アクセル全開!  真・恋姫†無双  後日談  激走! 爆走! 飛走! 愛と絆! Aパート
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とある正史。

そしてここ日本にある軍の施設である。

 

「よし、今日の訓練はここまで!」

『ありがとうございます! 北郷教導官!!』

 

訓練生達は北郷教導官と呼ぶ教導官に挨拶をし、格技室を出ていく。

 

「さてと、俺はもう少しやるとするか」

 

北郷教導官はその場で拳の連打や蹴りの連打を行い、空を切る。

北郷教導官。その人物の名前は北郷一刀。

この世界にかつて存在した軍の特殊部隊「ムーン・ロック」の切り込み隊長であった人物である。

そしてこの一刀はアクセルメモリとアクセルドライバーと呼ばれるもので仮面ライダーアクセルに変身することが出来るのである。

現在は新生「ムーン・ロック」の教導官として軍に残っている。

そしてこの一刀にはパートナーがいる。

 

「か〜ずと♪」

 

一人で鍛錬をしていた一刀の元に白衣を着た一人の女性がやって来る。

 

「美沙緒、どうしたんだ?」

「一刀がまだ鍛錬してるかなって思って…はい」

 

美沙緒と呼ばれた人物は飲み物を一刀に渡す。

 

「悪いな」

 

この女性は睦月美沙緒。この一刀のパートナーにして新生「ムーン・ロック」専属の医者であり、科学者である。

かつて美沙緒も「ムーン・ロック」の特殊行動部隊の人間として活動していたが、一刀とともにとあることに巻き込まれた後、一刀とともに前線を退いたのだ。

 

「うまいな、これ」

 

一刀が美沙緒がくれた飲み物を飲んで感想を言う。

 

「だってそれ一刀の好きなものを入れたりして作った、美沙緒特性のスポーツドリンクだよ♪」

「本当に、お前はおせっかいになったな」

「いいも〜ん、あたし達あと少しで夫婦になるんだも〜ん」

 

一刀と美沙緒は実は結婚式を控えており、美沙緒はいい奥さんになるための特訓として最近は一刀に尽くしているのだ。

 

「まあそうだな。……けど……」

 

一刀の顔が少し暗くなる。

 

「華琳達にも結婚式、出てほしかったな……」

 

華琳と言うのは外史と呼ばれる正史とは全く別の世界にいる曹操のことである。

その外史は三国志の武将のほとんどが女性と言うもので、またその女性達には真名と呼ばれるものがある。

真名とはその人間の誇り、生き様が詰まっている神聖な名前であり、その人物がが認めた相手、心を許した相手だけに呼ぶ事を許す、大切な名前である。

たとえ他者の真名を知っていても、その者が許さなければ呼んではいけない名前。何とも厄介なものである。

この一刀と美沙緒は2年前、「アルハイム」と呼ばれる組織との最後の戦いの中、アルハイムの最高幹部の一人『ヴァリュザ・ガード』とともに一つの外史に飛ばされ、そこで一刀と美沙緒は魏の曹操、ヴァリュザは蜀の劉備と付き、戦いの末、一刀達は大陸を統一、ヴァリュザも戦死。

そして最終決戦が終わったと同時に一刀と美沙緒はこの正史の世界へと戻ってき、事実上壊滅した「ムーン・ロック」の前線を退いた。

その理由は再び自分達がいた外史にいつでも行けるようにするためであった。

美沙緒は外史や平行世界に行ける装置「次元跳躍器」の開発を進め、理論だけは出来ているが完成にはまだまだほど遠かったのだが……。

 

「それがね……じゃじゃ〜ん!」

 

美沙緒が一つの手紙を取り出す。

 

「手紙?」

「文字を見てみれば分かるよ」

 

美沙緒が手紙を一刀に渡す。

 

「どれどれ……こいつは……昔の中国の字……名前が……曹操!?」

「うん、そうそう」

「洒落を言うなよ。これ、本物か?」

「正真正銘の本物だよ!」

 

一刀が手紙の内容を読んだ。

 

『一刀、美沙緒、元気にしてる? こっちは元気よ。あなた達がいなくなった後、私は国をよりよくしたわ。あなた達がいなくなったことを、悔しがるほどにね。

それと美沙緒から聞いたけど、あなた達、近いうちに夫婦の契りを結ぶそうね。

その祭りに参加できないのは少し残念だけど、私にはやらないといけないことがあるから仕方ないわね。

とにかく、一刀。美沙緒を泣かせるようなことをしたら承知しないわよ。  元気でね。       曹孟徳』

 

一刀は手紙をたたむ。

 

「本当に華琳の字だな……。いったいいつから手紙が送れるようになったんだ?」

「2ヶ月前からかな。あたしが装置をいじってたら突然目の前の空間に裂け目ができてね、もしかしてと思って手紙を送ったら帰ってきたんだよ。

最初の手紙はかなりの驚いたって内容だったかな。玉座の間で突然空間の裂け目が出てきて、手紙が出てきて騒動になったとかって書いてあったよ」

「その手紙、まだあるか?」

「もちろん♪ 後で見せるね」

「今、見に行くぞ!」

 

一刀は格技室を出ていく。

 

「あ、待ってよ、一刀〜」

 

二人は格技室を後にする。

その姿を物陰から見る謎の影。

 

「…………」

 

謎の影はすぐに姿を消すのであった。

 

 

 

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一刀達がいる軍施設近くにある軍御用達の喫茶店。ここは軍の人間だけでなく、一般の人間も出入り自由であり、一般人からも評判の店である。

 

「ふぅ〜ん、あの二人、結婚するんだ」

 

新聞を広げている黒髪の男がそうぼやく。

 

「ねえねえ、結婚って?」

 

その男の傍にいる黄緑色の長い髪をした少女が男に尋ねる。

 

「簡単に言うと愛しあう二人が一緒になるってことだ」

「愛か〜。じゃあ、愛ってな〜に?」

「そんなもん、俺が答えられると思うか?」

 

男が少女に質問し返す。

 

「う〜ん、無理かな?」

「その通り。俺も学んでる途中だからな。お前もこれから学べばいいさ」

「うん♪」

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翌日、一刀と美沙緒は長官に呼び出された。

 

「長官、どうしたんですか? 俺達を呼び出して…」

「実はお前達には先に伝えておきたいことがある」

「あたし達だけに伝えたいこと?」

「大まかなことは後で軍全体で発表されるが、その前にお前達には詳細を教えておきたい。

実は昨日の夜、軍が厳重保管していたメモリ強化アダプターが盗まれた」

「「え!?」」

 

二人は驚く。メモリは現在使用されているのは一刀の持つアクセルメモリと美沙緒が最近になって開発したトライアルメモリしかないはずなのだ。

 

「メモリは適合がないとダメだからって、俺のもの以外は全部廃棄されたんだよな?」

 

一刀が長官に尋ねる。

 

「ああ、俺もそう思っていた。だが、現実はそうではなかったようだ。

メモリは廃棄されていてもそのメモリの力を引き出せるメモリ強化アダプターは封印されていたようだ」

「でもメモリのメモリ強化アダプターってことはメモリがないと意味がないってことですよね?」

「と言うことは……」

「お前達以外にメモリを持っている人物が盗んだ…そう考えるのが妥当だろ。

あれは今、美沙緒も言ったことだがメモリがないと意味がないし、それ以外の使い道はない。たとえ解体したとしても何の価値もないだろう。

だが盗むということはメモリに精通してると言うことだ」

「それで俺達に取り返して来いって命令が来たのか?」

「いや、その逆だ。お前達が盗んだんじゃないのかとここ以外の軍全体が疑っているんだ」

「嘘!?」

「おいおい、マジかよ」

 

一刀は思わず手を頭に添える。

 

「悪いが本気だ。お前達が容疑者と言うのは一応非公開にしてくれるらしいがそれも時間の問題だ。

ここでは俺が言わなければ伝わることはまずないはずだ。ここは俺が可能な限り情報を抑えておく。

お前達はお前達のしたいことをしろ」

「と言うことは……」

「やっぱり取り返して来いってことかよ」

「結局はそうなるな。だが俺は命令はしない。行きたくないのなら行かなくていい。と言ってもこの話を聞いた以上、お前達は行くのだろ?」

「「当然!!」」

「息がピッタリだな」

 

長官が思わず笑う。

 

「それで犯人はどうやって盗んだの?」

「まずセキュリティデータをいじった跡があった。

そしてそのいじった場所は大体推測されてる。場所は東京の……」

「分かった。それじゃあ、行ってくるぜ!」

「待て! この施設での発表が終わってからにしろ!」

 

突っ走ろうとする一刀を静止させる長官。

それからすぐに長官から今回の事件が施設全体に伝わり、一刀と美沙緒は調査に出かけて行った。

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一刀と美沙緒はハッキング元の場所へと向かっていた。

 

「けど、本当におかしいよね。メモリのメモリ強化アダプターなんてあたし達以外が持っていても意味がないのに……」

「長官も言ってたろ。相手がメモリを隠し持ってる可能性があるって……。

まあもう一つの可能性とは相当なモノ好きってところだな」

「どういうモノ好きなのよ〜」

「そんなもん、分かるわけないだろ」

 

二人がハッキング元に行ってみると、そこはホテルであった。

 

「なんでホテル?」

「足がつきやすい場所からやるということは相当な素人だな。道端でやった方がまだいいくらいだ」

「ま、とにかくいこ」

 

二人はホテルに入る。

 

「いらっしゃいませ」

「軍特殊調査に任命された者だ」

 

一刀は長官からもらった特殊調査証をホテルの係員に見せる。

この調査証はかなりのもので、警察のように家宅捜索が可能であるだけでなく、警察の調査にも介入することが可能なものである。

 

「あの……どのようなご用件で?」

「昨日ここで軍に不正ハッキングがあった。場所はこのホテルの部屋だと思われる。だから該当する場所に泊まっていた人間を知りたい。

昨日このホテルに泊まった人間のリストを確認したい。念のため、すべてだ」

「分かりました」

 

係員は昨日ホテルで泊まった人間のリストを見せる。

 

「ええ〜と、ひとまずの該当者は……篝屋伴子(かがりやともこ)。名前からして女か」

「一応、軍の調査データにアクセスしてみるね」

「しかしこいつ一人ってのはまた怪しいな。誰かの策略ってことも……」

「出たよ、篝屋伴子。前科2犯だって」

 

美沙緒の持つ電子端末にその容疑者の写真が出てくる。

容疑者である篝屋伴子は一刀の言った通り女で、髪は長い茶髪に黒色の瞳に身長は155cmと割と小柄であった。

 

「前科持ちか。で、なんで前科なんだ?」

「万引きに窃盗。どれも盗み関係だよ」

「ふぅ〜ん」

「でも今回のように電子系を使った盗みはしたことないみたい」

「なんでまた突然……まあいいさ。そいつの現在地、分かるか?」

「ちょっと待ってね……。ここからそんなに遠くないね。北に約2kmのところにいるよ」

「そうか。そんじゃ行ってくる。美沙緒はここで待機していてくれ」

「え〜、あたしも行くよ〜」

 

一刀が一人で行こうとして美沙緒も付いて行くと渋る。

 

「念のためだ。何かあって二人一緒に巻き込まれると厄介だからな。何かっても対処できるためには分かれた方がいい。

なに、終わったらまた一緒だからいいだろ。それまでの辛抱だ」

「ぶーぶー」

 

そして一刀は一人でその伴子と呼ばれる女性の元へと向かった。

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一刀は伴子が現在いるとされる場所へと来た。

そこは普通の路地であった。

 

「普通に歩いているのか……」

 

一刀は普通に路地を歩く。

歩いて数分後、一刀は伴子を発見する。

 

「いたいた……うん?」

 

伴子は一人の人間に張り付いていた。

 

(張り付いているな。何してるんだ? ……ああ、そういうことか)

 

一刀は伴子が何をしたいのか分かる。

すると伴子はその張り付いていた人間のカバンから財布をスル。

 

「!」

 

一刀は伴子がスル瞬間に手を取る。

 

「な、何よ?」

「軍特殊調査部隊だ」

 

一刀が調査証を見せる。

 

「なっ!?」

「とりあえずあんたは後で軍の方に行ってくれ」

 

一刀がスラれた人間にそう言う。

 

「分かりました」

 

スラれた人間はひとまずその場を後にした。

 

「とりあえずお前を連行する。聞きたいことがある」

「くっ! 放しなさいよ! この軍人が!」

 

伴子が大声で叫ぶ。

 

「無駄だ。この証がある以上、今の俺は警察と同等、いやそれ以上だ。とにかく来てもらうぞ」

「くそ! これだから軍人は……」

 

一刀は伴子を連れて歩く。そしてあまり人気のないところに差し掛かると……。

 

「お前、軍人を毛嫌いしてるようだな」

 

一刀が伴子に尋ねる。

 

「そうよ! 軍人なんて所詮軍の犬よ!」

 

一刀は少し黙り込む。

 

「何か言ったらどうよ! 軍の犬!」

「否定しない!」

 

一刀が開き直る。

そんな時であった。

 

「え?」

「うん?」

 

覆面のようなものをした男達が数十人現れ、一刀達を囲む。

 

「なんだ手前ら」

「………」

 

男達は黙って一刀と伴子を攻撃してくる。

 

「うおっと!」

「きゃっ!」

 

一刀は伴子を引っ張ることで伴子に来る攻撃を回避させる。

 

「くそ、問答無用、口封じってところか」

 

一刀はアクセルドライバーを腰につける。

そしてアクセルメモリを手に持つ。

 

「変……身!」

 

一刀はアクセルメモリをアクセルドライバーに挿入する。

そしてドライバーの右グリップ部のパワースロットルを捻る。

 

「アクセル!」

 

一刀は仮面ライダーアクセルに変身する。

 

「何よその姿?」

「これが俺が持つ力だ」

 

一刀はエンジンブレードを取り出す。

 

「てゃっ!」

 

一刀はエンジンブレードを振り回し、襲ってきた男達を斬る。

すると男達は倒れると同時に消える。

 

「何? こいつら人間じゃないのか」

「何よ、これ……」

 

伴子は絶句する。

 

「そんなことより、放しなさいよ」

 

一刀はまだ伴子の手を握ったままであった。

 

「容疑者を簡単に逃がせる程、俺は甘くないぞ」

 

一刀は片手だけでありながらも襲ってくる謎の男達を次々に倒していく。

 

「これで全部か」

「やれやれ、あれだけ出したのに全然へばってないようだな」

 

そこに現れたのは異形の存在であった。

 

「今度は何よ……」

「あれは……ドーパントか」

 

一刀は知っている。かつて軍内部でメモリの実験が行われ、その実験の一つにメモリを直接人体に差し込むものを…。

その実験により、メモリを直差した人間は一刀の仮面ライダーとほぼ同等かメモリによってはそれ以上のものの力を手に入れた。

しかしその代償として次第に人間としての理性が少しずつだが、壊れていったり、欲望に駆られていったりと人それぞれ、症状が異なるものが出てきた。

そのため軍はすぐにメモリの開発を中止、一刀はドライバー持ちと言うことで特例で許され、美沙緒も一刀専属としてメモリ開発を許されたのだ。

その時にドライバーをつけて変身する者を仮面ライダー、直差して変身した者をドーパントと一刀のことを考慮してそのような名称を付けた。

 

「ドーパントと言うことは、俺と同じ軍人か」

「どうだろうな。それより私もその女に用があるのだが……」

「悪いが、先約ありだ。そいつは出来ない相談だな」

 

一刀は伴子を握っていた手を放す。

 

「言っておくが逃げても無駄だからな。仮に逃げたら追いかけてやるから覚悟しろ」

 

一刀がエンジンブレードを構える。

 

「手前……、資料で見たことあるな。確か……ハイコマンダードーパント」

「知っているとは光栄だな」

「だが、資料によるとそのハイコマンダードーパントの被験者は死亡し、メモリは破棄されていたはずだが……。その被験者が死んだところは俺も立ち会っていたから間違いないが……メモリはまだ保管されてたってところか。誰だメモリを破棄したって書いたやつは……後でそのことも報告書に書いておくか」

「辞世の句は出来たか?」

「それはお前が詠むものだ!」

 

一刀がハイコマンダードーパントに向かって突撃していく。

一刀はエンジンブレードをハイコマンダードーパントに向かって振り下ろす!

ハイコマンダードーパントは腕の固い部分で防ぐ。

 

「固いか」

「はっ!」

 

ハイコマンダードーパントの背中から何基かのミサイルを発射させる!

 

「何!? この至近距離でか」

 

ミサイルが一刀に全て命中する。

 

「くっ!」

 

一刀はハイコマンダードーパントから離れる。

 

「仕方ないな」

「もう一度喰らえ」

 

ハイコマンダードーパントは再びミサイルを発射させる。

 

「地斬疾空刀!」

「ジェット」

 

エンジンブレードのトリガーを引き、エンジンブレードの先から出たエネルギー弾が地面に留まり、大きくなった後、エネルギー弾はエネルギー刃となって地面を駆け、ハイコマンダードーパントを切り裂く。

その途中で迫りくるミサイルをいくつか落とす。

 

「ぬぅ!」

 

地斬疾空刀はハイコマンダードーパントを斬る。

しかしミサイル全てを撃ち落すことは出来ず、一刀もミサイルを食らう。

 

「くそ……!」

 

一刀の目の前には爆弾が飛んでくる。

 

「何?」

 

それは一刀の目の前で爆発する。

 

「ぐわっ!」

 

一刀が転がる。

 

「軍人さん?」

 

伴子が倒れる一刀を心配する。そんな中ハイコマンダードーパントが伴子の腕をつかむ。

 

「おい、女。貴様が盗んだメモリ強化アダプターはどうした?」

「強化……アダプター?」

「とぼけるな。昨日貴様が軍から盗み取ったものだ」

「昨日……」

 

伴子はそれを聞いて思い出す。

 

「あれはわけわからないから、上げたわよ!」

「上げた……」

「だと!」

 

一刀にハイコマンダードーパントは驚きの声を上げる。

 

「すぐに取り返せ!」

 

ハイコマンダードーパントは左手についている何かの起動装置から時計がついた爆弾を出し、それを伴子の腹部に付けた。

 

「時限爆弾だ。それは3時間後に爆発する。それまでに取り返して来い」

「そんなことさせるかよ」

「ふん」

 

ハイコマンダードーパントが倒れている一刀の手からエンジンブレードを奪う。

 

「貴様、何を……」

「ちょうどいい」

 

ハイコマンダードーパントが見る先には関係のない一般人が数人いた。

 

「まさか……」

「お前達! 走れ!」

 

一刀が思わず一般人に走れと言い、言われた人達は思わず走り出す。

 

「ジェット」

 

ハイコマンダードーパントはトリガーを引き、ジェット弾を一般人達に当てる。

走ってはいたものの、ジェット弾の方が早いためにその攻撃は命中し、一般人達は倒れる。

 

「手前…」

「これであいつらを襲った犯人はお前になった。簡単には逃げれんぞ。じゃあな」

 

ハイコマンダードーパントは左手の装置でステルス機能を作動させ、消えた。

 

「くそ…」

 

一刀は変身を解く。

 

「大丈夫……ってわけじゃないな」

 

一刀が伴子につけられた爆弾を見る。

 

「とりあえず、誰にアダプターを渡した? そいつも昨日の事件の共犯者か?」

「そうよ……でも……」

「お前、このままじゃ死ぬぞ。俺はまだどうとでもなるが、お前の場合は命かかってるんだ。死にたくなければ白状して取り戻すんだな」

「……崇(たかし)よ」

「崇?」

「紫藤隆(しどうたかし)。最近私が組んでた男だけど、昨日あれを渡したらとっとといなくなったわ」

「じゃあお前があのアダプターを盗んだのは…」

「その男の依頼よ」

「じゃあ、その男をとっちめるか。その上であのドーパントを倒す」

「手錠とかしなくていいの?」

「俺は持ち合わせてない」

 

一刀が携帯に電話をしようとするが、なぜか使えない。

 

「くそ、いかれちまったか? 美沙緒に連絡できないな」

「美沙緒?」

「俺のパートナーだ。とにかくその崇のいそうな場所、案内しろ。いい加減離れないと警察がうるさいからな」

「でもあの人達は…」

「手当してやりたいが、その暇はないだろ。だがせめて止血だけはしておくか」

 

一刀はでかい絆創膏を取り出し、ジェットで傷ついた部分をふさぐ。

そして一刀と伴子はその場を後にした。

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一刀と伴子がハイコマンダードーパントと出会って約1時間後、ハイコマンダードーパントの策略により撃たれたことがニュースで流れていた。

 

『本日、午前11時ごろ、東京の…の路地で男女4人が撃たれて意識不明の重傷です。

容疑者は北郷一刀。軍の教導官であり、現在行方が分からず、警察は軍警察と協力し、北郷容疑者の身柄確保に乗り出してるとのことです』

「嘘!」

 

そのニュースを見て驚く喫茶店のマスター。

 

「あの北郷さんが……」

「彼がそんな人間とは思えないが……」

 

マスターと従業員の女性一人が信じられないという顔をする。

そしてそのニュースを見る一人の黒の短髪の男と長い黄緑色の髪をした幼女が一人。

 

「……」

 

男は広げていた新聞を折りたたみ、元あった場所に戻す。

 

「行くの?」

「ああ」

 

男が行くと言い出し、幼女も一緒にいこうとした時、軍警察の人間がやって来る。

 

「待て」

「なんだ?」

「軍警察だ。しばらく君達はここで待ってもらおうか?」

「どうして?」

 

幼女が尋ねる。

 

「今ニュースでやってるこの悪い人が行きつけのこの喫茶店に来る可能性があるからだよ、お嬢ちゃん」

「と言うわけでおとなしくしてもらおう」

「断る。俺達はこれからそいつを探しに行くんだ」

「な…」

「なんだと!?」

 

軍警察の人間が銃を取り出し、男に突きつける。

 

「なんだ? 脅しているのか?」

「そうだ!」

「めんどくさいな」

 

男はそういうといつの間にか軍警察の人間達の後ろにいた。

 

「行くぞ」

「うん♪」

 

幼女は男とともに喫茶店を出て行った。

男と幼女を止めようとは誰も思わなかった。

と言うより、なぜか動けなかったのだ。

 

「ねえねえ、さっき何したの?」

 

幼女が男に尋ねる。

 

「簡単なことだ。あいつらの秘孔ついて、その時の記憶を消しただけだ。動けなかったのはその時の反動」

「ふぅ〜ん、ところで秋山お兄ちゃんはあの人、悪い人だと思ってるの?」

 

秋山と呼ばれた男は答える。

 

「お前は悪い人だと思うか?」

「うう〜ん」

「じゃあ、決まりだ。あいつはな……はめられたんだ」

「それじゃあ助けないとね」

「そういうことだ。いくぞ、カオス」

「うん♪」

 

カオスと呼ばれた幼女からは針のような羽が現れ、秋山とともに空を飛んで行った!

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Bパートに続く

 

 

 

 

 

 

 

説明
この作品は「アクセル全開! 真・恋姫†無双」の後日談です。(「仮面ライダー×真・恋姫†無双 呉編  地を! 海を!  越える戦い」の後日談でもあります)
分からない人は本編(アクセル全開!)を読むことをお勧めします。
そしてこの話はVシネマ「仮面ライダーアクセル」を基にしたものです。
また、この話には特別参加のキャラが二人います。
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コメント
続き楽しみ!!(tukasa)
ゲストの人!! ってエターナル編も出そう・・・・・(アーマイル)
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