黒子の手料理 |
「何で、こんな事になっているのでしょうか?」
「上条さん。バカな顔をしてどうかしたんですの?」
「バカな顔って……いや、今はそんな事よりも、どうして白井が俺の家で料理を作っているんだ?」
「何で、と言われましても……」
「わたくしが、上条さんに手料理を作ってさしあげたいと思ったからですの」
それが何か、問題でもあるのでしょうか?
「い、いや……何で白井が俺に手料理を……?」
「はぁ……ほんっと、上条さんは何も理解してないのですね」
予想通り過ぎて、少し涙が出そうですの。
「なんだか、バカにされているような気が……」
「バカにしているんですの」
「ひ、酷いっ!?」
酷くなんかありませんの。あなたは一度深く反省をした方がいいんです!
女性の気持ちを何一つ理解せずに、色んな女性に好意を抱かせるような事ばかりをして。
あなたにやられてしまった女性が――
わたくしが――
どのような想いでいるのか理解して欲しいですの!
「ですから、上条さんはわたくしの手料理を楽しみに待っていればいいんですの」
「いや、何か大事な所を端折ってないか!?」
……何で、こんな妙な所ばかり気がつくのでしょうかね。
「気のせいですの。どうせ普段からたいした物を食べていないんでしょうから、大人しく待っていて
下さいな」
どうせ、あなたに説明した所で理解出来ないでしょうから。
「……まぁ、白井がそこまで言うのなら待つけど……」
「何か不満でも?」
人様に自慢するほどではありませんが、わたくしだって料理はそこそこ出来るんですよ。
「不満はないけど、何もせずに待っているのは……上条さんの精神衛生上よろしくないと言いますか……」
「はぁ。つまり手伝いたいと?」
「そういう事です。はい……」
実に上条さんらしいといえば、そうなんでしょうけど……
「今回は全て、わたくしにやらせて欲しいんですの」
「白井……?」
今回は、あなたに手伝ってもらうわけにはいかないんですの。
今回だけは……
「分かったよ。白井がそこまで言うのなら俺は手伝わねぇよ」
「ありがとうございます……」
すみません。わたくしの我儘を聞いていただいて。
どうしても初めての……あなたに食べていただく初めての料理は、自分一人で作りたかったので……
「上条さん。準備が出来ましたの。早速食べていただけませんか」
「ああ。上条さん、腹が減り過ぎて死にそうですよ」
「ふふ……たくさん食べてくださいね」
そして、わたくしの……黒子の気持ちに気が付いてくださいな。
「すげー美味そうだな」
「ふふっ。自信作ですの」
この日のために勉強をしましたから。
「じゃ、いただきまーす」
「…………ど、どうでしょうか……?」
ちゃんと上条さんの舌に合うでしょうか?
「……い」
「え……?」
「美味い! すげー美味いよ白井!」
「そ、そうですか。それはよかったですのっ」
頑張って努力した甲斐がありましたの。
「うん。白井は本当にいいお嫁さんになりそうだな」
「な――――っ!?」
お、お嫁さんに!? わ、わたくしが上条さんのお嫁さんに!?
「ほんと、白井の彼氏になる奴がうらやましいよ」
「…………」
あ、ああっ。そういう事ですのね。別にわたくしが上条さんのお嫁さんになるというわけではない
のですね。
そうですわよね。鈍感の中の鈍感である上条さんが、そんな事を言うはずがありませんものね。
は、はは…………はぁっ。
「どうかしたか? 白井」
「べ、別にどうもしてませんの!」
「……? そうか」
「え、ええ! と、ところで上条さん」
「ん、何だ?」
「ま、また……今日みたいに上条さんに料理を作りに来てもいいでしょうか?」
まだ、あなたにこの気持ちを気付いてもらえなくても――
「それはありがたいけど……いいのか?」
「上条さんが迷惑でなければ……」
こうして、何度もあなたと過ごして――
「全然迷惑じゃないぞ。むしろ嬉しいくらいだ」
「で、では――」
「ああ。よろしく頼む」
「はいっ。ですの♪」
――いつかは、あなたにこの気持ちを……
伝えたいと思います。
説明 | ||
これは……アレだ。 もうシリーズ物だよ。 黒子への愛が止まらないからね♪ ははっ♪ |
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コメント | ||
けなげな乙女心(VVV計画の被験者) 上条さんには御坂がいいと思ってたが、黒子でもなかなか・・・w(セラ) tanakaさん、もういけるところまでいっちゃて下さい!(中原) |
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