怖いのが苦手なのに頑張ってこらえようとする健気なメリーさんと肝試ししたい! |
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メリーさんと肝試ししに行きたい ホラーな物を見ると面白い顔でギャーって叫び出すメリーさんがおもしろかわいくてちょっといたずらしたくなったから脅かすネタを考えてみたんだけどお化け屋敷とかよりはやっぱりちょうど夏だしってことで肝試しに連れていくのが一番かなと思い密かに近所の心霊スポットを探したい でもあらかじめ肝試しだよって伝えちゃうとメリーさんそんなの絶対いや!一人で行きなさいよ!って拒否っちゃうかも知れないし事前には何一つ伝えずに心霊スポットの近くの店に晩ご飯食べに行く名目で連れだした後帰りがけにさりげなく誘いこむという流れにしたい 計画を実行する当日の夜肉食系女子であるメリーさんをちょっと遠くのステーキハウスに誘ったらホイホイ乗ってきたのでこの後何が待ち受けているのかも知らずに……と嗜虐心が刺激される一方美味しいお肉楽しみーってにこやか笑顔るんるんステップで歩くメリーさんを見てたらすこしばかり躊躇う気持ちが生まれるのも確かだけど美味しいお肉の対価だと思って我慢してもらうことにしたい でもステーキハウスに着いてからメリーさんには遠慮しないで一番いいメニューを頼んでいいよって言うんだけどその言葉の裏に潜む真意をちっとも疑いもせずはしゃいじゃう素直なメリーさんや美味しい美味しいって大喜びでお肉を頬張る無邪気なメリーさんを見てたらますます決意が揺らいでしまってあんまりお肉の味もわからなかったんだけどそんな俺を見たメリーさんがさっきから浮かない表情だけどどうしたのよって気配りのできるいい子なところまで見せてくれてしまったために俺の邪なる決意が完全に崩壊してしまったのも致し方ないことだと思う 心配するメリーさんに何でもないよって笑って答えながら内心ではやっぱり楽しい思い出は楽しい思い出のままにさせてあげたいしそれを肝試しでぶちこわしにするのはよそうって自分の愚かな考えを悔い改めたい お会計を済ませて帰る道すがら美味しかったわねまた食べに来たいなって満足気なメリーさんがかわいかったしちょびっと後ろめたい気持ちがあったから無言でメリーさんの手を強く握ったらメリーさん俺の顔覗き込んでどうしたのよって不思議がるんだけどそのあどけない表情がまた素敵にかわいらしいからこんなメリーさんを前にしたらいや実は……って全ての企みを明るみに出したくなるのも無理はないと思う 俺の告白を聞いたメリーさん今日はなんか妙に気前が良いと思ったらそういう事だったのねと得心がいったお顔でうなづくんだけどその後のじゃあちょっとだけ見に行ってみる?って反応はまったくの予想外だったので心底びっくりしたい 当然えっメリーさん怖いの苦手じゃん無理しないでいいよって止めようとするんだけどこそこそあんな企みしておいてどの口が言うのかしらって言われ反論の余地がなくなってしまい押し黙りたい 続けてメリーさん別に心霊現象なんか怖くないしビビってるって思われるのは癪だからねって胸を張って言うんだけどちょっぴり表情が固いとこを見るとやっぱり怖いんじゃないのかなメリーさん 俺は止めたからね怖くなったらすぐ帰ろうねって予防線を張りつつ帰りのルートを変更してというか本来の予定通りのルートに向かってネットじゃ心霊スポットとしてちょっぴり有名な霊園の方に向かいたい 予防線を張る俺に向かって大丈夫だってばいつまでもバカにしないでよって強がってたメリーさんだけどいざ霊園の目の前まで来ると人気の無さとどことなく漂うおどろおどろしい雰囲気にカタカタ震え始めてたからやっぱり戻ろうかって言ったらこんなのどうって事ないわよいちいち戻ってたらめんどくさいでしょほらさっさと来なさいって俺の手を引っ張りつつ肩で風切る勢いで霊園を突っ切ろうとするんだけどその繋いだ手はちょっぴり汗ばんでてやっぱりメリーさん怖がってるんだなってのが伝わってきてちょっと可笑しくなったのと同時に怖いのを耐え忍んでこんな計画に付き合ってくれるなんてやっぱりメリーさんいい子だなってメリーさんの良いところを再確認したい まあメリーさんがいい子なのは確かだけどでも競歩みたいな勢いで歩いたら肝試しにならないってことだけはちゃんとメリーさんに伝えたい それを聞いたメリーさんわ、わかってるわよっ!って言いながら歩く速度を緩めるんだけどそれまで勢い良く歩いて真正面しか見てなかったのがゆっくり歩き始めると周囲まで見る余裕ができちゃって墓石の影を不安気にキョロキョロ見渡そうとしててかわいい そんなメリーさんにこんな歌知ってる?おばけなんてないさ おばけなんてうそさって歌って聞かせてあげたい いい歌じゃないそうよお化けなんて現実にいるわけないしって歌いながら歩いてたらだんだん元気が出てきたメリーさんかわいいなでも現実には居なくても故郷の幻界にはいるんじゃないかな……って思ってたらメリーさん急に俺の手を握る力が強くなって痛い!って小さく叫びつつもどうしたのってメリーさんを見たらそのかわいくておっきいお目目をさらに大きく見開いて横長でかわいい瞳孔も開ききった状態で遠くを見てたからなにかあるのかなと思って見てみたけど何も見当たらず何かあったのって聞いたらそこの物陰を何かが通った……って青ざめた顔でいうから猫かなんかだよって一笑に付すんだけど猫なんかじゃない!って叫ぶメリーさんのおっきな声で鼓膜破られそうになりたい 曰くなんかでかくて長くて白くてぐにゃーっとしてて変な物体が横切ったらしいんだけどその物陰を見に行っても特に何も居ないからメリーさん気にし過ぎで見間違えたんだよってなだめるんだけどメリーさんはどうにも納得行かない感じで怯えた様子のままだったからもう早く帰ろうと思ったんだけどそう進言したところでメリーさんまた強がってしまい逆効果になりかねないから何も言わずに腕を組んでそれまでよりちょっと早いペースで霊園を通り抜けたい メリーさんの体温を密着状態で感じ取って幸せだな…と思いつつ出口目指して歩きたい だがしかしいくら歩けども歩けどもなぜか出口に辿りつかず……というオカルトなことも特に起こらず無事数分後には出口を抜けていてそれまで緊張しまくりの挙動不審だったメリーさんもや、やっと出れた……とようやく多少の落ち着きを見せ始めた様子だったので最後に後ろからワッ!と大声を浴びせかけて例の驚きフェイスになりながら超速ダッシュで地平線の彼方まで駆け抜けていくメリーさんを走って追いかけたい 追いついた後はなんでそんな意地の悪いことするのよ!って怒られるんだけどでもメリーさんやっぱり怖かったんだねってニヤニヤしながら言ったらメリーさん何も言い返せず口ごもっちゃったからちょいと言いすぎたかなって反省しつつ頭撫でて落ち着かせてあげたあとドーナツ屋に寄って御機嫌取りしてからおうちに帰りたい
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