そらのおとしもの 番外編 『響け! ニンフの歌!』 |
今回の話ではこのような形のキャスティングとなっています。
ドラえもん=イカロス
のび太=アストレア
しずか=そはら
スネオ=美香子
ジャイアン=ニンフ
のび太のママ=智樹
キャスティングの関係で原作にはない設定を採用しています。
例 イカロスが大のねずみ嫌い
ニンフが智樹の家に居候しておらず、アストレアが代わりに居候している
そのことを踏まえて上でご覧になってください。
なお、今回の話は原作漫画の方をモデルとしているため、作者(BLACK)が普段書いている小説で出てきている、カオス、秋山総司郎(作者(BLACK)の分身のオリジナルキャラ)は出てきません。
とある日のこと。
電柱にこんなポスターが張られていた。
「ニンフ 新曲発表会開催」
そのポスターを見たそはら、美香子、アストレアは驚愕した。
「ニ、ニンフさんの……」
「新曲発表会!?」
「そろそろ来るんじゃないかと思ってたけど……」
ニンフは文化祭で歌った際に歌うのが楽しいと思い、最近歌いまくっているのだ。
ニンフは自分の歌を聞いた人々…いや、生き物がどんな酷い目にあったのかを知らないのだ。
「しかも今日これからだよ」
「どうしよう…」
「仕方ないわね、会長はこれから旅行に出かけるわ。それじゃあ…」
美香子はそう言って走り去っていった。
「わ、私も帰ろう……。アストレアさんも早く帰ったほうが良いよ」
そはらもそう言って走り去った。
「私も早く帰らなきゃ……」
アストレアも家に帰ろうと空を飛んでいると……。
「あっ!」
アストレアはあるものに気付いてすぐに地上に降りた。
そのあるものとはニンフであり、ニンフは空を飛んでいた。
「頭にくるわね。皆隠れてて出て気もしないわ。見つけたらタダじゃ置かないわよ!」
ニンフはとても怒りを顕わにしていた。
それを見たアストレアは恐怖した。
「イカロスせんぱーーーーい!!」
アストレアはすぐに自分が居候している智樹の家に戻り、イカロスに助けを求めようとする。
すると慌てて出てきたイカロスと正面衝突した。
「いたたた……」
「……アストレア…」
「イカロス先輩! あああ、あのですね……」
「あああああ……」
イカロスも動揺していた。
しかしイカロスはまだニンフのリサイタルの話は聞いていない。それなのに動揺している。
「私の話を聞いてください! ニンフ先輩が!」
「ニンフが何!? こっちはねずみが!」
「ねずみ?」
イカロスは何故かねずみが苦手であり、ねずみが目の前に現れたらいつもの冷静さと言うか無表情さがなくなる。
「こんなに大きな…」
イカロスがねずみの大きさを手で表す。
「かくなる上は……」
イカロスは最終兵器のAPOLLONを使おうとする。
「この家ごとねずみを吹き飛ばします!」
「うわああああ! イカロス先輩落ち着いてください……」
APOLLONを使ったら家どころか日本が滅びる。
アストレアは一生懸命止める。
「他になにかあるはずですよ! ネズミ捕りとか……」
「……あ」
イカロスはカードを取り出し、そこからあるものを出す。
「これを…」
「これって?」
「家ダニシロアリねずみ退治機」
「長い名前ですね」
「でもこれ…肝心の狂音波元のテープがない」
「狂音波元?」
「狂音波発生の元になる音のこと。とてつもなく不愉快で、身の毛もよだち、吐き気ももよおす……」
「…あ! ありますよ! そんな音が!」
「本当?」
アストレアはイカロスを連れてすぐにある人物の元へと向かった。
その人物とはニンフである。アストレアはニンフの歌声もとい「パラダイス=ソング」を狂音波にしようと考えたのだ。
二人はすぐにニンフを発見したが、ニンフはとても機嫌が悪そうで、今にも怒りが爆発しそうな状態であった。
「「ニ、ニンフ(先輩)…」」
ニンフは呼び止められて二人のほうを振り向く。その時の顔はとてもいつもの可愛らしいニンフの顔ではなかった。
「なによ、あんた達! 何か用?」
「ぜ、ぜ、ぜ、ぜひ家に来て……」
「新曲を…歌ってもらえないかと……」
「何ですって!? あんた達!!」
ニンフは怒りを顕わにしだすが、二人の言った事を冷静になって聞きなおす。
「今なんて言ったの?」
「だから…」
「ニンフ先輩の新曲を…聴きたいな〜って…」
「え! ほ、本当!?」
ニンフはとてもいい笑顔を見せる。アストレア達も作り笑いで対応する。
「「はい!」」
「心の友ねーーーー!!」
ニンフはそう言って二人を強く抱きしめる。
「ニ、ニンフ先輩…苦しい……」
二人はニンフを連れて家に戻る。
そしてイカロスは退治機の準備をし、その発信機をニンフに渡す。
「これ何?」
「新型のマイクです」
「気にしない、気にしない♪」
「え! あんた達そこまで……、ありがとう!」
ニンフは思わず号泣してしまう。
「さてと…」
「後は…」
イカロスとアストレアは智樹がいる部屋へと向かう。
そこには智樹がエロ本を読んでいた。
「別に出かける用事はねえぞ」
「そんな事言わないで智樹、でかけて!」
「嫌だ! 俺は今これを読んでるんだ!」
「マスター、早く出て行って下さい」
「なんだよ、イカロスまで…。二人とも俺を追い出して何をする気だ?」
「「いいから早く!!」」
「うるさいな〜、でかけないったらでかけない!」
「仕方がない……」
イカロスは智樹の襟を持つ。
「な、なんだよ? イカロス…」
「マスター、逃げてください!」
「うわぁああああああああ!!」
智樹はイカロスに思いっきり投げ飛ばされた。
「マスターの命を守るため…」
「うん」
二人は星になった智樹を見てそうつぶやいた。
そして二人は耳栓をし、準備体操までしてニンフのパラダイス=ソングに対する防衛準備をした。
「よし!」
二人はニンフのところに戻る。
「さあ、初めて」
「どんとこい!」
「それじゃあ、張り切って歌うわよ!」
ニンフは狂音波発信機をマイクにして歌いだす。
イカロスはaegisを展開させ、自身とアストレアの身を守る。
しかしそれでもかなり響いてきていた。
「耳栓をしててもがんがん響く…」
「我慢する。この狂音波を家の隅々にまで送る…」
イカロスはそう言いながら狂音波発生装置をいじる。
ニンフが楽しく歌っていると大量のねずみが智樹の家から出て行った。
「ねずみが逃げていく…よかった……」
イカロスは思わず涙ぐむ。
「喜んでくれて私も嬉しいわ、アルファー、デルタ」
ニンフは飛びっきりの笑顔を見せた。
それから数十分が経った。
「そう言えば発信機は?」
イカロスが狂音波装置の片づけをしていると発信機がないことに気付く。
「え? そこに……ってない!」
「え!」
イカロスはいつになく驚いた。
実は発信機はニンフが持ち帰ったままであった。
二人はすぐにそれに気付いてニンフを探す。
「ボリューム最大で使われたら、世界が終わる……」
下手をすればイカロスがAPOLLONを使うよりも危険である。
世界が終わると言うより、太陽系が危ないと言ったほうが妥当かも知れない。
二人はレーダーでニンフを探そうとするが、ニンフはジャミングなどに特化していたせいか、ニンフがレーダーに引っかからなかった。
そんなニンフは大桜の所にいた。
「どうせ練習するなら眺めの良い場所でやろ。え〜と、これはどうするのかしら? まあいいや。全部回しちゃお♪」
ニンフはあまりに機嫌がよかったために確かめもせずにダイヤルを全開にする。それはボリューム最大を意味していた。
「歌いだしたらおしまい。早く見つけないと……」
「ニンフせんぱーーーい!!」
二人は飛んでニンフを探す。
そしてようやくニンフを見つけ出した。
「あ! 居ました!」
「間に合わない!」
ニンフは既に歌う体勢に入っていた。
「ニンフ、止めなさい!」
「♪〜♪〜」
イカロスの声は届かず、ニンフは歌いだす。
しかし歌いだした途端にニンフの居た場所は爆発。煙が出てくる。
煙が晴れると、ニンフは真っ黒焦げな状態で姿を現した。
「………」
イカロスとアストレアが意識が朦朧としていたニンフの側に降りる。
「危機一髪でしたね…」
「ニンフの持つパラダイス=ソングの前には狂音波発信機も耐えられなかった…」
「恐るべし! ニンフ先輩のパラダイス=ソング!」
二人が納得しているうちにニンフは機能停止した。
説明 | ||
今回の話は原作単行本第11巻のある話直後を元にしたキャスティングクロスです。 元となった話はアニメドラえもんの「ひびけ ジャイアンの歌」です。 そのためキャラの配置が原作と異なっている事をご了承願います。 |
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コメント | ||
パラダイス・ソングは「歌」だから……やっぱり原作でネタとして使って来ちゃったなあ。(枡久野恭(ますくのきょー)) | ||
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