真・恋姫†学園〜新たなる外史の青春演技!?〜幕開け |
ここは、三国のほぼ中心に位置する新たなる都。天下三分の計が成った、新たなる三国志の世界。蜀だと一番近い街、または城は、かの有名な白帝城。呉なら巫県。魏なら、上庸と言ったところだろう。洛陽、成都、建業、三国のどの首都よりも大きく、最早三国一の都市と言っていい。そして、この都市には見かけだけでなく、それに負けないような見事な活気を見せている。そのことからも、この都市の為政者は素晴らしい手腕の持ち主だと言う事を窺わせる。
「ふわぁ〜あ」
大きな欠伸。お昼時になり、熱気をさらに賑わせている街には似つかわしくない光景である。その自分の行為に叱咤するよう首を振り、両手で頬を軽く叩く。その人物は、この三国志の世界においては似つかわしくない、白い制服の様な格好を―――――。
「……人物の説明省こうかな?」
場所は打って変わり、そう呟いたのは、何もない白い空間にある一つだけの景色を見ながらあれこれと考えてる人物。名前はBLUE。創造者――クリエイター時の名前は蒼(あおい)である。彼は青い髪をしており、瞳は濃い茶色。レンズの上部分だけにフレームのついた紺の眼鏡をかけ、占い師の様な白装束の格好をしている。
「狭乃 征(はざまのせい)さん、最近は北朝伝どうです?」
「いいや、あまり思いつかないですね。とある桂花のデレ日記は、ガンガン行こうぜ!って感じで出てくるんですが」
蒼が話を振ったのは、彼の後ろにいる人物。名前を牙狼say――今現在はクリエイターなので狭乃 征と言う。服装は紺のスーツ。靴は同色の皮靴。金縁の眼鏡をかけ、左腕に、狼を象った手甲を装備している。
『煩悩は簡単に出ると言う事か』
「うるさい、黙れ」
どこからともなく、喋り出す第三者に突っ込む狭乃 征。それは、声の正体は彼の左腕の狼の手甲から発せられていた。名前を牙と言う。良く喧嘩するらしい。
『図星か』
「うるせえよ!」
少々、感情的になる狭乃 征。それを見かねた蒼が咎める。
「牙さん、自分からもお静かに」
『ふむ……』
そう言うと、確かに静かになった。
「なんか、自分より狭乃 征さんの方が年上なのに不思議な感じですね」
「そうですね」
「自分は17で、狭乃さんは39の良い年した中年―――」
「オッサンみたいに言うな」
その突っ込みに微笑した後、会話は途切れた。と言うより、それぞれの事に集中している。蒼は、物語の続きに精神を傾けていた。
天の御遣いこと、北郷一刀。彼は現在、護衛である楽進こと凪と共に街の警邏に出ている。
「隊長、あまり欠伸などしていると愛紗さまにどやされますよ」
「ああ、悪い。昨日は夜遅くまで白蓮と呑んでてな……」
「また、愚痴ですか……」
察したように言った凪に、一刀は少し苦笑いし……。
「まあ、そう言う事」
と言った。
「いえ、白蓮さまがそうなるのも分かります」
「あれ?凪、麗羽の世話した事があるのか?」
「はい、以前に南の区間の方を兵と共に警邏をしていた時でした」
それを皮切りに、凪が事の顛末を話しだす。
先程も言ったように、南地区の方を兵と共に警邏している時でした。ある衣装店に差し掛かった瞬間。
「どう言う事なんですの!?」
そんな声が聞こえたんです。何か問題でも起きたのかと思い、兵たちを先に警邏にまわし自分が確認に行きました。そこでは袁家の御三方とおそらくその衣装店の店主と思しき人がいました。が、その時は事を確かめようと急いでおりましたので周りを見ず、店主を威圧してしまいました。
「どうかしたのか!?」
「ひぃ!?……あ、あんた軍の人かい」
「そうだ、だから安心して欲しい。何かあったのか?」
「そこのお客がウチの商品に変な言い掛かりをつけてくるんだ」
「なに?……そこの客人――――って!?」
そこで店主の言う客人に振り向き、ようやく袁家の方々と知ったのです。
「あら?誰かと思えば凪さんじゃありませんこと」
「おお!凪じゃん、警邏お疲れ〜」
「凪さん、助けてください〜…」
暢気に言う麗羽さまと猪々子さんとは別に、斗詩さんだけはとても困っている様子でした。
「そう言えば、凪さんは警備隊でしたわね。ちょうど良いですわ。そこの失礼な下請けさんを連行して下さいな」
『…へ?』
自分は、あまりに唐突な事を言う麗羽さまに驚きの言葉を漏らしてしまいましたが、それは私だけでなく、と言うより麗羽さま以外の方は全員驚いてました。
「あの、どう言う事でしょうか?」
私はそのまま思った疑問を投げかけました。
「どう言う事も何もありませんわ。そのままの意味に決まっているでしょう?」
失礼ながら、麗羽さまでは話にならなさそうなので、斗詩さんに事の真相を聞くことにしました。
「斗詩さん、これは一体……」
「本当にすみません!すみません!」
が、本人は何度も店主と私の方に頭を下げているようでした。とても話ができる状態に見えず、一度、猪々子さんに聞こうと思いましたが……本人は、なぜか服を選んでいたので、店主に話を窺う事になったのですが。店主が、それを察してか私を麗羽さまたちから少し離れた所まで、誘導してくれました。
「すまない、店主」
「いえいえ、将軍様が頭を下げるなど滅相もない」
「では、すまないが話を聞かせて貰えるか?」
「はい……。あちらに見える客人が、将軍様が来る少し前に来まして。客人はご自分に似合う衣服の選定をあっしに頼んだんです。で、どうも高貴な出の者だと思ったんでそれなりに高級な衣装を選びだしたんですが……」
「ですが?」
「やれ、動きにくいだの。やれ、古臭いのだの。高貴な私には似合わないだの。と、注文が多くてね。商売やってると、よくあることだが……まあ、その客人の要望に応えるのが商人の仕事なんだが、あそこまで、文句が多いとさすがに商売あがったりなんでさあ。で、ウチで取り扱ってる物で一番の奴を出した結果、こうなり。将軍様が来られたと言う事です」
「なるほど、知り合いが迷惑をかけた」
「そんな、将軍様が二度も頭を下げるなんて知れたら。あっしの頭が上がりませんよ」
「では、すまないが協力してくれるか、これ以上店に迷惑をかける訳にも行かないのでな」
「こちらこそ将軍様のお手を煩わせるなど……。そうでさあな……機会があれば、あっしの店に来て下せえ。お礼に将軍様にお似合いの衣装を選んで置きますんで」
その店主の言葉を聞いた時、凪には一刀のことが思い浮かんでいた事は誰も知らない。これは謝礼として受け取って良いのか少々躊躇ったあと、凪は自分の思いに少し照れたように。
「……………頼む」
そう、気迫のない言葉を発した。
「ほうほう、将軍様もお年頃―――いや、止めときやしょう。しかし、下手な衣装は選べやしませんねえ」
「どうした店主?」
「いえ、なんでもありません。楽しみにして下せえ」
「……ああ」
それから店主の協力もあり、麗羽さまたちが面倒な事をすることなく店を出ました。それから、警邏に戻ったんですが……。
「あ、まだあるんだ……」
それで終わりだと思っていた一刀は思わず苦笑いをした。勿論、凪は店主との会話を掻い摘んで話している。
「その後も、所々でちょっとした問題が起きた時は大体は袁家の方々が絡んでいました。以前は、酒家でしたでしょうか?とにかく、とても疲れました」
「そっか、御苦労さん」
「はい。しかし、白蓮さまはいつもあの方たちの世話をしてると思うと凄い方だと思います」
凪がそう言ったその頃、白蓮は――――。
「……ん?」
「あら?どうしたんですの白蓮さん」
「いや、今誰かに尊敬されてる気が……」
「白蓮さんを尊敬だなんて、その方は変わり者ですわね。こんな、普通で残念な何の見栄えもしない方なんですのに」
「麗羽……誰が普通で残念だッ!!」
そんなやりとりがあったと言う。
「そう言えば、今日の警邏の担当に南地区も入ってたよな?」
「そうですね、と言うよりもう南地区に入っていますが。あ、先程話した店が見えますね」
「ん?」
二人とも立ち止まり、一刀は凪の視線の先を追うと確かに衣装店があった。老若男女問わず店の中にはそれなりの人がいるため繁盛しているように見えた。大きさは、街で見かける衣装店の中では大きい方だろう。
「隊長、一応念のために確認して来てよろしいでしょうか?」
「そうだな。事件が解決した後も、特に変化がないかどうかは確認した方が良いだろうし」
事件と言うほどでもないだろうけどな。そう一刀は心に思いながら、凪と共に店に入って行った。
「へい、いらっしゃい!と、将軍様じゃありませんか」
商人らしい威勢のいい声と共に出迎えてくれたのが、凪の話していた店主なのだろうと一刀は理解した。そして、店主は凪の隣にいる一刀に気付くや否や。
「ほうほう、なるほどなるほど。……そうでした将軍様、以前の謝礼の件ですが」
「え、謝礼?」
店主が何か納得した風な感じだったが、二人には聞こえないほどの声だったのだろう。そして、謝礼の部分に一刀は疑問の声を出した。
「はい。隊長にはお話しておりませんでしたが、店主に袁家の方々何とかした時に謝礼の話を持ちかけられまして……」
「そっか。まあ、人の好意を無碍に断るのも悪いしね」
凪の言葉に一刀は謝礼の意味を理解した。
「それでは将軍様、こちらです」
そう言って店主は、二人を店の奥に案内した。
場所は再び変わり、白い空間。
「さて、新たなる外史の突端を開きましょうか」
「あまりに唐突すぎないかにゃ?」
蒼がそう言った時に足元から声がする。最初はどこから聞こえたか分からなかったため蒼は、全方位を見まわした後に足元を見て声の主である丸猫を発見する。
「うたまるさんじゃないですか」
「面白そうだから来たにゃ」
「とまあ、ここに来た理由は分かりましたが唐突過ぎるとは?」
「勿論、そのまんまの意味だにゃ」
そう言いながらトコトコと牙狼sayこと狭乃 征に向かって歩いていき、白い床から跳躍したと思うと彼の頭に見事飛び乗った。飛び乗られた本人は微動だにしないことから、かなり慣れているようだ。それを見た蒼は呆れながらもどこか可笑しいのか、少し笑いながら言った。
「もう、定ポジションですね」
「うむ、落ち着く」
集中していたのかと思いきや、狭乃 征がぽわわんとした雰囲気を出しながらそう言った。視線は変えていないので、蒼からは彼の後ろ姿しか見えてはいないが。
「乗られてる本人が落ち着いてますし……」
そして、すぐさまツッコム。
「で、話を戻して唐突なのは物語の愛嬌と言う事で」
「……いいのかにゃ〜?」
蒼の発言に些か疑問を感じたうたまるが、身体を少し傾けてその疑問を体で表現する。
「まあ、人生であれ、物語であれ、始まりはいつも突然ですよ」
「蒼さん、なんか達観してますね」
狭乃 征のその一言に、返答しづらそうな表情をする蒼。
「現実では色々あったんですよ。色々ね……」
出てきたのは、そんなはぐらかした様な一言だった。彼は気を取り直して、揺らぐ景色にに目を向ける。
「さて、では凪には悪いですが。気を取り直して外史の突端を開きましょうか」
始まりは近づいてる中、一刀と凪は衣装選びの真っ最中だが、ほとんどが、一刀が教えた意匠が出回った物であった。振袖、メイド服(クラシック)、ナース服、キャビンアテンダント、ネグリジェ、etc…。特に、ウェディングドレスが出てきてその衣装の説明を一刀が入れた時の凪の顔は、湯が沸かせそうなほど熱気が感じられた。仕舞には、あわあわと今にも爆発しそうな程、惚けていた―――その時だった。
「……む?」
何を感じ取ったのか、急に冷静な顔になり出す凪。すぐさま、店の奥から出て視線を通りの方に向ける。
「どうした?凪」
そして、一刀は凪の少し真面目な雰囲気を感じ取ったのか隣に駆け寄り、一度凪に視線を向けた後、視線を通りへ向けた。続いて、店主も怪訝そうな顔をして店の奥から出てくる。
「どうかされたので?」
最後に来た店主が最初に疑問を投げかけた。それに続くように一刀も凪に同じような疑問を聞いた。
「本当にどうしたんだ?凪」
「隊長、通りの方が騒がしくありませんか?」
そう。凪の言う通りに街通りの方が少し騒がしかった。その原因を一刀は、確かめるように凪に聞いた。
「凪、今日は張三姉妹の公演があるって話聞いたかい?」
「いいえ。もし、あるならば警備隊である我々に公演の警備を依頼するでしょうし。例え、警備を他の隊に頼んだとしても何の連絡もないのはおかしいです」
張三姉妹―――言わずと知れた黄巾党の主要人物、張角、張宝、張梁の三人である。実際、乱が起きた原因は大規模なファンの暴走とそれに便乗した賊の集まりと言う意外な話ではあったが……。とにかく、彼女たちは現代で言うトップアイドル。そして、乱を起こせる程の人気は伊達ではなく、今もユニット『数え役萬☆姉妹』の名で三国の街を回っては公演を行って活気づかせている。現在は、三国の街を回り終えて休息のためこの都の城にいる。つまり一刀は騒ぎの元が、張三姉妹による公演だと推測したのである。確かに、それならば納得できたであろうが凪の返ってきた答えによりその線は消えた。
「それに……これは声援と言うより、悲鳴に近い気がします」
凪のその一言に、一刀は緊張感を感じた。
「……すぐに真相を確かめよう。一大事だったら、俺たちの役割だしな」
「はい!店主、すまないが謝礼はまた今度だ」
そう言って、凪と一刀はすぐさま店から通りに出ようとする。
「お気をつけて!」
店から去っていく、二人の背中に向かって店主は叫ぶ。そして――――。
「そして、次の外史を紡いで行く……」
二人が完全に去った後、そう呟いた。すぐさま、店主の後ろの店の奥からどこからともなく現れる、謎の人物。店に流れるのは不思議な音色。その人は、見たものが見惚れるほどの綺麗な瞳をしており、月琴(げっきん)を持っていた。店主は警戒しないことからおそらく、顔見知りなのだろう。
「……師匠」
「そうじゃよ、管辰」
管辰と呼ばれた者は、先程と声が打って変わり女性の様な声になり、師匠と呼ばれる者も、口調の割には透き通った声をしている。
「また、新しい外史が始まるんですね」
そう言いながら、管辰は店の奥に消え。
「そうじゃな。この外史は、未だ留まるところ知らん」
そう、師匠と呼ばれる者が返事を返した時、管辰は店主の格好ではなく、少女の姿をして店の奥から出てきた。髪は亜麻色で、瞳は海松(みる)色をしていた。
「もうすぐ、始まってしまいます」
その管辰の一言で、何かを決したように彼女――――管輅は。
「…行こう」
踵を返し、管辰と共に店の奥へと消えた。
「ん?」
通りに出た後、すぐさま店の方へと振り返る一刀。何か言われた気がした―――そんな直感が彼に過(よ)ぎった。
「隊長!」
が、凪の大声に反応しその直感もすぐに彼の感覚から消えた。
「どうした凪、なにかあったか!?」
通りに出た後、目に入ったのは何かに騒ぐ民衆。当然、なにかあったのは間違いない。一刀は緊迫した空気の中、凪の隣へと駆け寄った。
「空から、流星が」
「……流星?」
凪の言葉に半信半疑で空を見上げてみると、確かにあった。それも、5つの流星が同時に降って来ている。
「おい!なにボサッ、と立っとんねん!」
天を仰いでいると、響く怒声。馬の嘶(いなな)きと共に現れたのは、張遼こと。
「「霞(さま)!」」
「一刀、凪、あんたらは早う南門へ行き!」
何故かは分からないが兎に角、事態は深刻なのは確かである。
「ああ!それよりも、民たちを兵士達に任せてからすぐに向かうよ。凪!」
「すでに他の兵士に民たちを避難させるように言いました」
「分かった。じゃあ霞、なにか軍師たちから言われた事は?」
「ああ、朱里から門に着き次第城門を閉じるように言われとる。なんでも、流星は城壁の外っかわに落ちる可能性が高いっちゅう見立てらしいからな。流星が、落ちた地点から何かが来うへんようにしとくためらしい。あと、流星が落ちて何も起こらへんかったらウチら将が軍を率いて落下地点を調査する寸法や。ほな、伝える事は伝えたで!ウチは西門へいくさかい!」
「了解。霞も気をつけてな」
「応、まかしとき!はいやッ!」
一刀は霞に心配の言葉を掛けると、馬上の霞は少し微笑み威勢のいい言葉を言った後、しっかりと手綱を握り馬を走らせた。避難する民たちの中、一刀は彼女の背中を見送る。しかし、そう長居はしていられないためすぐに切り替える。
「凪、俺たちも南門に向かうぞ!」
「はい!」
二人は民の間を縫うようにして駆け抜け、南門を目指す。天からの流星は、少し大きく見え始めた。
二人が南門に辿り着いたころには、すでに閉門されようとしていた。そこにいたのは、関羽こと愛紗。
「急げ!流星は刻々と近づいてくるぞ!」
「愛紗!」
彼女が閉門の指示を取っていた時に一刀達は到着したようだ。そして、一刀の張り上げた声に愛紗はすぐさま振り向き、驚いた顔をしていた。
「ご主人様!?なぜこちらに……城に戻って下さればよいのに」
「いや、城の方が遠いし。安全、なんて場所が言えるかも分からないんだ。なら、少しでも『安心』する場所を選ぶよ」
「……全く、調子の良い事を」
その一刀の様子に困ったように愛紗は呟いた。
「あらあら、緊急事態なのに甘いわね〜」
「策殿、緊急時じゃからこそ甘い時が必要なのではないか?」
「なるほどね〜」
そう茶々を入れながら勝手に納得しているのは、孫策こと雪蓮と黄蓋こと祭。
「そこ、なにを勝手に納得している!」
すぐさま、愛紗がツッコム。
「……隊長…?」
凪は、雪蓮と祭の話に反応してジト目で一刀を睨む。
「緊急時なのに変な事言わないでくれよ…」
「おや?時と場合を考えず、隙あらば毒牙に掛けるのが主の真骨頂では?」
一刀の後ろからひょっこり現れる人影。声に反応した一刀は、誰かを分かりつつも振り向く。
「星…いつからここに…。と言うか、誤解を招く言い方はやめてくれ!」
趙雲こと星は、艶やかにクスリと笑いながら言葉を続ける。
「まあ、それよりも愛紗。城外に行商に来た者などの取り残しはおらぬか?」
「(スル―された……)」
「ああ、確認済みだ」
愛紗がそう言うと同時に、門は重々しい音と共に閉じられた。その音を聞いた一行は、城壁へと続く階段に向かって歩く。階段をのぼりはじめたと同時に、雪蓮が思い出したように言葉を放つ。
「しかし、突然流星だなんて……まるで一刀が来た時みたいね」
「俺ってこんな風に来たのか……」
一刀自身どうやって流星に乗ってきたのか分からないため、初めてその光景を目にしていることになる。
「と言う事は、今回の流星も隊長の様な天の御遣いである可能性があると?」
「それは分かりませんよ〜」
凪の推測に割り込んだのは、間の抜けたような声。その声の主は城壁を登り切った時に確認できた。
「なんじゃ、風ではないか」
祭の言った通り、程cこと風が城壁の外。正確には、城壁の外に落ちるであろう流星を見つめていた。上げた視線を水平に戻し、後ろから近づいてくる一刀たちに振り返る。
「で、軍師がここにいる理由は?」
「それは勿論、決まっているだろう」
雪蓮の問いかけに風ではなく、別の人物が答える。
「げっ…冥琳」
「いつもいつも、随分な挨拶だな雪蓮」
周喩こと冥琳が一刀たちの右側にいた。
「軍師がいる理由は当然、様々な状況に対応するためだ。それに、得体の知れないモノでも突っ込もうとするかもしれないしな。誰とは言わないが」
皮肉を含めた言い方だが、誰もそれを否定できない。本人を除いてだが。
「ぶー、何よ人を猪みたいに」
ふくれっ面をしながら文句を言う雪蓮。
「誰も雪蓮とは言ってないわよ」
「くっ……」
だが見事、冥琳に嵌められたようだ。
「はっはっは、策殿も一本取られましたな」
豪快に笑う祭だが、冥琳の双眸が光る。
「祭殿も人の事は言えませんよ」
そう言って、祭の傍に寄った。その行動に、全員が何かあるのかと首をかしげていると。
スボッ!
冥琳の右手が祭の胸の谷間に突っ込まれた。突然の行動に全員驚いた。
「め、冥琳やめんか!」
慌てて祭が冥琳の手を取り出そうと手を伸ばそうとしたが、その前に冥琳の右手と共に出たモノは――――蓋のされた徳利。
「全く、緊急時にも酒とは……」
呆れたように溜息を吐く冥琳。それを見た全員も呆れていた。雪蓮は狡(ずる)いとばかりの視線を祭に送っていたが。
「こ、これは無事に何もなかった時のための祝い酒じゃ」
言い訳としては苦しかった。
「何でもかんでも祝いとこじつけて酒を飲もうとしないでください」
そう言いながら、冥琳はその徳利を自分の胸の谷間に押し込んだ。
「(俺は徳利になりたい)」
「(俺もだ)」
その場に居合わせた兵士は、そう思ったと言う。
「ではではー話を戻しますが。今回の流星、確かにお兄さんが舞い降りた時と似ていますが事例は一つしかありません」
風がそう言うのを皮切りに全員が耳を傾ける。そう、風の言う通り流星が落ちて来たのは北郷一刀の時…たった一度だけである。
「事例が一度しかない以上、今度も天の御遣いという保証はどこにもないのですよー」
風の言葉に全員が納得する。そんな中、風は一人もう一度流星を見上げる。流星は先程よりも大きく見えていた。昼間だと言うのに更に周りが明るくなっていく。
「しかし、それももうすぐ分かる事でしょう」
風がそう言った後、全員が流星を見上げる。一刻一刻と近づいて来る流星に全員が備える。そのまま、待つ事半刻。
「来たわよ」
雪蓮がそう言った時、流星が彼らのほぼ真上に来た。手を伸ばせば届きそうな錯覚を覚える。そのまま見立て通り、城壁の外へと流星は向かっていたのだが。
「……近いな」
冥琳が言った通り流星の堕ちる地点が思ったよりも近くになりそうだったのである。
「全員、念のためだ。伏せて置いた方が良いだろうな」
「美周朗殿の言う通りだな。全員伏せろ!」
冥琳がそう言った後、同意した星がいち早く命令する。城壁の兵はその言葉に合わせて、陰に隠れる。一刀たちも同様である。そして、全員が城壁に隠れたと同時に、流星が落ちた。少し、高周波な音と共に城壁の陰に隠れていても分かるほどの眩(まばゆ)い光が辺りを包みこむ。光が段々と収束していき、それ以外なにも起こらないのを確認した後に全員が陰から顔を出す。
「光っただけでなにも起こりませんね」
最初に凪がそう感想を漏らした。
「そのようだな。誰か何か見えるか!」
愛紗がそう聞いた後、あちこちから「何もありません!」「異常なし!」などの声が兵から上がる。その時に後ろから再び光が発せられる。祭が後ろを振り返ると流星が落ちたようだ。光の収縮の様子からして西門、東門の順番。
「こちらは特に異常はないが……一応、確認だけはしておくかの」
「伝令ならば、既に飛ばしましたよ〜」
祭の行動を読んでいたかのように、風が言う。それに感心するように祭は呟く。
「ほう。さすがは、魏の三軍師殿じゃ早いのう」
「いえいえ〜美周朗には敵いませんよー」
「何を言う、攻めに関してはそちらが秀でているではないか」
「さあ?どうでしょうかね〜」
冥琳の一言に風は悪戯っぽく笑みを浮かべる。その直後に伝令らしき兵が西から走ってくる。
「諸葛亮さまより伝令!こちら西門は異常はないとのこと、流星の落下地点を見ても何もない様子。これより調査に向かうとのこと」
「そうですか〜」
風が対応していると今度は東より伝令らしき兵が走ってくる。
「郭嘉さまより伝令!東門異常なし!これより落下地点の調査に向かいます」
「そうか」
西の伝令に風が対応している代わりに冥琳が対応する。
「南門も異常なしと伝えてくれ。それと、こちらも調査に向かうとな」
「はっ!」
そう言って、伝令は再び来た道を走って行く。冥琳は踵を返すと、伝令の兵士の足音を背にしながら話す。
「開門の準備だ。これより、我々も調査に―――」
冥琳が指示を出そうとしたその時。
「城に流星が落ちるぞーーーー!!」
「なにッ?!」
兵士の一人がそう叫んだ。愛紗が一番に城に振り返ると、次々と将や兵士が城の方を振り向く。流星はすでに城の真上。ただ、見ているしかなかった。そして、先程と同じように眩い光が城を包み収縮していく。おそらく無事ではあろうが一刀は心配だった。
「………」
「心配か?主」
そんな、一刀の気持ちを察してか星が尋ねる。
「まあ……心配してないって言うと嘘になるけど、半分は大丈夫だと思う」
根拠としては、先程の門にいた全員に異常がないと言うこと。ただ、城に直撃しているので落下地点が少し離れていた門とは違うのが気がかりであった。そんな一刀の心配ごととは別に何かが街から――いや、正確には城の方から街を通って城壁に向かう馬がいる。それに気付いた星は。
「多分、主の心配は無用だと思いますぞ」
そう言った。一刀が意味を問う前に一人の兵が城壁に駆け上がってくる。
「伝令!城の者は無事です。このまま調査を決行せよとのことです」
それを聞いた一刀は胸を撫で下ろすと。
「「よかった」」
愛紗と共にそう言った。
「言ったでしょう。主、それに愛紗も」
星はそう言って一刀達に微笑みかけた。
「そうだな、星の言うとおりだったよ。よし!愛紗、星、それじゃあ調査に向かおう」
「「御意」」
心配事が無くなったため一刀は、気合を入れて城門に向かう。
「遅かったわね」
城門は既に開かれ、雪蓮は馬に跨り準備万端とばかりに待っていた。
「雪蓮殿、少しは城の者を心配したらどうだ」
呆れ顔で愛紗は雪蓮にそう言う。
「あら、門にいた全員が無事だったんだから多分大丈夫でしょう。それに、城には恋がいるし華琳に雛里だっているんだから何かあっても対処できるわよ」
「むぅ、確かにそうだが」
雪蓮の言う事も尤もだが、愛紗としてはもう少し気遣いをと思っていた。そんなことはお構いなしに雪蓮は少しウキウキした顔で城門の外に目を向けた。
「さて、今度はどんな天の御遣いかしらねえ」
「雪蓮。先程、風が言った通りまだそうと決まった訳じゃないだろう」
「もしも天の御遣いだったらとしたらよ」
冥琳が訂正を入れるも、雪蓮は子供のように楽しそうな顔をしていた。将全員が馬に跨ったところで出発の合図の銅鑼がなり、愛紗が号令をかける。
「これより、流星の調査に向かう!不明な点が多いため気を引き締めて行くぞ!」
『おう!』
勇ましい兵の声と共に、城門を出る。数は、数百人程度であるがそれなりの精鋭である。調査するには多い数だが、不明な点が多いため用心するにこした事はない。
「落ちた場所は城門よりそんなに離れてないと思うのですが」
城門から出た後、少し散開して落下地点に向かいながら凪は言った。
「そうじゃな。しかし、遠くないなら城壁から見えんかったと言うのもおかしな話じゃ」
祭がそう指摘する。もし、雪蓮の言う通り天の御遣い、ないし人であれば城壁から人影くらいは見えるであろう。
それから、暫く落下地点あたりに差し掛かり特に何かないかを探していると。
「……あれは?」
愛紗が何かを発見する。
「何かあったか、愛紗?」
「はい、ご主人様。あちらに、白い何かが……」
一刀が愛紗の指さす方を見ると、微かだが何もない平野の中に白く揺らめく何かがあった。
「本当だ……愛紗、星と合流して先に行っててくれ。俺は、他の将を呼んでくる」
「分かりました。行くぞ、皆の者!」
馬の嘶きが響いたかと思うと趙の旗を目指して、愛紗を先頭に数十名の兵が追従していく。対する一刀は反転して、他の将の旗を目指して走る。
しばらくして、全員が集まり。今現在は、そこに確かにある白いモノを全員が目の前にしている状態。白いモノは、三次元でありながら景色を切り取ったようにそこに存在しており、ユラユラと揺らめいている。大きさは人一人ほどあるが、流星のように光り輝いている訳でもなく景色に少々同化しているため城壁からでは、確認しづらいであろう。後ろを振り返れば城壁がまだ大きく見えるため、そんなに遠くに落ちた訳ではないようだった。
「本当に不思議ねえ……どうなってるのか、突っついてみて良い?」
「良くないだろう…藪を突いて蛇以上の物が出たらどうするんだ?」
突拍子もない事を言い出す雪蓮を冥琳が咎める。周りはまたしても呆れたような顔。
「そんなの私が、切り捨ててあげればいい話じゃない」
髪を靡(なび)かせながら、涼しい顔で物騒なことを言う。
「しかし、物の怪や幽霊などの類いが出れば。どうするのだ?」
「ゆ、幽霊はさすがにないだろ……星」
少し吃(ども)り、星の発言に怯えた節さえ見られる愛紗がそう言う。
「いや、愛紗よ…こんなに不可思議な現象が起きておるのだ。妖術の類いでなければ、悪霊などの仕業としか思うしかあるまい」
「そ……そうか」
星の言葉に、愛者は更に尻込みをする。
「なんじゃ?天下の関雲長は悪霊や幽霊の類いが苦手か?」
その様子に悪戯っぽい笑みを浮かべながら、祭は冗談めかした風に言う。
「祭殿、何を言われるか。私は天下の関雲長!敵とあらば例え、悪霊や魑魅魍魎でもわが青竜刀で切って見せよう!」
胸と声を張り上げ愛紗は豪語する。そんな中、星は笑いながら。
「愛紗よ、得物が少し震えているぞ?」
「星、貴様……先程からあることないこと言いながら、私をからかっているだろう!?」
「心外だな。事実と推測をお主が勝手に勘違いしておるだけだろう?」
「ええいッ!!ああ言えば―――」
「こう言われても仕方なかろう」
そこで、愛紗の堪忍袋の緒が切れた。額に青筋を立てながら星に斬りかかる。が、対する星は笑いながら軽く往なして逃げる。次に、愛紗の大振りを躱した後に大きく距離をとった。
「待たんかッ!!」
得物を構え直し、再度突撃。
「待つ訳がないだろう」
そして、最小限の動きで躱わされる。
「(これが、日常茶飯事…慣れていることを自覚するたびにつくづく自分が怖くなるな)」
一刀は心の中でそう思った。
「まあ、お二人は放って置きましょう」
「風、何かあったかい?」
一刀は先程この場に来た後すぐさま席を外し、戻ってきたであろう風に尋ねる。
「ええ、放った伝令が帰ってきたので報告をと思いましてー」
「頼むよ」
「はい。西門付近、東門付近、そして城内の庭にて、ここと同じような白いモノを発見したとのことです」
その報告を一刀の隣で聞いていた冥琳は、顎に手を当てて考え出す。
「……確か流星は、5つだっただろう?報告を聞く限りでは、4つしか確認できていないようだが」
「はいー。5つ目は、どうやら見当違いの方向に飛んで行ったようです」
思い出したように言う冥琳に綽々(しゃくしゃく)と風は答える。
「てっきり、私は配置的に北門に落ちたのかと思ったのですが……風さまはどう考えますか?」
凪の質問に風は。
「……ぐぅ〜…」
「寝るなっ!!」
「おぉ!答えにくい質問の上に、お兄さんが突っ込んでくれるかと思っていましたが、まさか、星ちゃんと戯れていた愛紗さんに突っ込まれるとは…。さすがの風も予想外です」
「好きで戯れていた訳ではない!」
「まあ、それはさて置きましてー」
「置いておくな!」
「しかし、星ちゃんと愛紗さんとの戯れをここで議論しておいても仕方がないと風は思うのですが」
「……むぅ」
さすがは軍師と言ったところかあっさりと愛紗が言いくるめられる。
「凪ちゃんの言う通り、東門、南門、西門、そして城に流星が落ちた訳ですが。北門には落ちませんでした。そもそも、落ちる場所がこの都周辺と言うのも、おかしな話なのです」
まるで狙ったように突然落ちてくる流星。ただの流星にしては何かが引っ掛かると、風は考えていた。
冥琳も風の言わんとしている事に感づいて、同意の言葉を出す。
「確かにな……」
「どういうことだ?」
一部の者は何となくだが分かり。愛紗含む、一部の者が疑問顔を浮かべる。
「流星は城に直撃し、伝令の詳しい報告では各門からもそんなに離れていない位置に落下……」
冥琳は、皆に聞こえるように呟く。
「まるで、ここらへんに落ちるのが決まってたみたいね」
冗談めかして言う雪蓮だが、軍師二人は少し険しい顔をした。その変化を読み取ってか、雪蓮はまたしても冗談めかしながら。
「あら、二人の考えてることに当たってたかしら?勘で言ったんだけど」
「何を考えてるかと思いきや、本当におかしな話じゃな」
オブラートをあまり包まず、率直な意見を言う祭。
「神だの何だの言うつもりはありませんが……しかし、あまりに位置が出来過ぎている」
冥琳の言葉に何やら重々しい空気が流れる。しかし、凪がそれを破る。
「もしかして、この流星は意図的に落とされたと。そう言う事なのですか?」
「あまりに馬鹿げた仮定ではあるがな」
そんな風に考えていた冥琳自身でさえ、呆れて息を漏らす。
そのやりとりを見ていた、蒼の場所では。
「やっぱり、軍師はすごいですね」
独りうんうんと、感心していた。
「ところで、流星の一つはどこにやったんですかにゃ?」
先程からずっと、狭乃 征の頭の上にいるうたまるが尋ねてくる。
「医者王のところですけど……一つ問題が」
「………オマケも連れて行くのかにゃ…」
察したように呟きうたまるの尻尾がげんなりする。
「まあ、致し方がないですがね……」
そう言って、蒼が揺らめく景色に目を向けるとちょうど、華佗の元に流星が落ちた様子が映る。そして、華佗の後ろに見える巨漢。卑弥呼と貂蝉が目に入る。そして、一息。
「どうかしたかにゃ?」
「いえ、なんでも萎え…」
「にゃんだ?今のは噛んだのか」
「いえ、なんでもありませんよ」
「ふぃー、終わった」
蒼とうたまるがやり取りしていると、狭乃 征がうたまるを落とさないよう器用に背伸びをする。
「牙狼sayに戻ったようですね」
「まあね、どっちか統一してくれると嬉しいけど」
「そうですね。自分もそろそろ、一段落しますよ」
そう言って蒼は意識を景色の中へ向けようとする。
「お?いよいよ現代入りか」
『もう喋ってよいのか』
「余計な事言わなかったらな」
狭乃 征と牙がそう言った瞬間。
「おー、始まってる始まってる」
「おやジョージさん、飲み会の方お疲れさまです」
「ジョージさん凄いですね。なんか俺のは、生々しく感じられましたよ」
「俺も飲み会、参加したかったな」
「もう、過ぎた事は言わないの。また、機会があるかもしれないじゃない」
台詞の順番からジョージ、戦国、関平、砂のお城、ほわちゃーなマリアが突然現れる。
「皆さん、来てくれたんですね」
景色の方に向けかけた意識を戻し、全員の方に振り返る。
「まあな…始まりくらい見届けるだろ」
ジョージがそう言うと、全員が頷く。
「なんか、恥ずかしいですね」
「人に見て貰うのが、クリエイターだしな。今更、恥ずかしがってもしょうがない」
蒼は少々はにかみながら、戦国の言葉を受け止める。
「あっちもこっちも全員揃ってしまったなあ……人前に立つと、緊張するんですけど。少し、エンターテイナーっぽくやって見ましょうか」
えー、と言いながら深呼吸。一度下を向いては再び正面を見据えて、目を大きく開く。
「それでは、新たな外史の幕開けです!」
そう言って、蒼はパン!と言う音を立てて両手を胸のあたりに合わせる。
「兵を何人か置いて監視することに――――」
冥琳がそう言いながら白いモノの対策の指揮を執っている中、白いモノに変化が起きる。弱いが突然輝き始めたのである。背後からの光に冥琳はいち早く振り向く。
「なんだ?……」
段々と光は強くなっていき、周りの兵たちもざわめき始める。その騒々しさに気付いてか、将たちが集まってくる。
「なにかあったの!?これは……」
雪蓮も唖然としていた。
「これはちょっと、嫌な予感がしますねー。兵の避難をさせましょう」
「風の言う通りだ。愛紗、祭さん、凪、星、今すぐに指揮を執ってくれないか」
風の意見に同意すると、一刀が言う。
「分かりました、ご主人様。星、祭殿、凪!」
「「「おう!」」」
4人が駆けだした、次の瞬間だった。
ヒュオオオオオオ!!
そんな音を立てながら、光がより一層強くなり始め球状に広がっていく。この時、西門、東門、城でも同じ事が起きていた事は誰も知らない。
「(これは、呑み込まれる!)」
一刀がそう思った時には、もう既に光に呑まれていた。
「くっ!うわああああああああああああ!」
外史の幕が上がる。
「それでは、お楽しみください。この外史(ものがたり)を」
蒼は最後にそう言った。
〜あとがき〜
果たしてこんな展開でよいのだろうかと思いつつも楽しんでいる作者です。
意外と時間がかかったなあ……。まさか、状況描写をしていたらこんなになるとは思わなかった。
もうちょっと、軽めでも良かったかな。
まあそこらへんは、試行錯誤ですが……。それとまだまだ、この小説への参加は受け付けておりますよ。
それと、新たに参加してくれた以下七名に感謝します。彼らが、出てくるのは次回以降となりますので本人共々、ご了承下さい。
サラダさん
プーすけ6さん
森羅さん
甘露さん
護衛さん
へたれ雷電さん
スターダストさん
それでは、また次回!!
説明 | ||
なんか、ごちゃごちゃしてますが。きっと大丈夫。 それと、店主が良い人過ぎて……まあ、正体はあれなんですけどね。 キャラが多いと、満遍なく台詞を入れないと空気になってしまうのが難しいところ。 それと、少しラウンジの内容をネタにしていたりしますのでご了承を。 |
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総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
2279 | 1956 | 12 |
コメント | ||
スターダストさん>クリエイター側ですよ。傍観者みたいなもんだと思って下さい。それと、誤字ありがとうございます。(青二 葵) 6p[御遣いないし]? 7p[交わされる] え〜と・・・僕たちはクリエイター側で登場ですか?それとも物語のキャラとしての登場ですか?・・・すいませんアホな質問かもしれませんがorz(スターダスト) 牙狼sayさん>うたまるさん効果は絶大なようでwwww今後も大体はセットになる予定です。(青二 葵) ジョージさん>なるべく早く更新します。(青二 葵) ほわちゃーなマリアさん>どうぞ、心行くまでお楽しみください。カオスと共にww(青二 葵) おいら随分目立ってんな〜w しかし名前の統一か〜。考えてはいるんだけど、ま、続きを楽しみにしながら考えますかwにょほ〜^^。(狭乃 狼) 心待ちにさせていただきましょう。(峠崎丈二) さてさて、ついに物語が始まるわけですがどんな物語になるか楽しみですね。(ほわちゃーなマリア) 補足・出番の少ない方ゴメンナサイ。(青二 葵) |
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