黒子の悩み |
わたくしの心はお姉さま一色だったのに。
世界中の誰よりもお姉さまを愛しているのに。
あの男……上条当麻がわたくしの心に入りこんでくる。
気がつくと彼の事を考えている。
気がつくと彼を探している。
こんなのはダメなのに……
黒子はどうすればいいのでしょうか?
「はぁ……ほんとにどうしたものでしょうか?」
このわたくしが殿方の事を気にするなんて何かの間違いですわよね。
「お、白井じゃねーか。どうしたんだ?」
「はぇ?」
今、何か上条さんの声が聞こえたような……
「おい、白井? 白井さーん。聞こえてますか?」
上条さんが心配そうに顔を近づけて……って――
「か、かか、上条さん!? どうしてここに!?」
それにどうして、そんなに顔を近づけているんですの?
「いやまぁ、上条さんは暇なんでブラブラしてただけなんですけど、そういう白井は何を
してたんだ?」
「わ、わたくしですか!? わたくしは……」
特に何かをしていたわけではなく、ただあなたの事を考えていただけで……
「白井、大丈夫か? なんだか顔が赤いけど」
「だ、大丈夫ですの。上条さんが心配する事は何もありませんのっ!」
「そんな怒らなくてもいいだろ」
あ。つい理不尽に怒ってしまいましたわ。
ですが、本当の事なんて言えるはずがないでしょう。
ずっと、あなたの事を考えているなんて、どうして言えましょう。
「う〜ん、よく分からないが、何かあったなら俺を頼ってくれ」
「え……?」
「白井には笑顔が似合うから、出来れば笑っていて欲しいんだ」
「――――――――っ!?」
こ、ここ、この男は一体何を言っているんですの!?
ただの勘違いで、ここまで恥ずかしい台詞が言えるなんて。ですが――
「……あなたに心配してもらう必要はありませんわ」
「そうか。余計な心配だったみたいだな」
「ええ。余計な心配ですの」
この気持ちの問題はわたくし自身でつけないといけませんから。
「では、わたくしはこれで失礼しますの」
「せっかくだから送ろうか?」
「結構ですの」
こんな気持ちであなたと一緒にいるのは大変ですから。
あなたと二人きりという状況はまたの機会にお願いしますわ。
そう……またの機会に……
説明 | ||
またまた黒子です。 そろそろ黒子シリーズで書いていくべきなんだろうか? |
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