Loss Of MemoryA
[全1ページ]

次の日、彼女は大量の荷物を持ってきた。

『さあ!思いだそう!!』

「えっ」

『まず、あなたの名前は、サトル。中島サトル』

「中島…サトル。」

これが俺の名前。

彼女が荷物の中から1冊のアルバムを出す。

「これは…?」

『これはね、サトルとあたしと他にも、

サトルと関わってきた沢山の人たちとの思い出。』

パラパラとページをめくる。

俺や彼女、ほかにもたくさんの人が映っているが、

どうにも思いだせない。

『…思い出せない?』

「…ああ。ごめん」

『大丈夫だよっまだ時間はいっぱいあるんだから!』

彼女は笑顔でアルバムをしまい、他の物を出す。

『これは、サトルが中学の時やってた野球のユニフォームとバット。』

思いだせない。

『これは、高校でやってたバスケのボール。

卒部のときに後輩とかみんなから寄せ書きが書いてあるね』

思いだせない。

『じゃあこれは?』

そう言って、荷物からある小さな箱を取り出す。

ヒラ…

(ん?)

1枚の写真が足元に落ちた。

手に取り、

『どうしたの?』

見てみる。

そこには、

大きな桜の木と、そのとなりに洋風の建物が映っていた。

(あれ、この風景どこかで…)

そう思った瞬間、

「…っ!!!!」

頭に激痛が走る。

「ぐぁあっうぐ…」

頭を押さえ、その場に倒れこむ。

『どうしたの!?ちょっ大丈夫!?』

慌てて彼女が医者を呼びに病室を出て行った。

「うぐっぅぁああああ!!!」

(あの風景はなんだ?俺はどこで…)

朦朧とする意識の中で見たのは、

駆け寄ってくる医者と、心配そうな表情の彼女。

そして、後ろにいる看護婦の笑顔だった。

(なんで笑って…)

・・・・プツン・・・・

そこで意識が途絶えた。

説明
記憶喪失の主人公が彼女と一緒に
記憶を取り戻す奮闘物語です!!
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
345 341 1
タグ
記憶喪失

紅やまさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com