黒子の告白 |
今日、わたくしは上条さんに告白します。
先ほど連絡しましたから、もうすぐ来ると思いますけど……
「き、緊張しますわね」
まだ本人が現れたわけでもないというのに、もうすでに緊張している。
ただ待つという行為が、こんなにも苦しいとは思いませんでしたの。
一秒が物凄く長く感じますの。
「おーい、白井!」
「あっ、上条さん。こちらですの」
来た! 上条さんがついに来ましたの。
「白井、急にどうしたんだ? 大事な話があるって言ってたけど」
「はい。とても、とても大事なお話があるんですの」
恐らくわたくしの人生の中でも一番大切な話が……
「もしかして、御坂に何かあったのか?」
「お、お姉さまに何かあるはずなんてありませんの! と、いうより今はお姉さまは関係ありませんの!」
こ、この男は……どうして女性といる時に他の女性の名前を出すんですの?
デリカシーが足りませんわ。
確かにお姉さまは素敵な女性ですが、今はわたくしを見て欲しいんですの。
「御坂の話じゃないのなら、どんな話なんだ?」
「わたくしの個人的な話ですの」
「白井の?」
「え、ええ……」
さぁ黒子。早く告白するんですの。
このスーパー鈍感男は、遠回りに告白しても気がつかないのですから、真っすぐな言葉で自分の気持ちを……
「…………」
こ、声が出ませんの。
わたくしは一体何に対してビビっているのでしょうか?
もしかして、振られてしまう可能性に対してなのでしょうか?
「……」
「白井? おい、どうしたんだ? 急に黙って」
「あ、いえ、何でもありませんの」
しっかりしなさい! なにネガティブ思考をしているのですか。
まだ結果が出ていないというのに、後ろ向きな事ばかりを考えてしまっている。
そんな、そんな情けない幻想はぶち殺してさしあげないといけませんの。
「……もしかしてトイレか?」
「――――――」
先に、上条さんをぶち殺したい気分ですわ。
「あのですね上条さん。女性に対して、そんな事を言うものではありませんの」
「えっと、その……」
「デリカシーの欠片も無いのですね」
「いや……すまん」
素直に謝る上条さん。少しは自分の配慮の無さを理解したのでしょうか。
「まぁ、いいですの」
上条さんのダメダメな発言のおかげで、少しだけ緊張が解けましたから。
はぁ。ふーっ。
深呼吸をして、気持ちを落ち着かせましょう。
そして、この気持ちを上条さんに伝えるんですの。
鈍感な男でも理解出来るような言葉で。
「上条さん」
「なんだ?」
「わたくし白井黒子は、上条当麻さんの事が――」
「大好きなんですの。どうか、わたくしと付き合っていただけませんか?」
言った。言ってしまいましたの。
ついに上条さんに自分の気持ちを伝えてしまいましたの。
さて、どういう結果に――
「白井……その、今のは――」
「わたくしの今の気持ちですの。あなたが好きだという……」
紛れもない、正直な気持ちなんですの。
「あーお、俺でいいのか?」
「上条さんがいいんですの」
他の誰でもない。上条さんではないといけないんですの。
あなたと共にいるのが、わたくしの幸せですから。
「う、嬉しいけど俺なんかで……」
「大丈夫ですの」
ちゅっ。
「し、白井!? い、いい、今のは……」
「乙女の唇を捧げたんですから、上条さんも覚悟を決めて下さいな」
少しズルイかもしれませんが、上条さんが悪いんですのよ。
わたくしにこんな気持ちを抱かせたあなたが。
「はぁ……負けたよ。ああ、俺も白井の事が好きだ」
「上条さん……」
「まったく、初めて会った時はこんな事になるとは思わなかったよ」
「それは、わたくしの台詞ですの」
ですが、今はこの結果は嬉しく思いますの。
だって大好きな人と共にいられるんですから。
ねぇ、上条さん。
「大好きですの。上条さん♪」
説明 | ||
シリーズ最終回です。 でもでも、きっとあと一回その後の話を書きます。 だけど、一応これで終わりです。 |
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コメント | ||
ほっほっほっ。後一回だけ更にデレる予定なのですよ♪(tanaka) 黒子が男にデレたーーーーーーーーーーーwww(VVV計画の被験者) |
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