真・恋姫†無双〜二人の王佐〜番外編:お兄様(一刀)に愛を込めて? その一〜前編〜 |
注意!作者は三国志に詳しくありません。主な知識は恋姫からです。
ちなみにこの作品にはオリキャラを何人か出そうと思っています。
そしてキャラの仕官時期が違ったり所属が違ったりするかもしれません。(そのあたりはまだ未定です。)
あと一刀にオリジナル設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。
それと一刀には前世の記憶がありません。
今回萌将伝のあるシナリオの一部を参考にしてみました。
ですが一度読んでみてください!それで「おもしろい」と思ってさらに読み続けていただけたらうれしいです。
<王佐の才>
『帝王を補佐するにふさわしい才能、又はそれを持つ者のこと言う。(辞書引用)』
これは、平和な世を作ろうと乱世を駆け抜けた双子の男女の物語である。
みんなで買い物に行った日の翌日の放課後、
「さてと、それじゃあ帰ろうか」
「えぇ」
「そうですわね」
「……」
「桂花?」
「えっ?…あっ!お兄様!?」
「帰るよ桂花」
「あっ、すみませんお兄様、私少し寄る所があるので先に帰ります!」
そう言って桂花は荷物を持って先に帰ってしまった。
「桂花のヤツあんなに慌てて一体どうしたんだ?」
「何か用事でもあるんでしょ、だから心配しなくても大丈夫よ。それより一刀!」
「なんだ華琳?」
「寮に帰る前に少しどこかに寄っていかないかしら?」
「う〜ん、昨日出掛けたから今日は真っ直ぐ帰ろうかなと思っていたんだけど…」
「そう、それじゃあせめて私の部屋に来ないかしら?お茶でもご馳走するわ」
「うん、それならいいかな。それじゃあお邪魔させてもらうよ」
「それならわたくしも行きますわよ華琳さん!」
「あら、今日も私達と一緒で大丈夫なの?」
「うっ!?」
「袁家の次期当主様はやることが沢山あるんじゃないのかしら?」
「そ、それは……」
「サボるのはよくないわよねぇ〜麗羽?」
「きぃぃぃぃぃ〜!!わかりましたわよ!!今日は退きますが次回は参加いたしますからね!!」
捨て台詞を残し麗羽も教室を出て行った。
「さて、これで邪魔者はいなくなったから行きましょう一刀!」
「ああ(そういえば一体桂花の用事って何なのだろう?)」
やはり兄として妹の桂花のことが心配な一刀であったが華琳に促され教室を出て夕餉の時間まで華琳と色々なことを話した。
一方そんなことになっているとは露知らずの桂花はある目的の為一人で街に来ていた。本当は一刀と華琳が一緒にいるのは心配だったが(麗羽はまだ脅威と思っていないので心配なし)二人に特に華琳には知られたくなかった為、仕方なく一人で来ていたのだった。そんな桂花が来たのは昨日一刀達と一緒に来た本屋だった。
「へいらっしゃい!!」
入り口近くで本の整理をしていた店主に軽く会釈してから桂花は他の本には脇目も振らずある棚へと向かい目的の本を手にとった。
『阿蘇阿蘇特別号』
それは今流行りの物やお店などを紹介する女の子達にとって聖書(バイブル)のような本だった。実はこの本、昨日みんなで買い物に来たとき読んでいたものだった。普通にその時買えばよかったのだが兄の一刀に前で買うのが恥ずかしかったのと麗羽の駄々が始まってしまったので買えなかったので今日買おうと思っていたのだった。そして桂花はぺらぺらとページめくっていき、ある場所でめくる手を止めた。
『☆恋する乙女特集?気になる彼を振り向かせる五つの方法♪』
なんとそこには男性を落とすのに大切なことが沢山書いてあった。
「ふふふふっ……これさえ…これさえあればお兄様とずっと一緒にいられる!!あの華琳や麗羽、それに他の娘なんかにお兄様を渡さなくて済むわ!!ふふふふふふふふふ……」
「(今来たあの子、本を手に取ったらいきなり笑い出して大丈夫か?)」
「はっ!?」
店主の視線に気付いた桂花は直ぐに正気に戻り顔を赤くしながらもこの本を買うために店主の所に持っていった。
「こほん!すみませんこれください」
こうして目的の本を買った桂花だったがそのまま寮には戻らず茶店に入った。
「いらっしゃいませ!」
「すみません、胡麻団子一つとお茶一つ」
「かしこまりました」
注文し頼んだお菓子がくると桂花は袋から本を取り出し読み始めた。知っての通り兄の一刀とは部屋が一緒なので帰って部屋で読むわけにはいかない為、この茶店で読むことにしたのだった。
「え〜っと、なになに…『気になる彼を振り向かせる五つの方法その一、男は胃袋から攻めよ!!気になる彼との距離を縮める第一歩は料理!美味しい手料理を振舞ってあげて気を引こう!!』……こ、これよ!!これなら最近知り合った華琳や麗羽なんかよりも生まれてからずっと一緒にいる私のほうがお兄様の好みに詳しいから有利だわ!!さてとこうしてはいられないわ、まずはもう一度本屋に行って料理の本を買わな……いえそんな市販の本なんか読むよりもっと良い方法があるじゃないの!そうと決まったらまずは連絡よ!!」
そして桂花は少し冷めた胡麻団子とお茶を凄い速さで平らげた後すぐに帰ってある人物に手紙を書くために足早に寮へと戻っていった。
数日後、桂花の手には一冊の分厚い本があった。
「ふふふふふふふっ、これさえあれば怖いものはないわ!!かあさまから頂いたこの本があれば私でもすぐに料理上手になってお兄様に喜んでもらえるわ!!」
実は桂花が手紙を贈ったのは母凛花だった。母に『料理がしたいです!』みたいな事を手紙に書いたら母からこの本が送られてきたのだ。実はこの本には凛花の料理の調理法が記されていた。もともと凛花は我が子が料理に興味が出たら渡そうと思い以前から書きしたためていたらしく二つ返事で送ってくれたのだった。
「さてと、まずは最初はなにを作ろうかしら?ってやっぱり最初はお兄様の大好物の干燒蝦仁(読み、かんしゃおしゃーれん。意味、海老チリのこと)よね♪」
そうつぶやきながら寮の厨房の使用許可を取りに管理人室に行くと、
「そろそろ来る頃だと思ってたわよ荀ケちゃん!」
既に寮母さんが待ち構えていた。
「ど、どうして来るのがわかったのですか!?」
「その理由はこの手紙を読めばわかるわ」
そう言って手紙を桂花に手渡した。桂花が渡された手紙にはこう書かれていた。
『愛する桂花ちゃんへ
桂花ちゃんにあの本を渡したけど一人料理をするのはやっぱり親として心配なので寮母さんに桂花ちゃんに指導してもらえるよう頼んでおきました。なので寮母さんの言うことを良く聞いて怪我のないよう気をつけて料理してね!それとこっちに帰って来た時に桂花ちゃんの作った料理を食べるの楽しみにしています。
母 凛花より』
「そういうことだからよろしくね荀ケちゃん!」
「あ、はいご指導よろしくお願いします寮母さん!!」
「もう〜荀ケちゃんったら!これから師弟のような関係になるんだから寮母さんじゃなくて霜佳(そうか)って呼んでちょうだい!」
「あ、はい!霜佳さん!!私もこれからは桂花って呼んでください!」
「わかったわ桂花ちゃん。さてとそれじゃあ今日はまずは炒飯の作り方を教えてあげるわね!!」
「えっ!?でも今日は干燒蝦仁を作ろうと思ったんですけど……」
「そうなの?それにしてもいきなり干燒蝦仁ね…あれは初心者には少し難しいからもう少し後に挑戦しましょうか」
「で、でも!!」
「まずは基本をしっかりやらないと怪我をするし…美味しいって言ってもらえるものはできないわよ?」
「うっ!わ、わかりました」
「よろしい!!それじゃあ始めましょうか!」
こうして桂花の料理修業が始まったのだった。
「(待ってて下さいお兄様!!お兄様に美味しいって言ってもらえるよう頑張りますから!!)」
「それじゃあ料理をする前にまずは心構えを教えるわね!」
「心構え、ですか?え〜と、それはどういったものなんですか霜佳さん?」
「な〜に簡単よ♪それはね…“愛”よ!!」
「あ、愛ですか?」
「そう、“愛”よ!あの人に食べてもらいたい!あの人の喜ぶ顔が見たい!その感情が料理を何倍も美味しくさせるのよ!確かにお店の料理は美味しいわ!でも愛を込めた料理はね、それをも超えることができるのよ!!」
「そ、そうなんですか!?」
「そうよ!だから貴女も料理を作る時は食べてもらいたい人を思い浮かべて作るのよ♪」
「はい!!」
「ふふ、良い返事ね!それじゃあ料理を始めるわね。まずは炒飯用の野菜を切りましょうか!桂花ちゃんやってみて!!」
「はい!!え〜と(ふるふるふる)」
「ちょっと!!桂花ちゃん!?そんな握り方だと危ないわ!まず初めに大切なのは姿勢よ!まな板に向かうときは身体と調理台から握りこぶし一つ分くらい離して立つの。やってみて!」
「はい!」
「…そう、良いわね。そして右足をこころもち後ろに引く」
「こんな感じですか?」
「ええ、いいわ!あと腰も少し引いて上体を安定させるために力を入れるの」
「え〜と…」
「緊張しなくても大丈夫よ桂花ちゃん。肩の力は抜いて包丁を持つ手も軽く握る感じにすればいいの」
「難しいです」
「大丈夫、簡単よ。あとは手を切らないよう左手は手のひらと指先を丸めて葱を押さえ、包丁を手前に引くようにして葱を切るの」
「はい、頑張ります!!」
トン、トン、トン、トン、トン……
「切れました!!」
「どれどれ……うん、大きさが不揃いだけど初めてにしては上出来ね!」
「ありがとうございます!!」
「これで満足しては駄目よ?食材の大きさが不揃いだと火の通り方が違ってくるから本当に美味しい物を作りたいのなら同じ大きさで切れるよう練習あるのみよ!」
「はい!!」
「良い返事ね。それじゃあ次は他の具材の下ごしらえをしましょう!まずは冷や飯に卵をといて混ぜておきましょう。そうすれば炒めた時ご飯がパラパラになって美味しくできるのよ」
「はいっ!!…………できました!!」
「次は魚介ね!これは口で言ってもわからないだろうから一緒にやりましょう」
「わかりました!!」
・
・
・
・
・
・
・
「こんなところね。それじゃあここまでが下ごしらえよ!この段階で料理の味の大半が決まると言っても過言ではないから手を抜かないように!!」
「心得ました!!」
「次はついに炒めの工程に入るわよ!普通炒めるのに使うのはこういう鉄鍋だけど私がいつも使っているものは多分重すぎて振れないと思うからこっちの小さい方を使いましょう!」
「でも…」
「大丈夫よ桂花ちゃん。少し大きさが違うだけで大した違いはないから、ね?」
「……わかりました」
「それじゃあ火に気をつけてこの鉄鍋を竈(かまど)の上に乗せて少量の水がすぐに蒸発するまで熱するの。それと炒飯に一番大切なのは火力よ!覚えておきなさい!!」
「はい!!ええっと、よいしょっ…!!」
すでに竈の中で炎がメラメラと燃えていたので気をつけながら桂花は鉄鍋を竈の上に乗せ熱した。
「霜佳さん!水が蒸発するまで熱しました!!」
「上出来ね。それじゃあ油を多めに入れて具を炒めるわよ!まずは火の通りにくい根菜からよ!!それと“愛”を忘れずにね♪」
「はいっ!!」
ジュ〜〜〜〜〜〜!
「疲れるけど手を止めては駄目よ!具材に均等に火が通らないからね!それと根菜の火の通り具合は色を見るの!根菜の色が濃くなるまで炒めるのよ!」
「はいっ!!しっかりと見極めます!!(お兄様?!)」」
桂花は汗だくになりながら一生懸命鍋を振り続けた。愛しい兄に自分で作った料理を食べてもらうために。
「良い色になったわね。火が通った証拠よ。それじゃあ次の工程よ!次はお肉や魚介を入れてサッと炒める!」
「はい!!(お兄様??!)」
ジュジュ〜〜〜〜〜〜!!
「火が通ったみたいね。お肉や魚介は色やテカリ具合で判断するのよ!」
「はい!!」
「それじゃあ次はいよいよご飯を投入よ!ここからは時間との勝負よ!焦げないよう、だけど強火でご飯を熱していくのよ!!」
「はいっ!!それじゃあご飯投入します!!(お兄様???!)」
ジュジュジュ〜〜〜〜〜〜〜
「ここからはひたすら鍋を振って炒めるのよ!!」
「はいっ!!…えいっ!!えいっ!!えいっ!!(お兄様????!)」
「そうそう良い感じよ!ご飯がパラパラになってきたらここでお塩を入れて味付けよ!」
「え〜とお塩、お塩…」
「砂糖と間違えちゃ駄目よ?お塩はサラサラしている方よ?」
「は、はいっ!!(あ、危なかったわ!もう少しでお砂糖を入れるところだったわね!)」
「塩を入れたらあとは軽く炒めて味を馴染ませたらお皿に盛り付ければ完成よ!!」
「はいっ!!(お兄様!????????)………………できました!!」
桂花の手に持つお皿には不揃いながらもしっかりと炒められた野菜と良い色のお肉と魚介の入った炒飯が盛られていた。
「それじゃあ味を見てみましょう。あむ………むぐむぐむぐ……うん、美味しいわ!!」
「本当ですか!!」
「ええ、桂花ちゃんも食べてみなさい」
「それじゃあ、あむ……むぐむぐむぐ…あっ、美味しいです!」
「でしょう?」
「はい!!」
「それじゃあ今度は一人で作ってみなさい」
「わかりました、頑張ります!!」
このあと桂花は霜佳の手を借りず炒飯を二回作り、二回共美味しく作ることができたので見事炒飯は合格をもらえたのだっだ。
寮母さんもとい霜佳さんから料理をならって一ヶ月、最初は包丁すらまともに持つことができない素人だった桂花だったが今は母から頂いた本があれば一通りの料理なら作れるくらい上達した。なので今日、ついに一刀に料理を食べてもらうことにしたのだった。
「え〜っと、ここはこうして……よしできた!次はこれを浸けて…」
桂花は兄に食べてもらう料理の下ごしらえをしていた。師匠である霜佳さんに言われた通り一つ一つ丁寧に作業をし、兄の一刀が来るのを今か今かと待っていた。
「(ふふっ、早く来ないかな〜お兄様)」
「桂花、言われた通り来たぞ〜!」
「(来た!!)お待ちしてましたお兄様!ってなんであんた達がいるのよ!?」
桂花が一刀を出迎えようと厨房から顔を出すとそこには一刀の他に華琳と麗羽がいたのだった。
「あら?そこにいらっしゃるのは桂花さんではありませんか。わたくしはただ一刀さんが食堂に行くとおっしゃるのでついてきただけですわよ」
「私達がいると何か不都合でもあるのかしら?」
「当然よ、あんた達なんか呼んだ覚えはないんだからさっさと帰んなさいよ!!」
「なぁぁぁぁぁぁんですってぇぇぇぇぇ!?このわたくしに向かってそんなこと言うなんて無礼ですわよ!」
「何よ!呼ばれてもいないのに来たのはあんた達でしょ!!」
「まあまあ、桂花も麗花も落ち着いて」
「でも……」
「ですが……」
「それより桂花、僕に来て欲しいって事だけど……」
「あっ!そうでした!!実はですね…その……今日ここに来てもらったのは…え〜と……その〜」
「???」
「おおかた手料理を振舞おうとか考えていたのでしょう?」
「ばっ!?ちょ!?あ、あんた何勝手に人の言おうとしていることを先に言ってるのよ!!」
「勝手って、はぁ〜〜〜〜普通食堂に来てくれなんて言われたらそれ以外ないんじゃないかしら?」
「うっ、確かに……」
「そっか、桂花が手料理を作ってくれるんだ!それは予想できなかった!僕すっごい楽しみだよ♪」
「えっ!?一刀ったら全く気がつかなかったの?」
「うん、気付かなかったかな」
「そ、そう……ところで料理はいつごろ出てくるのかしら?」
「なっ!?今作っている料理はお兄様に食べてもらう為に作っているのであって、あんた達に食べさせるものなんてないわよ図々しい!!」
「桂花、そんなこと言わないでさ。せっかく桂花の手料理なんだから二人にも食べさせてあげてほしいんだけど…ダメかな?」
「うっ…………わかりました。お兄様のお優しい慈悲の心にに免じてしょうがないからあんた達も食べさせてあげるわ。ただし、初めに食べるのはお兄様よ!!」
一刀の残念そうな顔に負けた桂花は折れて華琳と麗羽も卓に着くのを許可したのだった。
「ふふっ、わかっているわよ。……それより私達だけ変なの食べさせたら承知しないわよ?ちゃんと一刀に毒見させるからね?」
「ちっ!」
「あなたの考えていることなんてお見通しよ。だからしっかりと作りなさいよ?」
「そんなの当たり前じゃない!!それじゃあお兄様!!もう少し待っていてくださいね!!」
そう言って桂花はまた厨房へと戻っていった。
そんなわけで、あれから約半刻後食卓の上には干燒蝦仁、炒飯、麻婆豆腐、青椒肉絲、湯、そして白米が並べられた。
「うわ〜〜〜美味しそう!!これ全部桂花が一人で作ったのか?」
「はい!頑張りました!!」
「そっか〜えらいぞ桂花!(なでなで)」
「えへへ〜〜」
一刀は妹の成長を喜び、
「や、やるじゃない……」
華琳は宿敵の料理の腕に少し焦りを覚え、
「ま、まぁ〜わたくしがいつも食べているものには劣りますが中々美味しそうですわね!お、おーっほっほっほ!!」
麗羽は見栄を張りつつも驚いていた。
「ささ、お兄様、温かいうちに召し上がってください!!」
「それじゃあいただきます!まずは僕の大好物の干燒蝦仁から…あむ……もぐもぐもぐ……」
「(ドキドキ)」
「……………うん!!すごく美味しいよ桂花」
「(ぱあ〜〜〜)」
「すごいじゃないか桂花!!いつの間にこんなに作れるようになったんだ?」
「はい♪実は寮母さんに教えてもらったんです」
「そっか、寮母さんの作る料理美味しいもんな!……でもあれ?どれもこれもいつも食べているのと少し違う気がする…なんだか懐かしいような……」
「それはですねお兄様、料理の技術を教えてもらったのは寮母さんなんですけど作り方はこれを見て作ったんです!!」
そう言って桂花は母からもらったあの本を取り出した。
「それは?」
「これはかあさまの料理の調理法が書いてある本です!」
「えっ!?かあさまの!!」
「はい、実はかあさまに料理をしたいと手紙を書いたらこの本を送ってくれたんです」
「なるほど、だから懐かしい味がしたのか!」
「はい!(あと私のお兄様への“愛”も入っています、きゃっ♪」
「そっか、ありがとな桂花」
「お兄様////」
「話しているところ悪いけどそろそろいいかしら?」
一刀と桂花が話していると横から声が掛かった。
「なによ!今良いところだったのに!」
「だからよ。それより一通り一刀が味見をしたから私達もそろそろ貴女の作った料理を食べたいのだけどいいかしら?」
「うるさいわね!わかったわよ。ただし、これはあくまでお兄様に食べてもらおうと思って作ったんだから少しは遠慮しなさいよ!!」
「はいはい。それじゃあ、いただこうかしら。はむ……むぐむぐむぐ……」
「おーっほっほっほ!それではわたくしが味を見て差し上げますわ!はむ……むぐむぐむぐ……」
「「!?」」
※ここから先の華琳と麗羽のやりとりは、ほんの一瞬の間の出来事となっています。
「「(美味しい!!)」」
「(悔しいけど凄く美味しいわね…)」
「(え、ええ、わたくしがいつも食べているものと変わらないくらい美味しいですわね…)」
「(そう…私はこんな美味しい料理久々に食べたわ…)」
「(わたくし一刀さんが過大評価しているものとばかり思っていましたわ…)」
「(私だってそうよ。一刀は妹には甘いからてっきり評価も甘いと思っていたわ。そしたら…)」
「(本当に美味しいんですものね)」
「(ええ)」
「(それでこれからどうするつもりですの?)」
「(どうって何がよ麗羽?)」
「(何がってこのあとのことですわよ。わたくし、桂花さんがそこそこの料理を作ると思っていたのでわたくしが今までの経験を生かして助言を言ってさしあげようと思っていたのですが…ああも美味しく作られては何も言えませんわ)」
「(まぁ、私も似たようなものよ。でもこのまま素直に美味しいって言うのも何だか負けた気になるのよね)」
「(珍しく意見が合いましたわね。それじゃあ華琳さんは何か良い案があるんですの?)」
「(一応あることはあるわ。でもそのためには並々ならぬ努力をしないといけないのだけど麗羽、貴女も一緒にやる?)」
「(ど、努力って何をするつもりですの?)」
「(もちろん決まっているじゃない。それは…………)」
「(…………!!)」
「(…………………………)」
「(…………)」
「(…………………………!!)」
「(…………………♪)」
「(…………)」
「(それでどうすのかしら?)」
「(………………………………わかりましたわよ!不本意ですが、本っっっ当に不本意ですがわたくしもその案乗りましたわ!)」
「(それなら…………)」
そうして華琳と麗羽が小声で話していると桂花が勝ち誇った顔で聞いてきた。
「それでお兄様お墨付きの私の料理味の方はどうかしら?」
「(話の続きは後でしましょう)………おいしいわね」」
「(わかりましたわ!) ……おいしいですわ」
「ふふ〜ん♪当然よお兄様のために一生懸命作った料理が不味いはずないじゃないの!!(お兄様への“愛”が詰まった料理が不味いはずないじゃない!!)」
「そう、それはよかったわね。それじゃあ私達用事があるの思い出したから先に失礼するわ。麗羽、行くわよ!」
「わたくしに命令しないで…ってちょっと!?お待ちなさい華琳さん!!」
そう言い残し華琳と麗羽は足早に食堂を出ていった。
「華琳も麗羽も一体どうしたんだろう?」
「ふふっ♪きっと私に恐れをなして逃げたんだわ!!」
「??それってどういう……」
「そ、それよりも折角の料理が冷めてしまいます!あの二人のことは置いておいて食べましょうお兄様!!」
「お、おう」
「それでですねお兄様これは………」
このあとも桂花は最愛の兄と仲良く食事を楽しむのであった。華琳と麗羽の席を立った本当の理由に気付かないまま……
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九話はただいま執筆中です。申し訳ありませんがもう少しお待ちください。 みんなで買い物に行った次の日、桂花はある目的の為昨日と同じ本屋を訪れていた。桂花の目的とは? 拙い文ですが最後までお楽しみください。 |
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恋する乙女はまさに怖い者なしですね。続きが気になります(ノエル) ZERO さん 相手は華琳ですからもちろん・・・・・・です!(syouki) シグシグ さん 恋をすれば不可能なんてなくなります!(syouki) 320iさん かもしれませんねぇ〜♪(syouki) 本当の理由とは何か後編が楽しみですね。(ZERO&ファルサ) etyudoさん 恋する乙女は日々成長し続けるんですよ♪(syouki) 桂花も恋する乙女ですね。萌将伝では三枚おろしもできなかったのにwww(シグシグ) 桂花もなんだか女子力がチートになっていってる?でも桂花が大好きですのでもっとやってほしいです!今後も頑張って続けてください♪(etyudo) |
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