赤薔薇†無双〜第四章
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第四章〜赤薔薇 再び南へ旅立つのこと〜

 

桂花、蘭、灯の3人が新たな仲間に加わり1週間が過ぎた頃、彼女らの返品作業も終わりを向かえた。

既に使ってしまった分に関しては、引き取り手である私が彼女らに都合し、相手も彼女らの誠心誠意を込めた謝罪と返品を持って問題が特に発生することなく、終えたとの事だ。桂花の交渉の巧みさもあってのことなのはいうまでもない事だろう。

 

その3人だが、桂花はやはり正史にて、王佐の才を謳われた荀文若の名に恥じぬ頭の回転の良さで、軍師の才を示し初めている。そこを生かす為に、私は彼女には、政治・軍略を中心に教え込む事にした。

蘭、灯も正史にて魏の五大将軍に名を連ねた程の者、その武の才は豊かで愛紗にも決して引けを取らない才を秘めていた。

 

今現在私は愛紗、蘭、灯に稽古を付けている。

 

「ハァァァ!」「ドリャーー!」「せいや!」

 

それぞれが己の武器を私に向かい振り降ろしてくる。それを私は時にかわし、時に受け止め、それぞれの注意点の指摘していく。

 

「愛紗!闇雲に振っても当たるものではないぞ!」

 

「蘭!動きが大雑把すぎる!そんな事では直に体力が尽きるぞ!」

 

「灯!力だけに頼るな!もっと遠心力を使って攻撃してこい!」

 

「ハァハァ」「ヒィヒィ」「ふぅ・・・」

 

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「今日はここまでだな。3人共体力がまだまだ不足している。30分休憩後、2時間程走り込むように。走るのにも緩急を付けて走るようにな。」

 

「どのようにすればよろしいのですか?兄様」

 

「例えば、10分全力、10分5割の力で、10分3割、10分全力と繰り返しなさい。そうする事により持続力も上がれば、戦闘時にも緩急を付けることを体が自然に行ってくれるようになるでしょう。」

 

「なんで、戦闘時に緩急を付けるの〜?」

 

「それはね、相手を惑わす為だよ。今から行うことをよく見ていなさい。」

 

といい私はまず、5割の力で剣を振り、次に8割、10割と剣を振る。

 

「今の私の動きを見て何か感じたか?」

 

「え〜っと、段々早くなっていったので・・・眼がついていかなくなりました・・・。」

 

「そうだね。もし最初から全力で攻撃をしていた場合、相手も打ち合ってる内にその速さに慣れるでしょう。けれど、最初5割の力で打ち合い、最後は全力の速さとなると相手の眼はそれについていけない。結果、相手を惑わし、そこに勝機を見出すことが出来る。」

 

「わかりました。では、早速いってまいります!」

 

「あ、わ、私も!」

 

「え〜灯ちゃんもう行くの〜もうちょっと休もうよ〜・・・」

 

その光景を私は苦笑交じりで眺め、宿に戻ることとする。

 

 

 

宿に戻るとまずステラが出迎え、水と布を渡してくれた。

 

「おかえりなさい。ストラウス。お疲れ様〜♪」

 

「ああ、すまない。ありがとうステラ。桂花は?」

 

「桂花ちゃんは今必死でお勉強してるよ〜。私には全然わからないんだけどね・・・」

 

「あはは、ステラは笑っていてくれるだけでも私には嬉しいことだよ。こうやって気も使ってくれるしね。」

 

「ふふふ、どういたしまして、ストラウス。」

 

「さて、桂花の勉強を見るかね。」

 

「私も横で見てるね♪」

 

 

「桂花、がんばってるそうだね。」

 

「あ、ストラウス様!はい!今私はとても充実しています!こうして、自分の知識を深める事に喜びを感じています!」

 

「それはいいことだ。いずれはその才、世の役に立つこととなろう、それまで存分に知識・見識を深めるといい。その為なら私は君に対する労力を厭わないのだから。」

 

「あ、ありがとうございます!わ、私がんばります!」

 

このようなやり取りのあった夜、私は翌朝南へ旅立つを事を全員に告げ、支度を開始した。

 

 

翌朝、全員揃っていることを確認し、1週間滞在した南皮の街を後にした。次なる目的地は荊州。

 

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