デートのサイクル
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「上条さん。わたくしとデートをしていただけませんか?」

「…………は?」

「ですから、わたくしとデートをしていただきたいんですの。もしかして日本語が理解出来ない

ほどに頭が悪いのでしょうか?」

「頭が悪いのは否定しないが、そこまで酷くねぇよ!」

「でしたら、デートしていただけますのね?」

「いや、だから何でデートを……」

「ごちゃごちゃ言わずにデートをすればいいんですの! 童貞男は大人しくわたくしとデートをす

ればいいんですの!」

「おまっ……それは、さすがの上条さんも傷つくぞ」

「あなたが悪いんですの」

 そう。全てはあなたが悪いんですの。

 黒子にこんな感情を抱かせているあなたが――

 

 

「……」

「…………」

「……」

「………………」

「何か喋ってくださいませんか? せっかくのデートだというのに、黙っていては面白くありませんの」

 デートで女性をリードするのは、殿方の役目でしょうに。

「あ〜いや、すまん。悲しい事に上条さんにはデートの経験なんかないわけでして、どうすればいいか

全然分からないわけですよ」

「へぇ〜経験が無い……ですか」

「止めて! そんな目で俺を見ないで! モテない自分が悲しくなる!」

 ほんと、この人はよくもそんな事が言えますわね。

 常に誰かしら女性が側に居るというのに……

「あ、あれ? 白井さん? どうして怒っているような表情をしているんでせうか?」

「何でもありませんの。それよりも今日は何処に連れて行ってくれるんですの?」

「し、白井じゃくて俺が決めるのかよ!」

「当たり前ですの。こういうのは殿方が決めるものと決まってますの」

 わたくしが決めたコースをデートするのも悪くはないのですが――

「う……っ。たいしたプランを決める事は出来ないぞ」

「それでもいいんですの」

 あなたが考えたコースを歩みたい。

 そんな乙女心を理解して欲しいですわね。

「はぁ……分かったよ。俺が決めればいいんだな」

「ええ。お願いしますわね♪」

 素敵なデートを期待してますの。

 

 

 ――とまぁ、期待をしていたわけですが……

 やはりと言いますか不幸だと言いますか、デートはメチャクチャなものになりまして、

「す、すまん。白井」

「別に謝らなくてもいいんですの」

 確かにデートは酷いものでした。ですが、そんな事は初めから予想出来てましたし、何より

わたくしとしては、あなたと一緒に過ごす事が出来ただけで、

 それだけでよかったんですから。

 ですから謝らなくてもいいんですの。ですが――

「どうせ初めから期待なんてしてませんでしたから」

「……申し訳ない」

 ここは、あえて憎まれ口を叩かせていただきますわ。

 そして――

「これはもう一度、日を改めてリベンジをしてもらうしかありませんわね」

 次のデートの約束をとらせていただきますの。

「男として、この誘いを断ったりはしませんわよね?」

「あ、ああ。受けてやろうじゃないか」

「ふふ……♪ 楽しみにしておきますの」

「ああ。上条さんの本気を見せてやる」

 

 これでまた、あなたと同じ時間を過ごす事が出来ますわね。

 実に完璧な展開ですの。

 

説明
やってきました再びの黒子ネタ。
だいぶ上条さんに好意を寄せていますが、やはり上条さんは気が付いていません。

黒子ぉぉぉぉぉぉぉっ!
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コメント
はっはー♪ 普通の男には無理でも上条さんなら出来るのですよ。(tanaka)
黒子が男にデレた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(VVV計画の被験者)
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とある魔術の禁書目録 二次創作 上条当麻 白井黒子 

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