真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~ 16話 |
前を見るとこちらに関羽の隊が向かってくる。
兵達は皆疲れきっているようで、ここまで逃げてこれたのが不思議なくらいだ。
すると隊の中から一人の少女がこちらにやって来た。
「呉の方か?我が名は関雲長。援軍と思ってよろしいか?」
関羽は胸の前で手を合わせて挨拶をすると聞いてきた。
「俺は孫権、劉備殿に請われて君たちを助けに来た」
「では、桃香様は、姉者は無事なのですか!?」
「ああ、君の帰りを待ってるよ。だから行っておいで」
そう言って俺は関羽に城に向かうように指示した。
「しかし、後方からは曹操の兵が来ております。
助けてもらった上に私たちだけが逃げるなの出来ません」
関羽はそう言ってこの場に残ろうとした。
「……義にあついんだね。でも心配はいらない。
我が孫呉の兵は曹操の兵にも負けずとも劣らない強者ぞろいだ。」
「ですが…」
「それに、今回は戦うことはないだろう」
俺は関羽達がやって来た方を向きそう言った。
「……何故です?」
「う〜ん、勘かな?」
そう言って俺は雪蓮姉さんの真似をしてみた。
「勘などとふざけておられるのか!やはり私も…「いいと言ってるだろ」っ!」
俺は声を低く関羽の言葉を遮った。
「今の君たちの状態ではかえって足手まといだ。
それに戦わなくて済む考えもある。君は早く義姉さんを安心させてあげな」
そう言い俺は関羽の背中を押し、城の方へと向かわせた。
「……かたじけない。この恩はいつか必ず」
そう言うと関羽たちは劉備のいる城へと向かった。
関羽達が去り少したった後、夏侯と典の旗が見えた。
俺は指示を出し、兵達の陣形を整え馬に乗り前に出た。
「我等呉の地に何用か!」
俺がそう叫ぶと、二人の少女がやって来た。
一人は反董卓連合の時に華琳の近くに居た、確か夏侯惇だったか。
ではもう一人は典の旗を見るに典韋か。
「私は曹操様の家臣で夏侯惇である、こっちは同じく曹操様の家臣の典韋だ。
我等は勅命に逆らった劉備の討伐に来た。こちらに劉備たちが逃げたのは分かっている。
おとなしく通してもらおうか」
そう言うと夏侯惇は前に進もうとした。
「断る!劉備などこちらには来ていない。」
俺は通り抜けようとした夏侯惇の前に立ちふさがり進むのを止めた。
すると夏侯惇は、
「〜〜〜!えーい!通さぬか!私はきちんとこちらに劉備が行くのを見ている!」
キレた。
「通さぬと言うのなら力づくでも通らしてもらう!」
そう言うと夏侯惇は手に持った大剣を構えた。
「本当にいいのかい?曹操に言われたんじゃないか、深追いするなと」
「!?何故それを?」
「曹操は徐州の後は俺達呉を狙ってるんじゃないのか?なのに勝手にここで戦っても良いのか?」
「確かそんなことを言ってたような…春蘭様、今戦うのはまずいですよ」
「しかし流琉……」
「華々しい戦いを好む曹操のことだ、こんな事で自分の戦いに泥をぬられたくないだろう」
迷う夏侯惇に止めの言葉を言う。
すると夏侯惇は、
「む〜〜〜う!撤退だ!貴様!覚えていろよ!」
そう言い来た道を帰っていった。
どうにか戦闘は回避できたな。
華琳と同じところで学び、彼女の考えを分かっていなかったらやばかったな。
どうにか曹操軍との戦闘を回避し、帰ろうかとしたとき、
「大変です!兵站が!」
もしかして先程の夏侯惇たちが戻ってきたのか?
俺達に緊張が走り、慌てて兵站のあるところへと向かった。
そこに居たのは……
もきゅもきゅもきゅ
ピコピコピコ
もきゅもきゅもきゅ
ピコピコピコ
口いっぱいにご飯を詰め込み、触覚のようにはねた赤い髪の毛を動かしている女の子であった。
「…君は?」
「もきゅもきゅ…ごっくん……?…恋」
その女の子は一言そう言うとまたご飯を口に運びだした。
「それって君の真名だろ?真名じゃなくて名前のほうだよ」
それが俺達と
「……呂布…」
との出会いであった。
ということで第16話でした。
久しぶりの主人公登場に安堵です。
このお話の主人公はあくまでも一刀君ですよ〜?
そして恋が反董卓連合以来の登場!
次回はそのへんについて書きたいなと思います。
ではまた。さよならさよなら。
説明 | ||
第16話です。 連投?で疲れました。 今回は久しぶりの一刀視点。 最後にあの娘も登場! ではどうぞ。 |
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コメント | ||
恋さ〜〜〜〜んwww(JDA) 恋さん何やってんのwww(poyy) 勝手に忍び込んで兵站食べとる・・・(きの) |
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真・恋姫†無双 孫権 一刀 関羽 愛紗 夏侯惇 春蘭 典韋 流琉 | ||
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