真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第7話「修行開始」
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真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第7話「修行開始」

 

 

 

歓迎会の翌日。

 

赤斗は祭と共に中庭にいた。

 

赤斗「………」

 

祭「………」

 

二人は無言で動こうとしない。

 

 

 

蓮華「あの二人は先程から何をしているの?」

 

その様子を少し離れた場所から見ていた蓮華は疑問を口にした。

 

思春「風見の流派にある奥義の修行だそうです」

 

蓮華「修行……あれが?」

 

思春「どうやら“気”を集中させているようです」

 

蓮華「気………」

 

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祭「だいぶ気が練れてきたようじゃな」

 

赤斗「でも、今の状態を保つのはキツいですよ」

 

祭は歓迎会の時の「全ての奥義を極められるように力を貸そう」という約束を守り、赤斗があまり得意じゃないと言った奥義の修行に付き合っていた。

 

赤斗の身体には気が充実していた。今から行う奥義“烈火”は気を極限まで高める必要があったからである。

 

しかし、赤斗は気を操ることを実は得意としていない。その為、祭と一緒に気を高めることから始めていた。

 

祭「何、弱気なことを言っておる。そんなことじゃ、いつまで経っても権殿に認めて貰えぬぞ!!」

 

赤斗「あーっもう分かりましたよ。行きますよ!…………“烈火”」

 

祭から蓮華のことを言われ、少しムキになって奥義“烈火”を大きな庭石に向かって発動させた。

 

極限まで高まった気を乗せた掌打が庭石に炸裂する。その瞬間――――

 

“ドーン”

 

大きな音と共に、庭石は粉々になっていた。

 

赤斗「どうですか?」

 

祭「ほぅ。中々の威力じゃ。じゃが、まだまだ気の使い方が粗いの」

 

赤斗「どうしても気を高めると制御が難しくなるんですよね。制御さえ上手くいけば威力はもっと上がります」

 

祭「なるほどの、気がもっと洗練されれば、無駄な気を使わず威力が上がるというわけか」

 

赤斗「本当の“烈火”の威力はこんなものじゃありませんから」

 

祭「“烈火”とやらは、高めた気を意のままに操れるようになれば問題ないみたいじゃのぅ」

 

赤斗「それが大変なんですけどね」

 

祭「では、次の奥義に行くぞ」

 

赤斗「えっ、もう! 一つずつ、じっくりやるんじゃないんですか?」

 

祭「一つも二つも一緒じゃ。一気にやってしまうぞ。たしか、次は“絶影”だったか?」

 

赤斗「はい。けど“烈火”と“絶影”は、まったく逆ですよ」

 

祭「逆じゃと?」

 

赤斗「“烈火”は気を極限まで高める必要がありますけど、“絶影”は気を消して気配すらも消す奥義なんですよ」

 

祭「ふむ。確かに気の使い方が正反対じゃ。しかし、気を使うことに変わりはあるまい。残りの“月空”と“龍鱗”とやらも気を使う奥義なのか?」

 

赤斗「“月空”と“龍鱗”も正反対の奥義ですね。“月空”は気を周囲に広げて相手を察知する奥義で、“龍鱗”は気を自分の体に密集させて防御力を上げる奥義なんです」

 

祭「気を広げる月空と、気を密集させる龍鱗か。これも正反対………」

 

赤斗「うちの流派の奥義は、浮葉と流水。烈火と絶影。月空と龍鱗が、それぞれ対になっているんです」

 

祭「お主は総じて気を使うことが不得手なんじゃな」

 

赤斗「そうなんですよね〜。でも“月空”は比較的できる方ですよ」

 

祭「よし! ならば、気を自在に操れるように基本からじゃ。まずは十里ほど走るぞ」

 

赤斗「えっ! じゅっ十里! たしか日本と中国じゃ一里の距離が違ったはずだけど………この場合はどっちだろう?」

 

祭「何をしておる! 早く来ぬか!」

 

赤斗「ちょっちょっと、待って祭さっ……」

 

祭に引っ張られ赤斗は無理やり走らされた。途中、祭より先に体力がつきて動けなくなったのは言うまでもなかった。

 

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蓮華「……行ってしまった」

 

いきなり駆け出していった赤斗と祭を見て蓮華は呟く。

 

思春「そのようですね」

 

蓮華「……思春は見ていてどう思った?」

 

思春「多少は出来るようですが、あの男が祭殿に勝ったとは、未だに信じられません」

 

蓮華「そうよね……けど祭、楽しそうだったわね」

 

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赤斗「はぁ、はぁ、はぁ」

 

祭「何じゃ、もう疲れたのか?」

 

赤斗「ちょっと……はぁ、はぁ、休憩…させて……ください」

 

祭「しょうがないのぉ。この程度で情けない奴じゃ」

 

赤斗「はぁ、はぁ……あっちの世界じゃ体力ある方だったのに……祭さんが凄すぎるんですよ」

 

祭「人を化け物みたいに言うではないわ」

 

祭が赤斗の頭を叩く。

 

赤斗「痛っ! 褒めたつもりだったのに……でも、本当に感謝しているんですよ。こうやって修行にも付き合って貰って」

 

祭「……お主は人を斬ったことが……いや、人を殺めたことがあるか?」

 

赤斗「…………えっ?」

 

いきなりの質問に赤斗は固まった。

 

祭「どうやら、その様子ではないようじゃな。では、お主は人を殺す覚悟があるか?」

 

赤斗「…………殺せません…………なんて言えないでしょうね……」

 

祭「それは人を殺す覚悟があるということか?」

 

赤斗「分かりません。……多分、その時が来なければ分からないんだと思います……」

 

祭「そうか…………」

 

赤斗「…………」

 

祭「……今日はこれくらいにして戻るとしよう」

 

赤斗「………はい」

 

 

 

つづく

 

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〜あとがき〜

 

呂です。読んでくれて、ありがとうございます。

 

オリジナルキャラクターを登場させていますが、太史慈、魯粛、凌統あたりから、あと一人を登場させたいと思っています。

 

 

 

真・恋姫†無双〜赤龍伝〜に出てくるオリジナルキャラクターの紹介

 

オリジナルキャラクター@『風見赤斗』

 

姓 :風見(かざみ)

名 :赤斗(せきと)

字 :なし

真名:なし

武器:武器:花天と月影……二振りの日本刀(小太刀)。赤色の柄で赤銅の鞘に納まっているのが“花天”で、黒色の柄で黒塗りの鞘に納まっているのが“月影”。

 

本編主人公の少年。

この外史では“北郷一刀”が主人公ではありません。

火蓮によって保護され“江東の赤龍”という異名を付けられる。

古武術を学んでおり、その奥義を使えば恋姫の世界の武将とも闘えることができる。

学んでいる流派には、『全ての奥義を極めしとき、その身に龍の力が宿る。』という伝承がある。

奥義には“疾風”“浮葉”“流水”“月空”“烈火”“絶影”“龍鱗”などがある。

あと一つ奥義があるのだが、赤斗本人はその奥義を使うどころか、語ろうとすらしない。   

今回はその内の奥義の一つ“烈火”を使用。

“烈火”極限まで高まった気を乗せた攻撃。掌打以外にも、蹴りや斬撃にも転用可能。

 

能力値:統率?・武力4・知力4・政治?・魅力? 

 

 

 

オリジナルキャラクターA『孫堅』

 

姓 :孫

名 :堅

字 :文台

真名:火蓮(かれん)

武器:南海覇王……やや長めの刀身を持つ、両刃の直刀。派手な装飾はないものの、孫家伝統の宝刀。

 

孫策(雪蓮)たちの母親。

身長173a。腰まで伸びる燃えるような赤い髪の持ち主。

血を見ると雪蓮以上に興奮してしまう。

この外史“赤龍伝”では孫堅は死んでいない。

 

能力値:統率5・武力5・知力3・政治4・魅力5

 

 

 

オリジナルキャラクターB『諸葛瑾』

 

姓 :諸葛

名 :瑾

字 :子瑜

真名:藍里(あいり)

武器:不明

 

諸葛亮(朱里)の姉。

諸葛亮(朱里)とは違い、長身で胸も大きい女性。髪は金髪でポニーテール。

温厚で気配りのできる性格で、面倒見も良い。赤斗の世話役として補佐につく。

一時は、自分たちとは違う考え方や知識を持つ赤斗に恐怖心を持っていた。

政治、軍事、外交と様々な仕事をこなすが、朱里には僅かに及ばない。

 

能力値:統率3・武力1・知力4・政治4・魅力4

説明
真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第7話「修行開始」は、二次創作の小説です。基本的に呉√にそっては行きますが、主人公は北郷一刀ではなく、オリジナルキャラクターです。他にもオリジナルキャラクターは登場しますので、本来の作品イメージを大切にしている方はご覧にならないでください。また、未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。
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コメント
人を殺めた事のない人がいきなり「殺す覚悟があるか?」なんて聞かれても、そう応えられるモノでもないですわな; 当面は祭にしっかり扱いてもらしかないですね。(深緑)
スターダスト様へ 烈火は凪の気弾のように飛ばせません。(ryo)
言ってみるなら凪の気弾に近い技みたいなものかな?(スターダスト)
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