寝起きで……
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 心地のいい感触と、柔らかな匂いに包まれながら目を覚ますとそこは――

 

「あら千早。起きてしまったのね」

「かお……り……さん?」

 どうして香織理さんがこんな所に居るんだろう?

「あん……千早。急に動いてはダメよ」

 急に色っぽい声を出す香織理さん。

 ん? 僕が動いた瞬間、香織理さんが声を出したんだよね?

 ということは、香織理さんは今――

「う、うわぁぁぁぁっ!?」

「きゃっ!? 動かないでって言ったでしょ!」

「ご、ごめんなさいっ」

 でも仕方なかったんです。だって、香織理さんが僕に膝枕をしていたから……

「まったく千早は……」

 呆れた表情で僕を見る香織理さん。

 うぅ……申し訳ないです。

「と、ところでどうして膝枕を……?」

 さっきまで僕は普通にベッドで寝ていたはずなんだけど。

「理由……ね。そんなものはないわよ」

「はぁ?」

「なんでかしら、寝ている千早を見ていたら、なんとなく膝枕をしたくなったのよね」

 そう言う香織理さんの表情は、とても優しくてドキっとする表情だった。

 

「それにしても、寝ている時の千早は可愛かったわ♪」

「か、可愛いって……」

 全然嬉しくないんですけど!

「ほんと、男の子とは思えないような寝顔だったわ♪」

「本当に嬉しくないですよ!」

「あらいいじゃない。可愛らしい千早は好きよ」

 な――――――っ!?

「そういうわけだから、もっと可愛い千早を私に見せてちょうだい」

「か、香織理さん何を――」

 有無を言わさず香織理さんが僕を抱き締める。

 うわっ!? か、香織理さんの感触が! 香織理さんの匂いが!

 こ、こんな事されたら僕は――

 

「はい、終わり♪」

「…………え?」

 理性が飛びそうになる寸前で身体を放される。

「今日は、これでおあずけよ♪」

「な……っ!?」

「ふふっ♪ やっぱり千早は可愛いわね♪」

 凄く楽しそうに笑う香織理さん。

 香織理さんが楽しそうでなりよりですが、僕としては色々と消化不良なんですよ。

 ですから僕としては――

「か、香織理さん」

「ダメよ千早。あまりがっつくと嫌いになるわよ」

 そ、そんなぁ〜

「……もう。仕方の無い子ね」

 そう言って、再び僕を抱き締める香織理さん。

 そして――

 

「んっ……今日はこれで我慢をしてね♪」

 キスをしてくれた。

「ふふ……じゃあ、またね千早」

「あ、はい……」

 素敵な笑顔と共に部屋から出て行く香織理さん。

 そして部屋に取り残された僕。

 いや、まぁそれはいいんだけど、この妙に高ぶった気持ちは一体どうすればいいのだろうか?

 さすがに寮の中で処理をするのはマズイし……

 ずっと部屋の中で悶々とするしかないよね。

 

 うぅ……香織理さんのばかぁ。

 

説明
へいっ!コンテスト三作品目です。
少しだけ千早がアホの子になってるかもしれません。
仕方ないさ。だって男の娘なんだもん。
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