少女の航跡 第1章「後世の旅人」5節「襲撃者」 |
私はドライアドと会った後、城の方へと戻った。そして、カテリーナにエレンが言っていた事を
報告した。
「そう…、分かった…」
カテリーナは私の伝えた事に対してそう言うだけで、いたって冷静だった。この街に危機が迫
っていると聞いても、まるで彼女はその事を以前から知っていたかのように、表情に変化が無
かった。
その後、《リベルタ・ドール城》の人々に、客人という事で歓迎された私達は、豪勢な夕食会に
招待された。
そして夜も更け、私達はとりあえず、しばらくこの城に滞在するという事だったので、客室に案
内される。ロバートは別の部屋になった。
私はカテリーナと同じ部屋というわけなのだが、ほとんど同い年の女同士で何の問題があると
いうのだろう。もはや私はカテリーナとの間にあまり障壁を感じていなかった。一緒に寝泊りを
する事にも抵抗は無い。
私達が通された部屋は、2人で過ごすには少し広すぎ、落ち着かない雰囲気だった。おそらく
城の中でも、上等な客間なのだろう。
「先に休んでいるといい、私はまだ起きているから…」
すでに夜は遅くなっており、私としてはよほどの事が無い限りは寝ている時間だった。カテリ
ーナはほとんど疲れを見せていないが、私はくたくただった。何しろ、馬で一日中走って来たの
だから。
カテリーナは私よりも少し身長が高いだけで、鎧を着ていて屈強そうには見えても、特別体力
があるようでもないらしい。しかしそれでも、あまり疲れていないように見えた。くたくたの私とは
根本的に何かが違う。
彼女は、客室の窓脇のテーブルの椅子に座った。しかもその彼女は全身に鎧を身につけたま
まである。ここに来てからずっとだ。少しぐらい外して休んでもいいようにも思えるが、脇に剣を
置いて、ずっと何かに警戒しているようだった。
カテリーナは起きたままで、そう、何かの予感を感じているようだ。そうでなければ、敵地でも
ないのに、こんなに警戒していたりはしないだろう。
私も、その予感、そして王、ドライアドが言っていた事が気になって仕方なかったが、あまりに
疲れていた為、寝心地の良いベッドの中に入ると、あっという間に眠りについてしまうのだっ
た。
それから3時間ほどした頃。
《リベルタ・ドール》の城下町には、城を中心として何重にも円を描きながら取り囲んでいる城
壁がある。そこには毎日朝も昼も関係なく、兵士達が警戒に当たっていた。夜遅くなっても松明
が燃えていて、兵士がいない時などは無かった。こうして外部へと警戒を払っているのだ。
「異常ない。今日も異常なしだ。月が綺麗だぜ」
そう言って一人の兵士が見上げた夜空には、赤い色の月と青い色の月が浮かんでいた。彼
は、城壁に設置されていた大きな鐘の下にいた。屋根の下に吊るされた大きな鐘。それは街
や、望む事ができる周辺の山々で非常事態が起きた時に鳴らす為の警鐘だ。
だが、随分長く使われておらず、少し劣化が目立っていた。山火事だって滅多に起こってい
なかった。
「こら、警戒していなさいよ! この非常時に!」
城壁に寄りかかって緊張感の無い様子を見せていた兵士に向かって、もう一人の女の方の
兵士が注意する。
「非常時? 一体何が非常時だって言うんだ?」
注意されても、男の方の緊張の無い様子は変わらなかった。
「上官が言っていたでしょう? 今、この街には危機が訪れようとしているんだって! だから毎
晩警戒を怠らないようにって!」
「どんな危機だか知りたいものだね?」
男の兵士の方が変わらぬ態度で言ってきたので、女の方はあきれたようにため息をついてし
まうのだった。
「だって、『リキテインブルグ』の、かの『フェティーネ騎士団長』カテリーナ・フォルトゥーナ様がこ
の街へ来たそうなのよ! しかも、前から何か噂されていたわけでもない、急な出来事だった
のよ! いい? わざわざこの街へと『リキテインブルグ』の騎士団長が来たのよ? これは絶
対何かあるに違いないわ!」
女兵士は力説した。
「だからって言って、何か特別な事が起きるというようには思えんな。大体、敵でも攻めてくるっ
てんなら、こっちにだって連絡あるだろ」
「だから、危機が迫っているって言われたじゃあない」
「危機ってのは、一体何だ?」
「もう、これなんだから…」
女兵士は呆れると、仕方なくまた巡回に回り出した。彼女の身に付けている兵士用の鎧の音
が鳴り出す。
だが、その金属音が突然止まった。
「ねえ…、何か聞えない?」
女兵士は振り返り、警鐘の下にいる兵士に問いかけた。彼は相変わらず、夜空を見上げて
いた。
「何も…」
「ちゃんと聞きなさいよッ! 聞えるでしょうッ!?」
真面目に答えない彼に、女兵士は怒る。彼女は続けた。
「警鐘の音よ。気のせいかもしれないけど、どこからか鐘の音が聞えて来ているわよ」
「ううん? そう言えばそうだな。もしかしたら《セーラ・ドール》からじゃあないのか?」
そう言って、兵士は視線の先の方にある、この《リベルタ・ドール》よりも更に高い山へと目を
向けた。
そこには、高い木々の隙間から、まるで神殿のような作りの建物が見えた。それは実は城壁
で、かつての『セルティオン』の王都と、そして城下町があった場所だ。
『セルティオン』の旧都。そこは《セーラ・ドール》と呼ばれていた。今は人が住んでおらず、そ
こには警備隊がいるだけだが、警鐘はもちろんある。周囲の山々よりも高い事から、この《リベ
ルタ・ドール》よりも多くを見渡せる。
警笛らしき音が聞えて来ているのは、その方向からだろうか。兵士達は耳を澄ませようとす
る。
街の近くにいる、色々な夜に動き出す生き物の鳴き声が混じり、なかなか聞き分けにくい。し
かし、やがて女兵士の方がはっとしたように叫んだ。
「これ、《セーラ・ドール》の警鐘の音じゃあないわ! よく聞いて頂戴! これ、街道警備隊の
警鐘の音よ!」
「何だと?」
心がどこかへ行っていた兵士も、その言葉にようやく警戒心を強める。そして、彼がそうした
時だった。
《リベルタ・ドール》周辺の街道の鐘が、一斉に鳴り出したのだ。
大型の鐘が一斉に鳴り出す。今まで静かだった《リベルタ・ドール》周辺の山々の光景。しか
し、一つの鐘が鳴り始めたのを皮切りに、次々と鐘が鳴り始める。それはやがて夜の山岳地
帯に鳴り響く大きな音となった。
鐘によって、城壁の兵士達の緊張が一気に増していく。
鐘は鳴り続ける。そこに新たに大地を揺るがす地震が加わった。激しく地響きが鳴り響き出
し、地が揺らぐ。
深く鳴り、心の底へと響いて来るような地響き。それが大地の揺れと共にやって来ている。ま
るで地の底から何かが迫ってくるように。
地の底から何かが迫ってきている。私はその地響きと、《リベルタ・ドール》を揺るがしている
地震に跳ね起きた。
今までぐっすり眠りについていた私だが、たまらずに目を覚ました。
思わずベッドから飛び出した私は、この音が何かを知っていた。
「来るッ!」
私が飛び起きたのとほぼ同時に、カテリーナが叫んだ。彼女は椅子を蹴り飛ばすように後ろ
へと跳ね飛ばすと、その場で立ち上がっていた。
カテリーナは窓から外へ目をやる。私もベッドから起き出すと、急いで彼女の横へと向かっ
た。
その時後ろから、この部屋の扉が激しく開けられる音がした。
「ねえッ! 聞いたッ!?」
私達は思わず警戒して振り向いたが、そこにいたのはフレアーだった。ついでに彼女の肩に
は黒猫のシルアも乗っている。彼女は夕方の時と同じ姿をしていた。彼女も、カテリーナと同じ
ように警戒をし、ずっと起きていたのであろうか。目は冴えているようだし、寝ていたという様子
も無い。大きな緑色の瞳がはっきりと開かれている。
「この地響きの音、エレンが言っていた音と全く同じだよッ!」
フレアーは焦ったように言って来る。
彼女の言うように、私にこの地響きの音は焼き付くように残っていたから、何の音かはすぐに
分かっていた。この、心の底へと直接響いて来るかのような音。間違いが無い。
という事は、あのドライアドが言っていたように、この街へとたった今、危機が迫って来ている
のか。
私が思った時だった。突然カテリーナが叫んだ。
「外を見るんだ!」
彼女に言われたように、私達は急いで窓から外の光景に目をやった。
《リベルタ・ドール》の隣の山、この城下町と同じほどの高さまである山から、激しく砂埃が巻
き上がっていた。それだけではなく、地鳴りと共に山の斜面が地すべりさえしていた。
どんどんその様子は激しくなって行く。やがては、山それ自体の地が、引き裂かれるかのよう
に地割れをし出した。
山が裂けて行く。その際、激しい轟音が鳴り響き、私達は思わず耳を塞ごうとさえしてしまっ
た。
地割れは一気にその山の全てに広がっていく。そして山はあっと言う間に崩れて行ってしまっ
た。砂埃と共に、山の上部が陥没して行くのがはっきりと目に見えた。大きな岩が山の斜面を
転がっていくのも、立っていた木々が崩れていってしまうのも。
山が崩れていってしまっても、地響きは続いた。
やがて、山の陥没した場所に、大きな穴が開いているのに私達は気付いた。ただの地震で
起きた地割れで無い事は、私達にはすぐ分かった。
その穴から、とても巨大な咆哮のようなものが響いてきた。地震の音よりも大きな、そして低
い咆哮だった。
「な、何…、こ、これは…!」
フレアーは大きく目を見開いてその光景を見ていた。
咆哮は、周囲一帯に響き渡った。まるでその音だけで、周囲の大地が引き裂かれてしまいそ
うなくらいの轟音だ。
それが少しの間響いた後、崩落して砂埃が舞い上がっている山から、巨大な影が姿を現し
た。
最初は、砂埃に紛れてしまい、それは影にしか見えなかった。しかし、それを一気に突き破
り、山に開いた穴からそれは姿を現すのだった。
それは、巨大な生物だった。それも、山一つを覆ってしまいそうなくらいの大きさのあるほど
の巨大な生物。穴から上空へと飛び出すかのように姿を現す。
形は、丁度、ムカデを巨大化させたような姿だった。体が節で幾つも幾つも分かれており、そ
の節の一つだけでも巨大だ。その生き物には顔があり、巨大な眼もあった。それも8つ、10
つ、それ以上もある。ただ脚のようなものは無い。完全に宙に浮き上がっている。
青い、しかも無数にある巨大な目が動きながら、こちらに目を向けた。
「な、何…、あれ?」
そう怯えた声を上げたのはフレアーだった。窓の画面一杯に現れたその生き物には、私も正
直目を疑っていた。
「あれは…、『リヴァイアサン』ですな…?」
シルアはいつもの声で言ったが、彼はフレアーにしがみついている。
「『リヴァイアサン』…!? じょーうだんでしょ?!」
フレアーは叫んだ。
シルアは、山を破壊し、そこから現れた巨大な生物の事を、『リヴァイアサン』と呼んだ。
『リヴァイアサン』とは、私も知っている。伝説上の生き物の事だ。それも怪物、時には神とさ
え形容される生物の事。それは伝承上にしか登場しないが、相当凶暴で、ひとたび現れれば、
天を引き裂き、地を引き裂いてしまうのだと言う。
それが、今、目の前に現れたのだとシルアは言ったのだ。本当にそれが『リヴァイアサン』な
らば、未だかつて無いほどの危機が迫って来ているという事。
山を破壊し、そして街へと目を向けている巨大な生物。私はその場から逃げ出したいくらい
の衝動に襲われた。
しかし、巨大な生物はこちらへと迫ってきた。巨大な口を大きく開き、それと共に巨大な咆哮
が鳴り響く。とても重く、それだけで周囲の山々を破壊してしまうのではないかというくらいの咆
哮。事実、私達のいる部屋の壁は激しく揺れていた。
そうこの咆哮、それこそが、あのドライアドが私の頭の中へと直接響かせた、あの音そのも
のだった。
私はあの時、『リヴァイアサン』の咆哮を聞かされていたのだ。
『リヴァイアサン』は城へと接近して来る。その巨大な口を大きく開いたまま。そして、空中に
浮かんだまま向かって来る。
巨大な体を持つにも関わらず、『リヴァイアサン』は空中に浮かび、迫って来ていた。それは、
鳥のように羽ばたいているというよりも、水の中に浮かぶかのように、空中に浮んでいるという
ようだ。
『リヴァイアサン』の大きく開かれた口。そこに、何やら緑色の光が集中して行く。
それはあっと言う間にその大きさを増し、巨大な光の球体となった。その大きさだけで、直径
が何十メートルはある事か。
街へと迫ってくる『リヴァイアサン』、その口へと集中した緑色の光は、まるで真昼の太陽のよ
うに辺りを照らした。
「す、凄い力だよッ!」
フレアーは何かを感じたように、思わず身構えていた。
『リヴァイアサン』の口の中に集中した緑の光が、巨大な光の柱となって、咆哮と共に一気に
吐き出された。
緑色の光が、光線となって街の方へと発射される。
大きな振動が大地を揺るがした。緑色の巨大な光の柱は、城下町の分厚い城壁を簡単に突
き破り、建っている建物をことごとく消し去り、《リベルタ・ドール》の一角を貫通して行った。街を
破壊して行っても、光はその勢いを緩めず、更には周囲の山々さえも破壊、大地の彼方へと
消え去っていった。
その緑色の光が過ぎ去った後、破壊された《リベルタ・ドール》の一角は、文字通り消滅して
いた。そう、焼き払われたのでも、砕かれたという様子も無い。跡形も無く消え去ってしまってい
たのだ。
「た…、大変…!」
窓から一部始終を見ていた私は思わず叫ぶ。
「エ、エレンが言いたかったのは、この事だったんだね…!」
フレアーが外の光景を見てそう言った時だった。カテリーナは、更に何かを見つけたように言
い出す。
「だが、これだけでも無さそうだ。外を良く見てみな」
彼女に言われ、私とフレアー、そしてシルアは窓から外を覗く。
『リヴァイアサン』が現れた山は、その巨大な体が地下から現れた事で、大きく崩壊してしまっ
ていた。山はほとんど原型を留めておらず、地震は収まっていたが、未だに砂煙が上がってい
た。
だが、その砂煙に紛れ、何やら炎のようなものが見えていた。そこまでは数キロほども離れ
ていたのだが、はっきり見えるほどの炎が見える。
『リヴァイアサン』が街の上空を旋回して行く。それだけで、地震のような地響きが鳴り響く。
街中の警鐘が鳴り響いていた。
更にその警鐘は大きさを増していた。別の方向からも鐘が鳴り出してきたのだ。
やがて、別の山の方から炎が上がる。それは山火事などではなく、松明のようなものだった。
さらに、その松明が上がっている場所に現れる黒い影。山の山腹に現れる何かの影、良く見
れば、それは櫓だった。
街から数キロほども離れた場所に、攻戦用の櫓が現れていた。それも一つだけではない。松
明が現れていた場所の分だけ、幾つも現れてきている。炎は、櫓の松明だったようだ。
そして、その櫓の方から、何かが撃ち出されて来るのが見えた。炎の明かり、月明かりの中
にそれは黒く見え、砲弾のようだった。
そう、事実砲弾なのかもしれない。それが、櫓の方から街の方へと撃ちだされて来ていた。
砲弾が迫って来ている。私達は思わず窓から離れて身構えた。幾つも幾つも、黒い塊が街
の方へとやって来ていたからだ。
その内の一つは、私達がいる部屋の方を目掛けて飛んできていた。
壁に重い衝撃が走って、部屋の壁は破壊された。そして、そこから飛んできていた黒い塊が
現れ、そのままベッドへと激突、破壊して、部屋の反対側の壁へとめりこんだ。
私達は壁から離れていたので無事だったが、その黒い塊はたて続けに3つ、部屋の中へと
突入して来ていた。
砲弾とは違っていた。奇妙な形をしているし、爆発も起こらない。
やがてその塊は、むくっと起き上がった。
生きている。そう、この部屋に突入して来たものは、砲弾なんかではなかった。生き物だった
のだ。
身を丸めて砲弾のような塊となって、この城へと送り込まれてきているらしい。しかもただの
生き物ではなく、ちゃんと武装している。簡素な甲冑を身に着けているし、なたのような武器を
持っていた。
その生き物の体躯は、大分小さく、人間で言えば子供くらいだ。だがずんぐりしたような体格
で、背中を丸めれば、確かに球体のようになれそうだ。
更に彼らはゴブリン達とは似ても似つかないような顔をしている。間違いなく人間とはかけ離
れた存在のようで、口のようなものは確認できたが、目はよく分からなかった。
そして何より重要なのは、この生き物たちは兵士であり、私達に襲い掛かって来ようとしてい
るという事だった。
私はすでに武器を持っていて、それを構えた。
「こいつらは、『ディオクレアヌ革命軍』の武器を持っている。そしてあの櫓も、革命軍の兵器と
いうわけか…」
カテリーナは変わらぬ口調で言った。どうやら、ちっとも動揺していないらしい。
「じゃあ、この街を攻めに来たの!?」
「あの、『リヴァイアサン』も革命軍のものなの!?」
私とフレアーは同時に叫んでいた。
だが、息をつくような間もなく、目の前の生き物は、私目掛けて迫ってきた。背を半分丸めた
ままのような姿勢で迫ってきている。動きはそれほど素早くない。彼らの脚も、それほど頑丈そ
うでもないし、2本足で歩くのに適していないようだった。
更にその生き物は、聞くに堪えないような鳴き声を上げた。まるで、金属と金属を擦り合わせ
た時のような、奇妙な鳴き声。頭の中に響き渡ってくる。
大型のなたのような武器を構え、その生き物は迫ってきていた。私の目の前にいる一匹は、
それを大きく振り上げて、私の方へと振り下ろしてきていた。
相手は小柄だったが、持っているものは凶器。受ければ大怪我をする。私は大型のなたによ
る攻撃を飛び退って避けた。
この生き物たちは、それほど高い能力を持っているわけでもなさそうだ。攻撃に隙が多すぎ
る。あくまで、最初の突撃で怯んだ人々を襲うようにいるらしい。
私は、なたを振り下ろした一匹の隙に、回転しながら蹴りを入れて怯ませた。そして、身に着け
ている簡素な甲冑の隙間を付いて、手にした剣を差し込む。
すると再び、聞くに堪えないような鳴き声を上げる。それは悲鳴らしかったが、ほとんど鳴き
声と変わらなかった。
私は思わず息をつきながら、その生き物から剣を引き抜いた。
その時、他の一匹が、私の方へと吹き飛ばされて来る。それはそのまま窓側の壁へと激突し
てめり込んだ。ほのかに青白い電流のようなものが帯びており、煙も上がっている。突然の事
で私も驚いたが、それはカテリーナが剣で斬り飛ばした一匹だった。
体勢を元に戻し、カテリーナは何事も無かったかのように言い出す。
「ここにいては危険だ。もっと大勢やって来る」
城の外では、大量の黒い塊が城下街の方へと発射されていた。
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ある少女の出会いから、大陸規模の内戦まで展開するファンタジー小説です。 リベルタ・ドールの街がいよいよ攻撃にさらされる事になりました。 |
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