた!このまま行くぜ!
「いや、ちょっとダークマターが出てこないか心配で。」
「ちょっとそれどう言う意味よ!」
「ほら、よく漫画とかでお嬢様が料理すると黒いのとか黒いのとか黒いのとか出てくるじゃん?」
「全部黒いのじゃない!あたしがそんなの作るわけないでしょ!それに紅茶でそんな事になるわけないでしょ!?」
「まあ、期待しないで待ってる。」
「くぅ・・・いいわ!そこまで言うならすごく美味しいの作って驚かせてやるんだから!」
そう言うとアリサは台所に行ってしまった。うむ、俺の弄りスキルもちょっとは上がったかな?弄られるのが主だと思うけど。
やばい、アリサが台所に行って静かになったらまた鬱はいってきた。
「ふぅ・・・」
「ユキくん。本当に大丈夫だったの?」
「ん〜?何が?」
「ユキくんを見てたら風邪だけじゃなくて、何か悩みとかあるのかなぁ?って。」
「・・・・どうしてそう思ったの?」
「ううん。何となくユキくんの顔見てたらそう思っちゃって。」
話しているだけでなのはちゃんのやさしさが伝わってくる。少し癒される。どうして俺はなのはちゃんが嫌いになったんだろう?
でもこうしてなのはちゃんと一緒に居てもイライラしないし・・・・ちょっと本気で考えてみよう。けどその前に。
「ははは。なのはちゃんは俺の顔をずっと見ていたわけか。いや〜照れるな〜。いくら俺がイケメンだからって。」
「にゃあ!?そう言うわけじゃなくて。」
「あはは。照れてる君もかわいいよ。」
「にゃ、にゃあああああああ!?」
うっがぁぁぁぁあ!これは冗談でも恥ずかしい!と言うか俺キメェェェェ!
さてと恥ずかしがってる暇があるなら考えるとするかな。
どうしてだろう?なのはちゃんを見ながら俺は考える。
まず、俺が高町なのはを嫌いになり始めたのは3期を見てからだろう。
なのはがティアナを撃墜したときには衝撃を覚えた。
ティアナは凡人って設定だったから共感もしたしね。能力的には凡人じゃないと思うんだけどな。
それになのはちゃんのセリフにも所々行動との矛盾があるしな。
でも日常のなのはちゃんはそんな事は無いし。
つまりはあれか?俺はなのはちゃんに戦って欲しくないと。そう言うわけか?
俺としては戦って欲しくない。だってなのはちゃんは5年生のときに撃墜されるかもしれないから。この世界だともしかしたら死んじゃうかもしれない。そんなのごめんだ!幼馴染が死ぬなんて・・・
なのはちゃんが助かるためには管理局に入らなければいい。
管理局の不信感があれば入りはしないと思う。
よし。そうと決まったら管理局をとことん貶めてやるッス!
それからしばらくしてなのはちゃん達が帰っていった。
ふぅ。さてどうするかな?
今日は何もすることが無いし地下に行ってあいつ等と訓練でも・・・・
――ピンポーン
ん?誰だろう?なのはちゃん達忘れ物でもしたのかな?
そんな疑問を持ちながら俺は玄関に行ってドアを開ける。
「クロノさんじゃないですか。」
そこにはクロノ・ハラオウンが立っていた。なにやら厳しい顔をしている。
「どうし・・「時空管理局 管理局員執務官のクロノ・ハラオウンだ」っ!」
俺は少し反応してしまったがすぐさまポーカーフェイスを発動して素の表情に戻る。
「僕についてきてもらおうか。」
バカな!?どうしてばれたんだ!?
あとがき
お久しぶりですこんにちは。
今回はシリアス路線でお送りしました。
いや〜雪人君が勝手に動いてしまってなかなか大変でした。
雪人君は3期のなのはさんが嫌いなのでそれにどんどん近づいていくなのはちゃんが少し嫌いになっていっているのです。
しかし、日常で友達として会うなのはちゃんは嫌いじゃない。
好きなんだけど嫌いという矛盾した感じにしたかったのですがどうでしたでしょうか?
雪人君が矛盾した事を言っていてもスルーしてあげてください。彼も人間なので。と言うかスルーして。
そしてばれてしまったユエの正体。
管理局にばれてしまい雪人君大ピーンチ!
どうする雪人!?乞うご期待してくれると嬉しいな〜。
説明 | ||
交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。 そして物語はA`Sへ・・・ |
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コメント | ||
田仁志さまコメントありがとうございます。ドンマイです。雪人君の嫌い発言からいきなり捕まるという訳わからんことに・・・(RYO) あれ!?!? 新作あがってる事に今頃気づいた!!! いつ見逃したんだろう…? 先に9話見ちゃったから急展開すぎてついてけなかった…orz(ペンギン) bridさまコメントありがとうございます。雪人君はポカらしいポカはやっていません(と言う設定で)何故ばれたかは次回わかります。運が悪かったと言っておきます。(RYO) 黒幕様コメントありがとうございます。主人公をタイーホしに来ました。ご指摘ありがとうございました。修正しておきます。(RYO) 急展開ですね、考え事してどこかポカやったかww(brid) 2P お前にはの道がある。 文字が抜けてます(黒幕) バカな!?どうして名前を・・・ていうか、クロノ何で来たんだ?(黒幕) |
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